我が手には星遺物(誤字にあらず)   作:僕だ!

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※感想返信遅れていますが、、時間を作って順次返信していきます※


葵ちゃんが荒ぶった(端的)

言ってしまえば、ギャグに振り切ったネタ回。
これまでの溜まりに溜まった鬱憤をぶっとばす…『だが奴は…弾けた』的な内容。
やりたいことを詰め込みに詰め込んだ勢い重視のお話で、書き方もちょっとだけ違うようにしてたから、文章の雰囲気も……?
で、当然の如く謎は出てくるという。

そんなお話にお付き合いしていただければ幸いです。



そして、このお話の最後に今後の物語であるアニメ2期「G」に関わるアンケートを行います。
どちらかといえば、シンフォギア原作を――その中のとあるキャラを――知っている人向けのアンケートなのですが、物語の内容自体は知らなくても大丈夫なはずの内容なのでもしよければお答えください。

期限は次回の更新までの予定です。


1.5期
3-1+俺と、俺とデュエルしろぉーーーーっ!


了子(フィーネ)さんとの戦い――司令曰く、「ルナ・アタック事件」と呼ばれているらしい――あの騒動から十数日が経った。

 

今わたしがいるこの地下施設からは見えないけど、空に浮かぶ月はその一部が欠けていて、その周りにはまるで土星のような輪が浮かんでいる状態。それがあの日の戦いが残した傷痕、そのひとつだ。

 

欠けた月。比較的大きな欠片は地球へと堕ちてきそうになってわたしたち装者が撃ち砕いたんだけど、砕いたものの一部や中やそもそもそこまで大きくなかった月の欠片は、地球へと落ちることなく月の引力と自転と……あと何かの影響があったりなかったりして、それらが集まり流れて輪を作ってるとかなんとか。

話が難しくって、翼さんが説明してくれたけどイマイチわかんないままなんだよね……。

 

 

「はぁ~……」

 

廊下をひとり歩くわたしの口からため息が出てきた。

なぜなら、わたしの親友・未来(みく)と長い間会えていないから。だからわたしは今、未来成分不足に陥ってしまってる……!

 

 

 

月の欠片を壊し地上に帰った後、再会を喜んだわたしと未来(みく)だったけど、そうやって一緒にいられる時間はそう無かった。

というのも、騒動の規模が規模だけに国内外共に完全に隠しきることは出来ず、諸々の対処・処理などが終わるまではわたし達シンフォギア装者を「行方不明」扱いにした方が何かと都合が良く……二課本部が実質機能不全に陥っていることもあって安全面で見てもそうしたほうがいいという判断があったからだ。

そのため、装者は司令たち大人が一連の事を終わらせるまで行方を(くら)ませる――もとい、秘密の場所で保護するということになったのだ。

 

 

こうして、わたしは未来と離れ離れになった……。

 

 

仕方のないことだってわかってはいるんだけど、未来(みく)と会えないのは辛いなぁ。

あーあ。出したいわけじゃないのに、またため息が出ちゃって……

 

 

「はぁ~……」

 

「そこまで元気が無いなんて、らしくないわね」

 

「あっ、翼さん!」

 

わたしが見逃してただけで先にいたのか、それとも他と繋がる廊下から来たのか。気づいたら、すぐそばに翼さんがいて――つい立ち止まっちゃったわたしに「このまま行きましょう」と促して、そのまま並んで歩いてくことになった。

どうやら、わたしと同じで装者たちの生活スペースになってる大部屋に帰ってる最中みたい。

 

あれ?そういえば……

 

「わたしは「ガングニール」の件でいつもの定期簡易検診だったんですけど……翼さんはどうして?」

 

「少し、叔父様との話があったの。……あぁ、そのついでにテレビを導入するって話をされたわ」

 

「テレビ!?」

 

ほぼカンヅメ状態の装者のことを気遣ってくれてか、司令たちは度々なにか物を持って来てくれてた。

これまでにも、本やトランプ、簡単なボードゲームとかだったけど……まさか、テレビとは!

 

「事態の収束も見えて来て、私たちが元の生活に戻れる日にも目途がついてきたそうよ。だから、その時のことも考えて今のうちから外の情報(ようす)を知っておくべきという判断があってのこと。もちろん、息抜きでもあるわ」

 

「ウラシマってやつですね! ……勉強も」

 

「貴女らしい心配事ね」

 

校舎が壊れたリディアン音楽院は新校舎の手配やそれまでの仮の学習場所の確保、諸々の態勢を整えるため…そして襲撃のメンタルケアや極秘情報関連の情報統制とかもあって数日間の休校が余儀なくされたけど、今は再開されている……らしい。

そんなわけで、わたしは学校に行けない間遅れないようにって教材を渡されてやってはいるんだけど……ここでも未来の存在を痛感してる。いつもは未来に助けて貰ってたからなぁ。奏さんや翼さんも教えてくれたりはするんだけど……なんて言うんだろう? こう、しっくりこないというか、なんというか?

 

でも、自分ひとりでやるのよりはいいはずだし、この後にでも翼さんにお願いしてみようかな……。

 

 

そんなことを考えて、お願いするために隣を歩く翼に目を向け――わたしは気付いた。翼さんの眉間にシワが寄って、眉毛がヘナッてなっていることに。

 

「ど、どうしたんですか!? 」

 

「その……今になって、ちょっと気になったことがあって」

 

気になること……?

 

「奏と雪音、ふたりきりでも大丈夫かしら……?」

 

翼さんが零した不安は、わたし達がいないことで部屋に残されている2人のことだった。

 

クリスちゃんこと、雪音クリス。

司令が色々と融通したりアッチコッチに手を伸ばしているとは言っても、二課所属装者だったわたし達とは立場がちょっと違うこともあって、クリスちゃんは事情聴取とか大変だった……。とはいっても、今は一段落してそんなことはなく、わたし達と一緒だ。

そして……言われてみれば、確かに部屋にあの2人だけってことは初めてだったかもしれない。どちらか1人だけのことや、わたしや翼さんといった第三者がいることが大半だったから……。

 

で、翼さんが心配してるのは、奏さんが家族を失った皆神山でのノイズの襲撃や、ライブの惨劇&その裏であった「ネフシュタンの鎧」強奪、最近のことではわたしが未来と流れ星を見に行ったあの夜の葵ちゃんをトコトン痛め付けた件……などなど、それらにフィーネさんが……フィーネさんの下で聖遺物のチカラを引き出していたクリスちゃんが少なからず関わっているから、そこで二人の間に不和が起き亀裂が入る――あるいは争いになるんじゃないか、ってことかな?

