天の道を往き、総てを司る撃槍   作:通りすがりの錬金術師

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新年明けましておめでとうございます!(遅い)
今年もよろしくお願いします!

と、まあ、あいさつはこれくらいにしておいて。
年末年始は忙しくて更新出来ませんでした。
早速ですが、幕間4話目です!


(やっべ、前回の更新の感想返信忘れてた(テヘペロ))


その4

『フフフフ、ハハハハ!!!』

 

 

『終わったぞ!』

 

 

『ついに調整は終わった!これで後は忌ま忌ましいカブトさえ倒せば、世界は我らのものになる!』

 

 

『その首を洗って待っていろ!!ハハハハ!!!』

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「様子はどうだ?」

 

「完全に塞ぎこんでしまって、話も全く聞く耳持たずだった……」

 

 

 響と並行世界のシンフォギア装者たちが集まり、状況の確認をしていた。

 

 

「奏さんのケガは酷いけど、なんとか助かって良かったです……」

 

「そうだな。そっちは安心出来る」

 

 

 先の戦いで搬送された奏と翼だが、奏はシンフォギアを纏っていたとはいえ、かなりの傷を負い治療中だ。命に別状はない。

 だが、問題は翼の方だ。響に連絡が通じなかったとはいえ、他の装者の手を借りず一人でネイティブに挑み敗北。さらに奏が自分を庇っての大怪我。敵の目的であった『ガタックゼクター』すらも持っていかれ、全て自分が鞘走ったせいだと思い、心が折れてしまった。今は与えられた部屋でただただ布団に包まり、引き込もっている。

 

 

「立花……あ、カブトの方の立花だが、そちらの私が戦っている時は何をしていたのだ?」

 

「ああ、あの時か。ほとんどは蛹態だったが、ネイティブの集団に遭遇していた。狭い廊下にそこそこの数が居たからな。流石に対処に手間取っていたんだ」

 

 

 そう。翼から連絡を受けていた時も施設の探索を続けていた響は、集団で集まりガタックゼクターを探している蛹態を見つけていた。研究員から所在を聞き出す事に失敗したネイティブたちは蛹態によるローラー作戦でガタックゼクターを見つけようとしていたのだ。

 

(なお、擬態して記憶を読み取った研究員の中にはガタックゼクターがどこにあるか知っている人物がいたものの、当人はそれがガタックゼクターという名前だということは知らなかった為、そのネイティブは名前が記憶にない=知らないと判断しその記憶をすぐに忘れ去ったのだった。)

 

 しかし、そのローラー作戦も響と遭遇してしまった事で失敗。見事に彼らは殲滅される事となった。

 

 

「そうか……。そういえば、奪われたガタックゼクターとやらはどんな物なんだ?」

 

「ああ……。来い、カブトゼクター」

 

 

 翼に聞かれ、その説明の為に響はカブトゼクターを呼び出した。

 

 

「こいつは……?」

 

「これは『カブトゼクター』。ネイティブに対抗するために造られたマスクドライダーシステムの一機だ。私はこれを使って『カブト』になる。ガタックゼクターもこれと同じくネイティブに対抗するための物だ」

 

「ん?なんでネイティブに対抗するための装備を、そのネイティブが持っていったんだ?自分たちの脅威になるなら壊すよな、普通」

 

「確かに……。なんでなの?」

 

「ちょっとは自分で考えろ、バカ!」

 

 

 クリスの疑問に同じことを思ったのか、立花は聞き返す。が、何も考えてない事を見抜かれたのかクリスに小突かれる。

 

 

「こちらの翼が交戦したからだろうな。そして私が合流して、そのせいで破壊する時間がなかったんだろう。もしくは自分たちが使用するという可能性もあるな」

 

「あー、なるほど。そっちの先輩が交戦したのは強ち間違いではなかったってことか」

 

「待て、ネイティブに対抗するための装備をネイティブが使えるのか?」

 

「可能か不可能かだけ言えば、可能だ」

 

 

 響のその言葉に翼とクリスが少し頭を抱える。そしてその時、放送で全員に集まるように連絡が入る。それに従い、響たちはミーティングルームに向かった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「司令!」

 

「来たか、お前たち」

 

「何があった」

 

「まずはこれを見てくれ」

 

 

 弦十郎さんに見せられた物はカメラの映像。それもリアルタイムのだ。そこに映っていたのはとある港。そしてそこには擬態せずに怪人としての姿を見せているネイティブ、ブラキペルマワーム。ガタックゼクターを持っていった張本人だ。

 

 

「そちらの響くんはこれをどう思う?」

 

「まず間違いなく誘いだな。私をそこに呼び出そうという魂胆だろう」

 

「やはりか、俺もそう思っている。故にこの誘いに乗ろうと思う」

 

 

 ああ、やはりか。私もそのつもりだったし、並行世界のとは言え流石は弦十郎さんか。

 

 

「それでだが………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『来たか、カブト』

 

「ああ、望み通り出てきてやったぞ」

 

『ふん。その余裕がいつまで持つかな!』

 

 

 そう言って、唐突に擬態し人間の姿になったブラキペルマワームは懐から何かを取り出す……ッ!?

