FGOの世界に転生して、Aチームに所属したら異星の神に選ばれてしまった件について   作:ハセカズ

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最終回です。

ここまで見てくださった方々、本当にありがとうございます!
なお、今回は第2部6.5章のトラオムのネタバレを若干含んでいます。






前回までのあらすじ


フォウ「フォウ」


最終話 星が生まれる日

カルデアがパンゲア異聞帯にて、異星の神を倒すことができれば異聞帯と汎人類史との両立が可能になるという事を知らされてから幾ばくかの月日が流れた。

 

カルデアはパンゲア異聞帯に再度、足を踏み入れていた。

だが、そこにはもういない筈の旧カルデアのメンバ-もいる。

 

「まさか、また君達に会えるだなんて‥‥‥」

 

かつてはカルデアの医療部門のトップを務める青年。

自らが生み出した獣に引導を渡すため、自身の偉業すべてを手放し消滅した存在。

カルデアにてロマニ・アーキマンと呼ばれていた男が藤丸達と邂逅していた。

 

「皆‥‥‥!」

 

思わず泣きそうになってしまう人類最後のマスター藤丸立香。

だが、それは彼だけではなく他のものも似たような状態だった。

 

あの、パンゲア異聞帯にてカルデアの前に現れた異聞帯の王───パンゲア。

その正体がスルトやアルジュナを圧倒していたあの少女だと知った時は驚いた面々だが、そう考えると色々と辻褄があう。パンゲアがこの世界担当のクリプタ―を自身の主として扱っているのであれば、配下である神々に敗退したクリプタ―回収という雑務を押し付けることが出来たのも納得だし、異星の神をカルデアに倒させるという王らしくない臆病ぶりが見え隠れしている策を考えたのが彼女ではなくその主であると考えれば納得がいく。とはいえ、ある意味ではその臆病者の考えた策のおかげでカルデアは助かったともいえるが。

 

カルデアとしては当初の予定通りに異星の神を倒しただけで、

望んだ全てが取り戻せたのだから、これ以上ない結果だ。

 

異星の神を自分達だけの力で倒す代わりに汎人類史と今まで消えた世界を含めた異聞帯の両立、並びにカルデア職員の蘇生を懇願されたパンゲアはそれを了承した。

そして、今その条約通りにロマニや人理漂白の際にアナスタシアとオプリチニキの襲来で死んだ職員達の蘇生が成された。

 

つまり、カルデアは成し遂げたのだ。ツングースカを、トラオムを、南米異聞帯を、そして異星の神を、多くの障害を乗り越え今日という日を迎えることが出来たのだ。

生き返った職員達も藤丸やマシュと抱き合いお互いが生きていることを喜び合う。

 

ただし、パンゲアが関わらなければ死んだままだった筈の職員に関しては、汎人類史ではなく、このままパンゲア異聞帯の住人としてこの世界で暮らすことになっている。

これに関しては真偽は教えて貰えなかったが、そういう条件をカルデア側は付きつけられた。そして、空想樹に施された異聞帯としての枠を超えられないという細工が消失したパンゲア異聞帯は直に異聞帯の枠を超えることになる。ブリテン異聞帯と違い住人だけでなく、世界そのものが空想樹抜きでも実在できるようになるのだ。

 

異聞帯は汎人類史に編纂されずに、足切りされた「有り得ざる歴史の断片」。空想樹抜きでは消えてしまうような一時の夢か幻でしかない。だからこそ異聞帯と言う枠を超えて初めてこの世界は、この星は実在が許されることになるのだ。その時こそ、一個の生命体として生まれることが出来る。

そして、パンゲアは無数の世界を内包した対根源。故に複数の世界を‥‥‥汎人類史と他の異聞帯との両立も可能になる。

 

つまりこれからは汎人類史に何か危険が起きても、今回のような人理漂白、その前に起きた人理焼却などの世界規模の災害が発生しても対処してもらえるという期待がカルデア側にはあった。

だが、それはパンゲア本人に否定されてしまった。

異聞帯の枠を超えたあと、この世界は、パンゲアという星は()()()()()()()()()()ひっそりと生きていくとパンゲアは言った。そして、自分達が汎人類史に関わることはもう2度と無いことも。

 