 

 

うーん。でも……

 

「大丈夫ですよぉ。あの時だって、合流した時に先に連携取ってたし……それに、これまでの生活の中で見た感じだと、あの二人なんだかんだで気があってそうじゃないですか!」

 

「……そうね。心配のし過ぎよね」

 

実際、わたしや翼さんが話しかけた時よりも奏さんが話しかけた時の方が反応が良かったりすることも多かったし、奏さんもクリスちゃんのこと気にかけてるみたいで悪くない雰囲気で……

 

そんなこんなで、普段から他の人に対してもツンツン気味なクリスちゃんが素直になりきれてない感じはするけど、それでもわたし達を含めクリスちゃんとの関係は悪くない感じ。

奏さんだって、フィーネさんに対しても一旦怒りの矛先を引いたんだから、一緒に戦えたクリスちゃんと分かり合えないなんてことはない――また、手を取り合うことが出来るって確信を持てる。

だから心配はいらないと、わたしは思ってる。

 

 

 

そんなこと話しているうちに私たちが滞在してる大部屋についちゃった。

 

それぞれでノンビリしてるのか? それとも、ふたりで話したり遊んだりしてるのかな?

そんなことを想像しながら、ドアを開ける。

 

 

「奏さんっ、クリスちゃん! たっだい――」

 

 

開け放ったドアの先。部屋のど真ん中あたりで2人が向かい合って立ってた。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()――――端的に言えば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「――ま……って、そんな手の取り合いは望んでないよっ!?」

 

わたしがクリスちゃんを、翼さんが奏さんを――後ろから羽交い締めにしていがみ合ってたふたりをなんとか引き離す。離してしまえばさすがに暴れなくなった……けど、ふたりとも息を荒くして相手を睨みつけ続けてる。

 

まさか、翼さんの不安が的中するなんて……!!

 

 

「ふたりともどうしたの!?」

 

「いったい何が……!?」

 

わたしと翼さんの問いかけに、睨み合っていたふたりがそれぞれ捕まえてるわたし達をバッ!と振り返りながら、相手を指差した!

 

「「だってコイツがっ!」」

 

 

 

 

 

 

 

「アタシの会ったチビは偽物だって言いやがるんだ!!」

「葵のことをスケベ親父みたいに言ってきたんだ!!」

 

 

「「……え?」」

 

 

どういう……ことなの……?

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

奏とクリスだけになった室内。

それぞれが自身に割り当てられたベッドに腰を下ろしたり、寝転んだりしながらノンビリと過ごしていた。

 

そんな中、不意に声をかけたのはクリスからだった。

 

 

「なぁ。そんだけデカいと、やっぱ大変なのか?」

 

「ん?」

 

 

「なんのことだ?」と、内心首をかしげた奏だったが、クリスの視線が自分の胸に向かっていることに気付き「合点がいった」と軽く頷き答えた。

 

 

「あー、まぁそこそこには――って、あんただって十分デカいだろ?」

 

「はぁ!? そ、それはそうかもしんないけど……!」

 

 

奏が言うように、クリス自身の胸囲もかなり大きな部類に入る。その上、身長が比較的低いためにより一層胸囲が際立って見えるため、実際の数字以上の印象を見た者に与えていた。

 

そのことを指摘されたクリスが、顔を赤くしながら自身の胸を隠すかのように己の腕で自分自身を抱いた。

クリスの初心(うぶ)過ぎる反応に、奏は「いや、自分で振った話題だろ……」やや呆れ気味の顔を浮かべる。

 

 

「そうじゃなくって、揉まれんだろっ!」

 

「も、揉まれるぅ~? いや、何言ってんだ!?」

 

 

勢い任せに吐かれたクリスの言葉に、流石の奏も顔をほんのり赤くし慌てふためく。

男女の関係になる特定の異性がいるわけでもなく――ましてや、不特定多数の相手がいるわけでも、異性からのそういった接触を良しとするような軽い女ではない奏。彼女は、この手の話題に対し特別苦手意識があるわけではないが、決して得意なわけではないのだ。

 

そんな奏以上に顔が赤いクリスが、さらに声を荒げて言い放つ。

 

 

「だーかーらー! あのチビと一緒にいることが多いから事あるごとに揉まれてんだろ、そのデッカイ胸を!!」

 

 

 

「え?」

 

「……え?」

 

 

ふたりの間に流れる沈黙。

なんとも言えない表情で見つめ合う数秒。

 

 

「揉まれて、ないのか?」

 

「……あんたは揉まれたのか?」

 

 

顔を赤くして明後日の方を向き視線をそらしながらも、小さく――しかし、確かに頷くクリス。

 

 

「いつ?」

 

「……風呂に乱入された時」

 

より一層顔を赤く染めたクリスに、奏は青筋を立て――本人も意図せずに――ドスのきいた声を漏らした。

 

 

「ハァ?」

 

「は?」

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

「それで、言い争いになって――」

 

「――掴み合いになっちゃった……と」

 

 

頷くふたりを見て頭を抱える翼さん。もちろん、わたしも「どうしてそうなった」と内心頭を抱えてる。

 

奏さんとクリスちゃんもそこそこ落ち着いてきたみたいで、わたし達を間に挟んで向かい合って座ってる。時折視線が重なって軽く睨んだりしながらも跳びかかったりすること無く、これまであったことを説明してくれてた。

 

 

「だって、ありえないだろ? デカイ胸だからって揉もうとするとか葵がすると思うか!?」

 

経緯はわかったし、こうして奏さんが言おうとしてることはわかる。

確かに葵ちゃんがそんなことしてるところは見たこと無いし、想像するのも難しい。

 

だけど……

 

ルナ・アタックの時(あの日)、わたしたちと会った葵ちゃんの反応からして、わたし達はもちろんクリスちゃんのことをちゃんとわかってたと思うんですけど?」

 

「ついでに櫻井女史の反応を考えても、間違いなく同一人物でしょうね」

 

わたしと翼さんがそう指摘したら奏さんもその辺りに関しては図星だったみたいで、何かがグサッと刺さったかのような大袈裟なリアクションをとってバツの悪そうな表情をした。

 

「うっ! それはそうだけど……じゃ、じゃあ、なんであたしは揉まれてないんだよ!?」

 

「そこなんですか!?」

 

「別に揉まれたいとかそんな趣味とかはないけどさ……なんか悔しいじゃんかぁ!」

 

そこ、悔しがるところなのかな?

