※先にYouTubeに投稿されている「闇と狼」を見ることを推奨します
※原作キャラは殆どというか全く登場せずオリキャラがメインです
※小説初心者です
ここは人間、妖怪、神などが共に暮らす最後の理想郷「
しかしこの地は数日前、とある「異変」に見舞われた。
これはその異変の後日談ーー
「では改めて
赤い髪、赤いブレザー、赤い靴と頭の先から足の先まで赤づくめの彼は、明瞭な声でそう言った。
彼の名はルトラ・マーウィン、かつて女王の側近としてあられと闘った六魔最強の男だ。
「ああ、よろしく頼むわ」
そういって伸ばされた手を握り返したのは毛皮のような上着に生肉のような模様のズボンをはいたフェンリール・グレイウルフだった。
「よろしくお願いしますね、グレイさん、
ーー事はフェンリール・グレイウルフが重傷を負い、駆けつけた紙縒も囲まれ絶体絶命の危機に瀕したところから始まる。
窮地に陥った紙縒は「世界蛇を砕く轟雷」を発動、閃光によって魔理沙やウィンテラたちが目を眩ませている隙に次元をこじ開け逃走した。
その後、次元の狭間を重傷を負ったグレイを背負いーー半ば引きずる形でーー彷徨っていた、そしてルトラと偶然出会い
グレイの傷の処置を終え、目を覚ますのを待っているあいだ紙縒はルトラからこの組織について話を聞かされていた。
ーー曰く、自分たちは幻想郷に何かしらの恨みを持つ者の集まりだと
ーー曰く、自分たちは博麗大結界を超える方法を探していると
ーー曰く、自分たちは幻想郷と全面戦争を行うつもりだと
ーー曰く、戦争の首謀者は
そしてグレイが意識を取り戻したとき、ルトラが
「一緒に幻想郷を相手に戦争をしませんか?」と勧誘したのだ。
強者との戦いを求めて先の異変を起こすほどの戦闘狂であるグレイは二つ返事でその誘いに乗った。
握手を終えた二人のいる部屋の出入り口が唐突に開いた、そこに立っていたのは羽を生やし、桃色のジャンパースカートを身に纏った女性だった。
服と同じ色の髪や幼さの残る顔立ちからは柔和な印象を受けるが視線などから感じる雰囲気は対照的で、針山のような攻撃性を感じる。
出入り口の目の前にいた紙縒は運悪くその攻撃的な視線をモロに受けてしまい、小さな悲鳴をこぼした。
しかし、女性は紙縒など眼中にないようにルトラに話しかける
「ルトラ、ティータイムはとっくに過ぎてるわよ!どういうことかしら!」
視線とたがわず攻撃的な口調でルトラを問い詰める女性
「すいません、少し彼らと話していたもので、すぐに準備しますね」
丁寧な口調を崩さず応対するルトラ、それを眺めていた紙縒は粗暴な口調に反して彼女の立ち振る舞いには気品があることに気づく。
「ん?彼ら?」
ルトラに言われて初めてまともにこちらを見た彼女、人を殺せそうな視線を再び向けられた紙縒はもう一度悲鳴を上げることになった、前回より少し大きな。
「ワシはフェンリール・グレイウルフ、自分、名前は?」
射殺すような視線を気にも留めず名前を尋ねるグレイ
「・・・・・・
不愛想に短く返す翳理
「奥にいるあなたは?」
本人が意識して優しく尋ねたのが功を奏したのか、紙縒は三度目の悲鳴を上げることなく返答した
「
「へえ、グレイに紙縒ねぇ」
値踏みするような視線で二人を見る翳理、しかし
「客人をそんな目で見るのは失礼ですよ」
そうルトラに注意された翳理は二人を見るのをやめ、黙って部屋から出て行った
「失礼しました、お二方」
謝罪するルトラ
「かまわんかまわん、女はあれくらい強気やないといかんで」
きさくに許すグレイ、しかしその理屈だとパートナーである紙縒はどうなるのだろう?--謎である。
「それにしても
そう小さく呟くルトラ、その声は誰にも届くことはなかった。
(あなたが、灰となるまで傲慢に笑い続けてくれることが私のただ一つの願いですからーー)
