1%の可能性   作:どこにでもいる調推し

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今回は、早く出来上がりました。

そして、先に謝っておきます。

皆さんの気分を悪くするようなものを書いて申し訳ございませんでした。

言い訳をさせていただけるのであれば、これは、律の幼稚さを表すためのものであると、言わせていただきます。
読み進められて、なにこれ、気持ち悪いと思ったら、ブラウザバック推奨です。

このような描写はこれきりにさせていただきますので、今後はこのようなことがないよう、気を付けて執筆します。




うがぁ、やだぁ、ピーマン嫌い……

 特殊災害対策室第二課に連行された律は、ムスッといかにも不機嫌そうな態度だった。

 

「なあ、ホントにこいつ、使えるのか? どう見たって子供だろ?」

「いやだが、ノイズを相手に戦い、生き残っているのは確かだ。叔父様にも考えがあってのことだろう」

「でも、あたしはこの子を戦わせるのは反対です。小学生なんですよ?」

「立花の言いたいこともわかる。だが、戦えることも事実。私たちがいざ戦えないときの緊急時限定の戦力というものは重要になってくる」

「うがぁ、うがぁ……」

「なんか、変な唸り方してるぞ?」

「くとぅん、ゆふ……」

「おい、ホントに大丈夫なのか? ほら、ちゃんと食べねぇと大きくなれねぇぞ?」

 

 そう言って差し出されるのは、緑の悪魔、子供の天敵、ピーマンであった。

 このピーマン、律は嫌いなのである。

 そして、律が不機嫌な理由はこれである。

 

「きねくりさん。こんなことして楽しいですか?」

「きねくりいうな。それで、楽しいか、か? 楽しくないに決まってんだろ? あたしだってこんなことしたきゃねぇんだよ。だけど、お前が好き嫌いするから、あたしも仕方なく、こうしてるんだ」

「クリスちゃん。誰かのお世話するのが初めてだから楽しんでる?」

「んなっ! なわけねぇだろ!」

「なるほど、雪音なりのコミュニケーションだったわけか」

「あんたもそんなこと言うんじゃねぇ!!」

 

 なんともまあ、微笑ましい光景である。

 律的には、目の前の銀髪の悪魔、雪音クリスをどうにかして欲しいのだが、周りから見れば、好き嫌いを直そうとする姉と頑なに拒絶する弟のようなものに見えるのだろう。

 

「きねくりさん。ホントに、ホントに食べなきゃダメですか? ビッキーさんでもよくない? ビッキーさんお腹にはいれば何でも美味しいとか言いそうな人種ですよ?」

「ハハハ、手厳しいね。この子は。クリスちゃん手伝うよ」

「あれー? どうしてこうなった」

「月読が余計なことを言ったからだろう」

「お願い、翼お姉ちゃん?」

「仕方ないな」

「あー!! 翼さんが律くんのピーマン全部食べたー!!」

「はっ、私としたことが……これが魔術……何て恐ろしいんだ」

「いや、催眠術とかそんなんじゃねぇだろ。どう見たって」

 

 したり顔の律と悔しそうな翼、笑っている響と、呆れているクリス。

 この四人がこうなるまで数時間前まで遡る。

 

 

※※※

 

 

 遡ること数時間前、律はスーツのNINJA緒川に連れられ、二課に連行された。 

 そして、ついた矢先、相当な気迫で律を見下ろす弦十郎がいた。

 

「え、えっと。ただいま戻りました」

「あぁ、よく帰ってきた。だが、勝手に行動した理由、その他、色々と聞きたいことがある」

「は、はーい。お手柔らかに頼みますぅ……」

 

 その後、数分くらいたったとき、管制室の扉が開かれ、ライブ会場で戦闘していた三人組が入ってきた。

 

「司令ただいま帰還いたしました」

「ただいま戻りました」

「……」

 

 銀髪の少女だけ何も言わなかったが、帰還を告げる声がある。

 

「あぁ、丁度いいところに帰ってきた。紹介しよう。彼は月読律。諸事情により二課で預かることになった」

「へぇー。ねぇ、ぼく。もしかして、さっき切歌ちゃんと戦ってた子?」

「あの子切歌って言うんですか?」

「ほぇー、この年で装者相手に戦えるって、いったい何者?」

「神様です。正確には神様の力を持ってる一般人です」

「ごめんよくわかんない。けど、なんかすごい力を持ってるってことはわかった」

「はぁ、ホントにこのバカは……」

「とか言いつつ、あなたも理解できてないでしょ」

「んなっ! そんなわけねぇだろ」

「雪音、見栄を張るな。この子は詳しい説明を一切していないんだ。この子の力の源泉を知っているならともかく、知らない私たちでは、意味がわからないのは当然だろう」

「チッ……」

 

