要望が増えたので入れて置きます。
また、元の形態に戻すのも面倒なので、短編の最後に置いて置きます。
最新話期待していた皆様にはご迷惑お掛けしております。
上から読んできた場合、この話はスキップ可です。
というか文字通りまとめなので新規付け加えとかないです。
冬のある日だった。
「あのぉ、すいません。誰かいませんか」
遠慮がちに、山小屋の戸を叩いて声をかける。
すると、ちょっとの間を開けて玄関口に白い着物を着た女性が出てくる。
「あら、まあ。旅の方かしら、こんな遅くまで歩いていらっしゃったの? 寒かったでしょう、家に泊まって行ってくださいな」
「あいや、申し訳ない。出来れば隣村まで歩を進めて置きたいのです。道を尋ねたくて」
「夜の山道は危ないですよ。特に今の時期は雪が降り積もっているから」
「む、そう、ですな。しかし、失礼では? 俺は銭はそこそこ持てど、他に役立つものを持ってる訳では」
「お礼など結構ですよ」
「いや、しかし」
「お母さんどうしたの? 誰か来たの? 」
「禰豆子かい、旅のお人だよ。このまま、隣村に行きたいそうなんだけどね」
「え! 危ないからやめた方が良いですよ! 」
娘がいるのか。ふむ、この辺りでも『出る』という噂だった。ならば、彼女らを護るためにも、泊まるかな。これで隣村が襲われては面目も立たないが。
「そうだね。分かりました、お世話になります」
「えぇ、旅のお話を子どもたちにしてやってください」
「たち? そこな娘さん以外にもお子さんが? 」
「えぇ、一人長男が隣村に降りていますが、何処かに泊めて貰っているのでしょう」
「そうですか」
本当にそうであればいいが。
山奥に居を構えているというのに、思ったより子沢山であった。男が三人いや、長男含め四人か、女が二人。見たところ旦那はなく、女手一人で大変そうだとも思ったが、子ども同士で出来ることは自分達でやっているようだ。良い人たちに出会えた。
子どもたちに質問攻めに遭い、やや話疲れたので縁側にて煙管を吹かす。一息付いた所で、血塗れた臭いと殺気を感じた。
「全く、俺が居て良かった」
*****
肺から、煙をすべて吐き出し。素足で、雪の上に足を踏み出す。本来であれば、冬の夜風と雪は、冷たいどころかすぐに霜焼けに苦しむことになるだろう。だが、自分にその心配はない。
「出てきな。お前らはたしか強いものの血肉を好むのだろう? 」
「ふん、人間か。日輪刀も持っていない癖に偉そうに」
「そのなんたらいうものは、俺には無用の長物なものでね」
そういって、煙管の葉を捨て、別の葉に変える。それと同時に煙管に意識を集中させ、煙管の吸い口を怪異に向けてやる。
「確かに貴様からは強い気配を感じる、だが、刀も持っていない人間など恐るるに足らぬ」
「そうだな、お前に忠告だ。油断のし過ぎは死を招くぞ」
「はっ──、ほざk──」
一呼吸を挟んだのちに、人差し指と中指で挟んだ
煙管が、
当然、怪異の目に
だがしかし。
「くなぁあああ”あ”あ”あ”あ”」
鬼の威勢の良いその声は、苦悶の声へと変わった。鬼の右目には焼ける程の痛みと悶える程の苦しみがあふれる。鬼となって久しく、痛みとは無縁だったのだろう。何が起こったのかわからない。しかし、投げつけてきた煙管で、目が潰れたのは明白だ。理由はわからないが、彼の男は自分を傷つける手段を持っているのだ。煙管を目から引き抜こうとし、右手で煙管を掴む。
「ぐぎぃあ”あ”あ”あ”あ”」
もはや、鬼は立っていられない。膝から崩れ落ち、反動で
やれやれと、男は鬼へと近寄る。鬼のその姿は、右目から右後頭部にかけて消滅しており、また右手が手首ごと消失し、屈みこんでいる。
