我が手には星遺物(誤字にあらず) 作:僕だ!
ついにはじまりましたね、シンフォギア五期「XV」。
まあ、この作品には関係ない……けれども巫女関係のことはどうするか少々考え中。
すでに何度かしていますが、タグの整理をまた近々する予定です。今度は主に平行世界云々のあたりを一応追加してみる予定。他にも……
そして、今回のツヴァイウィングライブ序章。イヴちゃん視点とそれ以外とがまざる構成となっています。初めての試みとなるのでどうなるかが少々不安です。
一番の問題はネタをあまり挟めなかったこと……とは言っても、頭おかしいことになる予定なので、今は少し休むくらいの気持ちでいた方がいいのかも?
そして、シンフォギアの舞台の立地関係がイマイチよく分かっていないので、色々と捏造してたりぼやかしたりしています。ご了承ください。
ある日のこと……
「今度、少し離れた
「とは言っても、人混みが苦手だったりすれば無理して来なくていいからな? ……出来れば観に来て欲しいって、あたしも思ってるけど。あははっ」
最近忙しそうにしていると思っていたが、「ツヴァイウィング」……つまりはカナデとツバサのコンビによるライブが大々的にあるらしい。
しかし、アーティストとしてのカナデとツバサを知らないワタシが、「ツヴァイウィング」のファンから数少ない席を奪うような真似をしていいものなのだろうか?
そんな考えもあったが、どうやらコレはいわゆる関係者席的なものだそうだ。ならば、変に気を遣う必要もないだろう。
その翌日、ふたりと共にトッキブツへと赴いたワタシに、マネージャーさん――ようやく名前を知ったが、
「提案なんだが、「ツヴァイウィング」のライブ……もし
「あくまで見学ですので、なにかしらの労働を強いたりすることはありません。問題があれば僕がすぐに対応しますし、もちろんライブ中にはステージを観ることが出来ますよ」
……と、そんなことを言われたのだ。そばにいるカナデとツバサだが、少し不満そうにしてはいるものの特に口出しはしてきそうには無かった。
んん? もしかして、ふたりは……いや、ゲンジュウロウさんとシンジさんも含めた4人は互いに知っていたんじゃないだろうか?
というのも、関係者用のチケットを用意するとなるとふたりのマネージャーであるシンジさんが知らないはずがないだろう。そして、裏方見学の話ももしカナデたちが知らなかったなら今ごろ不満やら何やら言っているはずだ。しかしそんな様子は無い。
つまり、4人はあえてワタシの意思によって判断させるようにしているんだろう。どちらが正解とか、そういう話じゃなくて。
そうだな……自分たちの最高のライブを出来るだけお客さんと同じ視点で見て楽しんでほしい「
ふふっ、どうだろうか、この推理力は? 「見た目は
……なんでだろう? このフレーズの元である
さて、状況を整理しよう。
ワタシには「お客さんとしてライブに参加」、「シンジさんと共に裏方で見学」、ついでに「トッキブツ本部で待機組と共にお留守番」の三つの選択肢が与えられたわけだ。
どれもに利点があり欠点がある。
ならば、ワタシが選ぶべきは……
―――――――――
いつもとは少し違う街並み。移動時間からしても、
道に立ち見渡すワタシも、いつもよりも少し違う――もちろんカードに描かれているような巫女服ではなく現代社会に合った――服を着て、長い髪がライブ中に邪魔にならないように結って……と、ちょっとばかりおめかしをしている。……違和感があるとすれば、背負っている「鍵杖」用のバットケースがミスマッチ過ぎることだろう。
そして、手には
まぁ、つまりワタシは「お客さんと共にライブに参加」することを選び、楽しむことにしたのだ。
さて……
――――で、会場はどこだ?
どうしてこうなった……。
2、3日前からカナデやツバサと同じホテルに一緒に泊まっていたのだ。事前のリハーサルの時などは別行動となっていたが、それでも大体一緒にいた。
そして今朝方、最終確認やその他諸々で入場開始のずーっと前からライブ会場に行かないといけないそうで、また別行動になることとなった。
それでも、ワタシは特に何の心配もしてなかった。ふたりのことは心配いらないだろうし、自分のことに関しても、カナデとツバサを迎えに来たゲンジュウロウさんとシンジさん曰く「入場開始時間の前のちょうどいい頃に迎えを手配する」という話だったのだから、何の心配もしていなかった。
……じゃあ、なんでこんなことになったのか?
