天の道を往き、総てを司る撃槍   作:通りすがりの錬金術師

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お待たせしました、コラボ二話です!
残念なことに、コラボ相手のheroさんがハーメルン運営からロック受けてしまいましたが、コラボは続きます!
あちらが引っ越し先で宣伝してくれるとの事で、こちらでも宣伝を。
↓伴装者の引っ越し先はこちらです。
https://www.akatsuki-novels.com/stories/index/novel_id~24005


ただ、本編幕間ではまだ語られてない事が少し語られてるので、そこは注意です。
そして本編では見れない天道響が出てきます。何しろ、途中から本編プロローグの冒頭以来初めての天道響視点です。もちろんキャラ崩壊(?)注意です。


二人の響

「並行世界?」

 

「そうだ。ギャラルホルンは、この世界と平行世界を繋げる事が出来る、謎多き完全聖遺物だ。原因はそれ以外に考えられないだろう」

 

 

 ハイパーゼクターに導かれてやって来た並行世界。響はそこでネイティブに襲われていた装者を助けた。しかしネイティブが彼らを襲った以上、再び彼らの所にやってくる可能性は高い。そこで、響は今この世界の二課にお邪魔して情報交換を行っていた。

 

 ギャラルホルン。並行世界を観測して繋ぐ扉の役割を持つ完全聖遺物。本来はとある危機に対してアラートを発して警告するのだが、今は関係ないので置いておこう。

 まず、この世界についてわかった事。立花は以前の世界と同じくシンフォギア装者であり、性格も酷似している。翼とクリスは響の世界と変わらず、奏が二年前のライブ事故で亡くなっている。それだけならば以前の世界と同じだったが、この世界には「風鳴翔」という風鳴翼の弟にしてRN式回天特機装束――シンフォギアtype-P――の()()装者がいる。彼の体内にはその疑似シンフォギアともいえるRN式ギアの核である第4号聖遺物『生弓矢(いくゆみや)』の欠片を宿している――というか、立花を助ける為に生弓矢の欠片を自ずから体内に入れた――そうだ。そんな彼は立花の彼氏でもある。ちなみにこの世界にはもう一人RN式ギアの装者がいるが、紹介は後程。

 

 そして、今回の件でネイティブがこの世界に現れた経緯だが、根幹の原因は響の世界のフィーネである。協力関係を築いたネイティブたちを利用してゼクターを回収させていたのだが、ガタックゼクターの回収をしようとした所で仕掛けられていたトラップやそれに対応したネイティブの反撃などにより、同じ所に保管されていたギャラルホルンが誤作動。その大半が以前の世界(※幕間の世界)に飛ばされ、極僅かがこの世界にやって来たのだ。この世界からすると迷惑極まりない話である。

 

 

「現在、街中の監視カメラに備えられたサーモグラフィーを作動させ、捜索しています」

 

「未だ発見はされていませんが、翔くんと……仮面ライダーの響ちゃんから聞いた通りなら、それも時間の問題かと」

 

 

 そして今、藤尭と友里を始め、二課の職員の皆が忙しく手を動かしてカメラを確認している。ワームやネイティブは、遺伝子や記憶ごと人間に擬態できるが、体温までは誤魔化せない。索敵範囲を狭めていく形で、現在その行方を追っている。

 

 

「発見次第、すぐに連絡する。それまでお前達は、いつでも出られるよう待機しておけ」

 

「ありがとうございます、司令」

 

 

 弦十郎の言葉に翔が返事をし、装者一同と共に響は休憩スペースが併設されている自販機前へと移動した。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「それにしても、ホントにあたしらが知ってる響とは全然違うな……」

 

 

 クリスが私を頭の上から下までじっくりと見ながらそう言う。並行世界の同一人物とはいえ、私は前世の記憶持ちという所謂異端(イレギュラー)だ。その記憶が今の私の活動力の源となっている以上、違うのは当然だろう。

 

 

「クリスちゃん、一番驚いてるのはわたしなんだからね~?」

 

「まさか……響がカブトにハマるとこうなるって事か!?」

 

「ええっ!?そうなの!?」

 

「いや、それは無いだろう」

 

 

 翔の言葉を即座に否定する。私と彼女は確かに同じ『立花響』であり、似たような事を経験してきた。だが、こちらの私が『仮面ライダーカブト』にはまり、『あの人』に憧れたとしても私のようにはならないだろう。

 

 

「世界線が違うとはいえ、性格がこうも変わるものなんだね」

 

 

 こう言った彼の名前は「爽々波純(さざなみ じゅん)」。自分に『王子様』であることを課していて、いまや『プリンス』のあだ名を持っている。幼なじみであるクリスが何よりも大切なのだそう。そしてもう一人のRN式ギア『Model-0』の使い手でもある。

 

 

「私も驚いてる。理論上不可能だと言われた男の装者がいる世界……しかも、まさか翼に弟がいるとは。私の世界の翼が聞いたら、二度聞きするだろうな」

 

 

