天の道を往き、総てを司る撃槍   作:通りすがりの錬金術師

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中々書けなくて遅くなりました。それなのに、今回のは少しクオリティ低いかも……。

なお、前半途中で響が若干空気に……。さて、録画してるXV8話と10時過ぎからのジオウ最終話観なきゃ……。


突入!フィーネの館。そして……

「ここだ」

 

「よし、行くぞ」

 

 

 響とクリスの二人はフィーネの館へとたどり着いた。罠を警戒しながらも、クリスの案内を受けて、フィーネの居るであろう所を目指す。しかし、内部を歩いていると至るところがボロボロになっていて、更に人の気配もない。気になるといえば、血の臭いがするという事だ。

 

 

「いつもフィーネがいるのはこの先だ」

 

 

 扉を勢い良く開くクリス。そして目に飛び込んできたのは、ボロボロになった部屋と血溜りに倒れる外国人たち。その全員が死亡していた。死因とみられるのは、何か鋭いもので胸を貫かれたもの、頭を撃ち抜かれたもの、刃物で切られたもの、など様々だった。

 

 

「な、なんだよ。これ……」

 

「別口で襲撃があったみたいだな。そして返り討ちにあったと」

 

「クソッ!」

 

 

 何か他に情報がないか探していると、入り口の方が騒がしくなってきた。そしてこの部屋に入ってくる黒服たちと彼らを纏める巨漢。

 

 

「これは……」

 

「ち、違う!アタシらじゃねぇ!」

 

「ああ。それは俺がよくわかっている。これも君や俺たちの近くにいた彼女の仕業だ」

 

「へ?」

 

「ところで、君が雪音クリスくんだな?」

 

「ッ!?なんでアタシの名前を……」

 

 

 見知らぬ男にいきなり名前を呼ばれ、警戒するクリス。

 

 

「俺は風鳴 弦十郎。昔、君が一時保護され行方不明になった時の捜索メンバーの一人だ。もっとも俺以外の人員は捜索の過程で全員消息不明になってしまったがな」

 

「……で?あんたは何が目的だ?」

 

 

 少し強気な言葉でクリスが聞き返すが、名前を呼ばれた瞬間から響の後ろに隠れて顔だけ出している。しかも響の服を握りしめてもいるので、弦十郎は見ていて微笑ましく感じた。

 

 

「もちろん君の保護だ。それは昔から変わっていないとも。子供を守るのが大人の役目だからな!」

 

「はっ!大人……大人だと?あたしは」

 

「風鳴司令!」

 

 

 クリスが叫ぼうとしたその時、黒服が何か書かれた紙を見つけ、手に取った。その直後、仕掛けが作動し爆発を引き起こした。それにより館の一部が崩落する。

 

 

「大丈夫か?」

 

「な……なんで」

 

 

 衝撃に備えたクリスだったが、それは弦十郎によって全て止められていた。落ちてきた巨大な瓦礫も彼に支えられている。飛んできた細かな瓦礫は響が打ち落とした。

 

 

「衝撃は発勁で掻き消した」

 

「そういうことじゃねぇ!響ならともかく、なんでギアを纏えない奴がアタシを守ってんだよ!」

 

「俺がお前を守るのは、ギアの有る無しじゃなくて、お前よか少しばかり大人だからだ」

 

「また大人か……。アタシは大人が嫌いだ!死んだパパとママも大嫌いだ!とんだ夢想家で臆病者、アタシはアイツらとは違う!戦地で難民救済?歌で世界を救う?いい大人が夢なんて見てるんじゃねぇ!」

 

 

 クリスの心の叫びが静かな館に響き渡る。それはずっと溜め込んで来た本音なのだろう。

 

 

「大人が夢を、ね」

 

「ほんとに戦争を無くしたいのなら、戦う意思と力を持つ奴らを片っ端からぶっ潰していけばいい!それが一番合理的で現実的だ!」

 

「そいつがお前の流儀か。なら聞くが、お前はそのやり方で戦いを無くせたのか?」

 