 舌打ちをする銀髪の少女に、クスクスとバカにしたように律は笑う。

 それがますます彼女のストレスを溜めさせる要因になっていた。

 

「で、こいつ、結局なんなんだよ。って、まて、よく見たら思い出してきた」

「雪音?」

「そうだ。北欧の……どこだったか忘れたけど、呪いの人形ってことで、恐れられてたやつだ。あたしは当時、何の気なしに行ったけど、どっからどう見てもこいつがそうだ」

「因みにその呪いの人形というのは?」

「あたしが聞いた話だと、十二年前、二人の仲の良い少年がある遊びに関心を持っていた。その遊びが魔術。一人はその魔術に魅いられ、自身の右目をある泉に捧げ、その泉の水を飲み、自身が神に至る方法と、魔術、そして、あらゆる世界の知識というやつを身に付けた。だが、代償に、その少年は首を吊り、死んだ。それを悲しんだもう一人の少年が、その死体を保存するために魔術で腐敗しないように加工した。って話だ」 

「むっ、少しフィクションが混ざってますね」

「当たり前だろ? 人伝の話だから、歪曲されててもおかしくねぇ。でも、実物見たあたしだから、お前の顔見て、その人形だってわかったんだぞ。んで、事の真相はどうなんだ? 呪いの人形さんよ」

「死体が腐敗しないように加工したのは自分自身でしたのに、あいつがしたことになってることくらいです」

「は? 死んでんのにどうやって加工するんだよ」

「決まってるじゃないですか──」

 

 ──死ぬ前にするんですよ

 

 その言葉からは狂気を感じた。

 八歳の子供。しかし、その子供がいつも純真無垢で、素直な子であるとは限らない。

 律はその例外の中でとてつもない埒外の存在だった。ただそれだけである。

 

「つまり、どう言うこと?」

「呪いの人形が、人形ではなく、本物の人だったという話か」

「ま、そう言うこった。それにしても、あたしがガキの頃から全く姿形が変わってねぇ。不老の薬とか作れれば世の女にモテるんじゃねぇの?」

「そんなことしませんよ。魔術でも不老不死は可能ですけど、人の理から逸脱しています。神様のガワを貰った俺が言うのはなんですけど」

「また、訳わかんねぇ単語が出てきたな」

「神様のガワ。まあ、分かりやすくいうと半分が神様で半分が人間。それが、今の自分です。この人間の部分が無くなれば晴れて自分は正真正銘の神様に至れるということです」

「ふへぇ、もうわたしには限界だよぉ」

 

 そのとき、ぐぅーと誰かの大きな腹が鳴った。

 なるほど、お腹が空いてたのか。律はそう思ったが口には出さなかった。出した瞬間、どんな痛い目を見るか、わからなかったからである。

 

 その後、各自、自己紹介をして、食堂へ向かった。

 そのとき、クリスにだけ、きねくりとあだ名をつけ、律はからかい始めたのであった。

 

 

※※※

 

 

 そして現在、律は、きねくりこと、雪音クリスの家へと招かれていた。

 理由は単純である。

 

「あのおっさんも、他のやつらも仕事があるからな。かといって、あのバカは友人と、あの人は部屋が……ってことで、あたしのところに招いたは良いが……なんでお前は速攻寛いでんだよ! ちったぁ遠慮しろ!!」

「ふふふ、これでも、親友には、日本人なのに遠慮とか知らないの? って、誉められましたからね」

「全然誉められてねぇじゃねぇか。それと、飯はもう食ったから、無しで良いな?」

「えー、育ち盛りなんですよ。もう少し、多目に食べさせてくれたって良いじゃないですか」

「はっ、それなら、好き嫌いを直そうな。ほーら、ご要望通りピーマンだぞー」

「うがぁ! ない、ないぞ、それは、きねくりー!」

「ハハハ、散々人をおちょくったんだ。ちったぁ観念しやがれ!!」

 

 意外と相性の良い二人。律が神の力を手に入れようが、中身は小学三年生である。

 元来面倒見の良いクリスは、弟ができたように扱うのは当然と言えば当然だ。

 

