我が手には星遺物(誤字にあらず)   作:僕だ!

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※脚注による補足、元ネタの簡易解説完了(仮)

「どういう…ことだ…」
発言者「遊戯王ZEXAL」天城カイト。

「私は! 私自身と遊馬でオーバーレイ・ネットワークを構築!! 来い! 遊馬!!」
「かっとビングだぁー! オレー!!」
「「エクシーズ・チェンジ! ZEXAL!!」 」

「どういう…ことだ…」
簡潔にいうと「カードゲームで戦っていたら、対戦相手がいきなり現れた別の人間と合体した」。それはこんな反応になっても当然である。
だが、デュエリストが別の何かと融合するのは、遊戯王ではよくあることなため、よく訓練された決闘者たちはさほど驚かなかったとか。


原作開始前
どういう…ことだ…


さて。

色々と言いたいことがあるが、ワタシを見ているどこかの誰かさんがいたとして、その人にこう聞いてみることにしよう。……()()()になっているのであれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

もしも、いつのまにか己が別人になっていたらどうしますか?

重ねて聞くと、もし、そのなった別人が知っている人物だとしたら?

 

その答えは人それぞれだろうし、なった時の状況、なった人物の置かれている環境、その将来によって、いくらでも変わってしまうことだろう。

 

 

……まあ、何を言いたいかといえば、ワタシの場合は「あっ、これはダメですね(白目)」と思ったってだけのことだ。

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

目覚めたワタシがいたのは、見知らぬ病室だった。

そこを病室と判断した理由は、ワタシが寝ていたベッド以外は特にこれと言ったモノは無く、部屋の端に洗面台と鏡、そして簡易的なイスがふたつほど備え付けられてる程度だったから。あとは、なんとなく独特の薬品臭さがわずかにながら感じられたからというのもある。

 

そう言った室内の情報を得られたのは、目覚めたワタシが寝ぼけ眼で「ここ、どこ?」と辺りを見渡したから。大体わかったところで、ベッドで上体を起こしていた身体に、その視線の高さに、それと首を動かすのにつられてフワフワサラサラとなびく長い髪に……とにかく色々と違和感を覚えて、まさかまさかと慌てて鏡の前まで駆けて行った。

鏡に映った『少女(ワタシ)』を見てワタシは「まさか、()()()?」と、今のワタシ自身の姿に既視感を覚えた……が、その時には確信には至れなかった。

 

ワタシが記憶している姿よりも()()()()気がするが……その顔や青く長い髪などといったパーツ、そして鏡には映っていないが見下ろせば見える体のプロポーションなんかも『()()()』に似てはいる。

けれど、問題なのはその他服装などの点がズレているために、どうにも「そうだ!」とは断言できそうになかったのだ。

 

というか、判断しきれないのは()()()は服装と持ってる物が特徴的すぎるせいもあるだろう。

状況はわからないが、病室なので検査服っぽいものを着せられてるのは仕方ないとして、()()()()()()()()()()()……。

 

 

ゴッ!!

 

 

頭に走った衝撃と共に、視界がチカチカ点滅して、尻餅をついて……右手側からはガタゴトと何か硬いモノが落っこちたような音が。

その音を聞いて、「きっと頭への衝撃はソレが落ちてきたからだろう」とまだズキズキと割れるように痛む頭を押さえながら、音のしたほうへと目を向けると、そこにあったのは――()

 

棒状の杖の端、その片側には球体と杖に巻き付くような装飾が。反対の端にはまるで鍵のような板状のギザギザの装飾が……それぞれについているという、なんとも特徴的な杖は言うなれば『鍵杖(けんじょう)』とでも言うべき一本。

 

何故、そんなモノがここに?

もっと言えば、なんで頭の上から降ってきた?