加えていうなら、パンゲア異聞帯という存在は汎人類史が戻ったとしても他の誰にも明かさないということもカルデアの要求を受け入れるための条件になっていた。この世界で発生した異聞帯はあくまでも日本異聞帯であり、それはカルデアによって攻略され消滅したことにする。勿論、生き返りこれからパンゲア異聞帯で暮らしていく職員達と今まで回収された複数のクリプタ―達も、その全員が死んだという扱いでカルデアは魔術協会に報告しなければならない。

恐らく彼女の主の意思なのだろうが、パンゲア異聞帯と言う存在が知られることで起こるであろう厄介事を恐れているように藤丸達は感じていた。

 

何にせよこの世界が汎人類史にもう関わらないのであれば、生き返った皆と会えるのもこれで最後になる。

それは藤丸や他の皆にとっても心苦しい事ではある。折角再開できたのだから、これからもずっと一緒に居たいという気持ちもある。だが、もう二度と会えないと思っていた者達にまた会えることが出来た。

それだけでも、藤丸達にとっては救いになっていた。

 

それに、この世界は進化の幅や人理強度などあらゆる観点から見ても汎人類史の上を言っている。

生き返った職員達がパンゲアの世界で暮らしていくことに問題はないだろう。

いるだけで幸福になれる世界やどんな望みも叶う世界もあるぐらいなのだから。というかこのまま汎人類史に戻る職員達の中にはこの世界に住んでみたいと言う者達ですらいる始末だ。

 

だから、これで最後になるけど笑って別れようと藤丸達は考えていた。汎人類史とパンゲアの世界、お互いに異なる世界で生きて、それぞれ幸せを見つければ良いのだから。

 

「それじゃあ‥‥‥許可も貰ってるし、そろそろ他の異聞帯にいかない?」

 

「そう言えば、今まで消えた異聞帯もこの世界に再現したと言ってたっけ‥‥‥」

 

「うん、ロマニは見てないけど‥‥‥汎人類史とは全然違う価値観に基づいた文化と文明を営んでいる世界。向かいながら話すよ、俺達が経験してきたこれまでの異聞帯を」

 

そう言う藤丸の眼は確かな期待と高揚が含まれていた。

パツシィ、ゲルダ、アーシャ‥‥‥今までカルデアが消して、もう会えないと思っていた彼らともまた再開できるからだろう。

 

この後、彼らは今まで経験してきた異聞帯を、そして余った時間で他の世界を見ていくことになる。

 

なお、異聞帯や他世界での彼らの反応は‥‥‥

 

 

ロシア異聞帯にて

 

「久しぶり、カドックとパツシィと‥‥‥アナスタシア?え?お腹が膨らんで‥‥‥もしかして」

 

「何だ、言いたいことがあるならハッキリと‥‥‥ってやめろ!ニヤニヤするな!」

 

「まあ、お互い言いたいことは色々とあるだろうが立ち話も何だ。続きは家に入ってからだ。他のヤガたちもお前達のこと気になってるからな‥‥‥」

 

 

北欧異聞帯にて

 

「マシュ‥‥‥」

 

「オフェリアさん‥‥‥」

 

「ねえ、マシュとオフェリアは何で見つめ合ってるの?」

 

「あー、まあ色々とあるんだ‥‥‥というか二人の邪魔しちゃだめでしょ、ゲルダ」

 

 

中国異聞帯にて

 

「やっぱりここに居たんだ」

 

「ふん、何よ‥‥‥言っとくけど貴方達が項羽様を傷つけた事は許してないわよ」

 

「分かってる‥‥‥末永くお幸せに」

 

「う、うるさい!アンタに言われるまでもないわよ!」

 

 

インド異聞帯にて

 

「もぐもぐ‥‥‥美味しい!」

 

「そうでしょうそうでしょう!他世界で更に磨かれた私特製の焼バナナよぉ!」

 

「‥‥‥‥何か、ぺぺとアーシャが仲良く焼バナナ食べてるんだけど」

 

「って、キャアアアアアア!貴方達、いつのまにここに!?‥‥‥ということはやったのね、マシュちゃん、立香ちゃん、それに皆」

 

「うん‥‥‥!」

 

 

ギリシャ異聞帯にて

 

「‥‥‥‥キリシュタリアさん、その頭は?」

 

「これかい?少し前に旅行した時の世界で流行りだったものだよ。私も気に入っているのだが、どうかな?」

 

