我が手には星遺物(誤字にあらず) 作:僕だ!
XV最終話……熱く、燃えた。これで、シンフォギアアニメシリーズが終わるのかと思うと……! この想いは語りきれません。
欲を言えばという部分はもちろんありますが、それでも、ここまで熱くなったのは指折り数えるほどしかありませんので、満足状態です!!
と、そんなこんなでXV最終話まで見たことにより、またもやプロットに変更が加えられました。その影響もあって今回や次回の話の出来事に前後入れ替わるという事態になりました……大体フィーネまわりの事なんですよね……。
「……んんっ」
目を覚ます。そこは、私が通っているリディアン音楽院の寮とは別の、借屋の寝室だ。
起きなければいけない……けれど、寝起き独特の気だるさが私を布団の中から出させてはくれない。
寝返りを打ち――――気付く。
いない。隣で一緒に寝てたあの子が。
「まさか……!」と思い、跳び起きて同居人の姿を探す。
寝室を一通りグルッと見て見つからず……廊下に出たところであることに気付く。
――いい匂いだ。
出所は、もちろんキッチンのほう。
匂いに誘われ向かってみれば……袖までしっかりとあるタイプのエプロンを身に着けた探していた同居人・葵が、踏み台に乗ってフライパン片手に何か作っていた。
そう。外傷がほぼ無く「絶唱」の負荷も想定より軽かった私と、沢山の傷を負いながらも驚異的な回復力をみせた葵。その二人で今は生活をしている。
これまでにも私の
……と、葵もキッチンを覗きこんでいる私に気付いたみたいで、振り返って「どうしたの?」とでも言いたげに首をかしげてきた。
「お、おはよう……その、また――……いえ、なんでもないわ」
言いかけたことを止めたのは、葵に思い出させてしまったり、変に刺激してしまわないため。
つい先日……そう、それこそ私と共に生活を始めて一夜明けた朝、
全ての部屋を見てまわっても葵が見つからずその代わりに発見したのは葵の通信機とケイタイ、そして前に葵が厚紙で作った何か……それらがあることからして、勝手にちょっと出かけた程度だとは思ったけれど「こんな朝早くから?」と言う疑問もあって、万が一の誘拐の可能性を考えた私は、すぐさま緒川さんに連絡を取った。
果たして、葵は…………
その場所は……奏の家だ。そう、葵が本部から出て生活を始めた際に最初に暮らした場所であり、最近では葵と奏と私との三人で
緒川さん曰く、「本部で休養している時に、奏さんを探すかのように歩き回っている様子がありました。そして本部にいないとなれば――そう考えて奏さんの家に行ってみたんでしょう」とのこと。だとしても、わざわざ早朝に……日中だと何処かへ出かけているかもしれないと考えたのかしら?
そんなこともあって、その時の事と奏の事は極力話題に出さないことにしたのだ。
だから、さっき「またいなくなったのかと思って」という言葉を寸前のところで口に出さずに留めた……というわけだ。
とは言っても、そんな事情は当の本人が知るわけも無く、私が言った「なんでもない」の一言に葵はいっそう首をかしげてしまうわけだけど……どう考え折り合いをつけたのかはわからないけど、納得したかのように大きく頷いた。そして――――
――――イイ笑顔での顔でのグッドポーズ。そのまま調理に戻る葵の姿を見ながら、私はつい笑みを漏らしてしまった。
「ふふっ、なら少しお願いするわね。私は急いで顔を洗ったりしてから手伝うわ」
そう言ってから私はキッチンを後にした……。
私が支度を終えてから行くと、もう朝食は出来上がっていた。
身支度に余計に時間がかかったとか、そういうわけじゃない……ないったらない。
白飯に味噌汁、焼き鮭に和え物といった所謂「和食」と言って思い浮かぶもの……そんな朝食が既にテーブルに並べられている。
準備をしてくれていた葵は、一足先に自分の席についていたから、一言「お待たせ」と言ってから私も座りにいく。
「『世界最高のワインにゴルゴンゾーラチーズ。そして世界最高のコミック。これこそ私の至福の時デース』」*3
「……とりあえず、漫画本を読みながら食事をするのは行儀が悪いんじゃないかしら?」
……葵の言ったことのどこからどこまでが本音かなどということは判らなかったから、とりあえず言葉そのままに受け止めて、その感想を返してみる。
するとなんというかこう、神妙な顔をして葵は大きく二度頷いた。……つまり、葵も同意見ということだろうか?
