ちょっと、ユウキ(SAO)のヤンデレ物を探してて……。誰か書いてくれねぇかな。
あ、アンケート結果はほぼ5倍の差を付けて深雪さんの1日となりました。今現在『平日編』と『休日編』の執筆中です。気長に首を長くしてお待ちください。
「いい加減にして下さい!!」
放課後、門の前にてソプラノの怒鳴り声が響く。
怒鳴り声を向けられた一科生は誰もがその迫力にたじろぎ、周囲の生徒はなんだなんだと足を止めて様子を見る。
「私はテトさんと帰りたいのです!授業中はあなた達と一緒にいたでしょう!それなのにまだ私を拘束するつもりですか!!」
いやまぁ、怒鳴ってんの深雪さんなんだけどね。
俺と達也、深雪さんは小学生からずっと一緒だった。平日の学校でも、休日の家でも、寝る前までずっと。そんな日々を過ごしている内に俺たち3人は一緒にいることが普通になった。誰かが欠けたら気が落ち着かない程度には。
学校でクラスが変わるというのは初めてのことであり(中学までは達也の言っていた通り学校側の都合があったと思う)、味わったことの無い環境が思っていた以上にストレスを与えてしまったのだと思われる。俺と達也は同じくクラスだから深雪さんより被害はあまり少ない。
「こ、拘束って……?」
「お、オレたちはただ相談したい事があって……」
「相談でしたら明日に受け付けます!なぜ今になってそんなことを聞くのですか、時間はあったでしょう!」
「み、深雪さんは自分の価値を分かってないんだ!」
お、森崎くん。切れ気味深雪さんに噛み付くとはやるな。ちょっと評価上げとくべ。
「……自分の価値、ですか?」
「そ、そうです!深雪さんは一科生の星!それがそこら辺に生えている雑草を気にするなんて価値が下がるだけですからウィードとは縁を切るべきなんです!」
おっ、ケンカ売ってんのか^^?
なんていう冗談はさておき、入学式や食堂でも彼の発言は止められていた。その分の帳尻合わせがここで起きているからあんなに問題だらけのセリフへランクアップしてるのだろうか。俺は元のセリフをある程度知っているからまだいいが、それを知らない達也たちからしたら原作以上に溝を作る事になる。
「……それ、あたしたちにケンカ売ってるの?」
ほーら、(言ってないけど)言わんこっちゃない。
「いや、そういう訳ではない。君たちがウィードなことは事実だし、それによって深雪さんが汚されるというのも事実だ」
「なっ!なんで俺たちに関わったからって汚れるんだよ!!」
ゴメンな、レオ。深雪さんが変態化したのオレのせいだからあながち否定できないわ。
ちなみに黒神は帰った。今日までに終わらせなきゃいけない仕事があるらしい。義親父から何の連絡もないから、『八神』ではなく『黒神』としての仕事だろう。
「ボクは聴いたぞ。深雪さんがへ、変態的な事を言っているのを……」
あらあら恥ずかしがっちゃって。そこら辺はしっかりと思春期男子やってんのな。
「その相手がお前だったこともな!」
森崎くんはそう言ってオレを指さす。
少しだけ固まったオレは森崎くんの言葉をしっかり理解し、全力で土下座を敢行した。
「その件に関しては真に申し訳ないです。もしA組内でまた猥談をした場合は叱ってくれて構いません」
「あ、いや、いいんだ……」
変態深雪さんを作り出した原因として頭を下げる。
その姿に流石の森崎くんもたじろぐ。
「……話を戻すぞ。今彼が謝った通り、Eクラスの行動が深雪さんに対して悪影響を与えている。だから、深雪さんは君たちと関わるべきではないんだ!」
うーん、オレの発言で森崎くんの言葉に説得力がガガ……。
「誰かと関わって思考が変わっても、それが会っては行けない理由にはなりません!」
「美月の言う通り。深雪が誰と仲良くしようが、アンタらには関係ないよね」
ナイス女子組!