「
今、これまで以上にカナデたちと別行動を取ることが多くなったため、ワタシの手元にはおこづかいとして支給されたお金がある。おそらくは、喉が渇いた時の飲み物代やお菓子などの間食用に用意してくれたんだろう。
そしてこのおこづかい、決して高い金額ではないが「ツヴァイウィング」のグッズ……安めのものなら1つくらい買えるとは思える金額である。
そりゃまあ、カナデやツバサ、マネージャーのシンジさんに何とか意思を伝えることさえできれば、グッズの一つや二つ手に入れることは難しくないだろう。しかし、ふたりのことを応援したいのであれば……例え、自分で稼いだのではなく保護者から貰ったおこづかいであっても、それを使い自分で買ったほうがいいのではないか? そう思ったわけだ。
ならば本来の時間よりも早めに行かねばと身なりを整え、必要なものを持ち部屋を出て、ホテルのロビーでフロントの人たちに手を振ってから出発した。
ここの土地勘なんて当然無かったが、ライブ会場がドームのような大きな建物だというのは知っていたし、大きなライブなら案内板のようなものが掲示されているだろうし、同じようにライブに行く人も多いだろうと踏んでいたのでそう心配してなかった。
……と、思ってたのに
いや、軽率な行動を反省するのはまた後でいい。今は会場にたどり着くことを第一に考えなければ。
いちおうライブの時間までまだあるとは思うけど……はてさて、どうしたものか?
色々手段は考えられるが毎度のように壁として立ち塞がるのは「喋れないこと」だ。このせいでほとんどの手段が実行不可もしくは無謀という判定を下さざるをえなくなってしまっている。一番の敵が
持たされたケイタイと無線機は……先程確認したら、お亡くなりになってしまってた。なぜか? 持ち運びが面倒だからと「鍵杖」持ち運び用のバットケースに一緒に詰め込んでいたところ、鍵の部分の出っ張りが思いっきりめり込んで機体が砕け割れてしまっていたのだ。喋れない&書けない&打ちこめないで、連絡手段としてそもそも息をしていなかったケイタイ達だったが、本当に使い物にならなくなってしまった。
というか……だ。もういっそのこと、一度トッキブツ本部へと帰るのもありかもしれない。
先にも思ってはいたが「ライブ会場はトッキブツから離れた場所」みたいなことを言ってたわりに、思いのほかこのあたりからも歩いていけそうなくらいには近い距離にトッキブツ本部があるっぽいのだ。アレだろうか? ちびっ子ボディな
まあ、そのあたりの事情は現段階ではいくら頑張っても想像することしかできないからひとまず置いておこう。とにかく、案外近いのだ。トッキブツに帰れば……そこで身振り手振り頑張って迷ったことを伝えることができれば、なんとかしてもらえるんじゃないだろうか? 伝え損なったら、強制お留守番&見に来なかったからとカナデとツバサに悲しまれることになってしまうのだが……そこはワタシの腕の見せ所だろう。
このまま街中でつっ立っててもどうしようも無いので、トッキブツに戻ることにしよう。
ワタシは第六感もしくは自分の帰巣本能(?)であろう感覚に従い、歩き出した。
―――――――――
最終確認も済ませ、衣装やメイクもバッチリきめた状態で、あたしは暇を持て余していた。
身体を冷やしたりしないようにと渡された簡易的な外套を纏って……ジッとしてるのも性に合わないし、とりあえず機材やらなんやらを搬入するためのコンテナとかがあちこちにあるバックヤードを散歩していた。
「ふぅ……」
と、ブラブラ歩いてたあたしの耳に聞こえてきたのは、これまでに何度も聞いたことのあるため息。一足先に準備を終えてた翼だろうな。
そう思って聞こえた方へなるべく足音を消し行ってみると……ほらいた。小さめのコンテナに腰かけてる。なんか物憂げな表情してるし、また大真面目に考えなくていいことまで難しく考えちゃったりしてんだろうな。
ここはひとつ、スキンシップを取って
ってなわけで、あたしは足音を消したまま死角から翼へ近づいていき、ガバッと抱きついてやった。
「つーばーさっ!」
「きゃっ!? か、奏!?」
「ため息なんてついちゃって。はっはーん、まさか翼、緊張しちゃってたり?」
「当たり前でしょ、櫻井女史も今日は大事だって……そういう奏はどうなの?」
「んー? 過去最高に緊張してるかなー?」
「えっ!?」
信じられないって様子で目をまん丸にしてあたしを見てきた。そんなに意外だったのか?