な、なにはともあれ、私たちは朝食を食べはじめることにした。
「ん? もう行くの?」
朝食を食べ終えてからすぐに、忙しなく動き回っていた葵。見てみれば、動きやすそうな運動用のジャージを着て、例の杖の入ったバットケースとリュックを背負っていた――見る人が見れば野球少年ならぬ野球少女ってところ?
食べるのも妙に速いとは思ったけど、私が知らないだけでもしかして何か用事でもあるのかしら? 本部で基礎訓練か、体力作りに町内をランニング? ……それとも、別の何か? もしかして本当に野球だったり……
「『イテキマース☆』」*4
表情や身振り手振りも特に変わったところは無いから、ほとんどその言葉通りな意味合いなんでしょうね……。
理由は聴けなかったけれど、とりあえず出かけることは間違い無いみたい。
「ええ、いってらっしゃい。私もアーティストと装者、両方の
気にはなったけれど、葵が頑張って答えようとしても思った通りに答えられるとは限らない。むしろ、思うようにいかず葵に嫌な想いをさせてしまう可能性の方が高い気がする……だから、私はそのまま送りだすことにしたのだ。
すると、大きく一回頷いてから葵はトテトテと音が聞こえてきそうな軽い足取りで外へと向かって行った……。
「さて……どうしたものかしら?」
葵が一足先に出かけて行き、一人残された私は
とはいっても、選択肢は限られているんだけど……
とりあえず、一番問題が少ないだろう解決方法をなすために、私は通信機を取り出して
「緒川さん、今、時間はありますか?」
『はい、問題ありませんよ。どうかしましたか?』
「ええっと……実は、昨晩と同じ状態で……
『なるほど、そういうことですか。すぐに向かいます』
昨日の今日であったため、緒川さんも端的な説明で理解してくれたようで二つ返事で了承してくれた。
さて、後は待つだけだけど……緒川さんが来る前に今ある分の洗い物を片付けておいたほうが良いんじゃないかしら……?
この後、来てくれた緒川さんに苦笑いされました……。
―――――――――
「っと、こんなところか」
敷地はそこそこ広いが建物自体は言うほど大きくは無い日本の古き良き平屋一軒屋。
そんな俺の家の台所で俺はひとり頷く。
こんがりと焼けたトーストに目玉焼きとベーコン、それに付け合わせのサラダ。
……俺としても少しばかり手抜き過ぎでは?と思ってしまう内容の朝メシ。だが、事情が事情なだけに、少し多めに見てほしい所である。……いや、むしろこういう状況だからこそちゃんとしたモンを用意するべきなのかもしれんが……なにはともあれ、だ。
作ったものを全部食卓へと運んだ俺は、廊下を通ってある場所へと向かった。
「おーい、朝メシが出来たぞ。いい加減起きたらどうだ?」
そこまで声を張り上げたつもりはなかったが、十分に聞こえたんだろう。寝ている居候――奏がモゾモゾと動き出した。
「……ん~。あおい……ぃ」
……おそらくは寝ぼけているんだろう。
丸まった毛布に抱きついたままの奏が、蕩けたような声で
「起きている時も、そうやって甘えでもできたらお前も葵も苦労せんだろうに」
目の前の光景に、俺の口からはいつの間にやら本音が漏れ出してた。
っと、
「ん……んん~っ? …………っ!!」
――――ついには、その長い髪をあばれさせながらバッと跳び起きた。
周りをキョロキョロと見渡す奏の顔は赤く……俺と目があったことで、より一層赤く染まった。
「ようやっと起きたか。ほら顔を洗ってこい」
「……うん、わかった」
らしくないしょぼくれた返事をして立ち上がり、早足で歩いて行く奏。
廊下を歩くその背中を見送りながら、俺は短くため息をついた。
「そこまでしおらしくなると、こっちの調子も狂うんだがなぁ」
「で、どうだ? 葵とは話せそうか?」
ある程度身支度を整えた奏と向かい合う形で囲んだ食卓。
用意しておいた朝メシを食べ進めある程度いったところで、俺はトーストにかじりついている奏にそんな問いかけをした。
モグモグと口を動かしながら、俺から視線を逸らすように明後日の方を見てしまった奏。
