変態淑女深雪さん   作:世桜

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ふと思い立ったので始めました。頭を空っぽにしてお読み下さい。

続きはお気に入りが5件超えたら書きます。UAが100超えても書きます。


変態って、無駄に高性能だよね

「さぁテトさん、今日こそこの書類にサインを!」

 

「ざっけんな!目に見えてる地獄に突っ込む気はねぇ!!」

 

「突っ込むですって!?ナニをドコに突っ込むのですか!!」

 

「黙れこの変態!!」

 

いきなり逃走シーンで申し訳ない。いやでもアイツからは否応にもこうして逃げないといけないんだ。じゃなきゃナニされるか分かったもんじゃない。

あぁ、自己紹介をしておこう。オレの名前は『八神テト』。ココ最近人気の転生者ってやつだ。……ドリルみたいなツインテは無いからな?

両親は生きてるけど家にはいない。仕事の関係で帰れてないんだわ。神さんから頂いた能力は『ご都合操作』。ご都合主義を作り出す能力だ。親がいないのもこれの能力による結果って訳よ。

んでオレが飛ばされたこの世界は『魔法科高校の劣等生』。今オレを追っかけてきてんのは魔法科の最強ヒロイン司波深雪。

司波兄妹とは幼馴染……と言うよりは腐れ縁か。んで、『八神テト』という異物のせいか司波兄妹の性格が変わりました。清楚可憐な深雪さんは変態淑女に。そんなキモウトのせいで達也は胃痛持ちになった。あぁ、達也の性格改変はCADキチになったぞ。多分深雪さんによるストレスのせいだと思うが……。

 

「っと、振り切れたか……」

 

オレの平日はこうやって深雪さんを振り切ることから始まる。居候の身だから無下に出来ないし、オレのCAD調整は達也にしか出来ないからそもそも離れられん。

 

「たく、新入生代表挨拶者が何やってんだか……」

そもそも入学式前にあんなことする元気がよくあるな……。普通は答辞内容の確認とかするだろうが。……まぁ、変態になっても根元は完璧超人深雪さんだしな。問題なく出来るからこそあんな事してんだろ。

 

「朝から大変だなテト」

 

深雪さんから逃げた時に失った体力を回復するために椅子に座っていたら、背後から男性が声を掛けてきた。

 

「っ、達也か。驚かせんなよ」

 

「深雪なら最終確認のためここにはいないぞ」

 

「なんだよ、警戒して損したわ。胃は大丈夫か?」

 

「……朝1瓶開けてきたんだ」

 

「あ、うん。大丈夫じゃないですね」

 

深雪さんの兄にしてヘタしたらオレより被害を被っていらっしゃる存在、司波達也。コイツの1日は胃薬を飲むことから始まると言ってもいい。というか胃薬を飲まない日があるだろうか、いやない(反語)。

 

「今飲んでる胃薬も効きにくくなってきた。今より強いものを探さないといけないな」

 

「それもうヤク中の域行ってない?」

 

「わかっていると思うが、飲まないとやってられないんだ。……深雪のせいでな」

 

「いやその件に関してはホントーに申し訳ない。深雪さんがあんなに暴走するようになったきっかけはオレだからな」

 

司波兄妹との腐れ縁が出来た日、そこでオレは深雪さんに対してある事をやらかした。その結果起こったのが変態淑女化だよ。……ほらそこ、自業自得とか言わない。分かってんだよそんなこと。ただ、んな予想できるかって話よ。予想GUYってやつ。

 

「いや、深雪が自分の感情をしっかりと表すようになった点に関しては感謝している。……それに、深雪の事を特別な存在ではなく、『ただの人間』として扱ってくれるのははあの時までお前を除いていなかった。きっとこれからの先でも深雪に対して真正面から嫌いなんて言ってグーパンするのはお前くらいだろう。……当時の事を思い出したらイライラしてきたな。1発殴っていいか?」

 

「めちゃくちゃいい台詞だっただけに最後ので全部台無しだよ」

 

 

 

 

〇✕〇✕〇✕

 

 

 

雑談もそこら辺にして、オレらはそれぞれやりたいことを始めた。達也は読書、オレはネットサーフィンだ。いやまぁ、紙媒体じゃないものに読書っていうのもなんか違和感覚えるけどな。

 

「……達也」

 

「あぁ、見られてるな。……魔法か?」

 

達也が画面から目を外し、オレへと向けていた。その意味を理解し、オレは内心笑いながらその考えに乗ることにした。

 

「お前がそれを聞く?……いんや、魔法の感覚はない」

 

「……確かに。コレはまるで獲物を見つけた肉食獣の視線に近いな」

 

「あぁ。しかもコレは行き遅れな女性の視線だ」

 

「誰が行き遅れよ誰が!」

 