「関係ある!さっきも言ったが深雪さんはボクたち一科生の星であり、代表と言っても過言ではない。そんな彼女が低レベルの二科生と共に過ごすなぞあってはならない!」
「低レベルって……。入学したての私たちと何が違うって言うんですか!!」
「知りたいか?なら教えてやる!」
ん、ここでレオが発言したせいで狙われるんだよな。何かの間違いが起こって怪我させんのも悪いしここは庇っとくか。
「だったら教えてくれよ、一科生。オレらとの違いをよ?」
……別にこの騒ぎの理由がオレのせいだからじゃ無いからな?
「いいだろう……。よく見るがいい。これが―――」
森崎くんはそう言って腰に付けたホルスターから素早くCADを抜き、オレへと向けた。
「―――才能の差だ!!」
「「テト!」」
レオと千葉さんがオレへ向かって駆け出したのを見るに、恐らく魔法が放たれたのだろう。
ゴーグルは……間に合わないか。
もし奇跡的に間に合ったとしても、そこから守りに入るのは無理がある。これは二科生云々と言うより、銃弾を目視で避けられますか?という部類になるからな。
「…………テト!」
「オーライ達也、『ディフェンド』!」
ま、そういう時は達也が合図をくれるのよ。
中指の指輪がオレから霊子を吸い取り、起動式を展開する。吸い取られた霊子は正面へ壁を作り出す。と、いいなぁ。
見えてないからちゃんと作り出されてるのか心配だったりするが、みんなには内緒だ。
「な、なんだ今の展開速度……」
「はっやい……」
お、レオと千葉さんの反応を見るにしっかり魔法は展開されてるみたいだな。よがったよがった。
「才能の差は努力と知恵でカバー出来んだよ。分かったか、一科生諸君?」
今のうちにゴーグルを付けておく。……一応だぞ?戦う気なんてこれっぽっちもないかんな?
「舐めた真似を……。そこまで言うなら見せてもらおうか、その努力と知恵を!」
「あたしも参加させてもらうよ」
「俺もだ。友人を攻撃されて怒らないやつがいるかってんだ」
「深雪、手を出すな。コレは彼らと俺たちの問題だ」
「はい、お兄様。でしたら私は美月を守っていますね」
「あ、ありがとう……」
…………おっとー(-ω-;)?
なんか違くない? 千葉さんとレオはまだ分かるが達也さん、貴方そこまで好戦的でしたっけ?
千葉さん、レオ、達也の順で俺の数歩前に横一列で並び、一科生を睨みつける。対する一科生も森崎くんを中心として、達也たちの正面に立つ。
……よくよく考えると、入学一日目であんなにクラスをまとめている森崎くんのカリスマってやばいのでは?
「行くぞ!一科生の力を見せてやれ!!」
「二科生の意地を見せてやる!」
「そこの生徒たち止まりなさい!」
魔法による戦闘が始まろうとした所で、展開していた起動式が全て破壊された。
やっっっと来たか出歯亀生徒会長殿。
……あれ、風紀委員長殿は?なんで部活連会頭殿がいるの?
「一体何をしているのですか!魔法を人に向けて放つ事は校則以前に犯罪行為ですよ!!」
「せ、生徒会長……」
「それに、十文字部活連会頭……」
一科生の方からやってきた2人を示す小さな声が上がり、それを受けて周囲がザワザワと騒がしくなった。
「1-AとEの生徒だな。先程の明らかな戦闘行為は何だ?」
「何か事情があるのでしたら聞きますから、正直に話してください」
鞭の十文字と飴の七草……って所か?