 

だが、それ以上にワタシのまだまだ痛む頭の中では「ヤバイヤバイ、マジでヤバイ」という言葉がBGMのように繰り返されていた。

 

 

そう、もうほぼ確定してしまったのだ。

今のワタシが、その身体が()()()――――前ワタシがいた世界でカードゲームとして知られている『遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)』。その中の一枚のモンスターカード、《星杯(せいはい)(いただ)巫女(みこ)》こと『イヴちゃん』であるということが。

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

頭上から『鍵杖(けんじょう)』が降ってきた後、ワタシの居た病室には数人の()()が慌てた様子でなだれ込むように入って来た。

鍵杖(けんじょう)』を取り上げられ、ワタシは抱え上げられるようにしてベッドへと戻された。

鍵杖(けんじょう)』が室外へと持って行かれるのを私を抱え上げてた男の人の肩越しに見て「アレが無かったら、やっぱり《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》とは判断しにくいよなぁ」なんて考えたらパッと瞬間移動して、ベッドに座ってるワタシの膝の上に落ちてきた。本当に()()()()膝の上に落ちてきたので、いわゆる「皿」なんて言われる部分に当たった後、音を立てて床に落ちた。……もちろん、ワタシは痛みで膝を抱える羽目に。

 

 

そんな事もあったが、その後ワタシはベッドの上で数人の人間からワチャワチャうるさく話を聞くこととなった。

()、正直なところあんまり憶えていない。というのも、その時のワタシの頭の中はワタシの――正確にはワタシの外身である《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》のことで頭がいっぱいになっていたからだ。

 

 

 

星杯(せいはい)(いただ)巫女(みこ)

水属性・レベル2・魔法使い族・通常モンスター 攻 0 守2100。

星神(せいしん)鎮魂(ちんこん)(いの)りを(ささ)げる巫女(みこ)

()にした(つえ)代々(だいだい)()()がれし祭器(さいき)であり、(ちから)結界(けっかい)に変えて機界騎士(ジャックナイツ)による支配(しはい)から(もり)(たみ)守護(しゅご)している。(もり)守護竜(しゅごりゅう)(なつ)くほどの神通力(じんつうりき)をその()()めているが、普段(ふだん)(あに)幼馴染(おさななじみ)大切(たいせつ)(おも)う、心優(こころやさ)しい少女(しょうじょ)(かお)()せる。

 

 

 

……専門用語(?)が混ざっている上、これだけだと何を言ってるのかわからない部分も多々あるだろうが、「そういう設定を持ったキャラクター(モンスターカード)」だと知って貰えればいい。

 

 

自分自身がその《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》であると確信を得てしまったワタシは、先に述べたように「あっ、これはダメですね(白目)」と思ったわけだ。

 

 

何がダメなのか? 簡潔に言えば、《星杯を戴く巫女(彼女)》が登場する物語(ストーリー)が色々とヤバいのだ。

 

どこから説明すればいいかいまいちわからないが……まず『遊戯王』の物語(ストーリー)と一言で言っても詳しく表現すれば「原作遊戯王」、「アニメシリーズ」、「OCG」などと分けることができることを知ってもらいたい。

もっと言えば、「OCG」の中でも「テーマ*1関係」、「特定カード(モンスター)関係」、「DT(デュエルターミナル)*2世界」その他諸々に細分化されるのだが……《星杯を戴く(イヴちゃん)》は「星遺物(せいいぶつ)」の物語(ストーリー)という広い枠組みの中の「星杯」というテーマに属するキャラクター(モンスター)なのだ。

 

 

「星杯」というか「星遺物」の物語(ストーリー)は、結構長くなるので詳しい内容はひとまずこの場で一から十まで解説することは止めておこう。やり出すと考察を含めてもの凄いことになりかねない。後日、随時思い返してみようとは思うが……予定は未定だ。

 

とにかく問題となるだろうことは、何の因果かワタシがなってしまった《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》を待ち受ける運命が、大雑把に見ても()()()のだ。

 

 

 

