鬼滅の波紋使い   作:速川渡

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連載版都合8話目と相成りました。

え?1日投稿が遅れてるって?
すいません。その通りです。
今月中にもう1話上げるんで許してくださーい。

柱合会議を前後編で分けるつもりが、筆が滑りに滑って中編が生えてきました。
後編だけあんま長くしてもなーということで、中編です。

おかしい、こんなに長くなるはずでは……

まあ、それはそれとして、柱をやめさせたい男の真意とは。

本編へGO。


柱合会議にて(中編)

 柱の3()()は、波柱に喰ってかかる様に囲みそれぞれが罵詈雑言を口にした。

 

巫山戯るのも、大概にしろ!! 俺たちをバカにしているのか!!?

炎柱はゴウゴウと燃える炎の様に激しく怒声を上げ、

 

お館様のお気に入りとはいえ、立場も姿勢も弁えず、付け上がりがすぎるな?

水柱は静かながらも確かな怒りを込めた水の様に冷たい言葉を放ち、

 

貴様は一体何様のつもりで、モノを言っているのだ!! 最近入ったばかりの青二才が!

鳴柱は響く様な大声で雷の様な苛立ちをぶつけた。

 

男は、一瞬、無表情となったが、すぐに呆れたような顔になり、はぁと一つ息を零して、口を閉ざした。

それが柱たちの怒りを加速させ、刀にまで手がかかる剣呑な雰囲気が漂う。

 

やめるんだ

 

 そして、それを横から怒りが吹っ飛ばされる様な優しい、しかして有無を言わせぬ(こえ)が、場を支配した。

 柱たちは、庭に傅いてそれぞれ取り乱したことを恥じ入るように産屋敷へと謝罪の意を口にした。

 男は、それを横目にすっと縁側に座りなおして煙管の灰を紙に包んで、別の包み紙から新しい葉を入れなおして火を灯す。

 

「しかしながら、お館様。もはや、波柱とて我らと同格であり、且つ新入り。そいつの行動は目に余るものが多すぎます」

謝罪を口にした後に、波柱をにらみつけながら、男の態度に苦言を呈したのは炎柱であった。

 

「……その気持ちは分かるよ、槇寿郎。他人がいきなり土足で、家を踏み荒らしていると感じるように、波柱が幅を利かせているのは、先代から紡いできた柱の誇りを汚されているように感じるのも無理はない。他の2人も同じ気持ちだろう」

産屋敷は炎柱の言を尊重し、労い、肯定的に扱ったが、その最後に「でもね、」と続けた。

 

「彼の意見を先んじて聞いた私は、現在の状況も踏まえて、柱を一度解体すべきかもしれないと思った」

産屋敷は柱たちの顔を見据えながら、哀しい貌してそう告げる。

柱たちは、【現在の状況】と聞いて、なぜ産屋敷がそんな意見を良しと考えたのか、理由を悟り始めていた。

 男は、怒声に囲まれたときから変わらず、我関せずという風に相変わらず煙管を吹かせている。産屋敷から語らせた方が、理解も受け入れもしやすいだろうと産屋敷へ丸投げしたらしい。

 

「言うまでもないことだけれど、目をそらし続けてきたことだからあえて言おう。()()()()()4()()()()()()()()()()()では、これ以上柱の死人を出すと鬼殺隊自体が壊滅する……違うね、もう半ば壊滅してきている」

 産屋敷が語った現状は、3人の柱の心臓に鋭く刺さった。柱合会議で集まれた柱は鬼狩りが忙しくてこの3人しか来れなかったわけではなく、この3人と波柱の4人で全員だったのだ。

 

 本来、柱とは9人からなる、鬼殺隊の最高戦力であり、下弦の鬼であればあっさり倒せるほどの力を有している。それが、今この場では波柱が来るまで3人まで減っていたのだ。

 最高戦力が減っているということは、当然並の隊員であれば、もっと被害が出ていた。端的に言ってしまえば、鬼の強さが鬼殺隊を遥かに上回っており、崖っぷちの劣勢に立たされていたのだった。