 まあ、弟云々の問題は私にひよりという妹がいて、こちらの私に妹がいないのと同じだろう。

 しかし、RN式ギアか……。元々はシンフォギアのプロトタイプらしいが、開発者曰くガラクタ以下の欠陥品らしい。歌の代わりに使用者の精神力で聖遺物を起動させる仕組みらしいが、持って数秒。燃費が悪いどころの話じゃない。それを翔が体内に取り込み、融合することでシンフォギアとしての形をなんとか成しているそうだ。

 私の世界にも存在するならば、弦十郎さんが使うだろうな。私たちだけにノイズと戦わせるのを不甲斐ないと嘆いていたし、弦十郎さんの精神力なら半ば永久的に使えそうだ。

 

 

「翔がいない世界の私、か。そちらの世界での私達は、私達と何処まで違うのだ?」

 

「いや、殆ど変わらない。翼も、クリスも、弦十郎さん達もな。ただ、私の性格を除けば……翔、純。お前達二人がいないのと、櫻井了子がフィーネと共にこの世を去った事くらいだ。RN式回天特機装束、というお前達のギアも、少なくとも実戦には投入されていないな。リディアンの姉妹校、というのも聞いた事がない」

 

 

 そう言うと、純が少し悲しげな表情をする。彼の気持ちは分かる。それだけクリスが彼にとって大切な存在になっているのだろう。

 

 

「心配するな。戻ったらそれらしい人物に心当たりがないか、クリスに聞いておいてやる。弦十郎さん達に頼めば、すぐに調べてくれるだろう」

 

「ッ!お願いできる?」

 

「ああ。辿った道が違うだけで、存在しないという事はない筈だからな」

 

 

 とは言ったものの、翼に弟は居なかったな。いや、もしかしたら親戚に翔という名前の男がいるかもしれないな。そこも今度確認してみるか。

 

 

「あたしの知らないジュンくん、か……。想像もつかねぇな」

 

「今の僕とは違っても、きっとクリスちゃんを想う気持ちは変わらない筈だよ。だって世界を超えても、違う人生を歩んでいても、僕が僕であることに変わりはないからね」

 

「ジュンくん……」

 

 

 そしてクリスと純は二人の世界に入る。こちらの私、翼、翔がニヤける中で私は、若いな、と暖かい目を送っておく。

 と、そこで翔が何かを思い付いたのか、私に話しかけてくる。

 

 

「なあ、その……君の呼び方だけどさ。こっちの響と区別するの大変だし、『天道響』って呼んでいいか?」

 

「……何故その名前に?」

 

 

 『あの人』の名前は『あの人』の物だ。カブトの資格者になったとは言え、私が気軽に名乗っていい名前じゃない。

 

 

「カブト響、だと語呂が悪い。でも『立花』って呼ぶのも姉さんと被る。じゃあ“天の道を往く響”、略して天道の方が呼びやすいし分かりやすいだろ?……ダメか?」

 

 

 確かに私を分かりやすく表している。他に私を表す言葉は……無いか。同姓同名で姿も似てる以上、区別するには呼び名くらいしかない。仕方ない、か。

 

 

「……いいだろう。それは、未だあの人に程遠い私には恐れ多い名前だ。だが、こちらの私と区別する為なら悪くはない」

 

「じゃあ、よろしくねっ!天の道を往くわたしっ!」

 

「ああ」

 

 

 っと、そういえば。

 

 

「ああ、そうだ。翔、一つ頼みがあるんだが……。再生機器と、それから昨日借りたというDVD……あるか?」

 

「え?家だけど……」

 

「そうか……」

 

 

 家、なのか……。確かに二課という国家組織の一部屋に置いておく物では無いな。でも……はぁ。

 

 

「い、一応動画サイトで1話と2話が無料だけど……」

 

「本当かッ!?」

 

 

 見れるの!?冒頭だけとはいえ、『あの人』の勇姿が、戦いが!

 

 

「ちょっと天道なわたし!また距離が近いよ!!」

 

「あ……すまない……」

 

 

 興奮した私はどうやら無意識に翔へと近づいていたようだ。こんな事ではダメだ、もっと落ち着きを……。

 

 

「取り敢えず、レクリエーションルームにでも行く?壁掛けテレビあるし、スマホ繋いで大画面で見た方がいいだろ?」

 

 

 大画面で『あの人』を見られる……!?もう無理、我慢することなんてできない!そう、私の事を知ってる人はこの世界には他にいない。だったら……。

 

 

「そうと決まれば善は急げだ!ネイティブが動き出す前に観終えるぞ!」

 

「うおおっ!?ちょっ!天道!?」

 

「ああっ!?もうっ!だから近いんだってば!!」

 

 

 端末を持っている翔の手を引っ張って、レクリエーションルームへと向かう。二課の内装は私の世界と変わってないみたいだから場所はわかる。さあ、早く!