数秒経って、口の中のものを飲み込んでようやく、呟くような小さな声で問いへの答えが返って来た。
「……わかんない」
「夢の中では上手く出来ていたのにか?」
「っそこを掘り返さないでくれよぉ……。夢は夢なんだし上手くいってる感じの雰囲気だったって言うか」
段々といつもの
とはいっても、本調子からは大分遠そうではあるが……それでも、ここ数日の様子を思い返せば随分とよくなったものだ。
「そもそもさ、昨日も言っただろ? あの時はなんかこう……葵の事とか響の事とかがいっぺんに来て、頭ん中とかそこらへんがゴチャゴチャ~ってなって、言ってることもそうだけどそれ以上に言おうとしてることがわかんなくなるっていうか、いや、でもあれもあたしの本音っちゃあ本音なんだけどさぁ……」
コロコロ変わる表情や身振り手振りで、何とか自分の中にあるモノを表現し伝えようとする奏。
俺は、それを受け取り、咀嚼し、解釈・理解に努める。
「つまり、だ。葵を前にして、普段の自分でいられるか、あの時の様に激情的になってしまうかわからず、不安なんだな」
「……ん」
元気や勢いのない調子。頷くだけの手短な返答。
気力が無い、意気消沈している……というよりは、ただ単純な戸惑いにも思えなくもない。あるいは、奏自身がそう言ってたように奏の中でもまだ整理がつききってはおらず、安定していないのか。
……ついでに、今の奏はそれに加えて先程の寝ボケを見られたことへの羞恥心もあるから、よりわかり辛いな。
しかし、
「アニメーション映画に限らずだが、自分自身と向き合うことが強くなるための一つの関門なのは定番だ」
「や、なんだよこんな時にいきなり」
「――だがな、奏。今のお前が向き合うべきなのは、自分自身ではなくて他でもない響君や葵君だ」
小さく――しかし、確かに――ビクリッと身を震わせた奏。そして、またもや視線を逸らし、口をとがらせた。
「だから、それができるんだったら苦労しないってば」
「シンフォギアを纏えなくなり戦えなくなったという事実から、響君や葵君に負い目を感じたがために感情が爆発した――――そう思ったんだが、俺としたことが単純な前後の読み間違いをしてしまっていたようだな」
自分で言い、勝手に納得し、また話す……わざとそのようにしてみせて、立て続けに言葉を投げかけ続ける。
「
「な、なんでそうなるんだよ……?」
「じゃあ聞くが……あの時、葵が言っていたことを聞こうとしていたか?」
俺の問いに、今度は奏が完全に固まった。
「おそらく聞けば「ああっ」と思い出すだろうが、何を言っていたかもすぐには思い浮かばないくらい憶えていないだろう? 他でもない、思い出したくも無い自分の失敗の記憶が「おかしなことを喋る葵君」という形で明確に存在しているんだ。目をそらしたくもなるだろう。そのせいで辛い思いをさせてしまっていると思っていればなおさらな」
「…………」
「だが、だからこそ、だ。お前は目をそらさずにちゃんと向き合って話さなければいけないんだ。まずは、葵君とだ。手始めにあの時言われたことを思い出すところから始めてみるといい……葵君は、おそらく奏が思っているほど自分の意思とは関係のないことを言ってるわけではなさそうだった。故に、ちゃんと向き合いさえすればそこに答えは出てくる」
「答え?」
わずかに首を傾け聞き返してきた奏に、俺は頷いて見せながら応える……。
「ああ。それは葵君が言っていたそのものの意味であり、奏が知っておくべきことだ」
「葵が言っていたこと……」
俺の言ったことを繰り返すように呟き、何か考え込むように静かになった奏。
ゆっくりとではあるが、口や手を動かして朝メシの続きを食べてはいるが……見たところ心ここに在らずといった様子で、良くも悪くも熱心に考え込んでくれたようだ。
俺も、自分のメシを再び食いだしながら、俺もこれからの事について少しだけ考えることにした。
……そういえば、その葵君は今日、了子君のカウンセリングやメディカルチェックの予定も無い自由な日だったはずだが……今、何をしているんだろうか?
