ベル・クラネルの日記帳   作:重言 白

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話数を間違えていたので修正しました。

前回!
世界が輝いて見える(物理)!
輝きの正体とは!?


ベル・クラネルの日記:6

 █月█日

 

 世界が物理的に輝いて見えた昨日。

 どうやら僕の目は一時的に、精神力を視認できるようになっていたらしい。

 今日起きた時には、すでに普通の視界に戻っていた。

 連続して服用した場合、どんな副作用が出るかわからないので、今日は飲まないことにした。

 今回の事で恩恵を受けていない市民にも、ある程度以上の精神力は宿っていることが判明した。

 しかし死にかけている人や病気の人、飢えた子供のような弱った人間には少ししかなく、少しずつ失われているように見えた。

 多分、生命力のような物と連動しているのだと思う。

 だから精神力のみを使いすぎた場合でも、肉体に影響を及ぼす。

 しかし身体と直接連動しているわけではないので、いきなり倒れる……と。

 昨日は色々な人を見た。

 リリルカさんは何かに怯えるような、不安を感じさせる半透明な黒。

 リューさんは吹き抜ける風のような、清涼感のある翡翠色。

 駄女神とシルさん、へファイストスさんは見えなかった。

 神は大きすぎて見えないのかな? 

 シルさんは恩恵とは別の、神の力ような何かに守られている感じ。

 ミアさんは大樹のような重厚感のある焦茶色。

 あ! 特徴的な色といえば、ヴェルフさんは2色の赤が混じっているような感じだった。

 他の人が単色というわけではないんだけれど、なにかと同時に見ているような感じ。

 おそらくあれが、クロッゾの魔剣の元となった精霊の力なのだろう。

 僕自身の色は透明な白だった。

 シンダー・エラを使うリリルカを見ながら、精神力をどうにか動かせないかと色々試していたところ、あっさり動いた。

 といっても自由自在と言うほどではなく、かなり大雑把。

 精神力を動かす感覚は覚えたので、正確に細かく使えるように慣らしていこうと思う。

 今日の晩御飯は回鍋肉と漬物。

 ご飯が進みすぎる。

 

 

 

 █月█日

 

 ただちに害はなさそうなので、魔液を服用してダンジョンに潜った。

 人間は精神力が全身に纏うように存在しているのだが、モンスターは魔石の部分に精神力が集中していた。

 ほぼ全てのモンスターは同色であり、光すら戻ってこれなさそうな、深淵のような漆黒。

 それとダンジョンで、不思議な人? とモンスター? を見た。

 人? は人間のような見た目なのに、モンスターのように体の一箇所に精神力が集中していた。

 あの女性はシンプルに強いと感じた。

 ヴァレン某と同等……いや、それ以上? 

 モンスター? はモンスターなのに、人間のようなカラフルな精神力の色をしていた。

 モンスターだと思って直ぐに襲いかかろうとしていたリリルカさんを止めると、こちらに気づいて逃げ出してしまった。

 まるで怯える人間の子供の様に。

 モンスターのような人間と人間のようなモンスター。

 調べてみる価値はあるはずだ。

 今日の晩御飯は大鮃の煮付け。

 こんな大きな魚がいるなんて思わなかった。

 海は広く、大きい。

 

 

 

 █月█日

 

 僕の熱意に感服したのか、ついにヴェルフが魔剣を作ってプレゼントしてくれた! 

 ああ、呼び捨てで良いと言ってくれたので、今日からヴェルフと書く。

 初めて手にした魔剣はガラスのような質感の鉱石で出来ていて、確かにまともな武器としては使えそうになかった。

 それと製造過程も見せて貰えたのだが、やはり2種類の精神力が合わさるように練り込まれていた。

 精霊の精神力? が混じることにより、魔剣として強力になるのだと思われる。

 とりあえず使用前のデータや形をとり、使用後と比較する予定だ。

 込められている精神力から見て、3回使えば壊れるそうな感じなので、気をつけて使いたい。

 ……デザインで発動する魔法は決まるのかな? 

 そういえばクロッゾの魔剣といえば、炎の印象が強い。

 これも炎の魔剣だというし、精霊の精神力に引っ張られるのかもしれない。

 今日の晩御飯はカレー。

 手掴みで食べる食事があるとは、世界は広いなー。

 

 

 

 █月█日

 

 研究資料を入れた箱の罠が起動して資料が全て焼失したので、資料の作り直しと罠のアップデート作業で休暇が潰れた。

 ミアさん達は誰も入ってないと言っていたので、おそらく姿が見えない視線の何者かが原因だと思われる。

 魔石製品を転用した魔法的な鍵を開けた事で油断し、物理罠に気づかなかったのだろう。

 開けようとした相手に自作の遅効性の毒霧を吹きかけ、中身を燃やし尽くす仕組みになっており、市販の解毒薬では病状は進行するように調合してある。

 というより一応分類は薬なので、解毒薬や回復魔法の対象外だと思われる。

 もちろん専用の特効薬を渡すつもりはないし、準備もしていない。

 恨むなら、馬鹿な行いをした自分を恨むんだね。

 それと、精神力の操作は詠唱を行う事で、より正確にコントロール出来ることが判明した。

 試しにきちんとイメージを固めて、シンダー・エラの詠唱を真似てみた。

 不完全ではあったが、出来た。

 ちなみにイメージしたのはアーニャさんやクロエさんのような猫人になった自分。

 尻尾が生えないという失敗はあったものの、耳は猫耳になった。

 リリルカさんとクロエさんに見せてみると、襲われかけた。

 リューさんが止め、シルさんがミアさんを呼んでくれなければ、大変なことになっていた気がする。

 今日の晩御飯は焼き魚。

 猫人だからか、異様に味噌汁とご飯を混ぜたくなった。

 し、静まれ……僕の右腕……! 

 そんな食べ方をしたら、ミアさんに怒られる……!




ベル君の目に写っていた輝きは、実は精神力だったんだよっ!
知ってた?そっかー。

シンダー・エラの解除詠唱も失敗し、解除に1時間かかりました。
ちなみに、観察すればなんでも使えるようになるわけではありません(仕様説明)

再現条件
・よく観察し、精神力の流れや強弱、効果を詳しく知っていること
・詠唱
・発動に必要な精神力を満たしていること
・必要な精神力が1人だけであること
・・・ヴェルフやヴァレン某、穢れた精霊のような精霊由来は不可
・精神力の色が似ていること
・・・ベル君は白であるがゆえ、何色にでも染められる異常体質

リリルカの自己強化変身用イメージの資料

「このゴブリンを使って、筋肉の付き方から覚えていこうか。ゴブリンは人に近い生態だから、安心してね?」

「この繊維一本一本を強化していく感じかな。漠然と強い自分をイメージするより、細かくイメージした方が扱いやすいと思うし」

「ある程度筋肉の付き方を理解したら、次はミノタウルスのような強靭かつ断ちにくい筋肉を見てみようね」

「ミノタウルスの耐久とパワー!ウォーシャドウの精密動作性にアミルラージの敏捷性を同時に再現したリリに、中層では敵はいません!」
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