元飼い主「ごめんね、タロウ、もう、家じゃ飼えないの。誰かほかの人に…。じゃあね」
タロウ「ク~ンク~ン」
タロウ 夏の、雨の降りしきる、梅雨の特に変わったことのないこの日に僕は捨てられた。小さな段ボール、中に入ってる申し訳程度の散らばったドッグフード、「拾ってください」と書かれた広告の裏紙。そして僕。まるで、水たまりに浮かんだ紙屑のようにそこに僕は座っていた。お腹がすいた。もうすぐドッグフードもなくなりそうだ。いやだなあ、死にたくないよ。
店長 「えーと、小麦粉は、買ったな。砂糖も買った。後は~、あ、バター買い忘れた、買いに戻らないと。ん?」
タロウ「ク~ン」
店長 「あれ、こんなところに、子犬がいるなあ。どうしたんだあ?お前、こんなところで。ん?。」
タロウ「クーン、ワンワン!」
店主 「ん?。こんなところに張り紙が。『拾ってください』なに~お前捨てられたのか?。世の中にはひどいことする奴もいるもんだなあ。かわいそうに、うちで飼ってやりたいんだけどなあ。妻が飼うなっていうだろうなぁ。う~ん。」
タロウ「ク~ン?」
店長 「そうだ。お前の飼い主が見つかるまで俺が食べ物を持ってきてやるよ。ほら、今も魚肉ソーセージなら持ってるから食いなよ。」
タロウ「ワンワン!」
店長 「おお、いい食べっぷりじゃねえかあ。ん~?。あ、買い物の途中だった。忘れてた!じゃあなワンちゃん。明日もまた来るからな。」
タロウ 今でも忘れない。これが僕と店長の最初の出会いだった。
タロウ その日から、店長は、毎日のように僕のところに来ては、食べ物を持ってきて食べさせてくれた。
店長 「ほ~ら、ワンちゃん。食べ物持ってきてやったぞ~。お、相変わらずいい食べっぷりじゃねえか。」
タロウ 「ワンワン!」
店長 「悪いな、本当ならお前を飼ってやりたいんだがな…。ごめんな、早く新しい飼い主が見つかるといいな。」
タロウ 「ク~ン」
店長 「じゃあな、明日も来るからな、元気にしてろよ。」
タロウ 「ああ、なんていい人なんだろう。今までこんな優しくしてくれた人はいなかったよ。明日も来てくれる。そして明後日も、明々後日も、きっと来てくれる。でも僕からは、何もしてあげられない。何か、恩返しをしてあげたいけどこの犬の姿じゃ、何もできない。何かいい方法ないかなあ。
神様 「力が…ほしいか?」
タロウ 「え?、だれ?」
神様 「私は神。迷える子羊よ、力がほしいか?」
タロウ 「羊じゃないです。白犬です」
神様 「え、お前羊じゃないの?。マジウけるんですけど~、草草。インスタにアップしよ~。」
タロウ 「ちょっとやめてくださいよ。メッチャ撮ってるじゃないですか」
神様 「おっと、そんなことはどうでもいい、白犬よ、おぬしは、力を欲しているのではないか?」
タロウ 「え?そりゃあ、最近その~」
神様 「よいよい話さなくてもわかる。私は神様なのだから。おぬしは…番pになりたいようじゃな。」
タロウ 「は?」
神様 「そこに関根という男がいるだろう?奴もわしの力を借りて番pになったのじゃ。」
タロウ 「いや!違う違う!全然違うよ神様!」
神様 「おぬしの願い聞き入れたぞ!おぬしに番pの力を授けよう!」
タロウ 「え~!ちょっと!」
父神様 「おい、てめえなにやってんだ?」
神様 「パパァ!」
父神様 「てめえみたいにちゃんと仕事しねえやつ人がいるから
世界も堕落してんだよ!。もう許さねえ。しつけが必要のようね。てめえなんか、ピーしてピーしてからピーピーピーピーしてやる。覚悟しろ!」
神様 「ごめんなさい許して!ぎゃあああ!」
タロウ 「うわ~こわいよ」
父神様 「さて、すまないね、うちの息子が、ちゃんとあとで躾をしておかないと。」
タロウ 「お、おそろしい…」
父神様 「それで迷える子羊よそなたの望みはなんだ?」
タロウ 「だから羊じゃないですって!」
父神様 「おや、そうなのか、てっきり羊とばかり…。」
