魔法少女リリカルなのは//黄昏と薄明   作:悠畏

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新年初投稿(仮)ですが、読者の皆様これからも本作品を宜しくお願いします。

P.S.
今日は成人式ですが、未だ20歳ではない自分に何とも言えない今日この頃です……早く20歳になりたーい!


第六話

 翌日、僕が眠りから覚めると司から康彦とアリサが、スケィスに襲われ意識不明になったという報せが届いた。 アリサ達が襲われたのはThe Word内で、アリサと康彦の他になのは、すずかも居たらしいが、司が二人の窮地を救ったらしい。

 

「アリサと康彦はどう?」

 

「今のとこ命に別状はないよ。 …………ごめんね、助けられなかった」

 

「司のせいじゃないよ。 それに死の恐怖(スケィス)を倒せば目を覚ますんだよね?」

 

「それは間違いないよ」

 

 司の返答に「それなら、大丈夫」と、自分に言い聞かせるように虚空を見つめ、拳を握りしめる。

 

「…………待っててね、康彦、アリサ」

 

 

 

 

 

 第六話 怒り

 

 

 

 

 

 カイトが黄昏の司から得た海鳴市で起こった『ゲームをしていた子供が意識不明になる』という事件をクロノに禍々しき波が関わってる事を報告すると、クロノはアースラの艦長であるリンディさんに出発を早めるように進言した。

 この時、カイトには知らされてなかったが、地球近辺の次元世界で魔力を持つ生命体や魔導師が何者かに襲われてるという報告もあり、アースラは予定よりも早く地球へ向けて出発した。

 

「なのは、大丈夫かな……」

 

「心配ないよ。 なのはは強い子だって、フェイトが一番よく知ってるだろ?」

 

「うん……でも心配だ」

 

 アースラの食堂で食事が乗ったトレイを見つめながら呟くフェイトの様子を伺いながら、カイトは康彦達を襲ったスケィスの事を考えていた。

 

 闇の書やスケィスの総称を禍々しき波と呼称するとして、問題はスケィスかな……現実の世界で活動する闇の書の守護騎士プログラムよりも、ゲームの中ですら活動出来るのは流石にキツい。 司達を使うにしても、こっちの戦力を裂くわけにもいかないし、かと言ってクロノ達に任せるのも無理だ。 魔導師の事が秘密とは言え、友人を助けれる魔導の力があるなのはが、大事な友達を失うようなことはしないはずだ。 それを踏まえて転移されたのは生身でなく、The Wordで使うPCと言うこと……。

 

「アウラ、僕らがThe Wordでプレイしてる時に襲われた場合は、禍々しき波と戦う事は可能?」

 

『可能……私たちは本来禍々しき波のカウンターみたいなモノだから』

 

「わかった。 取り合えずオルカとバルムンクはThe Wordをよろしく。 僕と司、凰花はリアルで活動するよ」

 

『『了解』』

 

 

 

 黄昏の書の皆と話し合いどう行動するか決め終えると同時に、アースラは地球に辿り着いた。

 

「なのはが襲われてる!?」

 

「ああ、なのはの家付近で結界が張られてるのを確認した。 襲われてるかどうか分からないが、可能性は低くない」

 

 地球に着くと、アースラのレーダーに魔力反応が感知された。 反応先を調べるとそこは、なのはの家の近くで誰かが戦闘してる事がわかる。

 

「フェイト、アルフ、ユーノ……行ってくれるな?」

 

「「うん」」「ああ、なのはには世話になった借りがあるしね」

 

「クロノ、僕も行くよ」

 

「良いのか? 実戦もまだなのに……」

 

「確かに襲われる事一回、模擬戦一回しただけだし、実戦はまだまだ早い。 でも、いつかは実戦を経験するんだ。 後々になって力足らずなんて御免だ」

 

 僕の言葉にクロノは少し考えるように目を閉じるも、すぐに目を開いて「わかった」と言って僕の実戦投入を賛成してくれた。

 

「ありがとう」

 

「無理はするなよ」

 

「うん!」

 

 フェイト達が居る転移ゲートに入って、エイミィが僕らを地球に、戦闘してる二人の間へと転移させた。

 それと同時に僕の意識は無理矢理奥へと押し込められて、僕じゃない何かが表へと出現した。

 

 ―――主、守護スル。

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 それは突然彼女達の前に出現した。

 オレンジ色の継ぎ接ぎだらけのバリアジャケット(魔導服)を着て、あらゆるモノを焼滅せんとする蒼き炎を身に纏った青年(・・)

 彼の瞳に映るのは、赤い服を身に纏ったハンマーを片手に持つ少女。

 青年は少女に身に覚えがなく、少女もまた青年と会ったことなどない。

 

 ――だが、青年(少女)少女(青年)の事を敵だと認識(理解)した。

 

 青年は少女の足元に展開されてる魔法陣に身に覚えがあり、それは主を襲った人物が使っていたモノで、少女と主を襲い、()が襲った人物と体の構成が同じ事から……

 

 少女は青年の着てるバリアジャケットと蒼炎を纏った人物に襲撃されたと仲間から聞かされ、その特徴に完全に一致してる事から……

 

「テメェが……」

 

「排除、、」

 

「テメェがシグナムを!!」

 

「、、、スル」

 

「アイゼン!!」

 

『カートリッジロード』

 

 ガシュッと音を起てて薬莢を排出したハンマーは、ハンマーの片側を噴射機のようなモノへと変え、火を点火して少女ごと青年へと突貫する。

 

「ラケェ-----テン……」

 

 ―――収束・蒼炎砲

 

「!?」

 

 ハンマーを振りかぶろうとする少女に右手を突き出した青年は、自身の周囲にある蒼炎を掌に収束させて一気に開放させた。

 

