高潔:気高く立派で、汚れのないこと。また、常にきびしい態度で自らを律し、他から尊敬される様子
卑劣:いやらしくて汚いこと。また、性質がきたなく、行いが正々堂々としていない様子
「ありがとうございました!」
今日のLIVEはここ最近の中でも大成功と言えるものだった。
いつもより大きいLIVE会場、いつもより多い観客、いつもより気合いの入ったアイドル達…本当に素晴らしい出来だった言いきれるくらいには大成功だったと思っている。
あぁ、本当に…
…本当になんと
私が
当時、どうやら高熱を出した
あの時はびっくりしたものだ。
前世の私に何があったかはわからないが、気づけば赤ちゃんになっており、それはもう心底驚いた。
だが、1番驚いたのは、私が転生した人物の名前を知った時だ。
私が前世でプレイしていた「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」において、最も好きなアイドルだ。
彼女のあのストイックさ。どんな仕事でも一生懸命にやる姿。黒真珠のように綺麗な黒髪。
気になった理由はとても小さな事、名前に黒が入っていたという小さな理由だったが、コミュを読み、キャラを引き、どんどん好きになって行った。
SSRもやっと実装され、ボイスはまだかな〜と期待していたが、遂に彼女の声を聞くことなく私は
まぁでも、この世界で彼女の声を聞けるならいいか。
もちろん、今も私はトップアイドルになりたいと思っているし、更にその先にも行きたいと思っている。
実際、トップアイドルにはかなり近づいたと思っている。無論、まだまだ努力は必要だと思っているが。
──だが、あぁ、私は本当にトップアイドルになっていいのだろうか。いや、そもそもアイドルとして活動していいのだろうか。
別に、アイドルになりたくないとか、他のアイドル達を差し置いて偽者の自分がとか、そういう訳ではない。
勿論、そんなことを考えなかった訳では無かった。
私は彼女のようなアイドルになれるだろうか。私は本物ではないのにアイドルを目指していいのだろうか。
散々悩んだが、答えは見つからず、結局私は決心をつけることにした。
この世界はフィクションなどではないのだから。
私が今現在悩んでいるのはそこではない。私は…
…声がないのだ。
気づいたのは小学校3年生の時だ。
ある日、母が家を留守にしていた時。私が留守番をしていると、電話がなった。
誰だろうと思いつつ電話をとると、隣のおばさんだった。
「もしもし、黒川さん?」
おばさんは母に用があるみたいだったので、今は母は不在だと私は伝えた。
…伝えた、つもりだった
「もしもし?もしも〜し!…あら?変ねぇ、電話は繋がってるのに、誰も返事しないわ」
そう、隣のおばさんに、私の声は届いていなかったのだ。
私は今まで!普通に友達や母と会話が出来ていたと言うのに!隣のおばさんともお話したりしていたと言うのに!
その時、私は気づいた。私が喋っている時、私の声が聞こえなかった事に。
あんなにも気になっていた
その時の私の恐怖と来たら!思わず受話器を取り落とし、誰もいない家の中で叫んでしまった程だ。その声すら、私には聞こえなかったが。
そして、いくつか検証する内に、この謎が少しずつ解けてきた。
①
②
③
②が分かった時は絶望したが、中学生になる頃には電話越しでも話せるようになっていた。
何が理由かはわからないが、これほど嬉しかった時は今まで1度もなかった。
ここまではよかったのだ。…いや、ここまででも辛かったが、まだよかったのだ。
問題はここではない。私がアイドルとして活動し、じわじわと知名度を増していき、人気が高まってきた頃。その時に会ったある人物の、とある言葉が原因だった。
彼女の名前は「島村卯月」。そう、笑顔が素敵なあのアイドルだ。
彼女がまだ346の中でも新入りで、シンデレラプロジェクトが始動し出した頃、私は彼女と346の廊下でたまたま会った。
「あ!もしかして、黒川千秋さんですか!?」
「えぇ、そうよ。貴方は?」
「私、島村卯月って言います!あの、私、千秋さんの大ファンなんです!」
「あら、そうなの?それはとても嬉しいわ」
実際、私は嬉しかった。あの「島村卯月」にそう言って貰えたのは、私の今までの努力が報われたような気がして、本当に嬉しかった。だが…
「はい!こないだのトーク番組も見たんですけど、千秋さんの言葉ってとっても素直な感じで!取り繕わない自分って感じが伝わってきて!まるで頭の中で思っている事をそのまま言葉にしているみたいだなって思って!私もそんなアイドルになりたいなって思ってるんです!」
それは当然だろう。私は私が頭の中で思ったことをそのまま人に伝えているのだから。
そう思った時、ふと気づいた。もしかして私は…
アイドルに限らず、歌を歌う人達は、その歌声や歌い方、表情や仕草によって、聞き手に感情を伝える。
つまり、自分の感情をどれほど伝えることが出来るかは、その人の技量によって変わってくるのだ。
幾ら感情を込めて歌おうとも、技量が伴っていなければ自分の想いの全ては観客に届かない。
勿論、例外はいるだろうが、歌とはそういうものだ。というか、私はそう思っている。
だがしかし、私はどうだろうか。
私の場合、脳内で考えた言葉がそのまま相手に伝わる。勿論、脳内の言葉全てが他人に伝わる訳では無いが、伝えようと想った言葉は伝わる。
いわば、テレパシーのようなものだ。
ということはつまり、伝えたい言葉と一緒に想った感情も一緒に伝えているのではないか?
