鬼滅の波紋使い   作:速川渡

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連載版第5話の投稿。

ファンブックは手にしたので続きを書いていきます。
ええ、今回はぶっちゃけタイトル通りです。

※注意
この先、壮大な原作改変が入ります。
一人のキャラクターの方向性が全く変わります。

気にしない方は多いかもしれませんが、注意喚起だけさせていただきました。







(わらべ)を護りし、泣き虫坊主

 随分と鬼退治に向かっては、自宅に戻り身体を清め、朝飯を食っている途中に烏が来てサッサと飯をカッ食らい、烏の案内に従って、鬼を見つけこれを退治。

 という日常にも慣れ始めた朝食時、男は烏の知らせを待ちながら昼用の握り飯を拵えていた。そうして、丁度作り終わった時に烏の呼び声が聞こえてきた。

 

「カァカァ! 靑梅(おうめ)!! 靑梅ノ日ノ出山!! 日ノ出山!! 日ノ出山ニ鬼ガイル!! 直チニ向カエェエイ!! 」

「ふむ、靑梅ねぇ。確か、東京府だったか」

 

 いやだいやだ、都会の山奥ってのはどうして怪異が多いのか、などと吐き捨てながらも支度を済ませて小屋を出る。最初は忘れていたが、しっかり刀も持って出る。あの女刀鍛冶に鞘に微量の埃がついているとバレたのだ。その時の怒りようったら、泣きようったら、喚きようったら麓の村まで響いたとか。ちゃんと持って出ないと、また面倒事となるだろう。きちんと腰の帯に下げてやる。なお、警察隊なんかに咎められたら、模造刀のお守りとか言って誤魔化してたそうな。これも後にバレて、また喚かれるのだがそれはまた別の話。

 

 さて、いつも通り烏を置いてさっさと道を行く男。もともと怪異殺しなんかやってたもんだから、日本の地理の大体は把握していたので、烏の案内に沿っていたら日が暮れるとすっすっと走る。烏も中途で力尽きたのか、追いつけぬと諦めたのか既にいなくなってしまっている。向かう途中にさっき握った飯を食らいながら、歩を進める。夕刻前には早く、間昼時には少し遅いような時間に男は山の中を進んでいた。この山には確か寺があったはず、そこに鬼が潜んでいるのではと寺に向かう。

 

 寺より少し離れた山の中腹、そこでは童たちが遊んでいた。もうすぐ、日も暮れる。故に童たちに声掛けをしてから、鬼を探すことにした。

 

「よう! 嬢ちゃんどもに坊主ども、何してんだ? 」

「んー? おにーさん誰? 」

「俺か? ちょっとした旅してるもんさ」

「へーそうなんだ、今かくれんぼして遊んでるの」

「ほー、隠れん坊か。あんま暗いとこにはいかんようにな、こわぁい鬼がここらをうろついてるってさ」

「鬼って暗いとこにいるの? 」

「そうさ、だから暗くなる前......今日だともうそろそろだな。家に(けぇ)るんだ」

「わかった! あ、そうだ! おにーさんもお寺に泊まっていかない? 私たち、この山の奥のお寺に住んでるの」

 

 そこまで聞いて、鬼はこの山の別所に潜んでいるとすぐに理解した。また彼らを守るためにも、その近くにいたほうが良いと思考を巡らせ「おう、頼むよ」と子供たちに寺まで案内してもらった。

 

 寺には悲鳴嶋という泣き虫の坊主がいた。この坊主が童たちの親代わりをしているらしかった。

 男を怪しいものでないかと少し訝しんだようだが、子供たちに軽く懐かれていたので、大丈夫であろうと判断された。寺の縁側にて、座りながら坊主と男は語らう。童がいる場では煙管を全く蒸かさない男であった。

 

「結構な体躯じゃないか、あんた」

「はは、よく言われる」

「お茶持ってきたよ」

「おお、沙代か。ありがとう」

 

 世間話をしていると童の一人が茶を入れて持ってくる。男は悲鳴嶋が童から茶を受け取る様子を見て、眼が見えていないことを悟る。武闘家故の観察眼であった。

 

「その眼、何かの病気か? 」

「ああ、この子らくらいの時は見えていたのだがな」

「ふむ、ちょいと眼を閉じておきな」

「む? 何故だ? 」

「良いから、良いから」

 