隣にいた翼さんの「主張というより、ただの駄々ね」って呟きに同意しつつ、その翼さんにこっそりと顔を寄せる。

 

「奏さんが負けず嫌いなことはなんとなくわかってましたけど……」

 

「葵の事となるとより一層ね。葵が初めて自分から膝に座ったのが私だった時、奏の作った何よりも買った『トリシューラプリン』の方が葵が喜んだ時……色々あったわ」

 

翼さんがその頃を思い浮かべたのか、渇いた笑みをもらして遠い目をした。

付き合いが長い分、わたしの知らない所で色々あったんだろう。……気にはなるけど、今は詳しく聞けそうにも無いかな。

 

 

その奏さんはといえば、嫉妬交じりの言いがかりに近いものだったことがバレたことを理解したからか、開き直ったかのように胡坐をかきながら頬を膨らませあからさまな「()ねてます」アピールをしだしてた。

……それもまた画になるところは奏さんのズルい所だと思うなぁ。

 

 

「じゃあ二人は、葵がしたって思うか? クリスが言ったみたいに胸を揉みしだくなんてことをさ」

 

「揉みしだくって。でも、確かに想像できませんよね?」

 

って、あれ? 翼さんが顎に手を当てて何かを考えてるような仕草をして……?

 

「翼さん?」

 

 

「もしかして、だけれど……その原因って奏にあるんじゃないかしら?」

 

 

「「「えっ」」」

 

神妙な表情をした翼さんの言葉に、わたしだけじゃなくそっぽを向いてたクリスちゃんや頬を膨らませてた奏さんも一斉に顔を向け、ちょっと気の抜けたような声を漏らす。

 

 

 

「そもそも、奏はスキンシップが多い方でしょう」

 

「確かに……」

 

そんな印象あるにはあるし、思い返してみれば確かに多い。

翼さんの肩を引き寄せたり、葵ちゃんをだっこしたり、わたしの髪をワシャワシャ撫でまわしたり、葵ちゃんを膝の上にのせたり、翼さんに抱きついたり、葵ちゃんとくっついて仮眠したり……

 

「結構前からそうだけど、特に葵に対してはその傾向が強いわ。一緒にいるからよく見かけるのもあるでしょうけど……。例えば、一緒に寝た時は葵はよく奏に抱きしめられたまま寝ることがあって、そういう時は大抵……その、奏の胸に顔が埋もれてるから」

 

「「ああ……」」

 

……うん、その様子は簡単に想像できてしまう。

 

わたしの視界の脇では「なるほど」といった様子でクリスちゃんも頷いてた。

そして、そのままクリスちゃんの視線が動き――それにわたしもつられて――胸元の()いた私服姿の奏さんの胸部へと向き注視した。

 

なるほど……あそこに葵ちゃんの顔が……!

 

「な、なんだ? そんなジロジロ見るもんじゃないだろ……!?」

 

と、さすがに恥ずかしいみたいで、奏さんが視線から逃れようとするかのように身じろいだ。

 

 

「とにかく、そういった経験から胸に対して関心が強くなっていた可能性が高いんじゃないかしら? あるいは、ただ単純に自分との違いが気になったのかもしれないわね」

 

「あっ、それもわかるかも。小さい頃なんかは特にそんなことがあった気がしますけど、大人との違いや男の人との違いが気になる時期がありますもんね!」

 

わたしがそう言うと翼さんは「そういうこと」って返してきて、奏さんも納得した様子で――だけど、面白くなさそうに――頷いた。

クリスちゃんだけは「そういうもんなのか?」って首をかしげてるけど……。

 

うーん、あと他の可能性は……もしかしたらだけど、奏さんほど身長の無いクリスちゃんの立派な胸を見て、自分の胸の成長を気にして――は、流石の葵ちゃんでも時期が早すぎるよね。確か、まだ10歳ちょっとかそこらだって話だったし。

 

 

「断言はできないけれど、胸を揉んだ件に関しては奏の影響は考えられるわね、だからって奏が悪いわけじゃないけれど。……とにかく! お互い意地を張ったりケンカ腰になったりと悪い部分があった。特に奏は「お前の会った葵は偽物だった」なんては言い過ぎよ」

 

「それは……悪かった」

 

「……おう」

 

奏さんが謝って、それをクリスちゃんが素直に受け取った。

睨み合ったりなど、ふたりの間に険悪さはもうなくなっていた……けど、どこかギクシャクした感じが残ってしまってて、どっちが先でもなく居心地悪そうに目をそらしてしまい何とも言えない空気が漂ってしまう。

 

どうにかしようにも、無言のまま顔を見合わせたわたしと翼さんの間でも「どうしたものか」というアイコンタクトが行われるばかり。

 

とにかく、何か雰囲気を変えられるような話題を出せれば……さぁ、なんて切り出せばいいかな?

 

 

 

――と、そんな時、部屋にノックの音が鳴った。

続いて聞こえてきたのは風鳴司令の声。

 

「邪魔するぞ、いいか?」

 

「旦那? いや、別に入ってきて問題無いけど……?」

 

司令の突然の訪問に調子を乱されたのか、奏さんの声色もさっきまでとは一転した。それに、クリスちゃんがかもしていた空気感も変わった気がする。

とりあえずは一安心かな……あれ? ()()()()()()()()()()……?

 

 

その答えは、部屋に入ってきた司令が(かか)えてた物を見て思い出された。

 

「はぁ? ()()()なんていきなり持ってきて……どうしたんだよ、おっさん」

 

「ああ。そんな立派な物じゃないが……ん? まだ伝えてなかったのか?」

 

あっ! そう言えばテレビを持ってくるって話、部屋(ここ)に来るまでに翼さんがしてたっけ!?

で、まだ奏さんやクリスちゃんには伝えられてない……司令が来るのが思ったより早かったってのもあるけど、単純に伝えるヒマがなかったからね。

 

「その、色々とあったので……」

 

少し目を泳がせながらも申し訳なさそうに言う翼さん。

アレは仕方がないと思う。まさか奏さんとクリスちゃんが取っ組み合いのケンカをしてるなんて予測できないよね。そのことを司令には……変に心配させちゃうのもあれだし、一応解決というか一段落はしたから、わざわざ言わなくてもいいのかな? どうだろう?

 

 

そんなわたしの表情や翼さんの言い(ども)り方を「そうか? まぁ、別段重要な用件でもなかったから構わないんだが」と言って、司令は梱包されたテレビを取り出しつつ作業を始めて……司令が来たドアの向こうの廊下からいつの間にか現れた緒川さんが、持ってきた数本のコードをそれぞれ接続と配置をしだすのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、あっという間だったな」

 

クリスちゃんの言う通り、本当にわずかな時間で作業を終えてしまった司令と緒川さん。テレビがちゃんと映ることを確認した後、挨拶もそこそこにすぐに何処かへ行ってしまった。

 

目処はついたとは言っても、まだまだやらないといけないことが沢山あって忙しいのかな?

それでもわざわざふたりして来たのは、わたし達のことをなるべく隠すためか。それとも、ただ単に様子が気になったからかな?