無論、トップアイドルになるため、技量も磨いてきた。自信もある。
だが…だがもし、私が想った歌詞と一緒に、私が想った感情も相手に届いていたら?
そこまで私の考えが辿り着いた時、私はまた気づいた。
私が喋っている時、私の口が動いていないことに。そしてその事に、私を含めた全ての人が違和感を持っていないことに。
「千秋さん?大丈夫ですか?顔色が悪いみたいですけど…」
「え?…あぁ、ごめんなさい。心配をかけたようね。大丈夫よ」
「そうですか?それならいいんですけど…」
恐らく、ひどい顔をしていたのだろう。目の前にいた卯月はだいぶ心配していた。今まで考えていた事を言う訳にもいかず誤魔化したが、それでも心配する辺り、よっぽどひどい顔だったか、彼女の人柄がとてつもなく良いかのどちらかだろう。いや、どちらともか。
その後、少し話した後に彼女と別れたが、私の頭の中はさっき考えていたことでいっぱいだった。
たくさんの、灰被りという名の女の子達が、プロデューサーという名の魔法使いと己の努力によって、シンデレラのいう名のアイドルとなり、トップアイドルへと続く階段を登っていく。
そんな中、私はどうだろう。勿論、今の
だがしかし、それと同時に卑劣な手も使っていた。
狙ってやっていた訳では無い。誰かが気づいている訳でもない。だがそれでも…私は、卑劣な手を、使って、いたのだ。
そうやって考えているうちに、また、気づいた。
私の歌声は、歌「声」ではないではないか。
だが、今の
私が伝えているのは「声」ではない。「
それは、喉を震わせず、思念によって相手に届いている。つまり、ボイストレーニングなどしなくても、常に最良の声が保てるのだ。
そうつまり…私は、卑劣の上に、卑劣を、重ねて、いたのだ。
…だが、幾ら私が卑劣を重ねていたとはいえ、私はそう簡単にアイドルを辞めるつもりはない。
無論、このままアイドルを続けるのは心が痛い。でも…私だって今まで
それに…私は、アイドルとして輝いている
だって私は、この世界で一番最初の
そして私は、今もアイドルを続けている。
あぁ、でも、その輝きはきっと…
高潔ではないのだろう。
黒川千秋:黒川千秋に憑依しちゃった黒川千秋ファンA。周りがめっちゃ努力してる憧れの人達ばっかの中で、自分だけチート使っているようでめっちゃ心苦しくなりながらも、黒川千秋の輝く姿を見るためにアイドルを頑張っている。
島村卯月:黒川千秋ファン。感受性が強くて、千秋ちゃんの言葉を聞いててたまたま正解に辿り着ちゃった娘。尚、他の人含め、本人もその事には気づいてない。
はい、黒川千秋二次創作でした。以降は駄文です
いやね?ほら、千秋ちゃんボイスないじゃん?人気増やしたいじゃん?でも絵とか書けないじゃん?じゃあほら、文しかなくない?
千秋ちゃんの中の人は、黒川千秋が大好きだけど、喋り方とか性格とか完全に把握出来てる自信がなくて、Coolで努力家で感情的な彼女の様に成ろうと頑張ってる黒川千秋ファンAです。というか、作者が把握出来てる自信がなくてそうなりました。ごめんなさい。
いやでもほんとにいい娘なんですよ彼女。4コミュとかみたらよくわかるんですけど、小さな仕事でも丁寧に一生懸命にこなすし。ひたすらに上を目指して努力するし。髪むっちゃ綺麗だし。20歳なのにたまに負けず嫌いでちょっと子供っぽくなるし。
あ、そうそう!今回の総選挙で5位だった佐城雪美ちゃん!彼女とも仲がいいんですよ!この話に全くでてこないけど!
そんなこんなで全くまとまってませんが、黒川千秋をどうぞよろしくお願いします。