そして、陸上のせいで最終回の放送が一週間遅れるだと!?ゆ゛る゛さ゛ん゛!
目標の9月中の投稿は出来なかった……無念。色々と駆け足なったから変な所あるかもしれないけど、ドン!
「シンフォギアァァァァ!!!!」
みんなの歌で起動したギアはこれまでとは違う、純白のシンフォギアだった。驚く事に空を飛ぶことが出来ている。そして、
「やってくれたみたいだな」
「小日向、雪音、無事で良かった」
クリスや翼さん、奏さんも同じ様に純白のシンフォギアを纏って私の所まで寄ってきた。
「後は……」
後は、フィーネを倒せばいいだけ!
――――――――――――――――――――――
「高レベルのフォニックゲインによる限定解除……二年前の意趣返しという訳か」
『んなこたぁ、どうでもいいんだよ!』
「念話までも!?」
限定解除されたシンフォギアを纏った装者たちを見て苛立つフィーネ。念話をも使った事に驚愕する。しかしすぐに持ち直し、自分の周りに大量のノイズを呼び出す。目の前にクロックアップの使える
『いい加減、芸が乏しいんだよ!』
『未だ世界に尽きぬノイズの災禍は全て、お前の仕業なのか?』
それを見た翼がフィーネに問をぶつける。それをフィーネも念話を用いて返す。
『ノイズとは、バラルの呪詛によって相互理解を失った人類が、同じ人類のみを殺戮するために造り上げた兵器だ』
『人が人を……』
『バビロニアの宝物庫の扉は開きっぱなしでな。私はそこからまろびいずる10年に一度の偶然を必然と変え、力として使役しているに過ぎない』
そして、フィーネは高らかにソロモンの杖を掲げ、そこから無数の光を街中に放つ。雨の様に落ちたそれはノイズを発生させる。それにより、地上はノイズで埋め尽くされた。
「さあ、やれ!ノイズども!」
呼び出されたノイズは一点に向けて進軍を開始する。その中心点は………
「まさか、こいつら。みんなして立花を狙っているのか!?」
「そんな!?」
「だとしたら不味いぞ。響は少し休んだあたしらと違ってずっと戦い続けていた。いつ体力が切れてもおかしくない!」
「アタシは先行くぞ!どいつもこいつもぶち抜いてやる!」
「あ、おい!……翼!未来!あたしらも行くぞ!」
「ええ!」
「はい!」
先に飛び出したクリスを追って残る三人もノイズに向けて突撃する。
「やっさいもっさい!」
クリスはミサイル……ではなく、限定解除によりレーザーに変化したそれを放ち、大型小型問わず一度に大量のノイズを葬る。
「はあぁぁぁ!!」
「でやぁぁぁ!!」
翼は剣を大きくして衝撃波を飛ばし、奏は槍の穂先を回転させて竜巻を起こして大型を中心に狩っていく。
そして未来は、
「響ぃぃぃぃ!!!」
ノイズの中心点、そこで戦っている響の下へ。上空から閃光で響を援護する。
「未来」
「響は少し休んでて。助けられてばかりじゃない、今度は私が助ける!」
未来はミラービットからビームを放ったり、通常より一際大きくなった
そんな中、響と未来の近くで何かが肉に刺さった音が聞こえた。音の発生源を見ると、フィーネがソロモンの杖を自身の腹に突き立てていた。そしてノイズが次々とフィーネの下へと飛んでいき、一つになっていく。
「未来!こっちだ!」
「う、うん!」
「クロックアップ!」
次第に大きくなっていくフィーネを見て、危機感を感じた響。未来の手を取ってクロックアップを使って距離を取った。
「これは、一体……」
「ノイズに取り込まれて……?」
「違う、あいつがノイズを取り込んでやがるんだ!」
「――来たれ、デュランダル!」
フィーネの取り込んだノイズは崩れたカ・ディンギルの地下にあるデュランダルをも呑み込み、その形を作ってゆく。
その姿は赤い蛇……いや、翼や腕のようなものも確認出来るので、竜と言った方がいいだろう。竜となったフィーネは口とみられる部位に球体を生成し、放った。それはシンフォギア装者たちの横を通り過ぎ、後方の街に着弾。壊滅的な被害を産み出した。
