いろいろ触発されてガーリー・エアフォース二次創作始めました
いろいろ荒が目立つと思いますが、生暖かい目で見守ってやってください
20XX年
静かな住宅地を一人の老人が歩いている
体力には自信があったが、最近は足取りが重いときも多い
鍛えた肉体の面影は、同年代よりいくらか体格がしっかりしている程度にしか残っていない
昔から比べればここもいくらか拓けてきているがまだまだ県の中心部とは隔たりがある
すぐ脇を車が通り過ぎていく
耳が遠くなってきたせいか、近づくまで気づかないなんてことも増えた
はっとする場面も経験した
つくづく年は取りたくないものだと思った
あの戦争から数十年が過ぎた
町の様子もだいぶ変わった
消息の判らない人物も増えた
すっかり色の変わった髪を揺らし、時々こうして国道を歩いて県営の航空機展示施設へ散歩をする
度の入った色眼鏡が快晴の眩しさを少しだけ和らげた
アスファルトの照り返しと肺が焼かれるような夏の熱い風が少し苦しい
今は世間的には夏休みの時期だからか駐車場が埋まっている
他県ナンバーも多い
国道を挟んだ空港からも客足がある
敷地に立ち入るといつもの光景が広がる
奥の芝生にモニュメント代わりの戦闘機が鎮座している
大きなクリップドデルタの主翼とまっすぐ伸びる垂直尾翼、双発のノズル
みんなが立ち止まり写真に収めている
あの戦争で撃墜され回収されたもの
修理復元され、今はここで当時のことを伝える任務を全うしている
かつて航空自衛隊の主力を担った機体
かつて小松を、日本を守るために自身も駆っていた機体
今では全てが懐かしい
ベンチに腰掛けその戦闘機を見つめる
物忘れも増えたが、あの時のことは今でも忘れない
公式記録に残っていない、あの時を過ごした者の記憶にだけ残っているあの方のことは――
ぼんやり昔を懐かしんでいると建物の中から高校生くらいの男の子と女の子が一緒に出てきた
男の子が機体を指差し興味津々に見回している
女の子も一緒になって見ている
仲睦まじい光景
どこにでもある他愛も無い光景
あの戦争を守り抜いた結果がここにある
端末を見ながら男の子が振り向き基地の方を指差した
眼を見開いた
我が目を疑った
息を呑んだ
あの方と瓜二つの男の子
背丈も、顔も、真面目そうな雰囲気も、なにもかもがあの方だと思った
たまらず足が動いていた
老いてあちこち痛みが出る身体を忘れるかのように
気づいたときには声を掛けていた
その男の子の身内に航空自衛隊のパイロットがいた
そのパイロットはあの戦争で亡くなっていた
全てが記憶の中の人物と結びついた
そして男の子の苗字は――
一尉…あなたのお孫さんが見えましたよ…
一尉…見えますか――
本編は後日投稿します