達也も明確な敵対行動をしているため、原作のような回避方法は使えない。……仕方ないか。
「すいません、コレは全部私のせいなんですよ」
2人の前に出て、頭を下げる。深雪さんじゃあ達也のような事は出来ない。アレは二科生の達也だからこそ出来たおさめ方と言ってもいい。なら、同じ二科生であるオレがやるべきだろう。
「あら、貴方は?」
「1-E所属、八神テトと申します。自分は体質でこのゴーグルを通さない限り霊子を見ることが出来ません。この事は入学時の資料にも書いてあるかと思います」
「なるほど、君が件の生徒か」
「十文字部活連会頭殿の中で私がどのようなことになっているのかは後でそちらの生徒会長殿から聞き出すとしまして、詳しい説明をさせてよろしいでしょうか?」
「うっわ……。敬語のテトって似合わねぇ」
レオ、聞こえてるぞ。
「お願いするわ」
「分かりました。今回の始まりは私たち二科生が彼、森崎くんの『
「なっ、お前!」
「黙っていろ、テトが泥を被ってここを収めようとしているんだ。」
ナイス達也。森崎くんに反論されちゃかなわんからな。
「ですが、私自体はあまり興味が無くてですね……。彼らの話を聞かないでウロウロしていたんですよ。そしたら、森崎くんの射線に『偶然』入ってしまいましてですね。その場はどうにか友人の声掛けで怪我もなかったのですが、仲間からは狙ってやったように見えた様でして……。森崎くん側からすれば頼まれてやったのに急に敵意を向けられた訳です」
「そう、『偶然』……ね」
「えぇ、『偶然』です」
出歯亀生徒会長殿と含みのある笑みを向け合う。
2人が見たのが最後のシーンだけならばコレで言い訳も通ると思いたい。もし、声が聞かれているならばお手上げだが……。
「……分かりました。今回はそれで納得しましょう。しかし、1度あった事がもう一度発生する可能性もあります。これ以降貴方は学内で過ごす時はゴーグルを付けたままにして下さい」
「おい」
「他の人から何も意見がないから彼の言葉を信じるしかないわ。……以後、気をつけるように」
そう言って出歯亀生徒会長殿は校舎へと歩いていく。何か言いたそうな顔をしながらも、十文字部活連会頭殿もオレたちへ背を向けて校舎へと向かう。
「あ、そうそう」
その途中で生徒会長殿が足を止めて、振り返った。
「テトくんの展開速度は中々の物だったわよ?」
そう言って、彼女は校舎へと再度向かった。
……見逃してもらった訳か。オレの起動式展開を見てんなら、森崎くんがオレを狙って魔法を放ったことくらい分かってるはずだ。コレは、今度菓子折りでも持っていくか?
「礼は言わないからな」
「いいよ、別に。こっちも事を大きくしたくなかっただけだ」
「……深雪さんが起動式展開速度の秘訣を学ぶためお前の元へ顔を出していると無理矢理納得してやる」
だから僕はもう絡む気は無い。森崎くんはそう言って校門から出ていった。覇気がなかったように見えたのは気のせいだろうか。
「『早撃ち』が有名の森崎家嫡子よりも素早い展開をして見せたんだ、覇気が無くなるのも当たり前だろう」
なるほど。あと心を読むな達也。
「分かりやすいからな、テトは」
「お兄様の言う通り、テトさんは考えが顔に出るタイプです」
「えぇ……」
その後、レオや千葉さん、柴田さんにも聞いたが全員が揃って頷いていたため、司波兄妹特有の能力という訳では無いんだろう。……出歯亀生徒会長殿だけじゃなくて十文字部活連会頭殿にも菓子折りを持っていこう、そうしよう。
先輩方の好意に甘えて見逃して貰ったのだと自覚した。達也のようなポーカーフェイスは出来ないみたいだ。
〇●〇●〇●
「ねぇ、八神くんってどうしてあんな速い展開が出来るのに二科生なの?」
あの後、原作のようにカフェでケーキを食べていた所で千葉さんがそう問いかけてきた。こう、思ったことをズバズバ聞いてくるのは中々出来ないことでもあるから美点だと思う。時には口を噤むことも大切だとは分かっているがな。
「まぁ、教えてもいいか。どうせ一朝一夕で出来ることでもないし」
ちなみに、光井さんと北山さんはこの場にはいない。あの時は光井さん以外の様々な一科生も魔法を発動しようとしてたから、原作のように光井さんを庇った。というより一科生を庇ったと言った方が正しいからな。