 

 

「それは……」

 

『本来の姿では俺は貴様に勝てないだろう。故に俺は求めた!貴様と同じ力を……いや、カブトをも越える戦いの神の力を!』

 

 

 取り出したのはライダーベルトとガタックゼクター。ここまで来ると何をするのかはっきりとした。

 

 

『フハハ!!変身!』

 

【HENSIN】

 

『これで滅びるがいい、カブト!』

 

 

 その身をガタックの鎧で包んだブラキペルマは、肩のガタックバルカンを放ってくる。それを転がって避け、同時に呼び出したカブトゼクターを掴み、私も変身する。

 

 

『HENSIN』

 

 

 ガタックゼクターをも破壊していいなら、(来てくれるかは分からないが)ハイパーゼクターを呼べばすぐにでも倒せる。だが、可能ならガタックゼクターは回収したい。やれやれ、これは骨が折れそうだ。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 私は……ダメだ。私のミスで()が砕けるならまだしも、奏を死の危険に追いやってしまった。立花や奏から成虫態のネイティブの強さは聞いていたが、甘く見すぎていた。強くなったと自惚れて、ネイティブにも勝てるだろうと慢心して。その結果がこれだ。防人として、ここで折れる訳にはいかないのは分かっている。でも体が、本能が、恐怖を訴えて動けない。誰かが傷つくのが怖い。私のミスで命が散るのが怖い。人が怖い。虫が怖い。何もかもが、怖い。

 ああ、もういっそのこと……。

 

 

「入るぞ、翼」

 

「ッ!?奏!?」

 

 

 そんな事を考えていると、奏が部屋に入ってきた。会わせる顔のない私は、被っていた布団を更に深く被る。

 

 

「来ないで!」

 

「翼……」

 

 

 奏を突き放すように拒絶する。奏に嫌われてもいい。お願いだから今は一人にして。

 

 

「……ッ!いい加減に、目を覚ませッ!!」

 

 

 だけど、そんな私を奏は布団から引きずり出して頬を叩いた。ジンジン痛む頬を擦りながらつい奏の顔を見る。

 

 

「……奏?」

 

「翼。お前は誰だ?」

 

「え?」

 

「いいから答えろ」

 

 

 奏は何を言ってるの?

 

 

「私は風鳴翼だけど……」

 

「ああ、そうだな。お前は翼だ。剣でも、道具でもない。ただの翼だ」

 

 

 全く、奏が何を言いたいか分からない。

 

 

「翼は人間なんだ。道具と違って意思がある。間違える事や、失敗する事だってある。だから、そんなに思い詰めるな」

 

「で、でも……」

 

「でもも、へったくれもあるもんか。こうしてあたしは無事だし、翼も生きている。それに、翼のいないツヴァイウィングなんて、ただの飛べない片翼だ。一人でなんて寂しいし、楽しくないだろ?」

 

「う、うん……」

 

「もう一回言うぞ。翼は『人』なんだ。未来の可能性は無限にある。なんにでもなれる。生きていれば取り返しのつかない事以外ならなんでもやり直せる。だからさ、目を覚ませよ」

 

 

 奏……。

 

 

「……ねぇ」

 

「……ん?」

 

「私はまた、歌っていいの?」

 

「いいに決まってるさ」

 

「また失敗して誰かを傷つけてしまうかも」

 

「その時はあたしがサポートするさ」

 

「奏も傷つくかも」

 

「翼一人じゃないさ。響や未来、クリスもいるだろ?心配すんな」

 

 

 私は……うん!

 自分の両頬を軽く叩き、気合いを入れる。

 

 

「ごめん、奏。もう大丈夫」

 

「お、元気でたか?」

 

「うん!」

 

「よし、最後の確認だ。お前は誰で、何者だ?」

 

「私は風鳴翼。歌女(うたのめ)にして、人々を防人るただの『人』!」

 

 

 そう、私は剣でも風鳴の道具でもない!風鳴翼という名前のただの人だ!

 

 

「ああ、それでこそ翼だ」

 

「奏」

 

「なんだ、翼?」

 

「行ってくる」

 

「ああ、行ってらっしゃい」

 

 

 私は奏に背を向けて、司令の待つ部屋に向かう。今の状況が知りたい。そして、その上で私のやるべきことを!