 悲鳴嶋は困惑しながらも、瞼を降ろす。男は一呼吸で仙道を練って、軽く指先に集中させる。そして、瞼の上に軽く指を重ねた。

 

[仙道・治癒式波紋 応用 眼部]

 

 それは数瞬の出来事、悲鳴嶋にしてみれば目がジーンと熱くなるようなものが走る。瞼の上の指を離して男から声がかかる。

 

「ゆっくり瞼を開けてみな、ゆっくりな」

「何をしたんだ? 目があつk──っ!? 」

 

 瞼を急に上げて、白い閃光が目の中に迸る。驚いて、目を両の手で抑える。

 

「これは、どうなって……? 」

「瞳の中が曇っているようだったのでな、お(まじな)いをかけたのさ。も一度ゆっくり開けてごらんよ」

 

 男の言葉に従い、ゆっくりと目を開けていく悲鳴嶋。まだ少しばかりまぶしく、涙で滲んで視界はぼやけていたが()()()。昔のように色づいた世界が確かに視えているのだ。坊主は泣いた、いつもよりも長く長く。童たちも共に嬉しくてワーワー泣いた。そして、坊主と童たちとは抱き合った。

 

 男は一人、邪魔しちゃいけねぇと寺から少し離れて煙管で一服した。その煙はいつもより少し、美味まかったそうな。

 

 

閑話休題。

 

 その日の晩、寺を鬼が襲ってきて、男がこれを撃退。恩を受けてばかりは礼知らずと、悲鳴嶋は童たち含めて鬼殺隊に入隊。(悲鳴嶋がやめるよう言ったが、童たちもそう言ってきかなかったそうな)

 

 男は、彼らに産屋敷を紹介し(自分の継子にしてはといわれたが、自分のしてきたそれは自分でなければ死ぬようなものだから嫌だと断った)、その伝手で岩の呼吸の育手に教わり、後に柱となるのだが、その話は別の機会に。




明治コソコソ噂話
[悲鳴嶋行冥]
原作柱の一人。岩柱。
盲目であり、本来なら童の一人に裏切られて、
他の童たちが死に守り抜いた沙代の証言も曖昧なもので、
子供殺しの犯人とされ、死刑になりかけて産屋敷に救われた。

拙作では、そこら辺の問題を起こる前に波紋使いが解決した上、
盲目(詳しい設定がないので独自に白内障と推測)を治してもらった素晴らしき恩人。
童たちも全員無事。仲良く鬼殺隊してます。
(童たちももちろん試験も合格してます。理由は後々明らかに)


[鬼]
今回出番なし。ダイジェストで男に消し飛ばされました。
巨躯だったとはいえ、一般人に殴り殺された鬼なんて雑魚だからね。
仕方ないね。

[仙道・治癒式波紋]
効果は文字通り。
波紋は、身体の傷を細胞を活性化させ治したり、機能改善できたりするよ。
後者は、ジョジョ本編で描かれてなかったような気がするけど、作者さんはできるって言ってたよ。
ただ、眼はかなり繊細だから、流し方もコツがいるんだってさ。
ヤバいね波紋。万能すぎてどうしようって感じだね。

[男のしてきたこと]
うん。詳しくはジョジョの一部と二部を見てね。
この波紋使いは、物心ついた頃から武道を仕込まれて、
同時にそういうことをしていたよ。
波紋使いが強いのはそういう事情もあるんだ。


 本作は二次創作のため、原作から大きく乖離した物語となる予定でございます。短編では、炭治郎一家を救ったように、多くの命を失ったはずの原作キャラたちが、拙作では当たり前のように救われます。俗にいう優しい世界というやつですね。
 それができるくらいには、うちの波紋使いさん強いので。
『というか本当にチートだな波紋』と今更ながら戦慄しております。


完結できるように、ゆっくりながらも話を進めていければなと思っています。

今後とも拙作をよろしくお願いいたします。

誤字脱字、講評批評、その他感想などお待ちしております。

次の展開について中々決まらないのでアンケートで決めます。

  • 波紋による治療編
  • 各柱(原作)との絡み編
  • 各柱(本作)との絡み編
  • 以上全てダイジェストにして原作へ
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