ベル・クラネルの日記帳   作:重言 白

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あれ…ベル君強すぎ…?
チートタグ…いる?


ベル・クラネルの日記:3

 █月█日

 

 今日も朝の運動から帰り次第、簀巻きにした駄女神をへファイストスファミリアに届ける事から1日が始まった。

 今日はシルさんに誘われ、怪物祭というイベントに参加したのだが、シルさんが財布を忘れて全額負担する事になった。

 女性とのお出かけなので元々僕が払うつもりだったのだが、財布すら持ってこないというのは流石に無いんじゃないだろうか……? 

 シルさんと会場内で観戦していた時、ふと気になる人影が見えたので一時退場すると、何故か檻から出ている大きな猿のモンスターに襲われた。

 何故か近くに転がっていた武器から大剣と片手剣を手に、大猿を3分クッキングした。

 結論。筋が硬すぎてしっかり煮込まなければ食えない。

 しかし、魔石を取り外してしまえばモンスターの身体は急速に劣化するので、煮込めない。

 せめて魔石は持って帰ろうとポケットに入れ、シルさんが待ち草臥れないうちに会場に戻ろうとしたら、いきなり足元から植物のツタが生えて襲いかかってきた。

 大猿よりはやーいが、攻撃は直線的かつ単純。

 襲ってくるツタを片っ端から伐採し、最後に花を落として終了。

 虹色の魔石という不思議なアイテムを手に入れ、シルさんの元に戻った。

 帰る時、ガネーシャファミリアの人に大剣と片手剣の所有者を聞いたが心当たりがないそうなので、おそらく犯人が残していったのだろう。ありがたくいただく事にした。

 この時誰かが話しているのを聞いたのだが、魔法を使うか魔石を持っていると狙われやすかったらしい。

 ……つまり僕が襲われたのは、大猿の魔石を持っていたから? 

 おそらく魔石の中身は精神力と同じものなのだろう。

 モンスターが魔法を使えないのは、体内の魔石を消費する必要があるから? 

 もしそうだとすると、魔石を食うという強化種なら魔法を使えるのかもしれない。

 肉体の維持にも魔石の中身を消費しているからこそ、魔石を取り除くとモンスターの肉体は朽ちると仮定する。

 そうすると魔石を喰らい、魔石が充実して肉体もより強固になったのが強化種。

 この仮定が正しければ、魔石の中身を消費して魔法を使えば、それだけモンスターの肉体が弱くなる。

 なら魔法なんて1発の火力に賭けるギャンブルより、より強い肉体で圧倒した方がいい……そういう理屈があるのかもしれない。

 多分あのツタから取れた、虹色の魔石は強化種特有の物なのだろう。

 ……命の色が混ざり混ざって、綺麗な虹色になるとか考えると浪漫があるかもしれない。

 今日の晩御飯はこんがり焼けた骨付き肉とパン、コーンスープ。

 上手に焼けました! 

 

 

 

 █月█日

 

 何故かソーマファミリアの小人族の少女を引き取る事になった。

 そう。アレは、先日の買い出しの途中だった。

 リューさんと一緒に食材を買い揃えたので帰ろうとしていたとき、路地裏から僕に目の前に小人族の少女が飛び出してきた。

 怪我をしているようだったので、とりあえず簡単な手当てをしようとしたところ、彼女を追ってきた冒険者達に絡まれた……のだが、事情を聞くより先に逃げられてしまった。

 そういえば、デメテルファミリアにお世話になってた頃の強盗の中に、彼らも混じっていた気がする。

 逃げ出そうとしていた少女を縛り上げ、簡単な手当てを行った。

 ……毎朝毎朝駄女神を相手しているせいで、人を縄で縛るのが上手くなった。

 特に彼女に対してそれ以上のことをする必要もなかったので、開放。

 脱兎の如く逃げ出した彼女を追うことはせず、お店に戻った。

 次の休日、犬人の仮装をした少女にサポーターはいかがですか? と売り込みをかけられた。

 サポーターというのは他の冒険者の、補助兼荷物持ちを行う冒険者の事を表すのだとか。

 冒険者の落ちこぼれがなる仕事と自嘲していたが、とんでもない。

 最初はともかく、後々になれば必須になる重要な役職だ。

 こんな風に自分を貶すのは、多分扱いが酷かったからなのだろう。

 その程度さえ理解できないような冒険者に、大成する未来は確実にないと思われるので、さっさと縁が切れて良かったんじゃないか? 

 そもそも冒険者に与えられる恩恵は一律であり、そこに優劣は存在しない。

 あるのは努力値と生き方によるスキルと魔法、装備と効率くらいだ。

 彼女の魔法とスキルは、冒険者としてかなり有用な物だと思う。

 シンダー・エラで負傷する前の自分に変身すれば、かなりの継戦能力になるし、縁下力持は単純に重装備が可能だ。

 傷を消しながら突っ込んでくる、サポーターもこなせる小さなタンクになれるのでは? という事を彼女に伝えたところ、泣かれた。

 困惑しつつもとりあえず、ハンカチを渡して泣き止むのを待った。

 しばらくすると泣き止んだ彼女から、装備を買うための資金を集めるためにも一緒に潜ってもらえないかという頼みを受けたが、僕は冒険者じゃないので断らざるを得なかった。

 すごく驚かれた。

 実は僕は一部の冒険者の中では“屠殺屋(ザ・キーパー)”と呼ばれているのだとか。

 名の由来は、襲ってきた冒険者を屠殺場の職員のように、ただただ正確に解体したというところから。

 最も重症だった男はレベル1の中では強い方だったので、きっと冒険者なんだろうと思われていたらしい。

 ……僕って有名人だったんだなぁ。

 そして今日、彼女は何故か豊饒の女主人で働く事になってた。

 お目付役は僕。

 何を読んでいるのかわからないかもしれないが、僕にも何が起きたのかわからなかった。

 超スピードとか催眠術とか、そんなチャチなものでは断じてない。

 もっと恐ろしい何かの片鱗を味わう事になった……

 今日の晩御飯はハンバーガー。

 肉と野菜と炭水化物を一度に摂取できるハンバーガーは、実は健康にいいんじゃないだろうか?




一応勝てた理由として
・かなり良い装備を使っていたから
・斬撃に弱い(?)らしいから
・足手まといが居なかったから
の3点があります。

~大猿の3分クッキング~
事前に腕を剣で貫き、標本のように壁に固定しながら吊るし切りした大猿の肉がこちらになります。

ベル君の異名(仮)はサイコブレイクの金庫こと、ザ・キーパーから。
食肉解体業者みたいなキャラクターって他にいた気がするけど、思い出せなかったので金庫に。

シンダー・エラの可能性
魔法で生やしたあの犬耳にも感覚があり、触れる。
つまりこの魔法は幻覚を見せるような魔法ではなく、肉体改造或いは見た相手と自分の五感を操作しているのでは?
つまりシンダー・エラは、変身した姿を見る事で発動する鏡花水月だった…?
改造或いは催眠により、自分の身体を最も健康な状態を維持できる可能性が。
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