 

 

「カイト!! いったい何が……」

 

「ちょっと待ちなよ、フェイト。 今のカイトはなんか変だ。 それにアタシと()った時より強い……(手加減されてたのかねぇ)」

 

「もしくはアレが黄昏の書の機能をフルに使ったカイトの実力かも……(でも、あれじゃあ暴走してると言われた方がまだ納得する)」

 

「フェイト、ちゃん……アルフ、さん? ユー、ノくん……カイトくんって?」

 

 突如として豹変したカイトにフェイト達が戸惑い、痛む体を堪えながらフェイト達を見て、そして自分を襲った少女と自分の代わりに戦ってる青年を見る。

 少女の方は未だに何処かで会ったのか、何故襲われなければならなかったのか、何か恨まれるような事をしたのか、終いには昨夜の出来事と何か関係があるのかと考えたが分からず(じま)い。

 青年の方はと言うと、何処と無くカイトの面影を感じるが、カイトの目はあのような感情を表さない機械のような目をしてないと思いカイトであってカイトであると何処か悟る。

 

「はぁ、はぁ……クソッ(()えぇ、シグナムが不覚を取るのもわかる。 どうする? 逃げるか?)」

 

 肩で息しながら青年――カイトに睨み付ける少女。

 少女のバリアジャケットは所々黒く焦げており、チラリと覗く肌は黒々と焼かれて、生きてるのが不思議な程のダメージを負おっていた。

 

「……」

 

「ッ!」

 

 今、立ってるのがやっとな少女を前にカイトは身に纏った蒼炎を消してゆっくりと少女の元へと向かい、少女は後退りしようと足を動かそうとするがズキリと鈍い痛みが身体に走り顔を歪め、後退するのが遅れカイトが目の前まで来るのを許した。

 少女の目の前までやって来たカイトは、ガッと少女の顔を掴んで魔力を集中させて炸裂させて少女を数メートル吹き飛ばす。

 

 ――ドンッ

 

「あ……」

 

「無事、ではないなヴィータ」

 

「ザフィ、ーラ」

 

 ヴィータと呼ばれた少女は自身を受け止めた人物を見上げる。

 そこには、狼のような獣耳を生やした偉丈夫の男が居た。

 

「奴がシャマルが言っていた?」

 

「ああ、気を付けろよ? あいつヤバい」

 

「アアァァ……」

 

「……見たらわかる」

 

 カイトの鋭い視線に、得たいの知れない恐ろしさが二人を襲い。

 カイトが動き出すと、二人は反応が遅れるも左右に別れる。

 左右に別れた二人を見てまずはと、男―――ザフィーラの方へマシンガンのような蒼炎弾を連射し、女―――ヴィータの方へ青白いレーザーのようなモノを放つ。

 

「チッ炎の他にもこんな魔法を使えんのか……アイゼン!!」

 

『ヤー』

 

「ハアァァッ!!」

 

 ヴィータはアイゼンと呼んだハンマーを大きな鎚に変え大きな盾代わりにし、ザフィーラは自身が誇る(バリア)を展開して蒼炎弾を防ごうとするが、レーザーはアイゼンを一瞬で貫きヴィータの肩を射抜き、蒼炎弾はザフィーラの(バリア)を削るように激しい音を起てながらぶつかり、そしてとうとう(バリア)を穴だらけにしてザフィーラに着弾する。

 

「ギッ!!」「ガァアアアアアアアアアッ!!!」

 

 ヴィータとザフィーラに攻撃が当たったのを確認したカイトは、両足に力を入れて弾けるようにザフィーラの後ろへ移動して、ヴィータの方へ蹴るとザフィーラの周囲に緑色の膜が現れて砕け散り、ザフィーラを身体で受け止めたヴィータも遅れて周囲に緑色の膜が現れて砕け散った。

 

「あれは……なに?」

 

「あ、あぁあああああっ!!」

 

「なのは?」

 

「どうしたんだい?」

 

 ヴィータとザフィーラから出た緑色の膜を見たなのはの頭には、先日体験した事がフラッシュバックする。

 

 黒いモンスターにやられて、嘘のように失ってしまった大切で平和な日常。

 

「…めて」

 

 病院で寝ている二人の友人達。

 

「や…て」

 

 変わり果てた友人。

 

「…め…」

 

 昔のように孤独になった自分。

 

「やめて!! カイトくんっ!!」

 

「ウゥ……ッ!!」

 

 なのはの悲痛な叫びに腕輪を展開しようとしていた腕は、自分の胸を抑えつけるようにして、鋭い眼光はヴィータとザフィーラを睨み付けながらカイトは光に包まれた。

 

 

 

 

 

 ☆☆

 

 

 

 

 

 あの日から、ずっとThe Wordにインしてる。

 バニングス家の令嬢を意識不明にしたゲームだが、アリサちゃんのお父さんもお母さんも、警察の人達もゲームが原因とは考えて居なかった。

 バカな大人だ。

 一緒に意識不明になった康彦くんだって、同じゲームをしていたのだ。

 どう見ても、このゲームに何かあるのは当然だ。

 でも、これで良かったかもしれない。

 だって―――

 

「私が必ず助けるからね……アリサちゃん、康彦くん」

 

 誰にも聞かせるわけもなく、ただ二人は自分が助けるという意思表明を言葉にして、私月村すずかはThe Wordへと足を踏み込んだ。

 

 ―――歓迎するよ、ルナ(すずか)

 

 ―――Welcome to The Word.

 

 誰とも知れない声を聞きながら、、、

 

 

 

 

 

 ―――カシャァアアンッ!!

 

 

 

 

 

 

「すず…お嬢さ…? お嬢…!! ……!! …………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 私の意識は闇に包まれた。

 

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