タロウ 「だから撮らないで下さいよ!」
女神さま 「わかっておる。そなた、人間に恩返しをしたいのだな?。」
タロウ 「あ、はい!」
父神様 「しかし、忘れては、ならぬぞ、人間に自分の正体をばらしてはならぬぞ。ばれたら最後○○になるからな。」
タロウ 「え~やだ~」
父神様 「では、そなたを人間の姿にするそれっ」
タロウ 「うわー」
タロウ 「ん・・・、今のは、何だったんだろう夢だったのかな。ん?。あ!人間の姿になってる~!。わーい!、これで恩返しができるぞ!。あ!早速あの人が来たぞ!。ばれないようにしないと。」
店長 「今日もたくさん食べ物を持ってきてるから、きっと喜ぶぞ。お~いわんちゃん、食べ物持ってきt・・・、って何してんだお前!。」
タロウ 「ハイ!、タロウです!。」
店長 「いや、名前聞いたんじゃないんだよ。なにしてんだよ。裸で。」
タロウ 「捨てられたんす。」
店長 「は?」
タロウ 「捨てられたんす。心もとない、飼い主に。」
店長 「なにい、捨てられたあ?。犬みてえなこと言いやがって。」
タロウ 「ギクッ」
(雨の音)
店長 「あ、これは一雨降りそうだなあ。うーん、仕方ねえなあ。」
店長 「おい、お前。名前はなんていうんだ。」
タロウ 「はい、タロウです!」
店長 「タロウか、また犬みてえな名前しやがって。オイタロウ、俺は、近くで喫茶店の店長をやっているんだ。家来るか?。」
タロウ 「ケーキ食べたいっす~」
店長 「馬鹿野郎、誰が何か食わせてやるっつった。」
(暗転)
店主 「ということがあったんですよ。で、今は、うちの店員として働ててもらっているわけですよ。」
客 「へえ、そんなことがあったんですか。そんなことよりどうですか。うちのかわいいワンちゃん。ほら、太郎、おすわり」
太郎 「ワン!」
客 「いや君じゃないよ」
店長 「何やってんだお前」
太朗 「すいやせん、あ、ご注文を。」
客 「変なタイミングで聞くなあ。じゃあコーヒーで」
太朗」 「わかりやしたー」
店長 「たくっ」
客 「それにしても良かったじゃないですか。店長、バイトの子すごい欲しがってたじゃないですか。」
店長 「まあな。おい太郎、早くお客さんにコーヒーお出ししてやれ」
太朗 「へい」
太朗 「どうぞ、コーヒーになりやす」
客 「ありがとう、うわっ、つめたっ」
太朗 「あ、すいやせん。」
店長 「馬鹿野郎お前、早く布巾お出ししろ」
太朗 「すいやせん。本当すいやせん」
客 「いや、大丈夫だよ」
太朗 「すいやせん、これはお詫びの品になりやす」
客 「ああ、ありがとう」
客 「ぶはっ、何だよこれ!」
太朗 「はい、タバスコになりやす!」
客 「うわ、口の中が地獄だあ、水!」
太朗 「ヘイどうぞ」
客 「ありがとう、うわ、なんだこれえ」
太朗 「ジンジャーエールの強炭酸です!」
客 「あぁ・・・ふざけるなよ、君ぃ、もう帰るよ!」
太朗 「あ、お会計」
客 「いくら?」
太朗 「2800円になりやす!」
客 「高っ!。トーストとか他に食べはしたけど。これ、タバスコとジンジャーエールのお金入ってないよね?」
太朗 「・・・800円になりやす!」
客 「タバスコ入ってたのね?てかっタバスコとジンジャーエール代高っ」
太朗 「ありがとうございやした!」
店長 「ったく、しょうがない野郎だなあ、おまえ」
太朗 「すいやせん、でもどうしても僕、店長の役に立ちたいんです。どうか僕のこと見捨てないでください」
店長 「はあ、だあれが見捨てるっつったお前。どうせこのまま、バイト募集かけたところで誰も来ねえしなあ。俺がお前を一人前にしてやるよ。
太朗 「ありがとうございやす!」
店長 「ほら買い出しに行くぞ。ついてこい。」
太朗 「へい、ただいま!」
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