 

 

 

「こんな時間だと、どんな番組があるんだろうな」

 

そう言って奏さんがリモコンでチャンネルを変えていく。

 

……けど、時間のせいか、なんというかどれも似たり寄ったりの報道番組ばかり。奏さんもどうにもピンとこなかったのか「とりあえずコレでいっか」と適当な報道番組にしてリモコンを置いた。

世間の様子を知る事が建前上の目的のテレビ導入だったし、これで正解なのかも?

 

『――――デ共和国から、ジャーナリスト□□さんでした。続いては国内の話題です』

 

ちょうど話題が切り替わるところだったみたいで、映像とテロップが切り替わった。

 

 

『現場の○○さーん?』

 

『ハイッ! 今わたしは、こちらの○○県の△△漁港にお邪魔していまーす!』

 

映し出されたのは漁港そばの市場。そして女性リポーターさんの姿。

 

『月の異変による影響が心配されていましたが、今年も例年通りの漁獲量で問題は無いそうで……この通り! 朝一番が過ぎても市場には沢山のお魚が並んでいます!』

 

あぁ……白いゴハンに合いそうな新鮮な魚たちが……!

そうやって市場を一通り案内しながら女性リポーターさんは、今度は市場に隣接された売店と飲食スペースへと向かって――――ていうか、これって……

 

「外に出れない今、生殺しなんじゃ……」

 

「だな」

 

「そうね」

 

「……なら、チャンネル変えたらいいじゃねぇか」

 

クリスちゃんに(もっと)もなことを言われちゃうけど……ううぅ! こうして少しでも見始めちゃうと変えるのがもったいなく思えてしまう!

……元通りの生活に戻ったら、あの市場じゃなくていいから似たようなものを食べに未来(みく)とおでかけに行ったりしたいな……。

 

『漁師さんかお店の方のお子さんでしょうか? お子さんがいますので、お話を聞いてみたいと思います!』

 

女性リポーターがそう言うと共にカメラが動き――

 

「えっ」

 

――映ったのはイスに座って何やら食べている、透明ではない雨合羽(あまがっぱ)を着た青い長髪をした女の子。

服装は見慣れないもので、髪型も普段と違う纏め上げられ結ばれてたけど――――それでも、その目、その顔はよく見知ったもののように思えた。

 

 

()()()()!?」

 

自分の目が信じられなくてバッ!バッ!と首を動かし、みんなの顔を見た。

真っ先に反応を返してくれたのは翼さんだった。

 

「だと思う……けれど、断言は難しいわね……」

 

それもそうか……。世の中には自分と同じ顔の人が3人はいるとか言う話も聞いた事あるし、絶対に葵ちゃんだとは言い切れないよね。

 

「ああ。そっくりさんの可能性も(ゼロ)とは言えないしなぁ。画面越しじゃなかったらすぐにでもわかるんだけど……」

 

「どっちにしろ、一応はおっさんに言ったほうがいいんじゃないか?」

 

確かに!

司令たちも司令たちで情報網を持っているだろうから、テレビに出たら気付くとは思うけど、念には念を入れて「らしき子が出てた」って、わたし達からもちゃんと伝えておいたほうがいいよね!

 

 

と、遂に葵ちゃんらしき女の子に女性リポーターの持つマイクが……!

 

『海鮮丼、おいしいですか?』

 

 

『『味がある』』*1*2

 

 

女性レポーターと中継の繋がっていたスタジオの空気が固まったのがわかった。

そしてわたし達もピタリと動きを止め――

 

 

『え、ええっと……どんなお味かなぁ?』

 

 

『『俺と、俺とデュエルしろぉーーーーーーっ!!』』*3

 

 

((((あっ、(チビ)(ちゃん)だ。))))

 

 

――わたし達装者4人の心が一致した瞬間だった。

 

 

必死のフォローをなんとかしようとしつつも中継を切り上げようとする女性アナウンサーと、予想の斜め上の放送事故に慌ただしくなるスタジオをよそに、わたし達は司令へ連絡をとるのだった…………。

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

漁港でモグモグしてたらどこか見覚えのある黒服さんに囲まれ、何事かとオロオロしていたら今度こそ見知った顔のシンジさんが現れて回収されたイヴちゃんです。

 

 

さあさあ!

ドナドナと移動しながら事情聴取という名のお喋りをしながら、そんなこんなで何日ぶりかよくわかんないけど、みんなのもとへ戻ってきました!

 

とは言っても、いつもの見知った本部じゃなくて、どこかもよく知らない施設の地下なんだけどね。

ぶっ壊れてたもんね。地上のリディアン音楽院は完全に崩壊してたし、地下のトッキブツ本部もまともな状態ではないんだろう。というか、「カ・ディンギル」が残ったままらしく……そりゃあ戻ったり出来ないわ。

 

 

そして、この施設の今いる部屋(ココ)では、今、カナデたち装者()()が共同生活を送ってるらしい。

そう、()()。移動中にシンジさんから聞いていたのだが、あの時元々フィーネの手下だったけど色々あって一緒に戦うことになってたクリスちゃんが正式に二課の仲間入りをしたそうだ。クリスちゃんって別に悪い子じゃないし、良かった良かった!

 

 

クリスちゃんといえば……フィーネのことも、ワタシが消えた後の事の顛末と共にシンジさんから聞いたんだ。

 

……()()()()()もちゃんと聞いた。

どうやらフィーネも最期の最後で改心したみたいで、あともう少し早ければ……っていう残念な気持ちと、「半分くらい勘違いなんだけど…どうしよう」って気持ちとが入り混じってて……

そんなフィーネにワタシがせめてしてあげられることといえば、忘れ形見ってほどではないかもだけど、彼女が残していったクリスちゃんのことを気に掛けてあげること。あと、その他の残していっちゃったモノへの対応を考えてあげるくらいかな?