ていうか、翼が驚いたのとほぼ同時にあっちの陰のほうから「むぅ!?」とかいう声が聞こえてきたんだけど……まあ、誰なのかは大体見当はついてるんだけどな。
「なんだよ弦十郎の旦那ぁ、ガールズトークに聞き耳立ててたのかー?」
「あぁいや、開演時間も近くなってきたからその前に一度様子を見ておこうと思って二人を探していただけだ。他意は無い」
あたしが声をかけると、少しバツの悪そうな顔でそう言いながら角から出てきた弦十郎の旦那は「しかし――」って話を続ける。
「以前からこの開演前の時間は奏に落ち着きが無くなりがちなことは知っていたが、まさか今回に限って普段以上だとは」
「やっぱり、完全聖遺物の起動実験だから? 櫻井女史も、人類の未来に関わる重要なことだって言って――」
「えっ、そこは別に気になんないけど?」
あたしが呆気にとられてそう言うと、ふたりして「え?」と軽く首をかしげた。
「だって、そっちのほうは旦那や了子さんたちに任せてれば、何の心配もいらないだろ? あたしら担当だって、あたしと翼――両翼そろった「ツヴァイウィング」はどこまでも飛んでいける。完全聖遺物起動のためのフォニックゲインの一つや二つ、楽勝さ!」
「奏ぇ……そうね、私も奏と一緒ならどんなことだって乗り越えられる!」
目を輝かせ、パァーッと咲くような笑顔をあたしに向けてくる翼。
旦那も納得したように見えた……が、まだなにかあったみたいで、表情のほうはいまいちだ。
「自信も気合も十分なのはわかった。……となると、緊張の原因はいったい何なんだ?」
「それはー……自分たちで誘っておいてあれだけど、あたしらのアーティスト活動を
自慢じゃあないけど「ツヴァイウィング」は十分有名どころのアーティストになっている。ちょっと探せば情報なんてそこらへんに転がってるようなもんだ。
それに、あたしたちの方から直接見せてみたりしたことこそ無かったけど、
だから、改めて恥ずかしがったりするこたぁ無いはずなんだけど……なんだろう?
葵がライブに来ているって考えるだけで、こそばゆいというか……胸の奥が苦しくなるほどキュッと締まるような気もするし、それ以上に熱く燃え上がるような感覚もある。あたしの高鳴り脈打つこの鼓動は……んんー、自分の身体と気持ちのはずなのに、色々入り混じってていまいちよくわかんないや。
けど――
「もちろん、嬉しい気持ちもいっぱいあるよ? だから……なんていうか、むしろ心地いいんだよ、この緊張感はさ」
「そうか……なら心配はいらないな」
安心した様子で口元に笑みを浮かべた源十郎の旦那。その旦那のほうから通信機の呼び出し音が鳴った。
「ああ……そうか……わかった。すぐ行く」といったやり取りを通信機ごしにした旦那は通信を切ってから改めてこっちを向いて――
「今日のライブ、任せたぞ」
――そうあたしたちに言ってからその場を離れていく。
「任されたっ! 大暴れしてやるかんな!」
行く背中にむかってサムズアップしながらそう声をかけたら、旦那も一度だけ振り返ってイイ笑顔でサムズアップを返してからまた歩き出していった……。
っと、さっきから変に静かになってる翼はいったいどうしたんだろ?
「ウウゥ……アオイモ、ミニ…キテ……フゥ……ダイジョウブ…ダイ、ジョウ……」
「あっはっはっは! 翼ってば、あたしの話聞く前よりガッチガチになっちゃってるじゃん!! そんなんでどうすんのさ」
「だって! 葵が来てるのよ!? ライブに来て観てほしかったのは本当の気持ちだったけど、言われてみればもの凄く恥ずかしいというか緊張するというかその……振り付け間違ったりしないか、失敗して葵に幻滅されないか心配で心配で……!」
「落ち着けって。そんなんじゃぁ、成功するもんも成功しなくなるってもんだ」
焦り慌てて口早にネガティブなことを言い出す翼。
あたしは、そんな翼の
「にゃ、にゃぬぃ……こぬぁ…………った。いったいなに!?」
「熱狂する観客の中で全部忘れて馬鹿みたいに声をはりあげたくなる、そんな楽しいライブを見せつけてやろうな? それこそあの葵が「一緒に歌いたい!」って思えるくらいにさ」
「……! ええ、それはいい考えね。私たちも、
あたしの言葉に思うところがあったのか、さっきまでの慌てっぷりから一変して一気にイキイキとした表情になる翼。そんな翼につられてか、いつの間にかあたしもより一層笑っているのが自分でわかった。
憎きノイズ共を一匹残らずぶっ潰したい。そのチカラを得るため己の身を命を削り、血反吐を吐いた。そして得たチカラでノイズを倒すために歌を歌いだした……それらは紛れも無い事実。
でも――――
「奏」
「ん? どーした?」
「私、奏の歌う歌が好きよ。最近は特にね」
「なにさ、いきなり? 小っ恥ずかしいじゃんかー」
「……どうしてかしら? 今言っておかないといけない気がしたの」
「あっはは! なーに言ってんだか……でも、ありがと」
けど、今のあたしにはこの身体がこの歌がそれだけのためのモノじゃなくなってた。
最初に気付いたのは命張って民間人の避難指示とノイズの誘導をしていた「特異災害対策機動部一課」の人達に感謝されたときだっけ? けど、一度気付ければ、思い返してみればそれ以前にいくらでも気付けるはずの
その
あたしの歌で、誰かの日常を護り、誰かを勇気づけ、誰かを幸せにしてみせる。
きっとそれが――――先に逝った
「いくぞ、翼」
「いこうっ、奏」
そう、今日はあたしはここで歌う。
こんなあたしの隣に立ち、共に歌ってくれる翼に
家族の温もりを思い出させてくれ、けれど独りで心の傷を抱え続ける葵に
このノイズが湧き出る、理不尽な世界に生きる人達に
この歌声を届けるために――――
――――――――
トッキブツ本部――もとい、その地上部分「リディアン音楽院」というものは「小山」だっただろうか?
