天の道を往き、総てを司る撃槍   作:通りすがりの錬金術師

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ここで息抜きに投稿。テストも近いし、ネフシュタン会合以降のネタがないしで、この次はしばらく更新出来ないかも。

まさかのこの小説に6個の評価と120超えのお気に入り……ありがとうございます!

なお、前回登場したオリ妹のひよりちゃんですが、一期での登場予定は(今のところ)ありません。


再会、片翼と天の道を往く女

 今日も昼までの授業が終わって、いつもの三人と一緒に食堂へ行く。ちなみに響は4時間目が終わると直ぐに食堂へと行った。仕事の為だ。

 響が食堂を担当するようになって、食堂は毎日大盛況。お陰でかなり広い食堂でも入りきれない人が出てきてる。親衛隊の人たちが私たちの為に席を確保(どうやってるのかはわからないけど)してくてるお陰で座れるのはありがたいけど、苦情は出てないのかな?

 もうすぐ食堂ってところで、後ろから急に肩を叩かれ声をかけられた。

 

 

「よっ!ちょっといいかい?」

 

「え、か、奏さん!?それに翼さんまで……」

 

「あのツヴァイウィングが私たちの目の前に……」

 

「まさかの出会いですわね……」

 

 

 私の肩を叩いたのは奏さんだった。翼さんもついてきている。

 

 

「ていうか、ヒナ。ツヴァイウィングと知り合いなの!?」

 

「そ、それは……」

 

「ああ、あたしと翼は昼から仕事でさ。その前に食堂で何か食べていこうかってなって。で、来たらこの行列だから何かあったのかって聞きたくて適当に声かけたのさ。翼は何も知らないって言ってるし」

 

 

 どう話したらいいかわからなかった私を奏さんがフォローしてくれた。

 

 

「え、卒業してる奏さんはともかく翼さん、知らないんですか!?」

 

「……ええ。良かったら教えてもらえるかしら?」

 

「それじゃあ、ついてきてくださいよ!いいよね、未来?」

 

「うーん、たぶんいけると思うけど……。ちょっと話してくるね」

 

 

 私は列の横を通って待っているだろう親衛隊の人の下に行く。

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、思っきり列の横を通って行ったけど、あれいいのか?」

 

「本来はダメなんでしょうけど、小日向さんだからって感じの暗黙の了解みたいになってますね」

 

「まあ、ヒナだしね」

 

「てか、私たち、ツヴァイウィングと話してるよ……同じ学校とは言え、生アイドルと話せるなんてアニメ!?ここアニメの世界なの!?」

 

「……彼女、ずいぶん変わっ……個性的ね」

 

「アハハ……そこは素直に変わってるでいいと思いますよ?」

 

 

 

 

「あ、お待ちしておりました!小日向さん!」

 

「あ、長野先輩。どうも」

 

「ところで今日はお一人ですか?」

 

「その事で実は……」

 

 

 

 

 

「お待たせ。全員分の席確保出来たよ」

 

「ん?もしかしてあたしたちのも取ってくれたのか?」

 

「はい、頼んだら直ぐに確保してくれました」

 

 

 こっちです。と二人を案内する。入り口にはさっきの長野先輩が待っていた。私たちを見つけると、さっとこちらに来て

 

 

「席に案内します」

 

 

 それだけ言うと先頭に立ち、歩き始める。私たちはその案内に従って移動する。

 

 

「……彼女、確か同じクラスの長野さんね。ここで一体何を?」

 

「……聞かない方がいいですよ。すごい長話になると思うので」

 

「?」

 

 

 混雑してる食堂。その中に空いてるのに誰も座らない席があった。そこが私たちの席だ。

 

 

「では、私はこれで」

 

「ありがとうございます」

 

「で、そろそろ聞かせてくれよ。食堂がこんなに混雑してる理由を」

 

「まあ、言っちゃなんですけど。大半がビッキー目当てですね」

 

「ビッキー?」

 

「私の親友の響。立花 響の事です」

 

「あそこにいますよ」

 

 

 弓美ちゃんが指差したのは厨房。ここから中は普通に見える構造だから料理している響も見える。カウンターから少し離れた所には食事が出来るのを待ちつつも響を見ている人たちが多数いる。

 

