ぶっちゃけ、続きは書けないと思う。
試験投稿です。
とある北国。
寒い寒い地域に位置するこの生物研究所には、様々な生物が運び込まれます。
不思議なモノ、グロテスクなモノ、ありふれたモノから、滅多に見られないモノまで。
今日もまた、一つのサンプルが運び込まれた様です。
「研究主任!今日のサンプル、もう見ましたか?」
騒がしい助手の声が廊下に響きます。
「何だね?今私はトラフグの咬合力の実験をしてたんだが、、、」
暖房の効いた研究室から引き摺り出されたのは、不機嫌そうな壮年の研究主任です。
彼らはこの研究所の中でも、何故か飛び切り変なモノをサンプルとして与えられる研究室の一員。
彼らに気付いた周囲の研究員達は、露骨に嫌な顔を隠しません。だって、巻き込まれたく無いですから。
「今日のサンプルはトナカイですよ!鍋にしましょう!」
周囲の事も、自分の立場も考えずに助手は鍋を提案します。
本来、実験が終われば元の場所に返すのですが、彼らに割り当てられる飛び切り変なモノについては元の場所に戻せない事も有ります。
その場合、研究員達に処遇が任されるのですが、、、
ですが、やっぱり食べるのは論外でした。
「でも君、トナカイ捌けるのかい?」
違うそうじゃない。
研究主任が変なヒトだから、変なモノを割り当てられるのかも知れません。
そうこう言ってる間にも移動し続け、とうとう搬入口直結の倉庫に到着。
助手の興奮も最高潮に達していました。
「此奴です!此奴が今日のサンプル、『妙に理性的なトナカイ』です!」
其処に居たのは一頭のトナカイ。脚は震え、鼻は真っ赤、目から涙を零すトナカイが、檻の隅に縮こまる様にして居ました。
「ところで助手君。何故此奴はこんなに怯えとるのかネ?」
研究主任の質問には基本的に快活に答える助手ですが、彼にはトンと見当が付きません。
其処でこの倉庫でサンプル他の出納管理をしている作業員が横から失礼、とばかりに一言。
「さっき助手サンがトナカイ鍋だァ〜って叫びながら出てった時からですよ。ソレ。」
あァ!と、原因が解って気分の良い研究主任と、イマイチ理解できていない助手の二人がトナカイの入った檻の前で佇む光景が其処に完成しました。
さて、研究主任も鬼では無いですから、このトナカイを鍋にするのは止めよう、と思い、体温を初めとする様々な項目をチェックし始めますが、5年程前に一度この研究所に迷い込んだトナカイとさしたる差が見られません。
価値有るデータ、と言うにはあまりに貴重さが足りない。
故に研究主任はその日の内に研究所の近くの森にトナカイを放つ事にしました。
未だ鍋と騒ぐ助手と、自分の空きっ腹が抑えられている内に、です。
翌日。
研究所近くの森から謎の光が空に登るのを見た、と言う通報が十数件、地元警察に届けられました。
通報したのは皆、幼い子供達。
普段からアヤシイ研究をしている研究所に疑いの目が向けられますが、彼らは何もしていません。
最終的に、誰かが花火でも打ち上げたんだろう、と言う事に落ち着きました。
更に数日後、デンマークのとある村にて。
「おォ、ルドルフや、お帰り。遅かったねェ。」
老人がトナカイに話し掛ける光景が、目撃されたそうな、、、