―――――――――
学校がお休みの日の早朝。
「戦い方を教える」ということで、葵ちゃんと一緒に秘密の特訓をすることになった響とそのサポート兼付き添いの私・小日向未来。
そんな私たちの暮らしている寮に葵ちゃんが朝早くから侵入してきたの。
前日の段階では本部のトレーニングルームで待ち合わせって話だったはずなんだけど……葵ちゃんに待ってもらって準備を整えた私たちが、案内されるがままに着いた先は、地下に二課の本部がある「リディアン音楽院」……じゃなくて、どうしたことか近所の小山だった。
舗装されていない山道をある程度入っていったところで、
「ここで着替えるの?」って聞いたら葵ちゃんは首を横に振り、まさかと思い「もしかして、上半身になにも着ないで特訓を?」って聞いたら頷いたから、二人で改めて葵ちゃんを全力で止めて説得した。
……結局、あの凶行はなんだったんだろう? 特訓……というか、乾布摩擦とかだったのかな?
もしくは、葵ちゃんの周りの人で上半身裸で特訓する人がいて、そのマネで……? パッと思い浮かんだのは、司令官というそんなに肉体労働系じゃなさそうな立場なのに、服越しでもわかるほど筋肉がスゴそうだった弦十郎さん。けど、良識的な人だったし、葵ちゃんみたいなちっちゃな子の前で
その後も、ちょっと変だった。
私と響が見ている前で、左手の手の甲の上に右手をそえるような姿勢から「ドロー!」って掛け声で右手を勢い良く水平に振るって、そして、また左手の手の甲の上へと戻し……を何度も繰り返したり……
同じ要領・動作を滝の目の前でして、振り抜く右手で流れ落ちる滝の「面」を一瞬断ち斬る……その動きを何度も繰り返したり……
木の枝や岩の上なんかを――時に空中でクルクル前転しながら――ピョンピョン跳びまわるうえに、空中でまた「ドロー!」って掛け声と共に右手を動かしたり……
……うん。やっぱり、ちょっとだけ変……
そして、今は…………
「な、なんでこんなところにクマが……!?」
巨大な野生動物というノイズとはまた別方向に非日常的な脅威を前に、足が震える私や響の視線の先、2,30メートル。
10メートルほどの距離で向かい合っているのは、大人の男の人くらい大きい野生の熊と葵ちゃん。
――グゥルルルゥ……!
四足歩行の熊がこっちに敵意むき出しで、鋭い目で睨みつつ口の間からは鋭く尖った歯をのぞかせている、
いやっ、もう、その両
「葵ちゃん、危ないっ!?」
響の叫び声も届くこと無く、葵ちゃんは――――
「『熊を一頭伏せて、ターンエンド!!』」*5
ドシンッ!という大きな音と共に、地面と空気が揺れ……その後に力強いそんな声が聞こえてきた。
私たちの目の前には、
「『気持ちまで守備表示になっちゃダメだ!』」*6
そう言ってギュッとガッツポーズを作って振り返る葵ちゃん。
私たちが唖然としている事なんてお構い無しな立ち振る舞いだ。
……ううん? 結局コレはどういうことなのかな?