 

 

 

それはそうとして、そのクリスちゃんは今――――()()()()()()()()()

近くにはいるはずなんだけど……()()()()()()()()()()()()()

 

 

というのも、感動の再会を果たした瞬間、カナデとヒビキが――視界の端では遅れるようにしてツバサとクリスちゃんが――飛びついてきたのだ。

で、モミクチャにされながら各々(おのおの)が言いたいことを思うがまま言ってきて、それを半分聞き流しながら耐えてたら次第に離れていくのがわかって……こうしてカナデだけ最後の最後まで抱きついて離してくれないのだ。

 

ヒビキたちが離れたのは言いたいこと言えたのと、冷静さを取り戻せたからだろう。

アレだね。自分より慌ててる人とか見るとかえって冷静になっちゃうやつ。カナデの様子を見て一歩引いた視点で観れるようになって、落ち着いて……ってことだ。

 

 

そんな、カナデに抱きしめられたまま撫でられてるワタシの耳に、そこらへんにいるんだろうみんなの話し声が聞こえてきた。

 

 

「それで……なんで葵ちゃんはあんなところにいたんですか?」

 

「ああ。なんでも、彼女を保護したのが漁師の方で、その方の証言では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ゲンジュウロウさんの言う通り、ワタシは海を漂っていたところを漁師さんに引き上げられて保護された。

まぁ、正確にはそこに至るまで一晩中泳いだりしてたんだけどね! しょうがないよね、だって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「なんだそりゃ? そんな状況、水難事故かホラーくらいだろ」

 

「というより、よく無事だったわね。体温や食事……そういった面で色々と危なかったんじゃないかしら?」

 

自分でも、よく無事だったと思う。

この生命力の高さ。イヴちゃん(モンスター)ボディゆえか、はたまた「決闘者」ゆえか……。

 

 

 

 

と、ようやく満足気な顔になったカナデからワタシは解放された。

そんなワタシの頭をポンポンと軽く撫でながらゲンジュウロウさんがみんなに向かって言う。

 

 

「と、まぁこれからは葵君もここで生活することになる。よろしく頼むぞ」

 

 

「やったー!」

 

「任せとけって、旦那!」

 

「はい! ……それは構わないのですが、事情聴取やその他の対応は……?」

 

「これから時間を見て一応は実施するつもりだが……ここに連れてくるまでの様子からして、望み薄だからな」

 

ツバサの問いにゲンジュウロウさんが何とも言えない顔で答える。

ゲンジュウロウさんの言う通りで、ここに来るまでシンジさんが一生懸命根気強く相手をしてくれたけれど、知っての通りワタシのお口はいうこと聞いてくれないから、事情聴取もマトモにできたものではないのである。

そんな色々と不明な人物(ワタシ)をアッサリと受け入れるなんて……ワタシとしてはありがたいけど、ゲンジュウロウさんは何を考えてるんだろうか? フィーネの一件で何も学んでいないのか……それとも、ワタシが知らないだけで何か対策を打たれてるのかな?

 

 

「……ま、まぁ! 退屈はしそうにないな」

 

どことなく「しかたなくだぞ!」的な雰囲気を漂わせての発言に加え、ほんのり顔を赤くしているクリスちゃん。相変わらずのようだ。

そんな他の装者たちとは一味違うクリスちゃんが可愛らしくて、ついつい口元が緩んでしまうワタシ。

 

 

「《クリボー》!」*4

 

 

彼女は《クリボー》ではない(セルフツッコミ)

 

(ぼう)じゃねーよ! アタシはクリスって名前が……ん? どうしたんだ?」

 

ナイスツッコミ!

……って、あらっ? なんか、みんながワタシとクリスちゃんのことを見て固まった?

いったい何が――って、カナデがクリスちゃんに詰め寄って……!?

 

 

「うらやま――ズルい!!」

 

「は、はぁっ!? なんでだよ! 初対面からわけわかんないアダ名つけられたコッチの身にもなりやがれ!!」

 

「アダ名でも何でも、葵から名前呼ばれるなんて……あたしなんて一回も無いぞ!?」

 

あ、うん。ゴメンナサイ。

言い訳すると、ワタシは普通に「カナデ」って呼んでるつもりなんです。ただ、このいうこと聞かないお(くち)が言ってくれないんです。

 

 

軽い言い争いを始めるカナデとクリス。その間に入るツバサとゲンジュウロウさん。

 

……と、そこからヒョコっと抜け出してきたヒビキが顔を寄せてきた。

どうしたんだ?

 

「ねぇ、葵ちゃん。クリスちゃんはなんて言うの?」

 

え? ヒビキったらどうしたっていうんだろう?

そんなこと改めて聞くなんて……そりゃあクリスちゃんは「クリスちゃん」だよ。

 

 

「《ハネクリボー》」*5*6

 

 

って、ワタシたちの話を聞きつけたのか、言い争いもそっちのけでカナデが寄ってきて――

 

「もう一回!」

 

――今度はそのカナデからかい!

だから! クリスちゃんは「クリスちゃん」だって!!

 

 

「《クリボルト》」*7*8*9

 

 

……なんで、カナデだけじゃなくて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

ワタシは悪くない! コレも全部ドン・サウザンドってヤツのせいなんだ!!*10

 

「……からの?」

 

ねぇ、カナデ。

フリなの? ネタフリなの?

でも、いくらふってもクリスちゃんは「クリスちゃん」だよ?

 

 

「《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》」*11

 

 

いうこと聞かないお口は、ワタシと違ってちゃんとお約束は守るみたいです(白目)。

そんな気遣いするなら、普段からワタシの意図をくみ取って欲しんだけど……?

 

「ほら間違った!」

 

「お前らが執拗にききまくるからだろっ!?」

 

そんなことで喜ぶんじゃないよカナデ! そしてケンカするな! 子供かっ!?

 

 

 

って! カナデが急接近してきて――!?

 

「葵っ! 「(かなで)」!」

 

意地でも呼ばせる気だね、カナデはっ!?

ううぅ! 言える自信が無い……けど、失敗するってわかっててもカナデの勢いに押されてしまって口が動き出してきて……!

 

 

「『兄様(ニーソマン)』」*12

 

 

知ってた。

前にもこんなことあった気がする。……いつだったか? それこそ無言から喋れるようになったあたりでだっけ?

 

「リピート アフター ミー! 「奏」!」

 

なぜここで英語!?

 

でも、こうなったらトコトン付き合ってやる!

「カナデ」!

 

「『逆巻く銀河よ! 今こそ怒涛の光となりて姿を現すがいい! 降臨せよ、我が魂!』」*13*14

 

 

長い上にカナデ関係無くない!?

 

「か! な! で! かーなーでー!!」

 

……なんだろう。この、飼ってるインコとかに言葉を憶えさせようと何回も何回も繰り返し聞かせてる感じ……。しかも、心無しかヤケクソ気味になってないか、もうっ、カナデったら。

 

 

「『私たちが向かうのは、一条の光さえ失われた絶望と言う名の未来…』」*15*16

 

 

「なんでだーーーーっ!?」

 

非力なワタシを許してくれ……

 

非力なワタシには、のけぞった勢いのまま倒れてしまったカナデのそばに駆け寄ってあげることくらいしかできない……。

 

 

「必死だな」

 

なんか、本人は隠そうとしてるっぽいけど隠しきれてない、まんざらでもなさそうな表情してるクリスちゃんがカワイイ件について。

あっ、その発言にショックを受けたのか、倒れたカナデが「げふぅ!?」とか言いながらビクついた。

 

「……というか、なんだか意味深なこと言ってる気がするんですけど」

 

ヒビキ。そんな深読みしてるとフィーネみたいに勘違いをして大惨事に……いや、ヒビキはもうこれまでにたくさんしてきてたか。

 

「むしろこれは、遠回しに奏のことを呼ばないことを暗喩してるんじゃないかしら……?」

 

ツバサはツバサで、自分の言ってる事がカナデに追い討ちかけちゃってること気づいてる?