「いや、どうみてもアフロ‥‥‥しかもサイズあってないのにそんなドヤ顔されても‥‥‥」

 

 

ブリテン異聞帯にて

 

「よう、マシュ!それに後輩君。お前たちが来るって聞いたんで、急遽この世界に戻ってきたんだ。まさか、汎人類史との両立とはなぁ。それにドクターも随分と元気そうで」

 

「‥‥‥やはりパンゲア異聞帯に居ましたか、ベリル・ガット」

 

「久しぶりの再会だってのにつれない態度だねぇ、マシュ。他の皆も随分と怖い顔をしなさって。もう敵同士じゃないんだ。仲良くいこうぜ。ほら、仲直りの握手だ!」

 

「そうしたいのであれば、まずは袖に仕込んであるナイフを外してください」

 

 

とある世界にて

 

「な、あの娘はマギ☆マリの‥‥‥!?まさか、ここはマギ☆マリの世界だとでもいうのか!パンゲア万歳!」

 

「ドクター‥‥‥最低です」

 

とこんな感じだった。

 

望む全てを取り戻せたカルデア。

今回発生した大災害である人理漂白は完全に解消した。

だが、災害がこれで終わりとも限らない。

 

汎人類史が元に戻った後も、その平穏を保ち続けることが出来るかは、彼らカルデアの、または汎人類史の者たち次第だろう。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

カルデアの様子を見ているが、今まで消えた他の異聞帯を回っているみたいだった。

 

異星の神やその他異聞帯などの問題は全て解決した。

汎人類史も直に元に戻る。

これで100%、ゲームクリア‥‥‥!

 

そんなことを俺は考えていた。

あ、こんにちは。パンゲア異聞帯のクリプタ―‥‥‥いや、もうクリプタ―ではないし、ここも直に異聞帯でなくなる。

 

この策を考え着いたのは、異星の神と敵対することになった少し後だ。

俺の考えた策は一言で言えば、「面倒事を全てカルデアに解決してもらう」というものになる。

大西洋異聞帯が堕ちた後に、もう敵対するわけだし遠慮なくエフィアスに色々なことを調べさせた結果、空想樹に細工をした本人が消えれば、この異聞帯に仕掛けられた優先権が消滅するということが分かったから実現できた策でもある。まあ、この細工は本人が死んですぐに消滅するのではなく、ある程度の時間が経った後に消滅するみたいだが。だから、ここはまだ異聞帯のままだが、それもあとほんの少しで終わる。

 

いや、この策を実施して正解だったよ。

この世界の敵は異星の神とカルデアの2つになるわけだが、

カルデアの方に異聞帯と汎人類史との両立をダシにして、異星の神に戦わせれば、どちらかは確実に片付く。この策は万が一失敗してもこっちが背負うリスクが何一つとして存在しない。

 

カルデアが異星の神に破れたところで、こっちには損害が無いし、カルデアが負けた後は当初の予定通りに回収した祭神やら、大令呪やら、対根源パワーやらで異星の神を潰せばいいだけの話だ。

カルデアが失敗してもノーリスク。そして、カルデアが異星の神に勝った時のメリットはかなり大きい。

 

何故ならその場合、異星の神のことだけではなく、これから起こるかもしれない災害も全て解決できるからだ。

 

FGO第1部では人理滅却、第2部では人理漂白と言う災害が起きた。

あるか分からないが、もし第3部があるなら人理漂白以上の災害が起こる可能性が高い。だが、どんな災害が起ころうとそれが原作通りの展開であれば最終的にはカルデアが‥‥‥もっと言えば原作主人公陣営が絶対勝つようになってる筈なんだ。だから、これから起こる災害全てをカルデアに任せることにする。その為に、可能な限りカルデアの状態を原作状態に戻しておいた。

生き返らせた職員達を汎人類史に返さずに、この世界の住人として暮らしてもらうことにしたのもここが起因している。この世界が汎人類史の影に隠れたのもそうだ。

 

最も第3部があるとして、その時の主人公が藤丸立香であるとは限らない。

もしかしたら、組織も主人公も別物になってるかもしれない。まあ、主人公が誰であろうと原作通りに敵を突破してくれるなら誰でもいいわけだが。

 