 

 

 

 

 

 

 

 

『自分を犠牲にしてでも、誰かを助ける……。戦士には向かないタイプだな』

 

『うるさい!いいか、マスクドライダーシステムには、クロックアップに対抗する手段があるはずなんだ。それを探せ!』

 

『知ってるよ』

 

『何ぃ!?』

 

『悪いがベルトとは長い付き合いでね。マスクドフォーム(このすがた)で何処までやれるか試していたんだ』

 

『じゃあまさか……』

 

 

 ついに、来る……!!!

 

 

『キャストオフ』

 

【CAST OFF】

 

【CHANGE BEATLE】

 

 

 来た、来た来た来たー!!!!『あの人』の、本家本元の『変身』!やっぱり私とは……違う。

 

 

「クロックアップ」

 

【CLOCK UP】

 

 

 持ちうる力も、存在感も、格好良さも。全てが私の憧れであり、目標。

 

 

「とんでもねぇ俺様系だな……この天道ってのは」

 

「しかし、常に余裕に充ちた表情。裏付けされた文武ともに秀でた実力。只者ではない。天の道を往き総てを司る、という名は伊達ではないという事だな」

 

 

 そう言う事だ。私の世界には『仮面ライダーカブト』の物語は存在しないから聞けない感想だったけど、『あの人』の事をわかってもらえたようで嬉しい。

 

 

 そして一話と二話を見終えた後、私の中にあったのはは満足感だった。……好きに世界間移動出来るようになれば、たまにこの世界に来るのもいいか?と、僅かながら思ったが私の世界の事もある。その考えを焼却し、翔に礼を言う為に立ち上がる。

 

 

「ありがとう、翔。久し振りにあの人の活躍を観ることが出来た。それだけでも、この世界に来た意味はあったよ」

 

「いやいや、そんな。これくらいで満足なわけが……」

 

「確かにまだまだ物足りないし、いっその事全話と劇場版まで全部見ておきたいけど、私がこの世界に居られる時間は限られている。これ以上は未練が残ってしまいそうだ。でも、満足した。私はこれからも励むよ……いつか、あの人に追いつけるように」

 

「『おばあちゃんが言っていた。人のまねをするのも悪くない……“本当の自分”を見つけるためには』……とは言ってたけど、君が天道を真似ているのはそう事じゃないんだよな?」

 

「ッ!」

 

 翔のその言葉に驚く。私は一言も前世の記憶があるのを仄めかすような言葉は発して……いたかもしれないな。翔はそれを見て、確信したように続けた。

 

「ネイティブとマスクドライダーシステムが存在する並行世界。天道さんを尊敬してやまない君の在り方と“10年以上”、“あの人の居ない世界”、そして何より、“物語”という言葉……。天道、もしかして君は……」

 

「ううううう……ああもうッ!」

 

 

 私の秘密が翔によって暴かれようとしたその時、こちらの私が感情を爆発させた。

 

 

「さっきからそっちのわたしとばっかり楽しそうに……。もうっ!翔くんなんか知らないッ!」

 

 

 そう言い捨て、レクリエーションルームを飛び出していった。

 

 

「響ッ!」

 

 

 翔も追いかけるように部屋を飛び出す。それを見て翼は呆れ、クリスと純は苦笑いしていた。

 

 

「翔のやつ……。立花の目の前で他の女子とイチャつくなど……。いや待て、そう言えばこちらも立花だったな。……この場合、どうなるのだ?」

 

「いや、あたしに聞かれても困るんだけどな。そんな事、答えられるやつなんているのか?」

 

「当人達次第……なんじゃないかな?」

 

 

 三人からの視線を感じたので、思った事を返す。

 

 

「あの人が言っていた。絆とは決して断ち切る事の出来ない深いつながり。例え離れていても心と心が繋がっている……」

 

「えっと……つまり、どういう事だ?」

 

「喧嘩してもまた仲直り出来る、って事じゃないかな?」

 

「確かに、翔と立花のつながりは深い。この程度で引き裂かれるほどの関係では無いはずだ」

 

「皆大変!響と翔くんが……って、ええっ!?ひっ、響!?」

 

 

 そこへ、こちらの世界の未来が慌てて駆け込んできた。

 

 

「ん……こちらの世界の未来か」

 

「あ~……また説明すんのか……。ジュンくん、頼むわ」

 

「わかった。小日向さん、実はこの立花さんはね──」




え、天道語録は普通に使ってるだろ、お前。って?
……ほ、ほら、あれはおばあちゃんの言葉だから(震え声)


次回、響き翔く天の道は──デッデデデッ

未来「そう言えば、あの二人が喧嘩するところって見たこと無かった気がするなぁ……」
天道響「心配なのか?彼女の事が」
翔「俺は響を守る為に、この力を手に入れたんだ……」
響「なんでわたし、あんな事言っちゃったんだろ……」
藤尭「響ちゃんの隣にいるのは……翔くん!?」
友里「いえ、ネイティブですッ!」
翔「響から離れろッ!!」

次回『乙女の嫉妬と迫る魔の手』(※サブタイは変わる可能性があります)
天の道を往き、総てを司る!
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