我が手には星遺物(誤字にあらず) 作:僕だ!
イヴちゃんパートの欠点……注釈補足量の多さ。一周回って1人だけ軽すぎる。
そんなこんなの最新話!
昨日、更新された文をまだ読んでいない方は、そちらを読んでからどうぞ!!
――――うわあああぁあああっ!!??
体中に走る
それに伴う、熱と痛み。
逃れようにも拘束され動けず、襲い来る電撃に耐えることしか許されない。
一度おさまっても、また襲い来る。大抵の場合その出力が増加されて。
熱い。
痛い。
苦しい。
電撃を受けている存在を見る誰かの顔は――――
―――――――――
「『何? レベルを持たないならレベル0ではないのか!?』」*1*2
「……お前は、寝言までおかしいのか?」
痛たたっ!?
体中が痛むぅ!? ……って、あれ? どこだここ?
跳び起きた――というか、跳び起きようとしてまた倒れた――ところは当然ベッドなのだが、部屋の様子がどうにもしっくりこないというか。
カナデの家でもなければ、ツバサの家でもない。でも、どっかで見たことがあるような……?
「相変わらずのマヌケ顔に戻ったが、さっきの狼狽っぷりは……いったい何の夢を見ていたんだ?」
ん、先程から声のしてる方へと目を向けてみると、予想した通りの人物がそこにはいた。
何の夢って……うーん?
電撃、痛み、叫び声とくれば……たぶん、あれだな。
「遊戯王5D‘s」主人公・遊星が、収容所で電撃拷問を受けている場面だな。
物語の鍵となる人の腕に宿る「赤き竜の
とはいっても、そんな内容よりもパンツ一枚にひんむかれた遊星の姿や電撃後のレ●プ目、迫真過ぎる叫び声……そして、収容所の所長である太った男・
まぁ冷静に考えてみれば、開始から数話で主人公が逮捕・裁判で有罪・「社会不適合者」呼ばわり・シティでの生活権の無い事を示す烙印を押されるホビーアニメってどういうことだ、って話なんだけども。
……あれ? ワタシが跳び起きた時に言ってた
ま、まぁそんな夢のことはひとまず置いておいて……現状把握の時間だ。
わたしが傷だらけでベッドに寝ている理由……
落ち着いて思い出せ、何かあったはずだ。
って、ああっ!!
そうだそうだ、あの
あの後、どうなったんだろうか? というか、あれからどれくらいの時間ワタシは寝ていたんだ?
そしてここはアレだな。うっかりしてたが見覚えがある……
政府の息のかかった病院であっても、ワタシを入院させるのは問題があったんだろう。ワタシ自身の特異性はモチロン、「
というか、なんだ
ベッドに寝っ転がっているワタシを、まるで残念なものを見るかのような目で見てきて……ああ、うん。
そしてコレである。
いやまあねぇ? 心地良いとは言えない視線ではあったけれども、そんな不満タラッタラな態度は流石にどうかと思うぞ?
仮にも上司であり、保護者でもあり、
「気にするな、大したことではない……いつも通り過ぎて面白みが無かっただけだ」
イスの脇にある簡易的な机にマグカップを置いたフィーネが、
んっ? ……お?
な、なにしてるんだ、この人は……!?
「
考えを読もうと、その顔をしっかりと見ようとするんだけど、上手く見えない。
だってフィーネってば、そっぽむきながらなでてるんだもの。……何? 照れてるの? なんで? 意味わかんないんですけど?
「あの「融合症例」・立花響を戦場から遠のかせるような真似をした時にはどうしてくれようかと思ったが……まさか、あえて遠のかせることによって周りからの救援が遅れるようにして、そこに
えっ……え? なんのこと――いや、ヒビキちゃんがミクちゃんと流星群観に行くためにワタシが民間人の避難誘導&護衛の代打をかって出た流れのことか。
でもって「けしかける」……もしかして、「アイツ」ってのはオッP*8なクリボー(仮)ちゃんのことか?