「鬼の目にも涙、か? それは兎も角として、うるさい黙れ」
そのつぶやきと共に、鬼の喉のあたりをその素足でけり抜ける。その蹴りで下を向いていた鬼の
「ふぅ、運動にもならなかった。が、
今の鬼の喚きで目が冴えてしまった。今のそれより、骨はあるだろうか。と、煙管を拾い上げて、吸い口を着物で拭って口に咥え火を灯す。男は足袋も履かず冬の夜空の元、軽く散歩に出たのだった。
*****
夜の山小屋、男は裸足で母屋から少し離れて、暗い木陰へ声をかける。
「さて、さっさと掛かっておいで」
「ック、なにしやがったんだお前」
「カンケーあるか! あいつを殺して後ろのやつらも皆殺しだ! 」
暗闇からできた、二体の鬼が正面切って襲い掛かってくる。突進して、爪やその牙、或いはこぶし、或いは蹴りを仕掛けてくるのだろう。煙管から煙を吸い込んで肺に溜める。あまり体力は消費しないでおきたい。
彼らは
[紫煙式波紋疾走]
その煙をかわす手段もない鬼たちは、攻撃の息継ぎに一呼吸してしまう。そして、煙を吸い込む。
「ゲホゴホ、くそ。なn────……──っ!?」
「ウェッホ、オッホ、息g────っ!?」
煙を吸い込んでしまった鬼たちは、いつの間にか首に亀裂が入っていた。喉もつぶれてしまったようだ。何が起こったのか、困惑しているうちに男は彼らの喉元めがけ、両腕の貫手をそれぞれに打ち込む。
「母屋から、遠いとはいえ叫び声を間近で聞く趣味もないしな」
そうぼやいて、煙管で一服する。その姿を見ながら佇む、洋服に身を包んだ青年が拍手をしながらこちらに向かってくる。
「お見事だ。それで、
「礼儀を知らねぇ奴だな。おっかあに名前を聞くときは自分からと習わなかったのか? といっても、お前の名は知っているがな」
「なんだと? 」
男の煽りが気に食わないのか、自身の配下をあっさり倒され不服なのか。青年は男の言葉に苛立った。
その姿に含み笑いをして、再び一服したのちに男は青年に名乗りを上げた。
「鬼という怪異の元凶、日本最初の鬼、鬼舞辻無惨だな? 俺は怪異殺しをやっている男だ」
「怪異殺しだと? なるほど、
「なんだと聞かれて答える義理はない。ここでやり合うもいいが、互いに準備不足だろう。帰りな」
「ふ、いいだろう。ここは立ち去ってやる、そのうちに貴様の力の正体も暴き惨たらしく殺してやるとも」
「そいつは結構。できない夢でも、声に出せば言霊は乗る。恐ろしい呪言を吹っ掛けられたものだな」
後でお祓いしないと、と余裕を以ておちゃらける男と青筋を立てて分かりやすく苛立っている青年。
こうして、青年は苛立ちながらもその場を去り、男はそれを見送ってから母屋に戻って床に就く。
朝日はまだだが、かなり夜更かしをしてしまった。明日はつらいだろうなと苦笑いしながら男は、眠りについた。
*****
こうして、その夜この竈門家が、血に溺れるようなことはなく。旅の男はその長き旅の疲れからか、昼には少し早いほどの目覚めだった。
「いやぁ、一晩どころかお昼までご馳走になってしまって」
「いいえ、旅でお疲れだったのでしょう。ゆっくりしていってください」
「お気持ちは嬉しい。たが、そうもいかぬのです。先を急ぐ身でして、ですがそうですね。長男くんにあいさつをしてからここを出ようと思います」
彼らには、軽い怪異であれば払える程の
それに、俺の追っ手が後は何とかしてくれるだろう。全く、組織というやつは録でもないものが多いのだ。鬼殺だか記念だか知らんが、縛られたくはない。
そうして、旅の男は竈門一家におまじないを施してから、静かに山小屋を去ったのだった。