これで、今後こっちは一切手を汚す必要が無くなる。原作主人公陣営的にもそれは原作通りなのだから何の問題も無いだろう。俺達は文字通り何もしないわけだし。邪魔するわけでも、味方になるわけでも無い。

後は汎人類史に全てを任せれば何が来ようとも安泰だろう。

 

まあ、そもそも異聞帯の枠を超えたエフィアスを脅かす存在はもう殆どないと思うが‥‥‥第3部以降の敵でもしもエフィアスと同じ対根源が敵として現れた場合は、かなり厄介なことになる。

エフィアス以外の対根源として日本異聞帯の天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)という例外がいる以上は100%無いとも言い切れないわけで‥‥‥。今後FGOのインフレが進む場合、根源に近い規模の敵が現れても不思議ではない。

 

でも、それも原作通りの敵であるのであれば、どんな過程をたどるにせよ最終的には主人公が勝つようになってる筈。だからこそ、汎人類史を元に戻して、出来るだけ原作通りと思われる状態にすることにしたのだから。

 

とはいえ、不安要素はいくつかある。

まずはマシュの心境が原作とは色々と違う。

 

原作と違ってマシュは、異性的な好意を誰にも抱いていない。

何か俺に抱いている感情も、トラオムで登場した徐福が芥ヒナコ‥‥‥虞美人に向ける者に近いと言えば分かるだろうか?

カルデアで俺と接触していた時も、「え、もしかして俺に好意が‥‥‥?」と期待させるような振舞いを時折見せていたにもかかわらずスカでしたとさ‥‥‥。期待させるだけさせておいて何だったんすか、アレ?

 

何か尊敬よりも信奉的な感情に近いらしい。初めて自分の世界を広げてくれた人みたいな感じで。エフィアスに調べさせたから間違いない。

 

俺にも異性的な恋愛感情は抱いてないし、俺の介入が影響してか藤丸君にもそういった感情がない。

藤丸のことは純粋にめちゃ尊敬でき、かつ超信頼できる的な感じらしい。

マシュが恋愛感情を誰にも抱いていなことが原作にどう影響するかはもちろん不明だ。一応、マスターである藤丸君との絆値はマックスみたいだけど、大丈夫なのだろうか。

 

こんなことで悩むなら、マシュが俺がゲームしている様子を興味深そうに見ていた時に、

「ここでゲームを教えて仲良くなっておけば、第2部でマシュがやりづらくなって、カルデアに勝ちやすくなるんじゃなかろうか」何て考えるんじゃなかったよ‥‥‥。そもそも、今回の策やるなら意味のない行為な訳で‥‥‥。

というか、仮に敵対するとしても日本異聞帯のマシュの俺への対応を見るに全然効果なかったじゃないか。よりによって、マシュの手でとどめを刺されていたんだけど。しかもクリプタ―でマシュに殺されたのも俺だけというね。

 

あ、ちなみにマシュは最後に俺に会っておきたかったとの事で、何か色々あって一緒にゲームすることになった。久しぶりだったから緊張した‥‥‥ロクに顔を見ることすら出来なかった。やっぱ、デカいよ‥‥‥マシュ。何がとは言わないけど。

 

あと、最後に

 

『今までありがとうございました、先輩』

 

と、笑顔で言われた。何て純粋無垢な笑顔なんだと思わず思ってしまうほどだった。

何て言うか‥‥‥ごめん。

 

「今までマシュに良くしていたのはいずれ敵対するから、その時に情を引くためなんだぁ!ガハハのハ!」

「なーんちゃって!おかしくって腹痛いわぁ~。楽しかったぜ!お前との先輩ごっこぉ!」

 

というのが知られたら、どんな反応するんだろうか‥‥‥いや、本当にごめんなさい。

ま、まあ先輩ごっこは言い過ぎで、俺も楽しくはあった。だって、あのマシュが隣でゲームしてるんだぞ?