うん、わかったけど、わからないです。
なんのことかはわかった。だけど、なんで褒められているのかがよくわからない……というか、わかりたくない気が……。
「その上、あえて手傷を負った状態でいることによって立花響が戦わざるをえない――「戦わなければ」と思わせる状況にし、さらには
なおもワタシの頭をなでながら「その知略、正に身を削る献身……悪くない」などと言うフィーネ。
明後日の方向見てるので、ギリギリ横顔がチラッと見えるくらいなんだけど……口元が微妙にニヤついてるのと……あと、こころなしか顔が赤みを帯び出るような?
ツンデレ……というか、まさか、人を褒め慣れていないとか?
いやいや、「リインカーネーションシステム」とかいうので、蘇って何度も人生歩んできてるはずのフィーネがそんなはずないだろう。
「……くっ! まさかお前を褒める日が来るとは……!!」
ワタシ限定か。
そんなに、褒められたことってなかったか?
……いや、そもそも
だって、ワタシたちがフィーネと会うのなんて基本遠目で見たって程度だし……あとは、たまに実験の時や、もしくは
――と、そんなことを考えている最中に、割り込むような形でフィーネの声がワタシの耳に入った。
「そう、上手くいっていたというのにアイツが余計なことをしたせいで……! よりにもよってお前を狙い続けるなどという愚行を。「戦うな」と言い聞かせたというのに……勝手が過ぎるアイツはこれからは使えそうもない、か」
それ、本当にちゃんと伝わってたんですか?
というかまずあのクリボー(仮)、ワタシのことよく知ってるっぽかった割には仲間どころか完全に敵扱いだった。それによりフィーネがクリボー(仮)に「
まあ、実際は仲間でも手下でもなく、
フィーネはそうは思ってないみたいだけど……それはそれ、
「子供も何も、お前の方が年下だろう。まさかとは思うが、例の杖の聖遺物は持ち主を不老不死にするなどという力があったり……はしないか。
なんかよくわからんうちに勝手に納得したぞ、このフィーネ。
というか、最初の方は「また変なこと言ってる」みたいな反応だったのに、今のは言葉のままに受け止めるのか? いったい、どこを基準に判断しているんだろう?
ワタシは怪訝な顔をして……はいなかったんだろう。
ワタシのことを見ていたフィーネは「さて」とワタシの寝ているベッドから離れていった。
「いい加減、お前が目を覚ましたことを連中にも伝えなければな。おそらく……いや、ほぼ間違い無く風鳴弦十郎が真っ先に来るだろうから、それまでに色々と気持ちを落ち着けておけ」
「『ン熱血指導だ!』」*11
あっ、今度は「何言ってるんだコイツ」って顔された。
そんな部屋から出ていく
……さて、ワタシはこれからどうしようか?
間違い無くこの
故に、ノイズやあのクリボー(仮)ちゃんを使って裏でなにやらやっているフィーネは敵であり、ワタシは止めるべきなんだろう。
けれど、
さっきの様子からもわかるように、フィーネはワタシのことを仲間……もしくは、ちょっと使える手下くらいの認識でいるっぽいことは抜きにしても……だ。
そうあの時思い出した
――――
だって、考えてもみてほしい。
フィーネは大昔から生き続けている存在。その始まりは「先史文明期*12の巫女」だという。
憶えていて欲しい、「巫女」はロクな目に合わない。
遊戯王の歴史……漫画、アニメ、
アニメでは「萌えない巫女*13」と呼ばれるキャラやOCG出身のカードの精霊《海神の巫女》*14が登場していたりするし、OCGでは《
それらの全てがロクな目にあっていないかと言われればそうではないのだが……ご存知《
さらに言えば、「星遺物」ストーリーと関連性が示唆されている「
その《ガスタの巫女 ウィンダ》なのだが、「星遺物」ストーリー以上に長くなってしまうので本当に端的に言うと……
数々の戦乱に巻き込まれたうえに、かつての恩人に攻め込まれたりなんたりありながら、絶体絶命の状況の中で最後の頼みの綱である「ガスタ」*18が崇めていた神に祈りを捧げていたら、神――《
《創星神sophia》「お前ら争い過ぎ、一回全部壊してから新しく作り直すわ」(意訳)
なんと崇めていた神は、リセット系神様だった……が、そもそもそんなことを知ることも無く《ガスタの巫女 ウィンダ》は神が復活した際に神の波動を受けて死亡。
あまりにもあっけない最期だった。
しかし残された者たちが力を終結させて《創星神sophia》を撃破!