まず、彼女のフレーバーテキストにあるように、初めは森で兄と幼馴染、その他森の民と共に、星神に祈りを捧げて暮らしてきた。

しかしある時、兄や幼馴染と共に《星杯(せいはい)妖精(ようせい) リース》*3と出会い《星遺物(せいいぶつ)―『星杯(せいはい)』》*4を解放。結果、リースの言葉もあり、その妖精と兄・《星杯(せいはい)(いざな)われし(もの)*5と幼馴染・《星杯(せいはい)(えら)ばれし(もの)*6、そして森の守護竜・《星杯(せいはい)守護竜(しゅごりゅう)*7と共に「星遺物」と呼ばれる星神*8が遺した7つの遺物「星遺物」*9を巡る旅を始めることに。

 

その旅が、まあ……その、大変なのだ。

 

細かい所は追々説明するとして、大まかな流れだけ()()()説明すると……

 

 

――――イヴちゃんの一生―――――

 

 

一行と機怪蟲(クローラー)*10が遭遇、戦闘に。

機怪蟲(クローラー)との戦闘のすぐ後、機界騎士(ジャックナイツ)*11の手によりイヴちゃんが捕縛・攫われる。

幼馴染&兄&守護竜&リース、機界騎士(ジャックナイツ)の本拠地に。イヴちゃん、機界騎士(ジャックナイツ)に尋問される。

幼馴染&兄&守護竜&リースと機界騎士(ジャックナイツ)戦闘開始。その最中、機界騎士(ジャックナイツ)を幼馴染&兄&守護竜で引き付け、その間にリースを囚われのイヴちゃんのもとへ行かせる。

リース「助けに来たよ……な~んちゃって!!」 イヴちゃん「」←乗っ取られ《夢幻崩界(デストロイメア) イヴリース》*12に。

同様に、機界騎士(ジャックナイツ)も「トロイメア」*13へと変容。

「トロイメア」との戦闘に入るが……兄「こいつらはオレが引き受けた、先に行きイヴを助けてくれ!」 幼馴染&守護竜「任せろ!」

イヴリース「どっかーん!」 幼馴染&守護竜「ぐわーっ!?」

イヴリース「あはははっ!!」 幼馴染「も、もうだめなのか……」

守護竜「がおー!」 その時、不思議なことが起こった!! イヴリース「きゃ~!?」 身体の主導権をなんとか取り戻すイヴちゃん 。

イヴリース(イブ)「この状態がいつまでもつかはわからない。なら……!」 イヴリース(リース)「や、やめろー!?」

イヴリース、ZIGAI。

兄が駆けつけた時、そこにはイヴちゃんの亡骸を抱き抱える幼馴染と泣く守護竜が。マモレナカッタ……

 

 

――――FIN――――

 

 

……で、終わらないのが、この物語だ。

この後も、基本的にはロクな目に逢わない物語が続く。

 

そう。なんと、幼馴染と守護竜のもとを去った例の兄が、イヴちゃんの遺体と何かの装置、そしてイヴちゃんを模して作られた機械人形を用いて何やら研究(?)を始めたのだ。

察しがいい人ならばすでに気付いてるだろうが、兄の目的は(イヴちゃん)の蘇生。

 

その目論見は見事成功。イヴちゃんを模した機械人形《オルフェゴール・ガラテア》*14は動きだした。だが、完全なる復活にはまだ及ばない。

故に、兄は「オルフェゴール」

*15

の軍団を作り、塔を築きあげていくのだった。

……が、運命の悪戯か、数年前別れた幼馴染と守護竜、そして別れた後に彼らが多数の部族をまとめ上げた軍団「パラディオン」*16との抗争へと突入することとなる。しかし、兄は、かつての仲間との戦いを前にしても決して止まることは無かった。

 

その執念もあってか、戦況自体は「オルフェゴール」軍団が圧されていたが計画は進められていき《オルフェゴール・バベル》……否、《星遺物(せいいぶつ)―『星杖(せいじょう)』》*17が起動、連鎖的に《星遺物(せいいぶつ)―『星柩(せいひつ)』》*18も起動し、「星遺物」が()()され――――そして、()の悲願は達成された。

 

 

 

リース「復活ありwww」

 

兄「……はっ?」

 

 

 