しかも先輩と呼んでくれる。もうゲームどころじゃなかったって。俺の頭の中にいるマシュは色々とやばかったよ‥‥‥

 

まあ、そもそもマシュには知られてないから第3部以降の心境に影響はないか。

 

というか、今回のマシュの件だけでなく、

インド異聞帯でカルデアに見せた民に空想樹を再現するというハッタリ作戦も意味が無くなってしまった。

インドで見せた藤丸君のゲロは一体何だったのだろうか‥‥‥?あの時点だとカルデアと敵対する予定だったから、当然と言えば当然の対応ではあるけど。

 

まあ、最終的にはこの世界は無傷だし、汎人類史ももうすぐ元に戻る。更には原作主人公と言う最強武器も今はこの世界の味方と言っても良い状態だ。

 

結果だけ見れば、上の上か。

 

この世界が陰に隠れて、なおかつ俺達の介入で原作以外でのカルデア側の死人も出ていない以上、パンゲア異聞帯によって発生するであろう、原作展開の乖離はマシュのこと以外では第3部以降はもう起こらない可能性が高いと見て良いだろう。そもそもマシュが藤丸に向ける信頼や絆はマックスなんだから、そこまでは影響はないとも言えるか。

 

あと、カルデアに日本異聞帯を攻略させたのは、

汎人類史に‥‥‥もっと言えば地球に「日本の異聞帯は攻略され、空想樹も採取された」という事実を認識させるためだ。

汎人類史とパンゲア異聞帯。その両方が表に出るのであれば、あまり意味のないことなのだが、パンゲア異聞帯はこれから「存在しないもの」として汎人類史の影に隠れることになる。だから、こうしておいた方が色々と都合がいい。あ、攻略させる世界は何でも良かったんだけど、あえて本来の日本異聞帯を攻略させたのは、エフィアスいない場合の俺がカルデアと戦ってたらどうなっていたかを個人的に見たかったのが理由。

 

最も仮に汎人類史との両立が無理でも同じことをやっていただろうけど。

汎人類史との両立無理なら、カルデアとは敵対することになる。それなら、カルデアに偽の異聞帯を攻略させて、その後にカルデアと異星の神をぶつけてどちらかが片付いた後で、こっちが介入して生き残った方を相手した方が確実なわけで。やっぱり漁夫の利って強い。

 

まあ、結果としてはカルデアもこっちも生き残ることになった。後は、異聞帯の枠を超えたと同時に汎人類史を元に戻して、隠れるだけ。

 

つまり、これで全てが片付いた。

ゲームセット‥‥‥完全勝利。

うむ、いい気分だ。

 

「マスター」

 

そんな感じで勝利の余韻に浸ってると、

エフィアスがこっちに来た。

 

どうやら、あと1時間くらいで異星の神が空想樹に施した細工が消えるとのこと。

カルデアの方を見ると、もう今まで経験してきた異聞帯は回り終わったるみたいだし、そろそろ汎人類史に帰るための準備をさせるか。

 

この世界が異聞帯でなくなると同時に汎人類史を元に戻しパンゲア世界は、エフィアスは影に隠れる。その際に汎人類史は勿論のこと、それ以外の誰にもここを感知されるようなことはあってはならない。

 

‥‥‥一応聞くけど大丈夫なの?

 

「大丈夫。全部マスターの望み通りになる。もう貴方を脅かすものはいない。もし居たとしても私が何とかする。だから、心配しないで」

 

そ、そうか。なら良いんだ。

取り敢えず、目の前の少女に頭に手を載せると嬉しそうに目を細めて来る。

 

「‥‥‥」

 

あ、鼻血が‥‥‥。今更だが、白状するとエフィアスが近くに居ると心臓に悪い。

今まで普通に話しているように見えて、実は目線を合わせることがあんまり出来ていなかったりする。

全然なれることが出来ない。見た目、子供のくせに何なの?この異聞帯の神様達にロリコン多いのお前のせいだろ。皆ロリコンにしたいの?

素の見た目だけで一体どれだけの生物を狂わせてきたんだ‥‥‥

 

とはいえ、エフィアスがいて助かった‥‥‥。

居なかった場合、迎える結末が日本異聞帯の俺なわけだから、死んでるんだよな‥‥‥マシュに頭グシャッと潰されて。‥‥‥割とグロスだったよ、あの時の俺。

 

いや、本当にありがとう。

エフィアス‥‥‥君は本当にエフィえもん、ないしパンゲえもんだったよ。

 

そう言うと、エフィアスがニッコリと微笑んだ。

まあまあの頻度で見せて来る満面の笑み。

 

神だろうが誰だろうが間違いなく魅了されるソレを向けて来る。

 