~おしまい~
……で、終わるわけもなく何十年も後に《ガスタの巫女 ウィンダ》はその身体を球体関節の人形に変えて復活。生者・死者関係無く「シャドール」*21の一員《エルシャドール・ミドラーシュ》*22として暗躍していく……。
しかしそれは、さきの神《創星神sophia》とは別の封印されていた「創星神」《
まあ、そんなこんなあって最後にはちゃんとした身体で復活を果たすのだが……見ての通り、散々な目にあっている。
「星遺物」ストーリーの《
故に「巫女はロクな目にあわない」、特に神様が絡んだらほぼ間違い無く……それがワタシの認識だ。
話を戻そう。
フィーネは「先史文明期の巫女」である。
「星遺物」ではないが、神話絡みのものも多々ある「聖遺物」に関わりが深い。
故に、この世界の神の有無やフィーネの神との直接的関係は不明だが……何かあってもおかしくはないだろう。
フィーネはこれからロクな目にあわない……もしくは、今、ロクな目にあってないその最中である可能性がある。そう考えられるのだ。
そう考えると、なんていうかこう……
そう、ワタシの
だけど、どうしたものか。
あのクリボー(仮)ちゃんのことも気になるし、ノイズを操ってあれこれしているっぽいのはさすがに止めたい。
だって、あのライブの襲撃も……もっと遡れば、カナデとその家族を襲った「皆神山」の惨劇も、フィーネが裏で糸を引いていたと考えられるわけで……そこに何とも思わないわけではないんだから。
けど、だからってフィーネを目の敵にできないのも事実なんだが……。
せめて、フィーネの目的が何なのかがわかれば、止めることも、もっといい方法を探すために協力することもできると思うんだけどなぁ……。
「起きたと聞いたが……ん、まさか本当だとは」
ウンウン悩んでいたところ、そんな声が耳に入った。
ドアの開閉音と共に聞こえてきたその声に視線を動かすと、この病室にゲンジュウロウさんが入ってくるのがちょうど見えた。随分と驚いた顔をしている……が、その向こう側には喜びの感情があることが見て分かるくらいにはその表情はほころんでいた。
その後には
「むっ! 葵君、無理に身体を動かすんじゃない。まだ、寝たままでいい」
「『くそっ、肋骨の2,3本はもっていかれたか…力がはいらねぇ』」*25
動こうとしたところをゲンジュウロウさんにその手で押さえられ、止められた。
「押さえられた」と言っても、実際はぽんと軽く手を添えた程度でしか無いんだけども……それでも、ワタシの動きは止められたため、そのままベッドの上で大人しくすることにした。
しかし、おっかしいなぁ? 本当に肋骨が折れてたとしても、決闘者ならそう問題も無く活動できるハズなんだけど……
「まあ、実際は肋骨どころか腕や脚の骨がいくつも損傷してるからね~? 本当に一番大変だったのは出血のし過ぎで失血死しかけてたことだったんだけど」
いつもの明るくのんびりとした声でそんなことを言うリョーコさん。
……あれ? 実は結構やばかったのか、ワタシ?
