一人の男が経営しています。運命は魔法少女をここへ引き寄せるのでしょうか。
closeからopenへ。午後3時、僕の店である『MG・カフェ』が開店した。
ま、大体5時までは誰も来ないだろうけど。見滝原の端っこだからねぇ。
このカフェの狙う客層は中学生たちだ。だから商品のほとんどはちょっと無理してお安くしてある。一杯120円(税抜き)のレモンティーが一番の売れ筋だ。
「ん?」
店の前にお品書きの看板を設置していたらふらふらと歩く女性が前の道を過ぎていった。明らかに様子がおかしい。まるで
んー。仕方ない。あの少女たちとの約束を破る訳にはいかないね、それは信頼を落とす行為だ。
「やあ、お嬢さん。どうしたんだい?」
「……」
無視、か。少々手荒に……やめておくか。なら店を開けたばかりなんだけど空けるか。なに、どうせ誰も来ないさ。
僕は店の中に戻り《道具》の入ったバックを取り出してすぐに出る。幸い女性を見失う事はなく、僕はその後ろに着いていく。
しばらく歩くと女性は不意に横道へと入っていった。焦らずに僕も曲がる。
「おっと」
世界が変わる。今回は無重力空間か……。
持ってきていたバックから一つの《道具》を取り出す。
それは長い鎖。その先端には元々付いていた鎌はなく、代わりのようにあの子から渡された熊のぬいぐるみに巻き付けられている。
さて、あの女性は何処だ? たまに直前に入った人とは全然別な所に出るから、その場合はわざわざ探なければいけないけど、んー。
あ、見つけた。ゆっくりと落ちていっている。その周りを二匹の天使がくるくると回っているのも見える。
鎖を女性へ向けて投げつける。ぬいぐるみが女性の元へたどり着き、女性を引き寄せる。うん、毎回思うけど、見た目はあれでも鎌よりも安全かつ確実に標的を絡み取れる。優秀だ。あの子にはまだまだ頭が上がらないね。
鎖を引っ張って女性を回収。周りの二匹の天使がようやくこちらに気付いたようだ。
「
あいさつは大事。古事記にも書いてある。だけど残念ながら二匹の天使は喋れないらしい。おじぎすらしない。シツレイではあるけど、まぁ使い魔なら仕方ないさ。
さあ、女性はもう肩に担いだ。鎖もバックに入れた。あとはこの使い魔たちから女性を逃がすだけ。
「……運命よ、また力を貸してくれ」
呟いた時、唐突に使い魔の額に穴が開いた。相変わらず運が良い。
「貴方……結界の中なのに意識があるの?」
後ろ斜め上から落ち着いた声。そちらを向くと、綺麗な黒髪の少女が浮かんでいた。その手には銃。
「助けてくれてありがとう、魔法少女ちゃん。どうだい、これも何かの縁だ。僕のカフェに来ないかい? 一杯ただにしてあげるよ」
「……」
MG・カフェ。運命の糸が繋がる、魔法少女のお悩み相談所。それが僕の居場所。
「断るわ」
「そうか……いつでもいらっしゃい。困った時なんかは相談にのるからね」
こういう時もあるさ。