その数時間後、帯刀した気だるげそうな男がこの山に訪れ、この家に別の怪異が襲来し、一悶着あるのだがそれは別の話。
*****
*****
さて、鬼殺隊という組織から逃げに逃げ。西へ東へえっちらおっちらしてたわけではあったのだが。とてつもなく強い、柱とか言う連中に五、六人で囲まれてしまい逃げようが無くなり、仕方なくお縄についた。
どこぞの山の奥地、産屋敷邸に連れられて、九人の柱と病に犯された男、産屋敷某に無理やり面会の運びと相成った。
「貴方には、鬼を日輪刀もなく倒す力があると聞いている」
「まぁ、そうだな。日輪刀がなんだかは知らないが、そのような力があるのは確かだ。基本的に怪異殺しをしている」
「私たちは、鬼の元凶である鬼舞辻無惨を殺す為に──」
「あー、皆まで云うな。つまり俺に協力しろ。或いはその力を教えろと? 」
「......端的に言えば、そうなる」
ため息を一つ。柱と呼ばれるガキどもから、若干殺気を飛ばされているが、気にしない。
彼らに一杯喰わされたのは、数人で囲まれてしまったが故だ。なので、二対一までなら確実に逃げ切れた。その彼らの顔を観る。そして、確信を得た。
「両方ともお断りだ」
「何故だ! 俺たちが気に入らないからか! 」
「違う、確かに追っかけ回されて嫌な気分になった。しかし、教えを請うというなら、それはそれと流すさ」
人相の悪い傷だらけの柱が喚いて来たので、宥めながら応えてやる。
「理由は二つ。一つは組織が苦手だからだ。組織に属すると自由に動けなくなる。行動に制限がうまれる。それが堪らなく嫌いなんだ」
「なら、教えるくらいなら」
「二つ目。柱といったか、君らには確かに素質はある。教えれば、修行を数ヶ月すればかなりの使い手となるだろう」
「じゃあ、何故! 」
「君ら、早死にしても構わないという心構えだろ? 俺はこの力を来るべき時まで、長く継承し続けなければならない。継承し続ける気がないやつに教えるつもりはない」
彼らは純粋に鬼、鬼舞辻某という元凶さえ倒せれば、死んでも構わないという面持ちであった。
こんな若い少年少女たちにそんな覚悟が見られるとは、幾つもの死線を通って来たのだろう。
確かに教えれば、彼らはより強くなれるだろう。より生存率も高くなるだろう。だが、それは彼らの都合だ。俺の弟子としてこの力を継ぐ気が無い者に、教えるなんてお節介してやる義理はない。
俺の言葉に何も返せず。焦る表情を見せる
「では、貴方の力の継承にたる者を手配しましょう。代わりに貴方の力を彼らに教えてください」
「なるほど、そう来たか」
この前、免許皆伝とした西洋人の弟子はいたが、日本にも幾人か弟子を作って置いても悪くはないだろう。
「分かった分かった。その根気強さに負けたよ。この子らにその力を、
こうして、男は
これにより、死ぬはずだった者たちの運命は変わったりするのだが、それは別の話。
これをあげた時点で、UAが17000以上のお気に入り登録が370件以上で正直、びっくりしております。
また、先日最新話投稿したとは言え、かなり伸びるなぁと思いもしやと日間ランキングを見たら10位でした。
そして、週間にも127位と微妙ですが載っていました。
こんなにこの作品を読んで頂きありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
追記
「新規付け加えとかないです」と言ったな、すまん。ありゃ嘘だ。
一応、短編の方で書きたい物もあるので、ここに書き足そうと思います。(もちろん、単話でもあげますが)