……まぁ、深雪さんの話に仲良くなった『一科生の女の子2人』が出てきたし、後々知り合うことはできるだろう。ここに来るまでは推しキャラが深雪さんと北山さんだし、早く知り合いになりたい気持ちはある。
「そんなに難しいんですか?」
「いんや、『展開速度の上昇』はそこまで難しい訳でもないぞ柴田さん。……『展開速度の上昇』にだけ目を向ければ、の話だが」
「どういう事だ?」
「詳しくはオレのCADを見てもらうのが早いと思う。絶対に触るなよ」
そう言って10の指に嵌められた指輪型CADのうち、中指のものを取り外しテーブルへ置く。
司波兄妹を除いた3人の視線が指輪へと集中する。
「何か……刻んでありますね」
「これって何語?こんな文字、あたしは見たことないわ」
「……この文字、めだかの家で見たことあるぞ」
「お、レオは知ってたか。それはオレたち八神家にのみ伝わる特殊な文字でな。『デジ文字』なんて呼ばれるんだ」
ま、人間たちにおいてはって話だけども。
「でじ……」
「もじ?」
「おぉ。ほら、他の指輪も見てみろ。全部に同じ文が彫ってあるだろ?」
「……ほんとだ」
「この文はな、触れた人間から想子を吸い出す力があるんだ」
「想子を吸い出すって、それ大丈夫なのか!?」
「大声を出すなレオ、他の客に迷惑だ。それに、その心配はいらない。テトの想子量は深雪すらも超えるからな」
「そーそー。ま、量が超えてるだけでオレ自体は何も出来ないんだけどな」
実質、オレはこの指輪がなければ魔法の使えない一般人に成り下がる。
「この指輪に刻まれたデジ文字がオレから想子を吸い出し、指輪の中に溜め込むんだ。んで、オレが決めた音声を認識する事で起動式が展開されて、指輪に溜められた想子を消費して魔法を発動してるわけだ。魔法士に起動式を返す必要がない分発動は速い訳だ」
「……それって、そのデジ文字が刻まれた指輪さえあればみんな出来る?」
「出来ると思うぞ。ただ、指輪に溜め込むことのできる想子は5分で新しいのに代わるから5分毎にリチャージされる想子をしっかり補充できたらの話だけどな」
「俺には無理だな。そんなに沢山の想子がある訳でもねぇし」
「あたしも無理」
「あぁ、まだやめた方がいい理由はあるぞ」
「ま、まだあるんですか……?」
「おうよ。この指輪型CADに入る起動式は1つのみだ。小さすぎて他のデータが入る余地もないからな」
そのため、オレは手の指10本全部に指輪をはめるというとんでもないことをしているわけだ。
あと、これは秘密だがデジ文字を刻むだけじゃ想子吸収の効果なんて出るわけが無い。魔術による加工のおかげで吸収効果が発揮されているだけだ。デジ文字はこう言った場合のための逃げ道用に刻んでるだけだ。
「こんなもの使うくらいならまだ普通のCADを使ってた方がマシだマシ。オレが特殊すぎるだけなんだよ」
霊子が見えないし、想子を操ることも出来ないからこんな方法に頼らざるを得ない。
正直な話、今すぐ魔法士なんて辞めたいが、義父曰く第一高校に悪のテイマーが何人も潜んでいるらしい。それらを討伐するまでは辞められないだろう。
「疑問は晴れたか?いい加減店員からの目が厳しくなってきたからそろそろ帰ろうぜ」
「それもそうね。ケーキとコーヒーだけで居座りすぎたかも」
まとめて支払うと言った達也へ全員がお金を集め、レジへ向かった達也以外は外へと出た。
「それじゃ、あたしこっちだから。また明日!」
「私も失礼します。また明日」
「じゃあなテト!また明日な!」
それぞれが自分の家へ帰っていく。オレと深雪さんは支払い中の達也が来てから家に帰った。
作品には関係ない話ですが、『クソ雑魚オリ主NARUTO』と『TRPGの世界観を使ったfgo』の短編でしたら、どっちが読みたいですか?
意味の無いネタが降って来るばかりで困ってます。
活動報告にアンケ的なナニカを置いとくので「回答してやるよ」って人は答えてくれると嬉しいです。
番外編、どっちが読みたいですか?
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変態淑女深雪さんの一日
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変態乙女めだかちゃんの一日