覗き魔がしっかり釣れた事に、オレと達也は無言でハイタッチをした。

戦場においては、先に自制心を失った方の負けだぜ?あ、戦場じゃない?ノリだよノリ。分かれ。

 

「んで、行き遅れ覗き魔さんは一体なんの御用で?」

 

「だから!行き遅れでは……っんん。お2人は新入生ですよね?会場の時間ですよ」

 

オレの言葉に反論しても無意味と悟ったのか、行き遅れ覗き魔さん……あー、七草生徒会長は煽りを無視して続けた。

 

「……あ、ホントだ。もう30分前か」

 

「ありがとうございます、すぐに向かいます」

 

「もしかして会場が分からないですか?それでしたら、案内しましょうか?」

 

「いえ、先程妹と共に確認してきましたので大丈夫です。行くぞ、テト」

 

「あいよ達也。相方が知ってるみたいなのでノー問題です。貴方はその出歯亀趣味を止めた方がいいと思いますよ、七草生徒会長殿?」

 

生徒会長殿の反応を待たずに先に行ってしまった達也を小走りで追いかける。

追いついた所で達也が後ろを気にしながら小声で問いかけてきた。

 

「……知っていたのか?相手が数字付き(ナンバーズ)、しかも『七草』だということに」

 

「情報は何物にも勝る武器だぜ?」

 

「知っていたなら煽ることは止めてくれ。……これ以上胃痛の種を増やすな、頼むから」

 

「……まじごめん」

 

前半は了承しないにしても、後半はシャレにならん。

コイツが倒れたら深雪さんのストッパーが消える。つまりは深雪さんが暴走する。最終的にオレは喰われる(意味深)。アカン。

 

「『八神』の名は十師族以上に重いんだ。お前の挙動で『八神』が解体されることになっても知らないからな」

 

「分かってるよ。ただ、達也も知ってるだろ?オレは、『八神の人間』として縛られて生きるんじゃなく『八神テト』として自由に生きたいんだ。深雪にもそう言ったからな。オレがアイツの案内人にならなくちゃいけないんだよ。自由に生きる方法の、な」

 

オレの言葉に達也はふと空を見上げ、何か覚悟を決めたような顔をして口を開いた。

 

「……ココ最近の深雪は自由に生きすぎてないか?というかそもそも自由というか暴走の方が正しいと思うんだが」

 

「せっかくシリアスしてんだからもう少しだけ持たせてくれない?いや否定できないんだけどもさ」

 

 

 

〇✕〇✕〇✕

 

 

 

「結構混んでいるな」

 

「あの後出歯亀生徒会長殿の襲来があったからしゃーねぇよ。……にしても、キレイに分かれてんなぁ」

 

アニメを見ていた時よりも、小説や漫画を読んでいた時よりも、学校に蔓延する差別意識が酷いことを文字通りこの身で感じた。

今日から当事者か……。前世でスーパーのアルバイトを始めて、万引きが身近になった時もこんな気分だったな。

 

「こればかりは仕方ないだろう」

 

「まぁ、そうか。……達也はどこに座んだ?」

 

「俺か?俺は別に事を荒らげるつもりもないからな。後ろの適当な場所に座るさ」

 

「んなら、一旦お別れだな。帰りに会うか、クラスで会うかは知らんけど」

 

「……わざわざ前に座るのか?」

 

「あぁ、昨日深雪さんと約束したんだよ。1番近い所で答辞を見るってな」

 

オレ的には嫌だったんだが、流石に『拒否ったら首輪。ただし着けるのは深雪さん。オレは鎖を持って学校にGO(意訳)』なんて脅されたら従わざるを得ない。

社会的に殺すの止めて(切実)。

 

「……そうか、分かった。なら俺も前に行こう」

 

「オイオイオイ無理すんなよ達也」

 

ここで千葉柴田フラグを折るな、頼むから。んで出来ればオレに柴田さんを紹介してくれ。

……巨乳って、イイよね。

 

「大丈夫だ、お前よりは無理していない。それに―――」

 

「それに?」

 

「―――知らない人間の印象より妹の晴れ姿を近くで見ることの方が大切だからな」

 

「……さすがはお兄様だな」

 

「お義兄様と呼んでもいいんだぞ?」

 

「死んでも呼んでたまるか」

 

それって深雪さんと入籍してるじゃないですかヤダー!

