自殺志願の神殺し(F)/生存欲の魔王(B)   作:天崎

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尾行する者(F)/見失う者(L)

 

骸と半月は秋ノ水女子大近くのビルの屋上にいた。

そこで護堂の様子を覗き見ていた。

 

「しかし、面倒なやり方するわね」

 

「仕方ねぇだろ………近くにリリアナがいるんじゃ魔術使ったらバレるし」

 

骸は数匹の鳥と数匹の虫を支配下におき、鳥に盗撮用のカメラ、虫に盗聴機を装備させて護堂の近くに忍ばせていた。

そこから来る音声と映像で覗いてるわけだ。

 

「つーか、女子大にどんな用があるんだ、あいつ?」

 

「リリアナが“隠れ身”してるのも気になる所ね」

 

秋ノ水といえば文京区にある有名なお嬢様学校である。

怪訝に思いながら観察していると、護堂は学校近くのファーストフード店に入っていった。

そして、待ち合わせ相手の姿が見える。

待ち合わせ相手は二人。

見た目的には中学生と小学生だった。

 

「…………小学生?」

(あいつ、ついに小学生にまで手を出すか?)

 

「見境無いわね~」

 

と、護堂本人が聞いたら文句を言いそうな事を勝手に言いながらも覗きを続ける。

しばらく聞いていると、どうもどうやら待ち合わせの相手は大学生らしい。

見た目からとてもそうとは思えないがそうらしい。

 

「話の内容的に何やら面白い事になってるようだけど………それよりも“連城”って………」

 

「おそらく四家関連の何かだろうな…………」

 

本当に四家関連だった場合、関わるのはかなり面倒である。

なので、骸は四家関連をよく知ってそうな人物に確認する為に携帯を取り出す。

予め画像を送ってから電話をかける。

 

「なぁ、さっき送った画像について情報が欲しいんだが」

 

『それは僕としてもちょうどいいね。こっちも聞きたい事があってね』

 

この反応からして四家関連なのは間違い無いだろう。

骸が盗撮盗聴で得た情報を言うと、馨は困った様に言ってくる。

どうやら今護堂と話しているのは昔のドニと同じ様な体質など色々と事情があるらしい。

とはいえ、割りと問題行動を起こすタイプらしく馨としては知らせてくれて助かった様だ。

その後、多少情報交換をし、馨の所にリリアナが行くかもしれないとだけ伝えて電話を終えた。

 

「さて、電話も終わったし私達も場所を移動するとしましょうか」

 

「俺としてはこれ以上関わりたくねぇんだけどな………ダリィ事にしかなりそうに無いぞ」

 

「別に今の話からしてそこまで大事になるわけじゃ無さそうだしいいでしょ」

 

半月に押し切られる形で尾行は続行となるのだった。

骸は渋々と半月の後へ続いていく。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

それから一時間程経った。

骸の目の前には半月がコスプレ姿で見せ付ける様に立っていた。

 

「どう似合う?」

 

「あぁ………似合うよ」

 

「あんた、適当に言ってるでしょ」

 

ジト目で言われるがはっきり言ってどうでもいい。

骸と半月は秋葉原のコスプレショップにいた。

 

((どうしてこうなった……))

 

骸と喰は心の中で同時に呟くのだった。

元はと言えばこの状況は骸のせいでもあるが溜め息を吐きたくはなる。

秋葉原に来るまでは良かったのだ。

問題は護堂と陸鷹化が出会った事だ。

陸鷹化は中国のカンピオーネの直弟子である。

骸としては中国のカンピオーネだけは絶対に関わりたく無いので尾行は一時中断となった。

気付かれたらおしまいなのだ。

幾ら気配を消してるとはいえ、魔術で調べられたら即バレる危険があるのだ。

そんなこんなで護堂達はメイド喫茶へと入っていった。

香港陸家がどういう商売しているかは知ってるので何で入っていったかは大体分かる。

鳥はさすがに無理だが虫でどうにか音声だけは録っていた。

結果的に骸と半月は暇をもて余す事になり、現在の状況というわけである。

 

「まぁ、こりゃ見失うフラグだよな」

 

「何か言った?」

 

カーテンの向こう側で着替えをしている半月が独り言が聞こえたのが聞き返して来たが、何でも無いと答えておく。

数分するとカーテンが開く。

今度はミニ浴衣に黒ニーソ、髪は簪で纏めてある。

黒髪長髪だった事もあり、かなり似合っている。

 

「結構いいじゃん」

 

「へぇ、これは反応いいのね」

 

ニッと明るく笑い近付いてくる。

前屈みになり、まるで誘惑する様な視線を向けてくる。

 

「無い胸を強調されてもな」

 

「誰が貧乳だ!!」

 

激しい打撃音が響く。

割りといい雰囲気だったが、一言でぶち壊す骸であった。

心の奥で喰がやれやれと首を振るのだった。

殴り飛ばした骸を放っておいて半月はカーテンの奥へと姿を消すのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「いや~凄いね。あの高飛車そうな子を涙目にするなんて」

 

一方のヴェーラは、ニヤニヤと裕理を見ていた。

裕理は慌てて否定する。

 

「ご、誤解が起きる様な言い方はやめてください!!」

 

先程、裕理と妹のひかりが拝殿前に出ていると護堂とよく分からない二人の女の子が来ていたのだ。

ヴェーラとしては裕理達も色々あるようなのでそろそろ帰るつもりで支度をしていたのだが、面白そうな物が見れそうなので覗いていたのだ。

結果として裕理の媛巫女としての威厳と気高さを見る事が出来た。

それを話の種に裕理をからかっているのだった。

 

「(そういえば、あの変な気配を放つ虫と鳥は何だったんだろう?)」

 

何処かで感じた様な気配を放つ妙な虫と鳥が護堂達の近くを彷徨いていたので全て潰していた。

護堂達は気付いて無い様だが、面倒事に巻き込まれるつもりは無いのでその種は潰しておくに限るのだった。

その虫と鳥の事は裕理には言ってない。

言った所で余計な心配をさせるくらいである。

その後、出された茶を飲み終わると、料理を教えてくれた礼を言ってから帰路につくのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

予想通り、骸と半月は護堂達を見失っていた。

 

「何で虫と鳥が全滅してるかな…………」

 

「まぁ気付く奴は気付くし、仕方ないんじゃない?」

 

半月が軽く言う。

確かにそうではあるのだが、盗聴機と盗撮機は割りと高いのである。

が、半月の方はもう切り換えてる様で買い物を楽しむ方向にシフトしていた。

荷物持ちは勿論骸だ。

そこら辺は男として仕方無いので文句は言わない。

 

「(あとで馨に顛末を聞くか)」

(まぁそれが一番だろうな)

 

言い出しっぺの半月が興味無くしてるのは別として、さすがに途中まで関わったからには顛末くらいは知っときたいのだった。

 

「それはそれとして、どんだけ買う気だ?」

 

「あとは食品くらいだから安心しなさいよ」

 

そうは言っても骸の両手は既に荷物で一杯であり、全く安心など出来ないのだった。

その後、ある意味に置いてデートの様に買い物をした後に二人は帰路につくのだった。

 

 

 





尾行話でした!!
見失った原因は身近な所に。
ヴェーラだけ気付いたのは骸&喰の呪力を覚えているのと吸血の影響が多少残っているからです。

それでは、質問があれば聞いてください。
感想待ってます。

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