な、何で、何でそんなにぃぃ‥‥‥‥‥‥。

見ため11、12歳ぐらいの癖に‥‥‥。色々といけない扉を開いてしまいそうだ。

落ち着け、こういう時こそジャンヌ様の顔を思い浮かべるんだ。思い出せあの笑顔を。そしてメロンを。

これで性癖がおかしくなったら、俺はどうすれば‥‥‥。

 

まあ、それは置いとくとして今後起こるかもしれない災害で原作主人公が万が一しくじって被害がこっちの世界にまで来たら、この娘に全てを任せることになる。

 

というわけで頼りにしてると言ったら、またしても笑みをこちらに向けてきた。

 

「ふふ‥‥‥」

 

だから、その顔やめろぉぉぉ!

頭と心臓が破壊されるんだよ!コイツ、俺を守る気あんのか!

あ、止められると名残おしいから、やっぱやめないでって‥‥‥うああああああああ!?

 

そんなんだから、ゼウスみたいな性欲神とか、色んな神とか、アザトースとかその他多数の生命体から求婚されるんだお前はぁぁ!!

 

そんな感じで時間は流れていき、1時間が経過した。

 

パンゲアは異聞帯の枠を超え‥‥‥初めて一つの星としてその存在を許されることが出来たのだった。

もちろん汎人類史も元に戻った。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

パンゲア異聞帯は異聞帯を超えた。

そして‥‥‥

 

「ますたー」

 

赤色の瞳に空色の髪。

そして、見た目が3〜4歳ぐらい幼女が目の前にいる。

 

俺の方をじっと見つめて来る幼女。

エフィアスだ。

 

‥‥‥何すかこれ?いや、本当に何これ?

異聞帯は剪定事象として切り捨てられた夢のような世界。

パンゲア異聞帯はどう考えても剪定事象が成り立たないがそれでも空想樹内の細工により、異聞帯と言う扱いだった。故に空想樹という存在抜きには存在できない仮初の世界でしかなかった。

だから、この世界が異聞帯から解放された時に、この世界は初めて実在することが出来たともいえる。

 

それはめでたい事だ。やっと異聞帯という縛りから解放されたのだから。

だが、同時に予想していなかったことも起きてしまった。

それがこれ。何で幼女化‥‥‥?

 

異聞帯から解放された時にエフィアスは、何かこうなってしまった。

異聞帯から解放され、ある意味この世界が生まれたということが原因なのか。

本人曰く能力値は何も変わっていないし、そもそもエフィアスに決まった形などない。

だから、戻ろうと思えばいつでも戻れる。

 

だが、異聞帯から解放された以来、この姿が一番しっくりくるとのことなので、俺が望まないときは、基本この姿だ。

因みにこの姿でも相変わらず人気で、今もエフィアスに求婚するものが後を絶たない。ロリコンしかいないのかな?

 

「‥‥‥」

 

あ、膝に上に座ってきた。

何か行動も幼くなってるような‥‥‥?

まあ、能力値に変わりないし、そもそも戻ろうと思えばいつでも元に戻れるんだ。

それに、この姿のまま配下の神様とかに指示を出してるとことかも見たが、普通にしっかりしてる。

 

問題ない‥‥‥筈。

 

これでエフィアスを脅かせるのは同規模の対根源以外はあり得なくなった。

異星の神も、もうこの世界の敵ではない。人類悪も、異星の神も、根源接続者も、魔法使いもエフィアスなら一瞬だろう。

 

そもそも何かが起きてもカルデアが何とかする。第3部、第4部が来ようと原作の敵である以上、大丈夫なはずなんだ。

 

だから、もう何も問題ではない。

無い筈なんだ‥‥‥ヤバイ何か不安になってきた‥‥‥

 

「‥‥‥だいじょうぶ?」

 

何で幼女に撫でられてるんだ‥‥‥。

やはり、見た目幼女だが俺と違ってしっかりしてるんだよ、この娘は。やはりこの娘に任せておけば、全部安泰なんだ。

 

そう考えてると、エフィアスが俺の服の裾を引っ張ってきた。

 

「‥‥‥‥だっこ」

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥これが幼女‥‥‥か。

何て戦闘力‥‥‥なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異聞深度_EX Lostbelt No.8

 

星が生まれる日

 

BC.250000000 全界統合星域 パンゲア

 