その想いもまた、誰にも届くことはなかった。
ーー場所は変わりここは幻想郷
「やっと終わった・・・、疲れた・・・」
愚痴をこぼしているのはSD機関のユウだ、いつもと変わらず紫のスカートに薄い黄色の服、その上から表が紫、裏が赤のマントを羽織った出で立ちで背伸びしている。
彼は男性だがスカートを着用している、理由は彼の服が今は亡きジュールが仕立て、プレゼントしたものだからだ。
要はジュールの趣味である。
「お疲れさまです、ユウさん」
そう声をかけたのはユウと同じSD機関のメンバーであるウィンテラだ、例の異変では団長であるベリーの命令で翔魔とともに異変の解決を助けていた。
ユウはここ数日「後始末」をしていた、というのもグレイを傷つけられ激昂した紙縒が「行軍する厄災」を発動したせいでかなりの範囲が砂漠化してしまったのだ。
それを放置するわけにもいかないのでユウの「自然を司る程度の能力」で元に戻していたというわけだ。
「では戻りましょうか」
「ああ、てかなんで俺があんたらの尻拭いをしなきゃならんのだ・・・まあいいが」
そんなことを言いつつ先日グレイたちと戦った場所を後にし、旧紅魔館へ帰還する二人。
門番であるウィンテラとは門の前で別れ、一人で廊下を進むユウ、するとドアが開き少年漫画をわきに抱えた
翔魔は白いシャツに黒いベストという服装だった。
「お、翔魔か、どこ行くんだ?」
「
「ああ、漫画返すのか」
「そうだ、さっき定例会議という名の反省会を開くってベリーが言ってたぞ」
それを聞き露骨に嫌な顔をするユウ、やはり会議というものはどこの世界でも嫌われているようだ。
「またかよ、お嬢は会議が趣味なのか?」
「そんなんだから立てばアザゼル、座ればサタン、歩く姿はアスタロトとか言っていじられるんだぞ」
それを聞いて腹を抱えて笑い出す、どうやらかなりツボに入ったらしく廊下に響き渡る声で大笑いする翔魔。
「うるさいですね、叩き斬りますよ?」
振り向くと笑い声を聞きつけたのだろう、白いシャツのようなものの上から赤いサロペットスカートに近いものを着た服装の
悪かったと謝罪する二人、その後ろから何してんのよ、と言う声がかけられた。
声がするほうへ三人が目をやると翔魔が大笑いし、焔稀が部屋から出てくる羽目になった間接的な原因であるベリー・ドール・スカーレットが立っていた。
屋内だからかかなりラフな格好だ。
「お嬢よォ、俺ァめんどくせえから会議なんてしたくねえぜ?」
出会うなり文句を垂れるユウ、首肯する翔魔。
そんな二人に向かってお説教モードで話す焔稀。
「大人なんですから子供みたいに駄々こねないで自分の責任くらいちゃんと果たしてください」
そんな様子を見かねてベリーは言う。
「わかったわよ、無しにしてあげる」
「リルポや茨からも文句を言われたし無しにするわよ、感謝しなさい」
それを聞いて喜ぶ二人。
「ただし一か月後の
「まあ、しゃあねえな、どうせ7つの大罪全員で行くんだろ?」
「ええ、そうよ」
それを会議で一括して伝えようと思ってたのよ、と続けるベリー
「それは俺が放送を入れておこう、それでチャラってことで」
そう言って放送室へ向かうユウ、入れ替わりにウィンテラがやってくる
「あら?ウィンテラじゃない、どうしたの?」
「はい、紫さんが総会の日程を聞きたいと」
それを聞いて訝るベリー、そこへ焔稀が助け舟を出す
「ほら、紫はMDWCの職員だから・・・」
それを聞いて理解したそぶりを見せるベリー
「ああ、分かったわ、通しなさい」
では、といい引き返すウィンテラ
ーー何気なく窓の外を見ると曇り空だった。
「さっきまで晴れてたんですが」
そうベリーに向かって話しかける焔稀
「そうね、久々に
ベリーの言った言葉に対してそれは一般的に天気が悪いっていうんですよ、と返す焔稀。
ーー彼女たちの物語はまだ続くようだ。