そう。兄は妹を蘇らせようとしていたのだが、実際はリースの手のひらでコロコロ転がされていたのだ。

 

この後、兄が大変なことになったり、リースが超進化しちゃったり、実はイヴちゃんはイヴちゃんで別経路で復活を成しちゃったり(結果的にはある意味兄のおかげ(せい)だったりする)――その前に、守護竜が一回乗っ取られた(?)りもしていて、かなり混沌とした状況に。

そして、戦いは最終局面へ――――――

 

 

 

 

―――――――――

 

 

…………と、まぁ「星遺物」の物語(ストーリー)の大まかな流れは以上だ。

 

その結末は、()()公開されておらず……というか、そもそもここまでの流れも考察や推測をどうにかこうにかまとめ上げただけで、正しい話ではなかったりする。

 

そもそも、原作やアニメシリーズとは違って「OCG」関連のストーリーは、通常カードに書かれているテキストや各テーマのカードの絵、「Vジャンプ」*19などの雑誌類で先行公開された際に書かれる情報などから推測するしかないのが基本なのだ。

「マスターガイド」*20と呼ばれる公式本が出て、その中で取り上げられたりするまでは考察の域を脱せない、公式見解の無い状態である。

 

 

……とはいえ、だ。

いくら甘く見積もったとしても、《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》という存在(キャラ)の行く末は波乱万丈もいいところだろう。困難って意味では幼馴染や兄もだが……変身したり、乗っ取られたり、死んだり、なりすまされたり、生き返ったりととにかく大変。

ついでに言えば、《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》が持っていた『鍵杖(けんじょう)』も持ち主や形状を一転二転することになったりと大変なことになったりも……。

 

 

というか、「星遺物(せいいぶつ)」ストーリー自体、()()端末(DT)世界」との関連性*21が示唆されてしまっている時点でハードモードすぎる。

「DT世界」は結局、最後はなんだかんだで小さな希望が残ったりちょっとした救いがあったりしたが、世界はボロボロ、登場人物の大半は死亡、かわいこちゃんは基本ロクな目にあわない……その上、神様たちは揃いも揃って世界をリセットしようとするというトンデモだ。

関連性のある「星遺物(せいいぶつ)」ストーリーも「端末(DT)世界」と同じく一歩間違えれば救いの無い絶望真っ逆さまな展開になってしまうに違いない。きっと、《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》が祈っていた「星神(せいしん)」だってろくでなしに違いない。救いなんてあるんですかねぇ?

 

 

故にワタシは「あっ、これはダメですね(白目)」という結論に至ったわけだ。

 

 

 

 

 

――――それはどうかな? *22

 

 

 

 

 

一度冷静になって考えれば、見えてくるものもある。

仮にワタシが《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》になっていたとして、必ずしも彼女と同じ運命を辿るとは限らない。例えば……周りの環境はどうだろうか?

 

ワタシの記憶している限りでは、《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》がこのように着替えさせられて病室にいたような(状況)は無かったはずだ。

軟禁という意味では機界騎士(ジャックナイツ)に囚われている最中にそのような場面があった可能性も否定しきれない……が、あそこにいたのは機械兵士ばかりでさっき会ったような人間(ヒト)はいなかった。そもそも、あの時の《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》とは違って今のワタシは拘束具などもつけられていない状態で、施設そのもののセキュリティは不明だが拘束そのものがかなり緩かったりする。

 

それに、病室にあるベッドや洗面台等を見てわかる範囲ではあるが「星遺物」ストーリーの世界の生活水準からは良くも悪くもズレている。ファンタジー云々もあるが、あの世界では()()()()()じゃないだろう。

むしろ、これはワタシに馴染みのある「遊戯王OCG」の存在する世界と同じくらいの水準に思える。

 

 

あとは……周囲の人間、その他か。

 

将来イケメソになりそうな同年代の男の子(幼馴染)。イヴちゃんを溺愛する槍を持ったお兄ちゃん()。竜というよりはむしろ子犬みたいな幼竜(守護竜)