「そんな……」
「なんて事をしやがる!」
『逆さ鱗に触れたのだ。覚悟は出来ておろうな?』
そう言ったフィーネは今度はシンフォギア装者に狙いを付け、何度も先ほどの光線を放つ。みんなして必死に避けるが、クリス、奏、翼に次々と命中し、少なくないダメージを負ってしまう。それでも、反撃とばかりにそれぞれがレーザーを、槍の雨を、斬撃を放つ。その場から動かないフィーネに全て命中したが、目に見えるダメージが感じられない。唯一、翼の斬撃のみ傷を付けたが、すぐに再生し塞がってしまった。
『いかに限定解除されたギアであろうと完全聖遺物の力の前では無力!――さあ、次はお前だ。カブト!』
「掴まって、響!」
響のいた場所に光線が放たれる。一緒にいた未来が響の手を掴み、空へと緊急避難する。なんとか攻撃の範囲外へと脱出出来たが、衝撃波だけで未来は飛行の制御を失って響と共に墜落してしまう。
「うぅ……」
『終わりだ!』
そしてそこに再び放たれる光線。避けられないと判断した未来はアームドギアとミラービットを最大展開。その全てからビームを放ち、収束させて光線を相殺しようとする。
「響は私が守るんだァァァ!!」
『クリスの真似事か?無駄な事を!』
未来のビームは光線を押し留めるが、それもすぐに押されていく。未来は必死に踏ん張るが、無惨にも光線がビームを呑み込み、響と未来のいる場所へと着弾した。
「小日向ァァァ!!」
「響!!」
『念には念をだ。でやぁぁぁ!!!』
響と未来が光線によって呑み込まれた後、フィーネは腕のような部位を天へと伸ばす。それはカ・ディンギルの一撃によって剥がれた月の欠片へと突き刺さる。
「何を、いやまさか!?」
『シンフォギア装者諸とも潰れろォォォ!!!』
そしてフィーネは欠片を地上へと全力を持って引き寄せた。
「なんて事をしやがる!?」
「街に落ちてはシェルターに避難してる人々も危ない。我々で止めるしかない!」
「……やるか?絶唱」
三人はそれぞれの顔を見て頷くと、息を揃えて唄おうとする。
「 Gatrandis babel ziggurat edenal 」
「この声は、小日向!?」
しかし、その前に未来の歌声が聞こえてくる。
「 Emustolronzen fine el baral zizzl 」
「無事……なのか?」
安否を確認しようと下を見るも、未だに煙は晴れずその姿を確認出来ない。
「 Gatrandis babel ziggurat edenal 」
『例え絶唱だろうと、一人で何が出来る!』
「 Emustolronzen fine el zizzl 」
未来の歌が終わると共に、月の欠片にヒビが入る。それは次第に大きくなっていき砕けた。さらに小さな欠片が散らばるが、それは大量に放たれたビームによって、地面に落ちる前に全て蒸発した。
「一人では不可能でも、二人でなら可能になる」
『……馬鹿な』
天に姿を現したのは未来と、光る羽を羽ばたかせ、形の変わった鎧を纏った響だ。
「お前ら、無事だったのか!?」
「はい、響のお陰で助かりました」
「いったいどうやってあの状況から助かったのだ?」
「それは……」
未来のビームがフィーネの光線を押し留めていた時の事。未来の後ろで立ち上がった響の握った拳の中から光が漏れでてきた。響はまさかと思い拳を開くと、その手には小さなカブトムシのようなゼクター、ハイパーゼクターが収まっていた。
「……そうか、力を貸してくれるのか」
響はハイパーゼクターを腰にセット。そしてその角部分を押し込んだ。
「ハイパーキャストオフ」
【HYPER CAST OFF】
ハイパーゼクターによりカブトが強化されていく。角は一回り大きくなり、装甲もより強固なものへと変化する。
【CHANGE HYPER BEETLE】
「ハイパークロックアップ」
【HYPER CLOCK UP】
通常のクロックアップより速い時間を移動するハイパークロックアップ。何もかもが止まったかのように見える世界で響は未来を抱え、天高くへと飛翔した。