 

「故に、鬼狩りを全て波柱に一任して、君たちには完全に後進の育成に努めてもらおうと考えたんだ」

 

「あ、変に誤解されるのも癪に障るから先に言うが、俺も育成側に回る体で提案持ち掛けたからな」

 

「波柱は君たち3人全員の戦果の2から3倍ほどの戦果を挙げている、彼には鬼がこれ以上強くなってしまわないように鬼狩りを続けてもらうべきと判断したんだ」

 

ここまで聞いて柱たちは、波柱がそこまで強いのかと差を感じ、また柱をやめろと言われたことにも一応は納得した。

 

「話は、分かりました。理屈も筋も通っています。後の鬼殺隊のためとなるのであれば、喜んで育手になりましょうとも」

水柱はいち早く切り出した。相談であるという持ちかけであったが、別案があるならまだしも覆らぬ決定であると悟ったのだ。

 

「あー、おっほん。私もその提案を呑みましょうぞ。波柱は気に入りませんが、提案自体は正しい。鬼殺隊が無惨の喉元に至るまで存続できなければ、本末転倒となりますからの」

鳴柱も続けて、同意をした。波柱に対してまだ苛立ちを抱えているようだが、理性は保っており正当な辞令であると理解していた。

 

「……」

残る炎柱は、なるほど理屈も筋も通っている正論であると理解はしていた。

しかし、答えかねての沈黙をしてしまっている。一つ強い懸念もあったのだ。

 

「槇寿郎、言ってみなさい。懸念があるんだろう」

 

 産屋敷は、それを見抜いて炎柱へそれを打ち明けるよう促す。

 

「……はい。育手に回るということに不満は……ないとは言い切れませんが、それは引き受けましょう。ですが、こいつ一人に任せておいてはこいつが死んだときには……」

 

「尤もな言ではあるが、それは甘えも入っているな」

 

 波柱が怒気を孕ませた声で、炎柱を見据える。

 

「そも、この提案は柱が3人斃れた時点で、産屋敷(こいつ)はこの判断をすべきだったし、お前らも提案すべきだったんだ。お前ら全員の驕りや傲慢さが今の結果を産んでいる。俺がそのケツ拭いて後始末し始めてるだけで感謝してもらいたいところなんだぜ? 」

 

 男が散々他の柱を煽っているようにふるまったのは、彼も柱たちの傲慢さに苛立っていたからであった。柱たちがもっと危機感をもって現状に向き合っていれば、今より状況は良かったはずであったのは間違いない。

 

 柱たちは何も言葉を返すことができなかった。それは正論であり、自分たちで現状を動かそうとはしていなかったからだ。

 産屋敷耀哉もまた、口を噤む。自分がもっと早くに気付いて、この方針にすべきだったと悔やんで、心を痛めていた。

 

「ま、懸念は正しい。なんだっけ、つぎこ? は取ることにした。丁度志願者がいるらしくてな。俺の後釜がいりゃいいんだろ? 」

 

 はいはい、嫌われてんなーと炎柱の懸念を一蹴してこの話は終わりだとばかりに、男は次の話に移っていったのだった。

 

 




柱が3人であることに違和感を感じていた方もいらっしゃると思います。
理由はこれです。幕間でも描写ありましたが、原作以上に鬼のレベルが底上げされております。

原作でさえ、上弦と戦った柱殉職あるいは戦闘不能になったのが2人。
こっちでは、原作前から6人の柱が散ってます。
柱の質が悪かったのかどうかは、後々の戦いで表現出来たらなとおもいます。

あと継子については、まあはい。想像通りかと。

後編では入隊試験周りの話かいて、ようやくダイジェストじゃない鬼退治の話に移れるかなというところです。

誤字脱字、講評批評、その他感想などお待ちしております。
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