 

環境が違ったとしても彼らが揃い踏みした場合「爆弾を抱える」とまではいかないかもしれないが、ワタシは自分の置かれた状況を楽観視することはできなくなるだろう。

特に兄。味方としては頼もしいけど、病む可能性を秘めてしまっているため、取り扱い注意だ。

まあ、その3名が不在であっても――むしろ不在なら一層やばくなるかもしれないが――一番の問題児である《星杯(せいはい)妖精(ようせい) リース》が現れた時点でアウトなんですけども。

 

 

……こんなことなら、最後までこの病室に残ってワタシに話しかけていた女の人から色々と聞いておくべきだったなぁ。

星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》のことを考えてて、話半分に聞き流してしまってたから話の内容は曖昧にしか憶えてないけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

なにはともあれ、今後の事を考えるためにも早く情報を集めたいものだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

良い話と悪い話、どっちを先に聞きたい?

ワタシはもっぱら「悪い話を先に」派。

 

 

 

悪い話だが……衝撃の事実、ワタシは喋ることが出来ないらしい。何故だ?

それが判明したのは、例の女の人とワタシを抱き抱えたあの男の人、その他2名が病室に来た時。聞きたいことを聞こうとして口を動かそうとするも声が出ない――――どころか、思ったように口そのものが動かせなかったからだ。

 

星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》のCV.誰だよ!?

 

……それは超個人的な興味であって、問題はコミュニケーションがロクにとれそうも無い事だ。ついでに、喋れないことを察した女の人が筆談用にと紙とペンを渡してきたりもしたが、書こうと思うと何故か身体が固まり、手だけは怖いくらい震えてペンを落してしまった。

つまりワタシは、辛うじて首を縦、横に振って意思表示をすることくらいしか出来なかったのだ。

 

 

 

そして、良い話……ワタシは身元不明らしい。

 

それの何が良い話なのかって?

主人公な幼馴染も、槍持ったシスコンお兄ちゃんも、守護竜(わんこ)もいない! ついでにフラグてんこ盛りでしかない星遺物巡りをさせようとしてくる妖精(リース)も影も形も無い! そんなの嬉しいに決まってる!!

フラグなんて無かった!!

 

 

……不明ってことは後々何かしら判明する可能性ももちろんあるわけで、絶対安心なんてことは言えない。それに、ワタシが《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》であることはほぼ確定しているのだから、不安要素はヘタすりゃ一生つきまとってくるだろう。

けど! この世界はわかる限りじゃあ以前ワタシが居た世界とほぼ同じような世界なのだ。「星遺物」ストーリーのような過酷な状況にまでいくわけがない。

 

何故か得た《星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》としてのこれからの人生、不安が無いわけじゃないけど、とりあえずはビクビク怯えて生活する必要も無さそうだ。

 

 

 

あっ! 「これからの人生」で思い出したが、とりあえずではあるけど身元不明のワタシのことを預かる人が決まったそうだ。

「少女とはいえ、悪い人かどうかもわからない身元不明の人を預かるって色々と大丈夫なの?」という疑問がありはしたが、拘束されて牢屋生活っていうのも、逆に寒空の下にこの身一つで放り出されるのも勘弁なワタシとしては有り難いので、提案されたままに頷くことで流れに身を任せることにした。

 

 

ワタシを引き取るのは、ワタシのことを知ってる風に言ってた()()()()()()()()()()――――ではなく、《 ()()() ()()() 》という名の、カラッとした印象の赤毛の女の子だった。

 

女の子と言ってはみたが、少し幼くなっている《星杯を戴く巫女(今のワタシ)》はもちろん《星杯を戴く巫女(大元のイヴちゃん)》よりも歳上だろう。おそらくは、二人で並べば()()()()()()()()()くらいには見え……いや、髪色とか顔つき的にそれは無理かな?