とまぁ、そんなことをしながら座れる席を探すオレたち。

 

「ん、アソコなんてどうだ?」

 

そこは最前列の真ん中、つまりはステージのちょうど目の前で二つ分席が空いていた。

 

「ちょうど二つか。しかし、なんで一科生はあそこに座ってないんだ?」

 

「どうでもいいだろ。座れるなら気にしなくてさ」

 

「それもそうだな。そんなことよりも深雪の晴れ舞台だ。残り5分しかない、急ぐぞ」

 

「マジか、出歯亀生徒会長殿に時間取られすぎたな」

 

個人的にはそのままタイムリミットで後方の適当な場所に座りたかったです、はい。

 

「……いい加減その呼び方止めたらどうだ?」

 

「第一印象がアレだからな。オレの中じゃあの人は何をしようと出歯亀生徒会長殿だよ」

 

人間、第一印象って大切ですしおすし。

そんなことを話していると、目的の場所に着いた。一科生は舐めたような、馬鹿にしたような目でコッチを見ていた。

 

「いやマジで何があったし。ヘイ、そこな一科生。ここは空いてるよな?」

 

「……あぁ」

 

「サンキュ」

 

ぶっちゃけ答えすら帰ってこないと思ってた。この一科生はいい一科生。やっぱ女の子に悪い子はいないんやなって。

 

「おい、そこは僕たちが目をつけていたんだ。どいて貰えないか?」

 

オレたちが空いていた2つの席に座ったと同時に、そんな声が聞こえてきた。

 

「悪いけど、早い者勝ちなんだよこの席」

 

「二科は一科の補欠だろ?全てにおいて一科を優先するのは当然じゃないか」

 

声の主へ顔を向ける。その人物はオレのよく知る人物だった。

てか、森崎君じゃないですか!

魔法科一のネタキャラとして有名な森崎君じゃないですか!!

二次創作じゃライバルキャラとしてよく使われる森崎君じゃないですか!!!

まぁ、だからと言ってどうしたって話しよな。

 

「お前が思うんならそうなんだろうな―――」

 

「なんだ、分かってるじゃないか。なら早くどいて「―――お前ん中ではな」……なに?」

 

「お前ん中のルール、オレ知らないから。ここじゃどこに座ろうと自由だぜ?」

 

森崎君には悪いがここは煽らせて時間切れを狙わせてもらうぞ。じゃなきゃオレが(社会的に)死ぬ。

 

「常識も分かんないなら、小学生からやり直せ」

 

ゴメン、まじゴメン。後でカレーパン奢るから。アン〇ンマンの顔パンも付けるから。

 

「こんのっ!「おい」……なんだよお前もこの二科生に何か言ってやれ」

 

隣の女子から森崎君へ声がかけられた。

なんだ、支援か?オレとしては時間が稼げるなら支援でもなんでもやってくれだけどさ。

 

「いや、今回限りはお前が悪いと思う」

 

……え、まさかの俺様系女子?

 

「そしてだ、森崎同学年。時計も見れないようではこの二科生の通り小学生からやり直した方がいいのではないか?」

 

あっ、これ黒神めだか系女子だわ。

 

「……チッ。覚えてろよ赤髪のウィード」

 

「禁止用語を使うな、底が知れるぞ森崎同学年」

 

黒神めだか系女子の支援により、あまり騒ぐことなく森崎君が退散していった。

……コイツ、もしかして同存在(転生者)か?

あ、赤髪のウィードはオレの事な。確かに某嘘の歌姫のようなドリルはないが同じ真っ赤な髪ではあるぞ。

 

 

 

〇✕〇✕〇✕

 

 

 

「先程はすまなかった。同じ一科生として謝罪しよう」

 

入学式が終わり、生徒たちが教室を確認するためIDカードを受け取りに行く中、黒神めだか系女子がそう言って頭を下げてきた。

 

「いや、そっちのおかげであまり騒がずに済んだ。感謝するのはこっちだ」

 

「達也の言う通りだよ黒神めだか系女子。だから下げてる頭を上げてくれや」

 

「……そう言って貰えるとありがたい。気を使わせて済まないな、司波同学年たち」

 

また会うことが有れば話をしよう。そう言って黒神めだか系女子はオレの横を通ってIDカードを受け取りに行こうとして―――

 

「私の連絡先だ。イレギュラー同士、後で話をしよう」

 

―――達也には聞こえないくらい小さな声でそうつぶやき、オレの手に1枚のメモを握らせた。

 

「俺たちもIDカードを受け取りに行くぞ」

 

「……あぁ、そうだな。同じクラスだと楽なんだがな」

 

「それだと休み時間毎に深雪が突撃してきそうだな」

 

「ははっ、死人が出るぞ」

 

「……あえて聞こう。誰が死ぬんだ?」

 

「わたしだ」

 

「……だろうな」




深雪ファンの皆さんゴメンなさい。

タイトルの割に変態要素少なくて申し訳ない。
あと森崎くんファンの方ごめんなさい。


―追記―
投稿約20分でUA100、お気に入り5を超えました。はえーよホセ。
続き書いてきます。

番外編、どっちが読みたいですか?

  • 変態淑女深雪さんの一日
  • 変態乙女めだかちゃんの一日
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