【HYPER CLOCK OVER】
「……え、ここは?」
「空だ」
「あ、響……」
『シンフォギア装者諸とも潰れろォォォ!!!』
そこにフィーネが月の欠片を落としてくる。響と未来は顔を合わせると、こくりと頷き一直線に突撃する。未来は絶唱を唄い、響は腰のハイパーゼクターに再び触れる。
【MAXIMUM RIDER POWER】
【ONE TWO THREE】
後方の未来のチャージが完了したのを見ると、響はカブトゼクターの角を戻す。そして一気に開き……
「ハイパー……キック!」
【RIDER KICK】
響のハイパーキックと未来の絶唱は月の欠片を跡形もなく蒸発させたのだった。
『……ッ!貴様らぁ!!』
「……小日向は絶唱を使ったのだろう。後は私たちに任せて少し休め」
「いえ、大丈夫です!負荷はそんなにかかってません!」
「はぁ?なんでだよ、絶唱を使ったはずだろ?」
「愛です!」
「「「何故そこで愛!?」」」
『調子に乗るな。聖遺物の欠片ごときが私に、完全聖遺物に敵うと思うなァ!』
激昂したフィーネがそんな言葉と共に攻撃を仕掛けてくる。しかし、その言葉が攻略の鍵となった。
「響!未来!行けるか?」
「当たり前だ」
「任せたください!」
「なら任せた!翼ァ!」
「斬り裂く!」
翼がより強力な蒼ノ一閃をフィーネに放つ。それは竜の体に穴を開ける事が出来たが、次第に再生していく。
「間に合えぇぇぇ!!!」
その穴が塞がる前に、とクリスを連れフィーネへと突っ込む奏。あと少しという所で穴がかなり小さくなってしまう。ならばと奏はクリスを掴み、その穴へと投げ入れた。
「ちょっ!?」
「行けぇ!クリス!」
「仕方ねぇなぁ!」
「なんだと!?」
「さあ、吹き飛びな!」
竜の内部へと侵入したクリスは、そこでビームを乱射する。再生するので効かないフィーネであれど目障りには違いなく、追い出そうと一部を展開した。しかし、そこには剣を構えた翼がいて、この時を待っていたとばかりに振り下ろす。それをまともに受け、フィーネの手からデュランダルが離れる。それを二人が弾き飛ばし、響と未来の手に渡る。
「行くぞ、未来」
「うん、響」
【MAXIMUM RIDER POWER】
完全聖遺物であるデュランダルにハイパーゼクターからさらにエネルギーを供給。デュランダルから溢れ出るエネルギーが暴れ狂う。奏、翼、クリスも二人の後ろにつき、共にデュランダルを支える。暴れ狂うエネルギーも次第に落ち着き、一筋の光へと収束する。
「その力……。何を束ねた!?」
「響き合うみんなの歌声と」
「ゼクターの力が与えてくれた」
「「
――――――――――――――――――――――
私たちの戦いは、デュランダルとネフシュタンの鎧が対消滅した事でフィーネが戦う力を失った事で終わった。そして今、気力を失ったフィーネと地上に上がってきた弦十郎さんと話している。
「……了子くん」
「フィーネだ」
「俺たちの所へは戻って来れないのか?」
「……お前は馬鹿か?敵である私をも受け入れるとでも言うのか?」
「おうとも!誰がなんと言おうと了子くんは俺たち二課の仲間だ!」
「……ふっ。甘すぎるな」
「それが俺の性分だからな!」
弦十郎さんとのやり取りの後、フィーネは私たちを呼ぶ。
「奏ちゃん、翼ちゃん、未来ちゃん、クリス、それに響ちゃん」
「おう」
「はい」
「はい」
「なんだ?」
「……」
「これから先、貴女たちにはいくつも困難が待ち受けていると思うわ。でもね、決して諦めない事。そうすれば道は自ずと開けるわ。胸の歌を、信じなさい」
そう言ってフィーネ……いや、了子さんは塵となって消えていった。
これが後にルナアタックと呼ばれた事件の終わりだった。
はい!これでとりあえず無印完!
ちなみにハ井パーゼク太くんは予定している幕間での登場はありますが、Gでの登場予定はありません。