「ッ!?……それは」

 

 

 図星だったのだろう。クリスは言葉に詰まり何も言えない。

 

 

「それにいい大人は夢を見ない、なんて言ったな。そうじゃない、大人だからこそ夢を見るんだ。大人になったら背も伸びるし、力も強くなる。財布の中の小遣いだって、ちったぁ増える。子供の頃はただ見るだけだった夢も、大人になったら叶えるチャンスも大きくなる。夢を見る意味が大きくなる。

お前の親は夢を見る為だけに戦場に行ったのか?違うな。歌で世界を平和にするっていう夢を叶える為、自ら望んでこの世の地獄に踏み込んだんじゃないのか?」

 

「なんで、そんなこと……」

 

「お前に見せたかったんだろう。夢は叶えられるという揺るがない現実をな」

 

 

 更に便乗するように沈黙を保っていた響がここで口を開く。

 

 

「あの人が言っていた。子供の夢は未来の現実。それを夢と笑う大人はもはや人間ではない。クリスの両親は夢を信じ続けた立派な大人だ。諦める事さえしなければ、その夢はいつか必ず現実になる」

 

「ッ!?」

 

「お前は嫌いだと言ったが、お前の両親はきっとお前の事を大切に思っていたんだろうな」

 

 

 その言葉を切っ掛けにクリスの涙腺が崩壊。ずっと寄り添っていた響の服に顔を押し付け、声をあげて泣いた。それを弦十郎が二人纏めて抱き締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、俺たちは撤収する。進展もあった事だしな」

 

 

 クリスが泣き止み、黒服たちもやるべき事を終え弦十郎たちは帰る事に。クリスもついてくるか?と聞かれたが断った。

 

 

「アタシはまだ大人を信用出来ない。今、信用できるのは響くらいだ」

 

「そうか、なら響くん。彼女の事を暫く任せてもいいか?」

 

「任せてください」

 

「ああ、そうだ……ほれ」

 

 

 弦十郎がクリスと響に端末と何かのチケットを取り出し、手渡した。

 

 

「これは、通信機?それに、ライブのチケット?」

 

「通信機の方は限度額内なら公共交通機関にも乗れるし、自販機で買い物だって出来る。優れものだぞ」

 

「じゃあこっちのチケットはなんだ?」

 

「ツヴァイウィングのライブチケット……!!」

 

「ツヴァイウィング?それって確か二課の……」

 

 

 渡されたチケットを見て、一瞬だけ響の目が輝いたが、それは誰の目にも止まらなかった。そして平静を装っているが、内心ではひどく興奮している。彼女は『天の道を往き、総てを司る女』となるべく動いている。だが、普通の女の子としての部分も少し残っているわけで……彼女はツヴァイウィングの()()大ファンでもあり、中々とれないツヴァイウィングのライブチケットを手にした。それはまさしく興奮ものだろう。

 

 

「明日の夜に二人のライブがあるからな。良かったらいってやってくれ。息抜きにはなるだろう」

 

「是非とも行かせてもらいます」

 

 

 弦十郎の誘いに響は即答した。それはそれは丁寧なお辞儀も添えて。

 

 

「カ・ディンギル!」

 

「ん?」

 

「それが何かはわからない。でもフィーネは言っていた。カ・ディンギルは完成しているって!」

 

「そうか……情報感謝する。後手に回るのはしまいだ。こっちから打って出る!情報が入ればそちらにも連絡しよう。

ああ、それはそうと明日は楽しめよ!」

 

 

 そう言い残すと車を走らせ、弦十郎と黒服たちは二課へと向かった。

 

 

「で、このあとはどうするんだ?」

 

「決まっている。寮の部屋に帰って明日に備える」

 

「本当に見るのかよ……。まあ、アタシもフィーネの手がかりが見つかるまで暇だし息抜きに付き合ってやるよ」

 

 

 そしてクリスはボロボロになった館の方へ足を進める。

 

 

「……おい。何しに行くんだ?」

 