いや、自問自答する必要も無いくらいおかしいことだとは解ってる。けど、この小山――とは言っても、そこらの建物より全然大きいんだけど――を前にワタシの第六感が「ここがトッキブツ本部です」と言っているのだ。
今見えてないだけで、小山の裏にある? いや、リディアンのそばにこんな形の山があった憶えはない。それに、ワタシには裏手とかじゃなくてやっぱりこの小山がリディアンな気がしてならないのだ。
リディアンの上にどこからか大量の土砂が降ってきた? だがしかし、この小山には草や木がしっかりと根付いているように見える。山そのまままるごと降ってきたなら……ダメだ、そんなことはあり得ない。非ぃ科学的だ!*1
しかし、山かぁ……。少し登ってみるべきか?
トッキブツ本部うんぬんは抜きにして考えてみると、ある程度の高さがある場所であれば周囲を確かめることが出来るだろうことがわかる。そうすれば地下に本部のあるリディアンを――ではなくて、当初の目的である「ツヴァイウィング」のライブ会場らしきものを見つけることが出来るかもしれない。
時間が惜しいこともあって「とりあえず行動あるのみ」の精神で、極力木や草
特に問題なのは背の高さがある木たちの多さ。これでは、この小山の中によほど開けた場所でもない限り、辺りを見渡せそうにない。いや、木を登れば見えなくはない……か? 登れるかな、ワタシ。
そろそろ、ライブの時間がヤバイような気がしてきた。もうすでに始まってたりする? アウトだったり……?
いやいや、諦めるなワタシ。まだ、まだ打つ手はあるはずだ……たぶん。そうであったらいいな……。
しかし、本当にどうしたものか。もはやアテも無くどうしようも無い。
やっぱり、個人的に唯一のアテだった自分の第六感によるトッキブツ本部探しが意味無かったのが痛い……。
――、―――――――!?
不意に、声が聞こえてきた。
簡潔に言えば「誰かいるのか!?」的な大きな呼び声。その声の大きさと力強さに少々ビビりつつ草藪からこっそりと顔を出して声のした方を覗きこんでみた。
するとどうだろう。草藪や木々の先――距離にして4~50メートルほど先だろうか? 平地ではないうえ障害物が多いためわかり辛い――に、どこか見覚えのある格好をした人物が見えた。
ワタシの気配を察して声を投げかけたのだと思うが、場所まで正確にわかっていないのかキョロキョロしている様子。……というか、なんでこんな山の中にいるんだ? っていうか、誰かと喋ってる? 通信機か何かだろうか?
しかし、案外都合がいいかもしれない。
あのトッキブツの黒スーツさんならワタシのことはしっているだろうし、保護してもらえばなんとかなるかもしれない。やはり喋れないことがネックとなるが、トッキブツ本部やライブ会場に連れてってもらうことも不可能な話ではない……はず。
そう判断したワタシは立ち上がり、明後日の方へと歩いて行こうとしている黒スーツさんの方へと歩き出し――――
そして、顔を地面にぶつけるほど、盛大にこけた。
「なんでぇ?」と思いつつ、痛む顔をさすりながら足元へと視線を移す。
そこには、地面から独特の光沢のある暗い色の
一見して、木の根か何かが飛び出しているのかと思ったのだが、それにしては長いし綺麗な曲線過ぎる。石……大きな一枚岩の端……なのか?