ほら、またカナデが白目でビクついてる。もしココがギャグ漫画の世界だったのなら吐血してることだろう。

 

 

 

と、唐突に手を高らかに挙げたヒビキが、声も張り上げた。

 

「じゃあ、次、わたしもやってみます! たーちーばーなーひーびーきっ!」

 

あ、はい。そういう流れなのね?

あぁ、でも、ヒビキは元からなんと言うかフレンドリーな子だから、その場のノリとかそういうのじゃなくってただ単純に「お友達だし師弟関係なんだから名前で呼び合いたい!」みたいな感じだったり?

 

まあ、ワタシだって呼べるものなら呼びたいんだけどね。

それじゃあいくよー……「ヒビキ」!

 

 

「《ジャンク・ウォリアー》!」*17*18*19

 

 

……うん。やっぱ無理だな。

でも、なんとなくカナデの時よりは手ごたえが感じられる気がする。

 

「わたしは立花響15歳! 誕生日は9月の13日で血液型はO型! 身長はこの間の測定では15――「『凡骨デュエリスト』」*20

 

長い! 名前を呼ばせたいだけのはずなのに、名前の紹介以降の蛇足が長いよヒビキぃ!!

 

「自己紹介キャンセル!? ……デュエリストは合ってると言えば合ってるのかな? でも、ボンコツって、なんかあんまり良い意味じゃなさそうなんだけど……?」

 

「デュエリストはともかく、「凡骨」は平凡な、凡才なといった意味合いよ。立花の言う通り、決して良い意味ではないでしょうね」

 

「はぁ!? コイツが凡才とか、何の冗談だよ!?」

 

せやね。

 

それに、凡骨こと城之内くんも特別凡人ってわけでもないしなぁ……。

まぁ、周りが闇人格持ちだったり前世持ちだったりしてる中じゃあ、凡人というか一般人か。

 

 

「そうだっ! 「ビッキー」! クラスの子がつけてくれたアダ名なんだけど……どうかな?」

 

ビッキー? なに、そのわからないようでわかるくらいのギリギリを攻めたアダ名は?

 

 

「『レベルを持たないということは、レベル0ということだ!』」*21*22

 

 

「何の話!?」

 

今のに限らず大抵関係無いから気にしなくていいよ……?

……と、まぁ大方の予想通り、ヒビキに対しても相も変わらずいうこと聞かないお口は健在ですね。

 

コレハヒドイ……とまではいかなかったこともあってか――あるいはそもそもの精神状態の差なのか――ヒビキはカナデのように倒れてしまったりすることなく、少し悔しそうな顔をする程度だった。

 

 

 

「ううぅなんでクリスちゃんだけ……? はっ! そうだ! わたし達にはまだ翼さんが残ってる!」

 

「ええっ!? わ、私もするの……!?」

 

「そんなこと言って、後々二人きりになった時とかに言わせてみようとか考えてたんだろ?」

 

クリスの指摘に、図星だったのか「ぅっ……」と言葉を詰まらせるツバサ。

そして、覚悟を決めたように一度深呼吸をし――改めてワタシの方へと向き直って口を開いた。

 

「あの、葵? 風鳴翼……言える?」

 

ここまでの経験からしてたぶん言えないと思うけど、とりあえず言うよ?

「ツバサ」っと。

 

 

「『バリアンの白き盾、ドルベ!』」*23*24

 

 

ブックス!*25

 

「人の名前……なのかしら?」

 

うん……一応ね。

 

って、あっ! ゲンジュウロウさんがメモとってる!? その人、この世界にいるはずもないから気にするだけ無駄なのに!?

え? 「もしかしたら、葵君の過去に関係があるかもしれん」とか考えて、情報をまとめようとワタシの発言を一々記録するようにしたとか? ……言ってること変って知ってるよね!? それともあれか? 勘違いしてたフィーネの最期の言葉の事もあって、全部が全部関係のないことじゃないかもしれないとか思って……!?

やめろー! 勘違いが加速するー!!

 

「それにしても……盾、ね。何とも私らしく無い……」

 

いやいや、サキモリって守る人のことでしょ?

だからこれってあながち間違ってないんじゃないかな? ……あっ、いや、ツバサがドルベだったら、ポンコツサブリーダー的存在なうえ肝心なところで守り切れない残念な人になっちゃってダメか。

……いや、ドルベにはドルベの良い所はあるんだよ? でもソレはソレ、コレはコレ。

 

とにかく、ドルベ≠ツバサだよ!

 

 

「《光天使(ホーリーライトニング)・ソード》」*26*27

 

 

「そう「(つるぎ)」だ! ……って、そうだけどそうじゃないわ!?」

 

「翼さんの、ノリツッコミ……!?」

 

なんでドルベ関連が続いたし?

それもなんでソード? 他のもう一体がいただろう?

 

……ねぇ。ワタシのいうこと聞かないお口、こんなにバグってたっけ?

アレから星遺物を新たに入手したわけでもないはずなのに……今気付いたけどメイ言だけじゃなくて「カード名」まで言えるようになってる? なんで? もしかして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

そんなワタシの思考を他所に、クリスちゃんたちは謎の盛り上がりを見せていた。

 

「というか持ちネタなのか、ソレ。なんか前にアンタと戦った時に似たようなこと言ってたの聞いた覚えがあるんだけど……」

 

「あっ! それって、わたしとクリスちゃんが戦ってた時――加勢に来てくれた翼さんがおっきな剣で銃撃を防いでくれてそれをクリスちゃんが「壁か!?」って言ったあの時のことだよね!」

 

「言った様な気はするけど、ネタとかそういうのじゃなくて心意気よ! ……気を取り直して……葵っ! 翼よ、つばさ!」

 

諦めずに立ち向かう「かっとビング」がフィーネとの決戦で勝利を掴むきっかけになったって話は聞いた。……この不屈の精神もそこから来てるものなんだろうか?

ワタシ自身、いうこと聞かないお口の予想外の変化にちょっと嫌な予感もするし、もうよしておきたいんだけど……

 

……しかたない、これで最後だよ? 「ツバサ」。

 

 

 

 

 

「『哀れなほど薄っぺらな…』」*28*29

 

 

「コフッ……!?」

 

ツバサが倒れた。

 

「翼さん!? 翼さーん!!」

 

「はぁ!? なんで今ので――って、オイッ! あお、チビまでぶっ倒れたぞ!?」

 

 

圧倒的ブーメラン発言ッ!