「寝床の確保に決まってるだろ。アタシはずっとここに住んでたんだ。帰る家なんてここ以外にないしな。フィーネも逃げたならアタシが使っても問題ないだろ」

 

「食事はどうするつもりだ?」

 

「1日2日程度食べなくてもなんとかなるし、フィーネの館にもいくらかはあるだろ」

 

「……わかった」

 

 

 響は館に入ろうとするクリスの手を掴み、そのまま街の方に歩いていく。

 

 

「お、おい!?離せよ!てか、前にもこんなことあったな!?」

 

 

 クリスは振り払おうとするが、響の力は強く引きずられていった。そしてついたのは『お好み焼き屋ふらわー』。

 

 

「おい、ここって……」

 

「すでに話はつけておいた。暫くお世話になるといい」

 

「はぁ!?」

 

「風鳴さんにクリスの事は任されている。あんな所に泊まらせる訳にはいかない。それに、まともな物を食べないでフィーネと戦えるとでも思っているのか?」

 

「それは……」

 

「あら?もう来たのね。ほら、お入り」

 

 

 クリスが渋っていると、扉が開きおばちゃんが出てくる。シンフォギアやノイズ騒動について知らない人の前では話せるはずもなく、クリスはおばちゃんに従って入っていく。

 

 

「響!その、なんだ……また明日」

 

「……ああ」

 

 

 たったそれだけだが、クリスと一端の別れを告げた響は未来の待つ寮へと歩みを進める。そして、晩御飯の献立を考えながら部屋に入ると、とてつもない威圧感を感じた。一瞬、敵か?と思ったが違った。発していたのは他の誰でもない、未来だった。ゴゴゴッ、と漫画やアニメであればそういう背景が出ているだろう。

 

 

「おかえり、響」

 

「あ、ああ。ただいま」

 

「ねぇ、響?少しお話があるんだけど、いいかな?」

 

 

 『天の道を往き、総てを司る女』として己を鍛えてきた響なれど、何故か今の未来に勝てるビジョンが全く見えなかった。逆らえるはずもなく、気づいたら正座して頭を垂れていた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 響と隠し事一切無しの本音のお話をした。何一つ誤魔化さないで、全てを話してくれて良かった。響の持つ鎧の戦士の力――カブト――は、『ネイティブ』という宇宙から飛来した虫の様な怪人に対抗する為の力だとか。ネフシュタンの鎧を纏って私たちと戦った子が新しいシンフォギア装者で、響と仲良くなったとか。ノイズを操っている黒幕がいるとか。後、弦十郎さんと仲が良いとか。明日、クリスっていう子と一緒にツヴァイウィングのライブに行くとか。

 

 

「ふーーーん、そうなんだ」

 

 

 まあ、あの力とかに関しては別にこれ以上追及するつもりはないよ?約束通り、私のシンフォギアについても話したし。でもね?親友の私をさし置いて、新しく知り合った子とライブに行く?なんだろ、響に新しい友達が出来たのは嬉しいけど、何故か無性にイライラしてきた。あ、そうか。これは響のせい(冤罪)で学校で怒られたからかな?うん、きっとそうだ。じゃなきゃそんなことないはずだし。

 この後更にOHANASHIしてから、いつも通り響の作った晩御飯を食べて、二人で並んで寝た。

 

 あ、明日クリスっていう子には釘を指しとかなきゃ。響をつれ回さないでね?って。

 

 

 

 

 

 

 OHANASHIで何があったかは響の為にも言わない。ただ、翌朝珍しく響が寝坊(といっても私と同じ時間に起きただけ)した。余程疲れていたんだね。

 それはそうと翼さんと奏さんに貰ったライブのチケット一枚余っちゃったな……。誰か欲しい人いるかな?




まさか、小さなボディのままダウルダブラ纏うとは。大きくなったのも良いが、こちらも……。
というか、ダウルダブラ壊れてなかったんだな。碧の獅子機が明らかな大爆発してたし、てっきり壊れたものだと。

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