しかし、黒みがかった藍色とでもいうのか、この独特の色をしたモノ……ワタシは何処かで見たことがあるような……?
何気なく足元の地面に埋まってるその
その瞬間、視界が光に埋め尽くされ……ワタシは悲鳴を聞きながら、浮遊感に襲われた――――――
――――――気づけば、目の前にあった……というか、足元から視線のずーっと先にまであったはずの斜面が……
代わりに、足元にはほとんど周囲の平地と同じ高さになってる地面と、それを覆うように倒れている木々や草花が。そうそれは、まるで小山がボカンと崩壊したかのような光景で……って、えっ?
オイオイ、待て待て、ちょっと待て。
おかしいぞ? おかしいだろう?
なんで、なんで、
なんで、ミニチュアサイズの《
似た光景をワタシは知っている。
魔法カード《
もしかして、ワタシの目の前にあるコレも「星杯のチカラ」なのだろうか? だとしても、なんでここに?
ふと思い出す。こける原因の足元にあった埋まった
……つまり、あれか? つまずいた出っ張りは小山に埋まっていた《星遺物―星杯》の一部突出していた部分で、ワタシがなんとなく触れたせいで《星遺物―星杯》が起動しちゃったのか?
起動した結果《星遺物―星杯》が小さくなって、小山を形成していた大部分が無くなったから地盤が保たなくなり……それで崩れたのか!? 色々とおかしいでしょ!?
だって、《
まさか、そんな……いや、
『――――!』
あまりの予想外の唐突過ぎる出来事に呆然としかけていたワタシの耳に、誰かの声が聞こえてきた。
はっ!? そういえば、さっき聞こえた悲鳴の主……あの黒スーツさんも巻き込まれていたハズ。このボソボソと聞こえる声は、あの人のものか!? 無事なのか!?
故意ではないにしても、自分の行いのせいで誰かが死んでしまうのは流石に避けたい。
立ち上がり、声の聞こえた方へと向かって行きながらあちこちを見渡し探した。
運良く黒スーツさんは案外早く見つかった。倒木に埋もれたりすることも無く倒れていた……が、息はしているようではあるものの、気絶していてとても喋れる状態では無さそうだ。
では、さっきの声は?
『――さん、どうしたんですか!? 今の音はいったい!?』
おっ、さっきの声は黒スーツさんのそばに落ちている無線機からのようだ。
これは……以前に、厚紙をくれたりもした優男風の男性オペレーターさんの声だ。ずいぶんと焦っている様子でこちらに通信をよこしているようだ。……しかし、どうしたものか。喋れないワタシにはどう返事も出来ないぞ?
『いったい何が……まさか、遺跡の中の
遺跡? いやそれよりも「
MA☆TTE!?これは事故だ!*2
いや、ほぼ間違い無くこの惨状はワタシの行動によって引き起こされたものだが、その、故意ではないし何と言うか……!!
『えっ、友里さんどうし――起動実験の現場で完全
ん? 今度は通信の向こうで何か話しているようで……えっ?
「
それで爆発って、なんで!? ライブ会場にも被害がって、その爆発でなのか!?
そもそも
ワタシのせいなのか? それもワタシが「星遺物」を
爆発音。
それが聞こえた時には、すでにワタシは走り出していた。目指すべき方向は、すぐにわかった。
なぜなら、もうもうと上がる黒煙が爆発のあった場所を――「ツヴァイウィング」のライブ会場を――教えてくれているのだから。意外にもここから近そうだ……なんというか、耐震強度が心配になってしまう形状をした近未来的な大型建造物だ。
カナデ……! ツバサ……!
全力で走る。
この前ノイズから逃げた時よりも一層速く、このイヴちゃんのちびっ子ボディのどこにそんな力があるのかわからないくらいの速度で走る。
障害物にぶつかりそうになれば、勢いに任せて思いっきり踏み込み――
――――あの小山跡地にて目の前に浮いていたはずの小さな《星遺物―星杯》が、何処かへと消えている事に気付いたのはライブ会場にたどり着いた時……ある光景を見た時だった。
違う道(ただの迷子)
さあ、ここまで情報が出揃えばここから先の展開をわかってしまう人がいるのでは? 特に適合者
だとしても!!
今回のツヴァイウィングライブ関係に限らず、感想欄等での展開予想や原作ネタバレは禁止ですよ! 作者「僕だ!」のメンタルが削られるだけでなく、他の読者の楽しみを奪ってしまいかねないので。
け、決して、簡単に展開予想できてしまうようなお話しか考えられないから、追い詰めるのはやめて欲しいとかそういうのじゃないです……そういうことにさせてください。
ルールとマナーを守って楽しくデュエルしよう!