胸ネタで使われるメイ言がなぜここに!? そして、不幸にも翼さんにも伝わってしまったのかぶっ倒れてしまったから後で何を言われることやら……。

 

星杯を戴く巫女(イヴちゃん)》の胸部装甲は薄い……!

もれなく葵ちゃん(ワタシ)もだ。故にブーメランが深く深く突き刺さった! ワタシは言う気はこれっぽっちも無かったんだけどね……っ!

 

 

 

倒れたワタシ。

しかし、その頭部には地面にぶつかる衝撃は感じられず――代わりになんだか馴染みのある柔らかい感触に後頭部が包まれた。

 

……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

その胸囲の格差を嫌と言うほど感じ、追加ダメージを受け……ワタシの視界は真っ暗になった。

*1
「遊戯王GX」丸藤亮。物語一年目の終盤、三年生主席が行う「卒業デュエル」の対戦相手として主人公・十代を指名しに彼のいる「ボロアパート」とでもいうべき「レッド寮」を訪れた丸藤亮が、寮内を見たときの感想である。なお、その時の様子や前後のセリフからして、気をつかった言い回しなどではなく単純に大真面目に「おもむきのある→味のある」といった感想だったと思われる。このことや退出する際の「扉の立て付けが悪いな、俺から校長に言っておこう」という変に馬鹿真面目なセリフ等もあいまって「カイザー亮、天然説」が決闘者内で高まるのこととなる

*2
前提知識として、「GX」のデュエルアカデミアでは生徒が「オシリスレッド」、「ラーイエロー」、「オベリスクブルー」の三階級に分けられており、それぞれの寮や食事といった待遇に差があるのである。「レッド」は「ボロ・貧相」、「イエロー」は「普通」、「ブルー」は「豪華」と言った風に。そのため十代は主席になるほど優秀で「ブルー」しか知らない亮に「レッド」の感想を聞いたのであった

*3
「遊戯王5D`s」不動遊星。「おい、デュエルしろよ」の活用形であり、ダークシグナーのボスであるルドガーが霧の中に姿を消した後、叫んだセリフ。このすぐ前にサテライトの仲間であるラリーとデュエルをさせられた上に、そのラリーや育ての親であるマーサを地縛神の生け贄にされていた。遊星としてはいち早く下手人であるルドガーを倒したく、デュエルでの対戦を心から望んだのだろう。そのため「おい、デュエルしろよ」の時の様なクールさは無い

*4
おなじみ、武藤遊戯のマスコットキャラクター的存在の毛玉。某ゲームに出てくるキノコ的な敵ではないので注意

*5
星1/光属性/天使族/攻 300/守 200で、フィールドで破壊され墓地に送られると、そのターンの戦闘ダメージを0にする効果を持った下級モンスター。見た目は名前の通り《クリボー》に羽が生えたような姿である

*6
「遊戯王GX」主人公・結城十代が第一話にて偶然出会った武藤遊戯から譲り受けたカードで、物語・デュエル共に度々活躍し十代を助ける「相棒」である。また、デュエルモンスターズの精霊が見える十代にとって一番身近な精霊で、万丈目の《おジャマイエロー》等のように言葉を喋りはしないものの、その豊かな表情と「クリクリ」という鳴き声で賑やかしている。後に(正確には以前にも)十代に憑く彼(彼女)とはまた別の相棒ポジションである

*7
星1/光属性/雷族/攻 300/守 200で、自分のエクシーズモンスターの素材を取り除くことで同名モンスター…つまりは「クリボルト」をデッキから特殊召喚する効果を持つ下級モンスター。また、自身をシンクロ召喚の素材に出来ない制約を持っている。

*8
「遊戯王ZEXAL」の主人公・九十九遊馬の使用カードであり、当時ではシリーズ恒例となっていたクリボー亜種モンスターの4代目にあたるモンスター。レベル1であることを活かした戦術やランク1のエクシーズ素材として度々活躍した、球体型ボディに稲妻マークのようなモノが天辺についた見た目をしたクリボー亜種モンスター

*9
……とは言ったものの、実際にはそこそこ影が薄い。「GX」の《ハネクリボー》のような主人公の相棒ポジションを獲得できるほどの登場頻度と活躍が無く、主人公ではない他のメンバーのモンスターであった「5D`s」の《クリボン》のように精霊として時折持ち主の周りに出現して存在感をアピールなんて機会も与えられず、初登場以降はいわゆるチョイ役がほとんど。そして、追い討ちをかけるようにライバルキャラが《クリフォトン》を使った他、物語の後半…タイトルが「ZEXALⅡ」になってからは父・一馬の使いである精霊《虹クリボー》が仲間に加わり物語・デュエル共に大活躍を納めたことで、《クリボルト》の存在感はさらに薄まったのである

*10
我、関係無いよね?

*11
これまでにも名前が何度か登場した「遊戯王ARC-V」の主人公・遊矢のエースモンスター。略称は「オッP」……あくまで「おっぴー」であり胸部は関係無い…はずなのだが、一部決闘者からソチラを指す言葉として使われることも時折ある

*12
「遊戯王」モクバ。決闘者にはおなじみ。この作品でも以前にも登場した、モクバが兄・海馬を呼ぶ際の呼称とその空耳。

*13
「遊戯王ZEXAL」天城カイト。主人公のライバルの一人として挙げられる天城カイトの切り札的エクシーズモンスター《超銀河眼(ネオ・ギャラクシーアイズ)()光子龍(フォトン・ドラゴン)》の召喚口上。出現した槍状の物体を上空に出現したオーバーレイネットワーク(エクシーズ召喚に使う渦的なモノ)にカイトが投げ入れるという演出が行われる。

*14
超銀河眼(ネオ・ギャラクシーアイズ)()光子龍(フォトン・ドラゴン)》の初登場時は、デュエルで心身ともに追い詰められならがも遊馬に叱咤され弟のためになんとか立ち上がったカイトに、誘拐されその身に宿していた不思議なチカラを現在進行形で奪われていた弟・ハルトが全てが奪われる寸前でカイトにチカラを託した――その結果出現したカードで、兄弟の絆が生み出したものである

*15
「遊戯王」イシズ。エジプト王家の墓とその秘密を代々守る墓守の一族イシュタール家、その長女で「バトルシティ編」のラスボス的存在マリク・イシュタールの姉であり、未来を見通す千年アイテム「千年タウク」の所持者であるイシズ。一族の掟と幼少期に受けた父親からの虐待によってマリク内部に生み出された「闇人格」が、蓋となっていたリシドが倒れたことで目覚めてしまったに発したセリフ

