戦闘中に壊れた殺生石は、アイシャ壊す予定だった1個目だったということにしよう。
誤字報告ありがとうございます。
デルメルじゃなくて、デメテルだったんだなぁ……
█月█日
ギルドから出頭命令が来たので、手紙だけ渡して無視した。
手紙には以前、同じように言ったロキファミリアについていったとき、武器を向けられたので行く気は無い。とだけ書いてある。
それに犯罪を犯したわけでもないし、特に出頭しなければならない理由がない。
しかし、僕の個人的な事情でこれ以上お店に迷惑をかけるわけにはいかないので、豊饒の女主人を辞職することにした。
ミアさんに辞職届けを提出し、他の人にも今までの感謝を伝えてから、必要最低限の荷物を持って出ていった。
短い付き合いだったが、イシュタルファミリアにも行った。
しばらくの間は自然豊かな18階層から24階層で生活しようと思う。
真っ当な生活が送れなくなった腹いせに、なぜウラヌスのみがダンジョンを抑え込めるのかの推測とギルドと闇派閥が協力してアストレアファミリアを潰した可能性とその理由の解説、ロキファミリアは市民を呼び出してリンチしようとしている事実を簡単にまとめて、町中にばらまいてきた。
何故オラリオにハデスやエレキシュガルのような冥府の神とガイアやティアマトのような地母神がいないのか。
ギルドという組織にとって、武力を持った自警団という存在がどれだけ邪魔になり得るか。
そんな事実を元に書いたので、信憑性はあると思う。
今日の晩御飯はリューさんがくれたお弁当。
死ぬかと思った。
█月█日
シンダー・エラはとても便利。
ロキファミリアを見つけた時はヒヤッとしたが、髪の色と顔つきを少し変えれば全くバレない。
ヴァレン某だけは野生の勘か、時々僕の方をチラリと見ている時があってドキッとしたが、大丈夫。
18階層の一画に作った簡単な新居に入れたい家具をリヴェラの町に買いに行ったのだが、普通に買えた。
魔石で物が買えるというのは、楽で良い。
透明人間みたいな視線は消えたのだが、最近視線が増えた。
視線の主は18階層に時々現れるリザードマン。
精神力を見る限り、人間みたいなモンスターで同一個体だ。
チラチラとこっちを見ておきながら、僕がそっちを向くと直ぐに逃げ出す。
しばらくすると戻って来てまたチラチラと……
いい加減鬱陶しいので、明日捕獲する。
今日の晩御飯は18〜24階層で採れた木の実。
そろそろ肉も食べたい。
█月█日
捕獲したリザードマンはなんと共通語を話し、リドと名乗った。
見たことのない空に憧れるモンスター……ね。
僕の事を絶対に誰にも話さない事を条件に解放。
異端児とモンスターの関係、ダンジョンで生まれたはずのなのに知っている外の景色、そして彼らを保護しようとするフェルズという存在とガネーシャファミリアの関連性。
とりあえず魔液を飲ませてみた。
深層の魔石よりも濃厚で、病み付きになりそうな芳醇な味と香り……とのこと。
僕からすれば無味無臭なんだけど、モンスターにとっては違うようだ。
蓋を開けておけば、モンスター寄せになるかもしれない。
今日の晩御飯はリヴェラの街で肉まんを食べた。
物価こわれてる。
█月█日
魔液の蓋を開けたまま探索していると、モンスターみたいな人間にまた出会った……といっても、僕が一方的に見たことがあるだけなんだけど。
彼女はどうやら、魔液の匂いを感知できるらしい。
紆余曲折の末、彼女はレヴィスと名乗った。
レヴィスさんは魔液に興味を示していたので、一本無料でプレゼントした。
原料が魔石と聞いて噴き出してたけど。
モンスターっぽい人間という第1印象を伝えてみると、普通に
あれ? もしかして、口封じされる? と思ったが、言いふらしたりしなければ別に良いとか。
馬鹿が情報をばら撒いたせいで、すでに知っている冒険者も多いのだと。
異端児との関係性を聞いてみたが、知らなかったみたいで、結構驚いていた。
今度リドが訪ねてくるとき、紹介しようかなーなんて思っていると、冒険者が騒ぐ声が聞こえた。
どうやらヴィーヴィルを探しているらしい……と思った時には、僕たちの前にある角からヴィーヴィルが飛び出してきた。
しかも丁度話していた異端児のヴィーヴィルだった。
とりあえず彼女はレヴィスさんに預け、こちらに来た冒険者に違う道を教えてどっかにやり、自己紹介。
彼女はウィーネと名乗った。
怪人であるレヴィスさんから見ても奇妙な生き物のようで、物珍しげに見ていた。
僕はとりあえず魔液をプレゼントした。
やっぱり美味しいらしい。
それと同時に、明らかに強くなった気がした。
レヴィスさん曰く、モンスターにとってのレベルアップに近い現象なのだとか。
とりあえず行く場所がないらしいので、僕の家に連れて帰ることにした……何故かレヴィスさんも一緒に。
今日の晩御飯は魔液を混入させた炒飯。
普段より、味が濃い気がした。
█月█日
詠唱による精神力の操作の実験を繰り返した結果、物体をどこかに出し入れ出来る魔法の開発に成功した!