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「クソッ……全く隙が見えねぇ」

 

 

 そうボヤいたのはクリス。アームドギアを狙撃銃に変形させ、スコープを覗いてブラキペルマに狙いをつけている。

 

 

「そこは立花(カブト)を信じるしかあるまい」

 

 

 その横で警戒しているのはこの世界の翼。この二人と立花の三人は響がブラキペルマワームと交戦している間に他のワームが現れたら、そこに近づかせないようにするのが役目だ。そしてもう一つ、ブラキペルマが隙を見せたら狙撃してガタックゼクターを外せないか狙っているのだ。もちろん後者はブラキペルマがガタックゼクターを使ってきた時の為に想定していたことだ。

 

 

『キシシシ……』

 

「ッ!ネイティブか」

 

 

 その時、そんな三人の前に蛹態のネイティブが二体現れる。迎撃しようと響と翼が構えた瞬間。

 

 

「な……」

 

「え……」

 

 

 二体のネイティブがほぼ同時に切り裂かれ爆散した。

 

 

「すまない、迷惑をかけてしまったな」

 

「もう、大丈夫なのか。もう一人の私よ」

 

「ああ。私はもう自分の道を間違えない」

 

 

 それを為したのは天道世界の翼。今の状況を聞くや否や、許可を得て飛び出したのだ。

 

 

「私は立花の所へ行く」

 

「はい!ここは任せてください!」

 

「無茶はするなよ、私」

 

 

 頷き、響の所へと翼は駆け出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ……」

 

『ハハハ!!その程度か、カブトォォ!!』

 

 

 一方、響の方は中々に苦戦を強いられていた。理由は簡単。ガタックの鎧を纏ったブラキペルマワームがそれほどの脅威だからだ。もちろん、ハイパーフォームには敵わないだろう。だが、ネイティブという種族の力にガタックという力が付与されたブラキペルマはライダーフォームのカブトを押すには十分な力を持っていた。

 共にキャストオフしたカブトとガタック。カブトクナイガンとガタックカリバーが何度もぶつかり合い、火花を散らす。

 

 

【ONE TWO THREE】

 

【RIDER KICK】

 

『死ぬがいい!』

 

【ONE TWO THREE】

 

「ライダーキック」

 

【RIDER KICK】

 

 

 響とブラキペルマのライダーキックがぶつかる。競り勝ったのは………ブラキペルマだ。

 吹き飛ばされ、変身が解除される響。そこに近づくブラキペルマ。

 

 

『さあ、これで終わりだッ!』

 

 

 生身の響にガタックカリバーが振り下ろされ

 

 

 

 

 

 

 

 ガキンッ、という音と共に響の前に割り込んだ翼の剣に止められる。

 

 

『貴様は』

 

「立花はやらせん。私が相手だ」

 

『ふん、貴様に何が出来る。俺に手も足も出ずに敗れ、挙げ句には仲間に守られた貴様に!』

 

「……今の私を見くびらないでもらおうか。あのときとは違う。自分の道を、仲間を信じて『人』としての道を歩むと決めた私を!」

 

『戯れ言を……なんだッ!?』

 

 

 翼が己の覚悟を、想いを口にした途端、ブラキペルマワームの纏うガタックに異変が生じた。全身にスパークが走り、何かが起きている。

 

 

「今だ、雪音!」

 

『おうよ!』

 

 

 そして、明らかとなった隙に放たれる狙撃。それはブラキペルマの腰のガタックゼクターを弾き飛ばし、自由を取り戻したガタックゼクターが翼の周りを旋回してその手に収まる。

 

 

「お前は……まさか、私を認めてくれるのか?」

 

 

 ゼクターは契約者を選ぶと聞いていた翼は、己から手の中に来たガタックゼクターへと問いかける。反応は無かったが、離れない事から肯定と翼は捉えた。

 

 

『バカな……。こうなれば、ふん!』

 

 

 ガタックゼクターが自分の手から離れたのを認めたブラキペルマは、ネイティブとしての姿になり自分の腰に巻いていたベルトを破壊した。こうすれば翼が変身出来ないだろうと思ったが故に。

 

 

「これを使え、翼!」

 

「…!ああ!」

 

 

 たが、ここにはもう一つベルトがある。響の使っていたベルトだ。ガタックを失ったブラキペルマならば響でも恐らく勝てるだろう。だが、ここまでの戦闘で体は万全とは言えない。ならばとガタックゼクターに選ばれた翼にベルトを貸したのだ。

 それを受け取った翼は腰にベルトを巻く。()()()()()()()()()()()()

 

 

「行くぞ……お前の力を貸してくれ。変身!」

 

【HENSIN】

 

 

 そして鎧がその身を包んでいく。しかし、翼は全身を覆う前にガタックゼクターの角に手をかける。

 

 

「キャストオフ!」

 

【CAST OFF】

 

 

 顔までを鎧が覆うと同時にマスクドフォームとしての鎧が弾け飛ぶ。

 

 

【CHANGE STAGBEETLE】

 

 

 ここに戦いの神と呼ばれしライダー、ガタックが正しく誕生したのだった。




うーん、翼さん覚醒の所がこんなのでいいのか……悩みに悩みまくってこれくらいしか出来なかった。少し出来が不安。

予定では次かその次で幕間終わります。まあ、エピローグが次のに収まるか収まらないかなんですけど。

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