「うぅー、にがーい。きねくりー食べてー」

「お前が食え。ほら、あーん」

「あーむ。うがぁ……まじぃ」

「あん? あたしの料理がまずいだと?」

「ピーマン、嫌いだぁ」

「んのガキィ……」

「ホモガキ? 俺ホモじゃないんだけど……」

「そんなこと言ってねぇよ!! てか、お前まだ余裕あるな? ほら、もうひとつ、あーん」

「あーむ。ごくん」

「こいつ、噛まずに飲み込みやがった……」

「ふふふ、味がダメなら、味がしないうちに飲み込むに限る」

「くそ、こいつに無駄な知恵を与えたのはだれだ……」

「六九億三千万の平行世界の俺です」

「へぇ、そうかい。それじゃ、はいラスト。あーん」

「あーむ。ごくん。んっ! んっ!!」

「はぁ、全く。ほら、水」

「ごくごくごく。ぷはぁー。うがぁ、死ぬかと思った」

「噛まずに飲み込むからだろ」

「はいはい。ほら、きねくりも口の周りが汚い」

「んっ。サンキュ」

 

 こんな、仲の良いやり取りを繰り広げているが、二人はつい数時間前に出会った、初対面同士である。

 だが、ある種、この二人は似た者同士でもあった。

 律もクリスも二人して親を亡くしている。律の方は、十二年間、大樹の下で首を吊っているうちに亡くなっていただけだが、それでも、親を早くに亡くしたことが、この二人にシンパシーの様なものを生み、距離を縮め、傷のなめあいをさせるには十分すぎた。

 

「なぁ、お前はなんで神様になろう何て思ったんだ?」

 

 クリスの疑問に、律は少し迷ったが、別に良いかと思い、話し始める。

 

「じいちゃんとの約束です。いずれは何かの神様になるって。まあ、それがどういう因果か、十二年も木の下で首吊り人形やってたんですよねぇ」

「意味わからねぇロジックだな」

「俺だってこうなるとは思ってなかった。精々二週間位だと思ってたんだよ……」

「二週間、首吊ったまま、ってのもこえぇよ」

「ちーがーいーまーすー。二週間灰になって、世界を漂うってことでーすー」

「それもそれで、怖いわっ!」

「きねくりの怖がり」

「ああん?」

「やーい、きねくりの怖がりー。お子ちゃまー」

「お前がお子ちゃま言うんじゃねぇ! お前の方がお子ちゃまだろうが! この八歳児!!」

 

 どんな話題であれ、わいわいとできることは良いこである。

 どうしようもないほど、バカみたいなやり取りであるが、二人とも心底楽しそうだった。

 一通り、クリスをからかい、たまにこめかみを握り拳でグリグリとされ、悶絶するという子供と大人の対応があったりしたが、楽しそうであったことは事実である。

 

「あ、そういや、お前。学校どうするんだ? 戸籍とかないんだろ?」

「一応、死亡扱いになってるんで、通いませんよ」

「養子とかそんなの利用すりゃいいだろ? あのおっさんならそれくらい協力してくれんだろ」

「戸籍があれば通いたいって訳じゃないですよ。ただ単にあんな、社会の歯車製造工場で学ぶことはないってだけです」

「そりゃ、世界中の勉強したくてもできないやつに失礼だぞ?」

「うーん。だからと言って、この年で学校に通うのはな……」

「お前はまだ八歳だろ」

 

 コツンと律の額をクリスは小突く。「いって」と律は言って額を押さえる。

 むっーと頬を膨らませて、抗議の視線をクリスに向けるが、クリスはそれに取り合わなかった。

 

「ほら、飯食い終わったんなら風呂はいれ」

「うぃー」

 

 気の抜けた返事で、律はクリスの部屋の風呂に向かう。

 律は着ていた服をそこら辺に脱ぎ捨てると、バスルームに足を踏み入れる。

 クリスのいった通り、人の家で寛ぎすぎだ。

 クリスは、律が脱ぎ捨てた服を回収すると、ふとあることに気がついた。

 

「あいつ、眼帯してたよな? あれ、どこに放り投げたんだ?」

 

 違和感。律は眼帯をしている。理由は単純だ。自分から右目を抉りとり、ある泉に代償として差し出したからである。

 だが、その事をクリスは知らない。ただ、目が悪いだけであるならば、服を脱ぎ捨てるときに一緒にはずしたり、脱衣場で外すなりしていたはずである。

 だが、律はそれをしていなかった。だからこその違和感。

 

「こりゃ、また、話を聞くことになりそうだな」

 

 律の服を洗濯機にいれると、クリスは食器を洗い始め、自身が汚したテーブルを布巾で拭き取る。

 因みに律の座っていた場所が汚れていないのは、育ちのよさが出ているのだろう。

 

「あいつ、子供の癖に爆弾抱えすぎなんだよなぁ」

 

