英文超誤訳「Climing Mt.fuji, he got hurt.」 作:テスト
(日本最大の山『霊峰』)富士に登った(彼は、とうとう山の頂に到達する。そこから見た景色は彼の人生で、間違いなく最上の景色であった。
辺り一面に広がる雪景色は、まるで地平線の果てまだ続くかのように広がりを見せる。雪と雲、そして青空ばかりの広がる景色を見ていると、このまま空まで行けるのではないかと思わせるほどであった。太陽の光を反射して輝く雪の中に佇んでいると、まるで神話の世界に入り込んだような気分になる。それほどまでに神々しく、神秘的な景色であった。ゴーグルがなければ、間違いなく目が潰れていたであろう程の光を浴びて、彼は空を仰いだ。間違いなく日本の中で最も空に近い場所。故にそれに手が届くのではと思い、手を伸ばすが当然届かない。
そのことに彼は、落胆と同時に好奇心が疼くのを感じた。ここまで登っても、まだ届かない空。ここまで登るのにかかった努力は、空に手を届かせうる程ではなかった。
つまりそれは、まだ先があるということ。これまで何の気も無く、ただただ生きるために生きていた、死んでいないだけの人生において、初めてと言える大きな感情の波が彼を襲う。
―――もっと先へ。
――――――あの空まで届くほど高く。
―――――――――あの空も超えて、たどり着いた景色が見たい。
それは、どんな景色なのだろう。
何がこの目に映るのだろう。
もしそこまで行けたのなら、どんなに心が震えるだろう。
遥かなる空に思いを馳せていた彼は、ふと視線を落とし、辺りを見回す。するとそこには、先程意識の外に追いやられていた無数の旗が立っていた。
それは、ここにたどり着いた証であり、記録であった。よく見れば、雪が積もっている旗がある。国旗を模した旗がある。各々の言葉の書かれた旗がある。
それらは全て、先人の到達の証であることを、心から感じた彼は、ブルりと震えた。そして、背中に背負った荷物の中にある旗のことを思う。
自分は、ここに旗を立てても良いのだろうか。自分は、果たしてそれに見合うほどのことができたのだろうか。
目を瞑り、これまでを思い返す。
――――――何の気も無しに生きていた自分に、声をかけてくれた友人を思う。
彼がいなければ、この登山計画は無かっただろう。そして、ここで得た経験や思い出、何より生きる活力は得られなかったであろう。
――――――アルバイト先の人々が浮かぶ。
資金のない自分がここに来れたのは、間違いなく彼らのおかげだ。
筋骨隆々な外見と裏腹に、情に脆い店長がいたおかげで、挫けず頑張れた。
登山経験のあるという先輩がいなければ、間違いなく途中で遭難していたであろう。また、こんな所まで付いて来てくれた先輩には、感謝の念が堪えない。まぁ、そんな先輩も途中でリタイアしてしまったが。仕方のないことである。高山病にかかった、もう一人の先輩を一人で返すわけにはいかない。
その先輩と共に参加してくれたもう一人の先輩を思う。彼はムードメーカーで、挫けそうになる度、励ましてくれた。そんな先輩も、環境の変化に耐えられず、高山病でリタイアしてしまったが。彼がいなければ、きっとここまで楽しい登山はできなかった。
――――――ここまで一緒に来た、登山仲間の人たちを思う。
彼らがいなければ、所詮少数だった自分らが山頂にに着くことはなかっただろう。
励ましあって、一緒に来た頂の景色は、想像以上に格別なものだった。
そして思う。
自分には、自分一人には、旗を立てる権利はないかもしれない。
しかし、ここまで付いて来てくれた人には何かの形で報いたい。
だから、この旗は自分だけのための旗ではない。
この旗は、感謝のための旗だ。
これまで、何の意味もなく生きていた自分との、訣別の証だ。
そのための旗を突き立て、気付く。
友人だ。駆け寄って来ている。
この登山組の中の、数少ない女性である。
彼女が駆け寄ってくるのを見て、思う。
なぜ彼女はここまで付いて来てくれたのだろう、と。
別に、登山が趣味ではない彼女に、ここまでくる意味はないはずだ。
なぜ、ここまで来たのか。
男の先輩すら音を上げた登山についてくるのは、かなり大変だったはずなのに。
もしかして、と思う。
その思考の有り得なさに、思わず笑いが込み上げる。
有り得ない。そんなはずがない。
だが、もしもそうなら。
その先の思考はさえぎられた。
友人が、写真を撮るので、集合することを伝えてきたのだ。
友人が、歩く方についていく。
その背中を見て、ふと思う。
先程の思考がもし真実なら、どうなのか。
恥ずかしくなったので、無理やり思考を打ち切り、写真のことを考える。
どうやら、登山仲間の一人がとってくれるようだ。
笑顔とピースを作って、カメラを見る。
すると、誰かがのしかかってくる。
友人だ。
またしてもこちらに来た友人に、他にも場所があるだろうとことを言うと、ここが良いと笑顔で言ってきた。
不覚にも、その顔に鼓動が高鳴ってしまった。
仕方ないので膝をついて、彼女を背中に寄りかからせる。
満足そうだ。
カメラを見ながら、三度思う。
もし、真実なら、どんなに良いだろう。
そこまで思って、気付く。
今までのように、彼女を見ていないことに。
もう友人として見れないだろうことに。
そして、
後戻りできないことに。
気付いてしまった。
ならもう知らなかったころには戻れない。
無かったことにはできないのだ。
それならいっそ――――――
そう思った自分はすぐに行動に出た。
実は自分は、割とアグレッシブだったことに気づく。
この気持ちを、伝えてみよう。
彼女は、どんな反応をするだろう。
「ねぇ、‐―――――
それを聞いた彼女が顔を真っ赤にして慌てふためく。
周りの人が、はやし立てる。
ちょうど、最後の一枚のタイミングだった。
最後の一枚に映る自分たちは、
最後の一枚に映っていた僕らは、とても、とても、楽しそうだった。
これが、彼の物語。
長い人生の幕開けにして、その一幕。
現思い人の元友人から、彼は恋心を得た。
全ては、恋ゆえに。
この思いはきっと、消えないだろう。
この恋は、心に残り続けるのだろう。
それはまるで、一筋の傷のように。
癒えてもなお、残り続ける古傷のように。
僕はこの日、その心に「初恋」という名の、癒えない傷を負った。
終わり
訳:彼は、富士山に登ったので、傷を負った。
注意:本文は誤訳です。
こっちのものが正しい訳です。
彼が思い人と結ばれたか?
ふられてそう?
……さあどうでしょうねぇ。
解釈は自由です。
ただ一つ。
私は、ハッピーエンドが好みです。