*16
……なのだが、とあるゲームで彼女がデュエルの際に言うセリフがコレであり、同タイミングで「俺は未来を救う!」という遊星が「なんてことのないデュエルでも未来を救う遊星さん」とかいう扱いを一部から受けていたのと同じく、ごく一部からは「未来悲観するおばさん」等々言われているとかいないとか……まぁ、彼女自身決闘者たちからはよくおばさん扱いされており、同ゲーム内でもそこをネタにされているが……。一応言っておくと、孔雀舞が24歳でイシズは20歳と、年齢的に見れば別段おばさんなわけではない

*17
星5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300のシンクロモンスター。

*18
途中活躍の場を《スターダストドラゴン》等の最上級モンスターに譲って中継ぎをしながらも、第1話の全キャラ初のシンクロ召喚初お披露目から最終話のフィニッシャーまで、遊星と共に戦い続けたモンスターである。

*19
有名な話ではあるが、この《ジャンク・ウォリアー》の攻撃「スクラップ・フィスト」と、シンフィギア二期「G」の第一話での立花響の一撃がよく似ている……というか、動きや構図がほぼ同じである。これは「G」から監督となった人物が「5D`s」でも監督として関わっていたからであったためであり、このことから一部では「響・ウォリアー」というネタがあったりする

*20
「遊戯王」海馬瀬人。「負け犬」、「馬の骨」、「実験ネズミ」、「雑魚」等と同じく海馬の城之内への呼称、そのひとつ。特にアニメ版である「DM」では原作以上に「凡骨」と呼ばれる機会が多いため、印象に残っていて「城之内=凡骨」という認識の決闘者も多いことだろう。他よりはマシ……なのかもしれない

*21
「遊戯王ARC-V」勝鬨勇雄。有名なセリフ「何?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」の亜種……というか、それを言った勝鬨が再登場した際に発したセリフ。以前は「自身のレベル以下のモンスターを弱体化させる」効果を「レベルを持たないエクシーズモンスター」で突破されたのだが、その経験を活かしてか「レベルを持たないエクシーズモンスター」に「モンスターたちがレベル数に応じて強化される効果」を発動することで一方的に強化を受ける状況を作り出した。それでこのセリフを自信満々に言っている

*22
……のだが、この説明はあっているようで適切ではない。何故なら、結果的にはレベル0と同じ結果ではあるがそれは「レベルを持たないからレベルを参照する効果を受けない」からであって「レベル0ではない」

*23
「遊戯王ZEXAL」ドルべ。「ZEXALⅡ」から本格的に登場してきたバリアン世界の住人。その中でも英傑である「バリアンの七皇」がとある事情で抜けていた二人が帰還し完全復活を遂げ、主人公・遊馬たちに対して宣戦布告する際に七皇一人一人が名乗りをあげた際の、ドルベのセリフ。「真の銀河眼使い!」などと名乗りでも勝手に対抗意識を燃やしたり、「ジャジャーン!」などとふざけている者がいる中では比較的マトモなセリフだった。

*24
……で終わらないのが、ネタとしての知名度に定評のある我らがドルベである。「まとめ役っぽいのに他の仲間に振り回される」、「猫耳風の髪型(?)」、「飛行船と正面衝突事故」や「ブックス!」、「姑息な手を…」といった特徴的なセリフ、その他諸々――この発言以前からネタキャラ扱いが定着していたため、決闘者たちからは「バリアンの((おも))白き盾」や「《千年の盾》とのコラ」などとネタにされた。またその後のとあるデュエルでは《白き盾(セイント・シールド)》というカードを使っていたりと、自称ではなく正式に「白き盾」だった……というか、制作側からもネタにされていた

*25
ブックス!

*26
星4/光属性/天使族/攻1400/守1000。手札の「光天使」モンスターを1枚墓地に送って、ターン終了時までその攻撃力分自身を強化する効果を持つ

*27
「ブックス!」で有名な「光天使」の1体。(ネタ的に)大人気なキャラ・ドルベが使用したこともあって、OCGオリジナルで強力な「光天使」新カードが登場してからもファンデッキには欠かせない存在であった……が、登場当時でも「利点や他のカードとの差別点はあるにはあるが強くは無い」といったところで、エクシーズ先の《No.102光天使グローリアス・ヘイロー》の使いにくさもあって評価はあまり高く無い

*28
「遊戯王ARC-V」黒咲隼。光津真澄が、襲撃され行方不明になった恩師・マルコに関して問い詰めた際に、不審者であり襲撃犯であった黒咲が発したセリフ。原文は「フン、大した腕じゃなかったな。実戦経験のなさが露骨に現れた、哀れなほど薄っぺらな…」であり、そこまで言ったところで真澄が「黙れ!」と激昂した。次元戦争で生き死にをかけたデュエルをしていたエクシーズ次元の黒咲にとって、平和ボケしたスタンダード次元の教師程度は相手にならなかったのだろう。

*29
……なのだが、決闘者たちからはこのように一部だけを切り取り、胸部に関係する言葉として使われることが大半である。特に同作で登場した「タイラー姉妹」という胸部の影等の描写が乏しい人物に対して使われており、転じていわゆる「貧乳」なキャラやカードが登場した際にしばしば決闘者によって書き込まれる




どうしてこうなった


葵不足に陥ってしまってて、ちょっとタガが外れ気味な奏……。
まあ、一番おかしいのはやっぱり「葵」ことイヴちゃんなんですけど。





そして、まえがきで書いたようにアンケートを行いたいと思います!
そのアンケート内容は……「セレナ」の容姿についてです!

最近ではアプリゲーム「シンフォギアXDU」のムービーにて登場した「並行世界のセレナ」が大人な姿で適合者たちの間で話題になったりもしたのですが……アニメ基準のちびっ子ボディからどう変化するのか?…というアンケートとなります!


※注意※
感想欄でのアンケート回答等の行為はハーメルンでは禁止されている行為です。ご注意下さい。
具体的には「○○に一票!」、「○○がいいです!」などの回答がアウト。「○○にしました」などの投票報告はグレー……だと思います。それ以外の判断ラインは曖昧ですので……。

アンケートの締め切りは次回の更新までの予定です。

2期に登場するキャラ「セレナ」の容姿は?(締め切り・次回の更新)

  • 『あの時と一緒だな』(ちびっ子ボディ)
  • 『とんだロマンチストだな』(胸だけ成長)
  • 『ふつくしい…』(大人な体型)
  • 『哀れなほど薄っぺらな…』(背だけ成長)
  • 『ジャックは死んだんです』(生存無し)
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