 

────空想実現────




これで終わりです。
ふざけた終わり方でごめん‥‥‥どうしてもまともな締めを思いつかなかった。
余裕があれば、IF話何本か投稿するかもです。





おまけ その後の皆



エフィアス(パンゲア)

異聞帯ではなくなった。そして幼女とかした。
能力値とかは一切変わっていおらず、戻ろうと思えばいつでも戻れる。
ただ、この姿が一番しっくりくるとのこと。容姿に引っ張られて言動がかなり幼くなってる。
オチがどうしても考え付かなかった作者の為に喜んで犠牲になってくれた。
ありがとうございました。でも、書いといてあれだけど幼女化はないよ‥‥‥


藤丸立香とマシュ

どうなるかはこの後の原作展開次第。
FGOが第2部で終わりなら、平和に暮らしている。
そうでないなら、また戦う事に。
原作と違い誰も死んでないので、精神的な影響は出てるかも。


各種サーヴァントの方々

これも原作展開次第。
もうFGOが終わるのであれば、普通に退去。
そうでないなら原作通りの活躍を見せる。


パンゲア異聞帯で蘇生されたモブ職員達

各々が選んだ世界に住むことになっている。
普通な世界で平和に暮らしているものも居れば、
誰もが神になれる世界で神様になったものも。
後ニートとかしたものも何名かいる。


オルガマリー・アニムスフィア

どうなってるかは原作次第。
原作で死んだままになってるなら他の職員同様、生き返らせてもらった後でパンゲア世界のどこかに住むことに。
原作で生き返るとかなら普通に汎人類史に帰ることに。


Dr.ロマン

暫くパンゲア内の世界を回っていたが、「いるだけで幸福が舞い降りて来る世界」に足を踏み入れた結果ニートとかした。マギ☆マリグッズ片手に幸せな毎日を送っている。あと1万年はこのままの予定。


カドック・ゼムルプス

再召喚して更に受肉させて貰ったアナスタシアとよろしくやってる。あと何か月かしたら第一子が生まれる予定。
当初はパンゲアのロシア地帯に住んでいたが、各種異聞帯がパンゲア内に出来て以降はロシア異聞帯でアナスタシアと暮らしている。

オフェリア・ファムルソローネ

今は北欧異聞帯にいるが、基本的にはキリシュタリアと一緒に旅に出ている。
一緒にいるカイニスにはいつもからかわれている。


芥ヒナコ→虞美人

中国異聞帯の項羽とよろしくやってる。
汎人類史の項羽が見たら「別世界の自分に妻がNTRてる‥‥‥」となるんじゃないのだろうか。


スカンジナビア・ペペロンチーノ→妙漣寺鴉郎

今はパンゲア内の色んな世界を巡っており、時折インド異聞帯に帰っては住民達に自分の体験談を話したりしてる。
パンゲア内のギリシャ地帯に足を踏み入れた時は神々にお尻を狙われた。


キリシュタリア・ヴォーダイム

ペペロンチーノと同様にパンゲア異聞帯内の色んな世界を、カイニス、オフェリアと回っている。自分が理想としていた、人類全てが神となった世界を中心に色んな体験をすることを楽しみにしている。少し前に踏み込んだ世界の流行に習いアフロになった。オフェリアですら若干引いていたが、キリシュタリアはアフロになった自分を鏡でみて、悪くないと零したとのこと。次はモヒカンだ。


ベリル・ガット

好きな世界を治める権利を与えられているが、
その前にペペロンチーノ同様に多数の世界を冒険することにしている。
その過程で、「美しいものが損なわれた時にだけその美しさを実感できる」という自分の価値観を覆す何かを見つけ出す事が出来れば、パンゲア世界内のマシュと純粋な恋愛をしようとするか、マシュへの恋を諦めるか、別の趣味を没頭するかのどれかになる。もし見つけられなかった場合は、パンゲア世界のマシュをリョナってる。


デイビット・ゼム・ヴォイド

作中で唯一回収されなかった、悲劇のクリプタ―。
ペペロンチーノが主人公に懇願しているので、一応、原作で死んでいるなら生き返らせて貰った後にパンゲア異聞帯で暮らすことになる。
そうでなく、カルデアに回収されてるとかの場合はパンゲア異聞帯に入るかは微妙なところ。


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