彼は言った…盾はあくまでも鈍器であると…

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ふと思い付いた話。
ずっと思ってたんだ。盾で撲殺しろよって。


盾?それは鈍器だろ?

盾の勇者。それは厄災から逃れるため異世界から勇者を呼んで助けを乞うた、四人の勇者の一人。盾とは防具、武器ではない。メイン盾になるにしてもアタッカーが居ないのでは意味がない。

レベルも上がりづらいとかで、人気もない。

故に一人。たった一人で魔物を倒し、レベルを上げなければならない。

しかし彼は何やら一人だけ申し出てくれた女の同行を断り、一人平原へと向かった。

 

…曰く、『だって盾って鈍器だろ?』との事。

 

有名な話だ。ある玉葱のような兜を被った騎士は触媒としても扱える盾によって時には魔術で撃ち殺し、時にはその盾で殴り倒し、そうして仲間と共に偉業を果たしたという。

他にも、盾の先端を尖らせ手刀の延長線上と捉えて敵を切り裂き攻撃を防ぐことで、仲間の盾と剣を同時にこなしたという逸話もある。

また、ある世界のヒーローには、その強化された身体能力を頼りに、拳と円盾のみを武器としてヴィランを叩きのめす者まで居たとか。尚、彼の円盾はフリスビーのように投げれば跳ね返って手元に必ず帰ってくる。そんな機能まで付いていたらしい。

 

「なら、この盾にだって出来るはず…!」

 

盾にも様々な形態があるらしい。ならば投げれる盾もあるだろう。

それに攻撃力は全く無いが、敏捷はある。現実に近いこの世界なら、速度と質量がそのまま威力に変わるだろう。そうであるならば、最硬の自身は、最強の砲弾になれる。

腕力は落ちてない、ならば盾で殴られれば痛い筈。というかこれは既に試した。ダメだった。痛いだけでダメージが出ないのだ。ぶん殴るのは諦める事にする。では円盾だ。

 

「……できた、か?」

 

見れば一般的なカイトシールドのような盾はあのアメコミヒーローのような盾に変わっていた。

 

「よし…あそこのオレンジバルーンにっ!」

 

狙いを定め盾の縁を握り一気に引き抜いてフリスビーの要領で投げた!

金属板特有の良い音を立てながら果たしてその盾は飛んで行った。揺るぎなく真っ直ぐに、高速回転しながら寸分の違いもなくオレンジバルーンに飛び込んだ。

直撃を受けたバルーンは弾け飛び跳ね返った盾は左腕に再び舞い戻る。

 

「やった…!」

 

歓喜。それは盾で敵を倒せるという喜びと、密かに憧れたあのヒーローと同じ様な戦いが出来るという喜び。

ただ…盾をやるならアタッカーはやはり欲しいという少しの願望もある。

故に彼はしばらくシールドトスの練習をしてから街で仲間を探そうと決意した。

結果として、熱中し過ぎて深夜まで盾を投げまくってたが。

 

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その後、彼は覚えの無い罪を着せられ、罪人として疎まれながらも、偶々奴隷として買った獣人の少女と、これまた偶々手に入れた卵から生まれたフィロリアル・クイーンと共に戦い続けることとなる。

 

後に『盾投げの勇者』として永劫に語り継がれる最強の勇者となるが…それはまた別の話としておこう。

 




盾で殴っても意味なさそうだったから投げさせてやった。続かないけど面白いと思ったら誰か続けて。
でも反響があれば続けるかも。ちゃんとした文章で。

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