「だからこそ驚きよね。こんなに早くに起きるなんて」
「ああ。他のふたりが未だ目を覚まさない中、まさか
前言撤回。十分丈夫っぽいです。
まあ、あれだよね? 決闘者って意識不明になっても自力で復活したり、デュエルで心臓が止まってもなんだかんだで生きてたり、緊急治療を受けるほどの大怪我だったはずなのにその1,2日後に普通に出歩いてたり、腰を強打しながら崖を落下しても全然平気そうに立ち上がるし……。なんというか、丈夫なだけでなく生にしがみつく力が強いというか……ね?
「何はともあれ、生きていてくれて……本当によかった!」
「そうねっ。まあ、勝手な行動した事とは話は別で、そのあたりの罰はちゃーんとあるからね♪」
「『カワイイ爬虫類ドン!』」*26
勝手な行動って、クリボー(仮)ちゃんがワタシに襲いかかってきたこと……ではないか。ゲンジュウロウさんがいる前で言ってるし、クリボー(仮)ちゃんじゃなくてワタシに対して言ってるっぽい。
となると……ああ、勝手に避難誘導から離れたことかな。すぐに戻ってくる予定ではあったけど、結果的に離れてそのままになっちゃったわけだし……それに、あそこでちらっと見えたクリボー(仮)ちゃんを追いかけなかったらこんなことにもならなかっただろうからなぁ。
となると、その罰とやらはしっかりと受ける他あるまい。
「俺としては、こうして生きてくれているだけで……」
「弦十郎くん、そういう甘さがいけないのよ? 立場の問題や建前の必要性も考えて、ちゃんと締めるところは締めとかないと!」
「それはそうだが……しかし、葵くんが一方的に痛めつけられここまでの傷を負ってしまったのは、俺たちのサポートや力不足、少なからず気の抜けていた部分など、こちらの非もあるわけでだな……」
ワタシをよそに、なにやら話し合いというか討論を始めたゲンジュウロウさんとリョーコさん。
その話を聞きながら、ベッドの上で
い、言えない……!!
記憶を取り戻した際の隙をつかれてしまった最初の一撃と続く二撃目以外は――
――――
――――なんでだ? アレか? 何回か殴り合ったりとかやりとりをしてからボッカーンってなる戦闘演出的な猶予なのかな?
――――……そもそも、「破壊=死」って認識であっているのかな?
――――うーん、なんでだろう?
――――
――って、理由であえて自分から攻撃を受けに行ってたなんて、絶対、ぜーったいに言えない……!!
しかも、途中で段々と思うように動かなくなっていった結果、たまたまヒビキちゃんたちと合流して巻き込んでしまったたなんて……口が裂けても――っ!
そんな時、不意に感じた。
え、やば、思ってたことが本当にそのまま口に出たら色々とバレてしまう……!?
自分から攻撃を受けようとしてたなんて知られたら、ゲンジュウロウさんなんかは「もっと自分の身を大事にしろ!」って怒って……いや、それならまだマシだ、下手すれば敵認定――は言い過ぎかも知れないけど、絶対何か疑われたりする気がするッ!!
それに、リョーコさんやその裏にいるフィーネに知られるのもマズイのでは!? だって、さっきは褒めてたけど、それが決闘者以外にはわからないだろう思考による行き当たりバッタリだったってことが知られるわけで……!!
このとき、ワタシは初めて願ったかも知れない。「意思とは関係無い意☆味☆不☆明なことを口走ってくれ!」と。
「『フフフフフッ、フハハハハッ! ァワア↑ッハッハッハッハッハーッ!!』」*27
引き当てたのは特に意味の無いものだったが……全力の高笑いだったために、怪我にものすごく響いて痛いなんてもんじゃなかった……。
ゲンジュウロウさんとリョーコさんには
……いたいぃ。
「デュエル脳」や、それが重症過ぎるとかそんな事以前に、どこか頭のネジがとんでいるイヴちゃん……まあ、そのあたりは初めてノイズと遭遇したあたりの話の頃から読者のみなさんから言われてましたが……。
次回!
「はーい、順番を守って並んでくださいね〜?」