ガーリー・エアフォース Re:feathered Star 作:カデクル/けーで
独自解釈のベルクト視点からXI巻を軽く振り返ります。
慧とグリペンのすれ違いを通して、ベルクトが見出した答えとは―
アニマとザイ。
同じ「本質の世界」より来たりし、戦鳥達と硝子細工。
人類の代弁者同士の戦いの末、硝子細工はその姿を喪い。
戦鳥は自らを産み出した人間たちの「意思」を信じ、本質の世界へと還っていった。
紅き少女との戦いを通して一人の少年が受け取った戦鳥たちの思いが、辿るべき道を示す。
限りある存在を永らえさせるため、未だ見ぬ世界へと昇るための階段を。
そうして、彼らの意思を継ぐ者たちが母なる星から飛び立つ頃―――
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私は眠っていました。
いえ、「眠っていた」はずだったんです。
かつて見上げた星空に辿りつき、そこで見た暫しの夢。
親しい人、知らない人、彼らの思いも記憶も全てが溶け合い、過去も未来も、すれ違いもない世界。
きっとそこに居た「彼」の存在と共に過ごした、幸せな時間。
そんな完璧な世界に「欠落」を感じたのは、私が最後に目覚めた僅かな時間の中でした。
「欠落」の意味は、私を受け入れてくれた「仲間」鳴谷慧さんとJAS39との溝となっていた、どうしようもないすれ違いの中にあって。
慧さんがそれを肯定したときには、私達の行く末は決まっていて。
そんな中、慧さんを気遣うRF-4EJの満足げな声と共に、思い浮かべる記憶は色彩に満ちていました。
時に自分のあり方に疑問ばかりを感じて。
時に誰かのお役に立とうとしては空回りして。
分かり合えたと思っていた「彼」とは、最後の最後ですれ違って。
思えば、平坦な心持ちの方が少なかった気のする私の記憶。
それでも、そこには確かな「意思」があったんです。
すれ違ってもぶつかっても、望んだ先へたどり着くための力。
仲間、姉妹たち、そして親愛なるあなた。
私と皆さんを繋げてくれた思いの源泉。
その「意思」というものにこそ、私達がこの世界を生きた意味はあったのだと。
それを確かめることが出来た私は、どこまでも安らかでした。
そして行きついた、私の在処。―完璧な世界。
心地よさも恐怖もなく、ただ当たり前にそこにあり続ける世界で、私は再び世界と繋がっていました。
完璧であるこの世界に、不満など感じるはずはありません。
ましてや本質そのものであるはずの存在ならば、尚更のことです。
でも、でもです。
今ここで「過去」を振り返っている「私」は誰なのでしょうか。
全てに溶け込んだ存在、そこに主観などあるはずもなく。
であれば、あの時慧さんと話した時のように、客観的にこの世界を振り返ることなど出来るでしょうか。
「意思」が欠落したこの世界のあり様を、こうも鮮明に捉えることなど出来るでしょうか。
ええ、そうです。もしこの感覚が嘘でないのならば。
私は、この世界にあって「意思」の下に居る―――
私達アニマは意思の器。
器は、人の意思と共にあってこそ意味を成す。
この世界において、器が意思を自覚することがどんなに不条理なのかくらいは、私にもわかります。
それでも。
もし、この「意思」を感じている私が真実ならば。
もしも、抱いた夢が叶うのならば。
もう一度、あなたと。
私にこの思いをくれたあなたと、星を見上げたい―――
というわけで、短い話となりましたが如何だったでしょうか。
現時点での解釈は手短に入れられたと思うので、次回はヤリックがベルクトに再会する話になる予定です。
では、またお会いしましょう!