ほら、私の隣にいる響だって、ちょっと俯き気味になっちゃって……
「葵ちゃんの言ってることも、やってることも全然わかんないや……でもっ、やってみるね!!」
勢い良くはね上がった響の顔は、とってもやる気に満ちた顔だった……って――
「――やるの!?」
「当然ッ! だって、こーんな大きなクマを難無くやっつけちゃうんだよ!? あんなことが出来るくらいになれるんだったら、やるっきゃないでしょ!」
白い歯を見せたイイ笑顔でこっちを振りむいてくる響。私から手を離し、腕を広げてみせて熊の大きさを表現しようとしたり、葵ちゃんが見せた身軽なフットワークと腕の動きを形だけでもとマネしようとチョコチョコ動き回って……
とってもカッコイイくって、かわいらしい……って、それはおいといて、だ。
「うぅ、強くなるとかそういう次元じゃ無いような……って、葵ちゃんと特訓をするのを薦めた私が言えないかぁ」
そう。強くなろうと悩む響に葵ちゃんとの特訓を提案したのは、他でもない私だったのだ。
というのも、私としては響には出来れば戦ってほしくはない……けど、きっと響は人助けのためにその手を伸ばそうとするんだろうって、私はわかってしまう。
――――何度でも受け止めてやる! 全部吐き出せ、お前の悲しみを!!
葵ちゃんの言葉を聞いた時、私の中で何かがはまった……。
「ツヴァイウィングライブ」の惨劇の中、ノイズがいるライブ会場中心部へと向かって行く葵ちゃんとすれ違った時……
あの夜、私やノイズに捕らえられた響を守るためにボロボロでも前に出て……そして、あの鎧の子と戦わずに向かい合おうとしていた姿……
その姿が、響に重なって見えた。
それは、その後弦十郎さんから葵ちゃんとツヴァイウィングのふたりの過去を聞いた時、確信に変わった。
ああ……葵ちゃんは響に似ているんだ
誰かのために動ける――動いてしまう
そのためには、
……そんな、子なんだって
だから、私は心配になった。
きっと私が響に対してそうであるように、この子も心配してくれる人の気も知らないかのように突き進んでしまうんだろう……って。止めても止まらないんだろうって。
他人のために独りで突き進んでしまう……。
なら、いっそのこと独りでよりも二人で突き進んでくれた方が、ふたりとも独りでよりも安全なんじゃないか……だから、ふたりが一緒に強くなるようにっていうのが、響に葵ちゃんとの特訓を提案した経緯なんだけど――
ふと意識を目の前の光景に戻せば、しゃがみ込み倒れている熊をゆすって意識を確認(?)している葵ちゃんと、その横で「どろーっ!」ってさっき葵ちゃんがやってたことのマネを自分なりにしてみている響の姿が。
判断を、早まっちゃったのかな……?
そんな言葉が頭に
不安なことは沢山ある。だけど、私は親友の響と、私たちの恩人である葵ちゃんの事を支えるって決めたんだ! 今さら立ち止まったりなんてしないんだからッ!
……そういえば、熊を投げたこともそうだけど、素手で滝を切ったり木の上や岩の上を縦横無尽に跳んで回る葵ちゃんって、こんなちっちゃな子だとは思えないくらい超人的というか……人間離れしてるよね?
やっぱり、あの
「……でも、この杖を使ってないのはなんでなんだろう?」
私のそばの木に、半ば投げ捨てられるように放られ立てかけられたバットケース、その中身の事を思い出して呟く。
それに、この辺りに滝や――というかそもそも川も――飛び出した岩がいくつもある岩場なんてあったかな? あと、クマなんて生息してないはずなんだけど……?
翼が緒川さんに頼んだこととは?
奏が歌えなくなった原因の詳細と奏の本心は?
で、結局
あいも変わらず、謎ばっかり残していくスタイル。
そして、《
『どういう…ことだ…?』