1%の可能性 作:どこにでもいる調推し
最近、シンフォギアにはまったため、にわか知識で書いております。
一応、設定などは考えておりますが、公式設定と矛盾する可能性があるかもしれないので、そこらへんはご容赦いただけるとありがたいです。
まあ、それでもダメかなぁと感じるようでしたら、ブラウザバック推奨です。
ある極寒の地で、二人の少年は向き合っていた。
「なぁ、律。ホントにやるのか?」
「あぁ、頼む。ちゃんと術式も刻んで、確信を得るために、目をミミルに捧げたんだから、絶対成功する」
「でも、だからって──」
──首をつって胸を槍で貫かなくても
一人の薄紅色の髪の少年は、引きぎみに言う。
それに対し、黒髪の東洋人は、笑って、『大丈夫、大丈夫』と、なにが大丈夫なのか説明せずに、とにかく何かを始めようと催促していた。
「わかった。それじゃあ、俺が首をつって息をしなくなったら、その槍で体を突き刺して死んでいるか確認してくれ」
「それも無理だよ。なんで、そんなことを友達にしないといけないんだよ」
「ハハハ、それじゃ、信じてるぜ、親友」
そう言うと、少年は自ら謎の陣のかかれた樹にぶら下げていた、これまた不思議な力を宿しているように見えるロープに首を引っ掻け、命を絶った。
この瞬間。少年
※※※
それから、十年近くがたったある冬の日のこと。
月読律の自殺に立ち会った少年は、その自殺現場にやって来た。
「ハ、ハハ、マジかよ……」
二十になった少年はそう呟くしかなかった。
なぜなら、首をつった八歳の少年の死体が、なんの変化もなく、綺麗なまま、逃げ出した当時の形を維持していたからである。
それを見て、その男は、ある決意を固める。
「これは、俺の罪、だよな……」
そう言うと男は、その八歳の少年の死体の足元にある、当時と変わらない槍を拾うと、涙を流しながら、少年の胸に突き刺した。
槍が胸を貫くと、その死体は灰となり、風に流されていく。
──これで良い。これで良いんだ。
男は、そう苦しそうに顔を歪めながら、その場を後にした。
八歳の時に駆け回った大地を踏みしめ、涙を流さないよう上を向いて、言った。
「さよなら、律」
※※※
胸を貫かれた少年は、灰から元の人の形を取り戻し、久々に故郷の大地を踏みしめていた。
「あー、懐かしいな。この感じ」
車のエンジンの音がうるさいのを聞き流しながら、コンクリートで舗装された、道路の上にたたずんでいた。
周りから警察の吹く笛の音も聞こえてきて、やばいと感じたのか、急いでその場を後にする。
そんなとき、ある電気屋で流れていた番組が目に入った。
『あの、世界のトップアーティスト二人による夢の共演が、世界各国の主要都市で……』
少年は、そこに写し出された、少女と言うには少し憚られるような年齢の、見覚えのある髪色の女性が、写っていたことに驚いた。
「ロン、元気にしてるかな」
後ろから迫り来る、藍色国家公務員から、逃走する八歳の少年は、そんなことを呟いていた。
心を踊らせながら、人をやめた少年はかける。
死別した妹を探すために。
※※※
特殊災害対策機動部二課は、北欧に突如現れたガングニールと同等の聖遺物の反応と、突然道路に現れた八歳の少年の行方を捜索していた。
その理由は単純で、少年の現れた道路から、北欧に現れたガングニールと同等の聖遺物の反応が検知されたからである。当然のごとく、二課司令の風鳴弦十郎は、「ガングニール、だと……!?」と驚愕していた。
更には、その聖遺物付近でノイズが発生し、立花響、雪音クリスは山口県におり、また、そこでもノイズが発生していることから、連れ戻すことはほぼ不可能であり、唯一の頼みの綱である、風鳴翼は今夜行われるマリア・カデンツァヴナ・イヴとの合同ライブの打ち合わせなどがあるため、少し悩ましい事態へとなっていた。
「司令。急がないと、犠牲者が……」
「あぁ……至急、翼を現場に向かわせ──」
「ノイズの反応消失っ。同時に聖遺物の反応です」