 

まあ、《 ()()() ()()() 》は少し前から《 ()()()() ()()() 》というもう一人の女の子と一緒に歌手活動をしているらしく、結局のところワタシは《 ()()() ()()() 》以外の人にもお世話になるらしいのだが。

 

 

 

なにはともあれ、フラグは折れ消え去った。

これからは、将来の夢でも気長に探してみることにしよう。

 

*1
《星杯~》や《E・HERO~》などという名前に一貫性のあるもの、所謂カテゴリ

*2
一昔前に稼働していたアーケードゲーム。百円を入れて筐体に読み込めるカード一枚+ミニゲームや簡易的な決闘ができるものだった。

*3
効果モンスター星2/光属性/天使族/攻 100/守2000 浮遊する4つの機械から投写されているように見える妖精

*4
効果モンスター星5/闇属性/機械族/攻 0/守 0 イヴたちが最初に起動した星遺物。下手なビルよりも巨大だと思われる。対応する色は「青」

*5
通常モンスター星4/地属性/戦士族/攻1800/守 0 「ニンギルス」フレーバーテキストの「本人はたった一人の妹を守る為だけにその槍を振るっている」という一文が重い

*6
通常モンスター星3/炎属性/サイキック族/攻1600/守 0 「アウラム」フレーバーテキストに「星辰の森に古くから伝わる『星の勇者』に憧れており」とあるが星の英雄の詳細は未だに不明

*7
効果モンスター星1/風属性/ドラゴン族/攻 400/守 400 「イムドゥーク」幼竜というよりはもはや子犬

*8
過去に「星神」と名の付くモンスターが2体存在。決闘者は「あっ」と察して終盤に登場するであろうことを予知したとかなんとか

*9
杯・鎧・盾・槍・冠・杖・柩の7つ。虹の7色と同じ色にそれぞれ対応している

*10
兄のテキストにもあった存在。機械のような虫集団。普段はある程度大人しいが《星遺物-星鎧》に接近した結果活発化

*11
イヴのテキストにあった大柄な人ほどの体格をした機械集団。星遺物と同じく虹の7色と対応するコアを持ち、例外を除いて7体存在する

*12
所謂闇堕ち。基本は黒くなったイヴだが、頭や胸元の装飾、浮遊する投影機などがリースのものと酷似している

*13
破損部分を補うジャンク、ジャックナイツのパーツとそのコアを包む半透明の体から形を成す6体。諸事情により青はおらず7体目はイヴリース。モチーフは7つの大罪を象徴する生物とされる

*14
リンクモンスターリンク2/闇属性/機械族/攻 1800 胴の一部がオルゴールのドラム風なのを中心に各所に楽器要素を孕んだ機械人形。首にはイヴがつけていたリボンが、武器には自害の際に使った青の機界騎士の刃が見受けられる

*15
一部を除き、身体が楽器で形成されている集団。楽器の種類は様々だが、基本色は黒とメタリックな金銀で統一されている

*16
ジャックナイツによって分断されていた、多種多様な種族ごとの部族たち。アウラムの呼びかけで一致団結した結果パラディオンという一軍団となった

*17
バベルの真の姿である巨大な杖。起動した際には先端は大気圏を突破するほど。対応する色は「黄」

*18
例に漏れず巨大なひつぎ。起動することで龍脈を通じ他の星遺物もろとも真の姿を表すことに。対応する色は「緑」

*19
「月刊遊戯王」などとも呼ばれる月刊誌。しかし、一時期よりも遊戯王漫画も減り遊戯王の割合は減少傾向。が、有用な遊戯王カードが付録された場合、発売日すぐに書店から消えるなど影響力は大

*20
約3年……アニメの1シリーズが終わった後ごろに発売される本。期間中発売されたパックの収録リストや付録カード一覧、大会の景品他、一部カードやテーマのストーリー解説がある

*21
「星神」関係など

*22
使用者「遊戯王」闇遊戯 他多数。 細部に多少の変化があるが、全シリーズ通して使われる台詞。主に対戦相手の「このまま〜すれば勝てる」といった勝利フラグや「この伏せカードで返り討ちにして〜」などの敗北回避フラグをへし折る際に使用する

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