僕を探していたのかこの階層にしばらく留まっていたロキファミリアも昨日帰ったし、研究資料や設備を置いたこの家ごと格納して久しぶりに地上に出ることにした。
ちなみにウィーネも一緒に格納している……そこら辺のゴブリンを格納して試した結果、害はないことを確認してある。
レヴィスさんは朝起きたら、すでに何処かに行っていた。
久しぶりの太陽!
豊饒の女主人まで行き、シンダー・エラを解除。
素顔で人前に出るのも随分久しぶりで、なぜかちょっとした爽快感がある。
今日の晩御飯は豊饒の女主人でミアさんのおすすめ定食。
美味いという感想以外が浮かばないくらい美味しい。
█月█日
思った通りギルドとロキファミリア、ヘルメスファミリア、デュオニュソスファミリアが僕の身柄を抑えようと、町中ダンジョン中を探し回っていたそうだ。
手配書まで配られているのだとか。
関わりないはずのデュオニュソスは確か、神になるため人間のまま大虐殺を繰り返した、ギリシャ神話のたいりょう殺人鬼じゃないか。
関わりたくないにもほどがある。
なので、オラリオから1度離れることにする。
1ヶ月もすればほとぼりも冷めてると思うので、とりあえず港町のメレンに向かう事にした。
新鮮な海産物を食べてみたい。
そのことを伝えると、何故かアイシャさんがついてくることになってた。
イシュタルは逃げないようにするためのお目付役と言ってた。
リリルカさんは「ちょっとファミリアの問題を片付けてきます……物理的に」と言い残して、一昨日から1週間の休暇を取っていて不在だったので、会えなかった。
今日の晩御飯はミアさん特製のお弁当。
冷めても美味しいという、料理人の心遣いが垣間見れる素晴らしい一品でした。
魔石と魔液では、普通の牛乳と4.5牛乳くらい味が違います(当社比)
作者の疑問と推測
Q、どうしてウラノスはダンジョンを抑え込めるの?
A、ギリシャ神話において、天空神ウラノスは地母神ガイアの産んだ醜い子らをタルタロスという穴に捨てて封印したという逸話がある。
中の子らは母ガイアと兄弟であるクロノスと共にウラノスに反逆し、ウラノスを去勢し勝利した……が、クロノスは自らの子であるゼウスに討たれ、子供達は再びタルタロスの中へ。
ガイアはブチ切れ、ギガントマキアが発生。
この時進行してきたガイアの子供達は、神々には傷つけられないという特性があった。
つまりダンジョンとはギリシャ神話でいうところのタルタロスであり、その深奥には冥府の神々及び地母神が封じ込められ、彼等が外に出るために産んでいるのがモンスターなのでは?
ウラノスが持つガイアの子らをタルタロスに抑え込むという逸話から、モンスターは出ることができないのでは?
そして神々にはそれに抗う力はなく、人間の力が必須。
だから恩恵という力を与え、冒険者に戦わせているのでは……という妄想。
つまりレヴィスがモンスターの親玉の配下だとすれば、実際女神なのでオリヴァスの意見は正鵠を得ていた可能性が?
彼女と言っていたので女性である事は確定として、ありえなくはないんじゃないかなー?
Q、ギルドと闇派閥の関係性は?
A、国にとって自前の警察の力を超えた自警団とか……邪魔やろ?
そもそも闇派閥所属者の関係者が、一般人なので犯罪者としてブラックリスト入りとか、ありえない。
テロリストに資源を渡す奴は須らくテロリストでいいと思うのですが……
冒険者が恩恵を受けていない市民を殺傷したのが問題だというなら、アポロンファミリアとかソーマファミリアはとっくの昔に潰れてるでしょう。
そう考えると、ギルドと闇派閥に癒着的な関係があったとしか思えないんですよねぇ……
それに、確かギルドの指示で闇派閥の一斉摘発の作戦を実行したんでしたっけ?
他のファミリアはともかく、アストレアファミリアからの情報流出は先ずないでしょうし、やはりギルドが共倒れを狙ってやったんじゃないか……?
ダンジョンの壁を壊す事でモンスターが生まれないようにするというのは常識っぽいし、過剰に破壊した冒険者が1人もいなかったとは思えないんですよねぇ……