 お前が言うな。その一言が聞こえるような呟きだった。

 

 

※※※

 

 

 翌朝。律はクリスに起こされた。

 律は寝ているときも眼帯をしており、寝るまで面倒を見ていたクリスは、その事が聞きたくて聞きたくて仕方がなくなっていた。

 

「なぁ、お前、なんで寝るときまで、眼帯してるんだ? 普通、外して寝るだろ?」

「ん? あぁ、ゴミが入らないようにですよ。ほら、きねくりも言ったじゃん。北欧のある泉に右目を捧げて、その水を飲んで多種多様の知識を得た少年。それが俺です」

「マジか……あそこはフィクションだと思ってた。てことは、その眼帯の下は」

「空洞ですよ。瞼すらありません」

「…………」

 

 言葉が出てこなかった。普通、目を抉りとると言っても、瞼は残すものだと思っていたし、実際に戦場で片目を失った人物がいることを知っているからこその、恐ろしさと言うものを、クリスは感じ取ったのである。

 

「あ、すみません。気持ち悪いですよね。気にしないでください。この右目は自分で決意して、自分で抜き取ったものですから」

 

 さもあっさりと言われ、深刻に考えた自分がバカらしくなりそうだった。

 クリスは、はぁ、と大きくため息をつき、「確かにな」といい、言葉を続ける。

 

「確かに気持ち悪いわ。その口調が」

「んなっ! きねくりの癖に生意気だぞ!」

「お前の方が生意気だろ。八歳なら八歳らしく、小学校にでも通いやがれ!」

「やーだよー。あそこの給食でピーマン出てきたら誰が食べるんだよ」

「おまえが食え!!」

 

 好き嫌いの激しい律と、お姉さんをやってるクリスの舌戦は、クリスがリディアンにつくまで行われていた。

 

「あ、おはよう。クリスちゃん、律くん」

 

 リディアンの校門付近に着いたとき、丁度響とその友人である小日向未来と出会った。

 

「ビッキー、おっはよー」

「おう」

「きねくり、おはようって返せないとか、子供以下?」

「あぁん? 朝起こされなきゃ起きれなかったお前に言われたかねぇよ」

「んがぁー! きねくり、その頭グリグリするやつやめろー!」

 

 クリスは、周囲からの『なに、虐待?』と言うような視線を受け、律の頭を解放する。

 意外とあっさり解放したクリスに、さらに追撃を仕掛けようと律は、周囲からの視線に気づけていないし、空気も読めていない。さすがにこれ以上はクリスが危ないと思ったのか、煽ろうとした律の口を響が塞ぐことで、なんとか事なきをえる。

 

「んぐー、ぐっー!!」

「はぁ、ホントにもう、なんでこいつは……」

「クリスちゃんお姉ちゃんみたい」

「は、はぁ!! そんなわけないだろ!」

「でも、クリス。すごく楽しそうだったよ?」

「お、お前もなに言うんだよ! べ、別にこいつが放っておくとなにしでかすかわからないから、監視してるだけだ!」

「そうやって、必死に隠そうとするからじゃない? きねくりがツンデレって言われるの」

「おい、バカ。なんで、こいつの口から手ぇ離しやがった」

「だ、だってぇ。律くん舌チロチロだして、手とかなめてきて気持ち悪かったんだもん」

「ほんと、こいつってやつはぁ!!」

 

 クリスの拳骨が律に炸裂した。

 律は一応小学三年生のまま、成長していない。どんなに物凄い知識を持っていようが、精神は八歳のままである。

 それに加え、律は神格を得る前は、問題児としてよく職員室や校長室に呼び出されていた経験の方が多い。

 そんな、悪ガキが口を塞がれ、抵抗しないはずがない。

 その結果が、手をなめるという、園児のような行動となったのである。

 

「うぅー、未来ぅー」

「はいはい。手、洗おうね。それじゃクリス。また、後で」

「おう。で、お前はこれからおっさんの所なんだよな?」

「そうだけど? もしかして今から学校いくのが辛くなった?」

「はっ、お前じゃねぇんだ。別に問題ねぇよ」

「よかった。きねくり素直じゃないから友達少ないと思ってたから」

「お前に心配されるほどじゃねぇよ。それじゃ、あたしもいくから、ふらつかずに、真っ直ぐ仮説本部に迎えよ」

「あーい。行ってらっしゃい」

「おう、行ってくる」

 

 ポンポンと律の頭を叩き、クリスもリディアンの校門をくぐっていった。

 さて、これから仮説本部のある船着き場に向かう。

 

「ようやく見つけたよ、君を」

 