「またかっ!!」
二課は現れては消える聖遺物の反応に混乱に陥った。
※※※
そんなことを知るよしもない少年は、襲いかかってきたノイズとか言う訳のわからない生命体を、自身を貫いていた槍で切り裂いた。
「おー、やっぱり。俺の予想通り、聖槍化に成功。それに加えて、俺自身にも神格が宿ってる。うんうん。やっぱり、ロンを信じて正解だった」
そんなことを呟く少年に奇異の目線を向ける影はなかった。訓練された人々は、ノイズが出たらとりあえず逃げることを選択する。
そのため、たった八歳の少年が、身の丈より長い赤色の槍を扱っていようが、人外の力を振るっていようが、見向きもせず、逃げ惑っていた。
こんなとき、『狼狽えるな!!』と叫べれば、カリスマ性を宿せる可能性があったが、少年の思考では、そんなことまで思い付かない。
「さーてと。このスーツの人たちなんなんだろうね……。俺、悪いことしてないはずなんだけど」
「すみません。ですが、あなたをこのまま、野放しにしておくわけにはいけないと判断しましたので、ついてきてもらえると幸いです」
「はーい……。神様になって早々、連行って、俺、ついてないなぁ……」
これは、九十九%失敗する可能性のあったオーディン化にいくつかの複雑な条件が絡み合い、奇跡的に成功する一%を拾った月読律が、妹である月読調との関係を修復する物語であり、絶対にあり得ないひとつの平行世界の物語でもある。
とりあえず、主人公の設定です。
月読律(つくよみ りつ)
月読調の兄ではあるが、八歳の時に死亡。というより、とある魔術の儀式のため、自身で首をつり、友人である、ロン・カデンツァヴナ・イヴに用意した槍で心臓を貫いてもらおうと思ったが、それが巡りめぐって十年以上経過してようやく、心臓を貫いてもらうことができた。
それにより、術式が発動し、一時的に灰となり生まれた土地で神格を得て復活。
ちなみに、右目はミミルに捧げて、膨大な知識を得ている代わりに、右目だけ見えない。そもそも、光を受けとる眼球が右目だけない。異端技術だけならば、最強ではある。だが、司令には逆立ちしても勝てない。理屈としては、魔術の準備をするよりも先に攻撃されるからというのと、隻眼で肉体八歳の子供に白兵戦は不可能だから。
ガチガチに固められた学者肌だが、能力的には申し分もなく、神格を持っているため、聖槍グングニルを扱うことで、ノイズにも対応できる。
また、北欧の主神と同等の神格のため、作る武器のほとんどが聖遺物へと変化してしまうようになっている。
言うなれば包丁を研いだだけでノイズに対抗できる包丁を作ることも可能になった。
裏話として、調の兄に設定したのは、調自身がフィーネの魂を受け止める器としての資質があったので、兄も似たような形にしてみようと思ったから。
あと、調に兄がいたら切ちゃんたちとの絡みも面白くなりそうだと思ったから。
設定だけ見るとチートだけど、基本的にチート無双できるような肉体ではないので、ノイズ相手ならば余裕だが、リーチの差でシンフォギア装者には負けるし、魔術の発動にもそこそこ時間がかかって、チートできる環境ではない。
チート無双できるのはノイズが現れた時だけであるが、そこは、シンフォギア装者がいるので無意味。もっと言うなら、シンフォギアを纏っていないので、シンフォギア装者以上にノイズの攻撃に注意しないと戦えないという、性能は申し分ないのに、互換性があるため役に立てる場面の方が珍しいという、中途半端な立ち位置。
なお、中身は知識面だけで見るとオーディンともう一つの神格により補強されているが、基本は八歳のまま。
今の今まで復活できず放置されていたため、精神も肉体も成長していない。調の兄にして弟という訳のわからないポジションを獲得できる可能性はあるが、そこはこれからの展開次第。
ということで、今回はここまで。
次の投稿はいつになるかわかりませんが、読んでくださると嬉しいです。