 後方から声をかけられた。

 はじめて聞く声だったが、自然と誰が話しかけてきたのかわかる。

 

「アダム・ヴァイスハウプト」

「僕のことまで教えるのだね、神の知識は。それとも、神の知識だから教えたのかね、かの泉は」

「俺が得たのはオーディンが得た魔術の最奥と、神格を得る方法。君の求める『神の力』とはまた別種の物だ」

「なるほど。ひとつだけではないということか。神の力と言うものは。流石というべきか、その探求心は。僕の欲しいものを手にいれる、魔術師は。だから嫌いなんだ、魔術師が」

「知らないよ。少なくとも、俺は君が神の力を手に入れようが、手に入れまいが興味はない。どちらにせよ、あいつを抱え込んで、変な入れ知恵したのは君だろう?」

「隠せないか、やはり。君は邪魔なんだよ、支配者になるためには。そのためにロン・カデンツァヴナ・イヴを手にいれておく必要があった、切り札として。まあ、今回は傍観者でいるよ、僕は。祈っているよ、彼に殺されることを」

 

 アダムは、そういうと赤い光を纏い、姿を消した。

 律は思い切りため息をつき、空をあおぐ。

 

「なんでこう、面倒くさい障害が多いんだよ。特にロン!」

 

 律にとっての天敵、それは神殺しの存在である。

 律の持つグングニルも神殺しを纏っているが、彼の親友、ロン・カデンツァヴナ・イヴは潜在的にはそれ以上のものを纏っているのだ。

 未完成であるロンの槍は、これから時間をかけ、成長していくだろう。少なくとも、律が手で握ったら片手が無くなるくらいには。

 

「素材は予想できるけど、その素材をどうやって集めたのかが、気になるんだよなぁ。あの、フェンリルだぞ……」

 

 北欧神話に出てくるオーディンを飲み込んだ狼。それは、律にとっても最大の驚異である。

 その狼を素材として槍に組み込んでいる、ロン・カデンツァヴナ・イヴは、どうあがいても律にとって最大の天敵であった。

 

「あのとき、よく俺の手、喰われなかったな」

 

 その呟きこそが、これから彼の驚異であることを指し示していた。

 律は再度大きなため息をつくと、トボトボと船着き場へと向かった。




今回はここまでです。

そして、再度謝らせてください。
気分を害すようなものを書いて申し訳ございませんでした。

前書きにも書いた通り、律の幼稚性を表すためのものです。


それでは、今回の振り返りをしていきましょう。

まず、クリスとの相性の良さですかね。クリスと律の共通点は、互いに両親が他界していることですね。それにより、クリスが同情し、律もそれに甘えてクリスをいじっている感じです。
なお、律→クリスへ向ける感情は、いじりやすい年上の友達で、恋愛感情は欠片もありません。クリスの方は律の現状に同情して構っている感じですね。
タグにある通りこの作品でヒロインはいないため、オネショタの描写はあれど、恋愛に発展しません。

次に、律の持っている知識と言うものは、過去、未来、現在、そして神それら全てに対応できる知識です。
普通の子供であれば、その知識だけで軽く発狂して死んでました。
律がそれを克服するためにしたことは、どうせ死ぬなら生き返ればいいじゃないか、というものでした。結果、自身に復活のための術式をいくつも重ね掛けして、日本の道路で復活という感じです。
アダムについて知っていたのも、アダムがどういう存在か知っていたからにすぎませんし、六九億もの自分が集約されたのであれば、どこかでアダムを知っていても可笑しくないです。

そして、ロンの槍。アダムの最終兵器、対神専用決戦兵器、経緯はロンしか知りませんが、フェンリルを狩り、その肉を喰らい、牙を穂に骨を柄に、爪を石突きにした五メートル弱の槍です。
因に神殺しとして未完成なのは、喰らうまでに掛かりすぎる時間と、出力が不安定だからです。
律の手が熱くなる程度ですんだのも未完成だったからですね。
持つ少しロンが槍との親和性を上げると、本格的に律を含め神の力を持つ存在はかするだけで死にます。

というわけで、今回の振り返りという名のネタバレもここまでです。
次回からは、気を付けて執筆いたします。

また、今回の件についての苦情は、受け付けておりますので、気軽に感想に来てください。コメ稼ぎとかではなく、文面だけでは伝わらない可能性があるので、「気持ち悪いんだよてめぇ」という感想についても、誠心誠意、受け止め、反省していると伝えるためです。

それでは、次回以降は、このようなことにならないよう気を付けながら、執筆したいと思います。
よろしければ次回も読んでいただけるとありがたいです。
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