 

「……なあ、あたしの気のせいなら申し訳ないんだが。あの子って、学生だよな?」

 

「なぜ厨房にいるの?」

 

「響がここの料理長やってるからですね」

 

「は?」

 

「へ?」

 

 

 やっぱり驚くとは思っていた。うん、常識的に考えてもありえないよね。

 

 

「いやいや、さすがに冗談だろ?………マジ?」

 

 

 奏さんがそれはないとばかりに聞いてくるが、私たちは無言で貫いた。それで察したのか、奏さんの顔が引き攣った。

 

 

「と、とにかくお昼にしましょう!お二人もお仕事があるんですよね?」

 

「え、ええ、そうしましょう。ほら、奏」

 

「あ、ああ」

 

 

 なんとか、話題をそらして食券を買う。今日は久々に響の麻婆豆腐を食べたくなったからSランチを頼んだ。翼さんは、野菜たっぷり味噌汁、焼き魚、ご飯とバランスの取れたAランチで、奏さんは私と同じSランチ。弓美ちゃんたち三人は日替わり定食を頼んだ。

 

 

「おお!なんだ、これ!?物凄い旨いじゃん!」

 

「奏、はしたないよ」

 

 

 ガツガツ食べる奏さんを翼さんがそっと嗜める。

 

 

「そう言ってもらえると料理人冥利に尽きるな」

 

「あ、響。お疲れ様」

 

 

 そこに、並んでる生徒が減ったので自分のお昼を作って持ってきた響が席についた。ちなみに響も私と同じものを食べるみたい。というか、響は料理長だけどまだ学生でしょ?

 

 

「これ、味も美味しいし、栄養バランスもいい。学生でこんなのを作れるなんて、貴女一体何者なの?」

 

 

 あっ……。この先の響の言葉が予想できた。弓美ちゃんたちも気付いたみたい。少し笑っている。

 

 

「あの人が言っていた……」

 

 

 右手を天に突き出し、いつも通りの響の自己紹介が始まる。いきなりの言葉に奏さんと翼は目を丸くしている。

 

 

「私は天の道を往き総てを司る女、立花 響だ」

 

「お、おう……これまた個性的な。

ところで響はなんでリディアンに来たんだ?この腕なら料理店開いても問題ないどころかたちまち人気店になると思うんだけどよ」

 

「未来に誘われた。それ以外に理由はない」

 

「へー……なるほどね」

 

 

 もう、そんなこと言って……確かにそれは事実だけど、それだけじゃないでしょ。私は知ってるんだよ?響が二年前からツヴァイウィングのファンやってること。そして、たまに聴いてる音楽は全てツヴァイウィングの曲だってことも。

 

 

「ごちそうさまでした」

 

「じゃあ、あたしらはこれで。また食べに来るよ」

 

「ああ、平日ならいつでも……とはいかないが、待っている」

 

 

 ツヴァイウィングのお二人は食べ終わると仕事に行ったので、私たち五人もさっと食べ終え教室に戻る。

 ちなみに片付けは調理師さんたちがしてくれているらしく、昼からの授業に響が遅刻することはない。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「はいはーい、おっ待たせしました~♪」

 

「うむ。では早速だが了子くん、わかったことを教えてくれ」

 

 

 放課後、私の携帯に弦十郎さんから電話があって(電話番号伝えてないのに)二課の本部にお邪魔していた。そこで昨日回収されたシンフォギアの解析結果を教えてくれるらしい。翼さんと奏さんも短時間の仕事だったみたいで合流している。

 

 

「まずわかったことは、これに使われてる聖遺物が神獣鏡(シェンショウジン)だってこと。まあ、これは昨日の時点でもわかってたことね。で、その性能なんだけど……」

 

 

 ここで了子さんがいい淀む。みんなが疑問に思ってると、

 

 

「ぶっちゃけて言えば、最弱ね」

 

「最弱?それって文字通りってことか?」

 

「ええ。誰が作ったか知らないけど、ほんとに最低限の防御フィールドと攻撃性能しか持ってないわ。さらにこの性能に対して要求される適合係数が私の作ったギアより高いのよ」

 

「……つまり、小日向はそれだけの適合係数を持っていると?」

 

「んー、それが違うのよね。昨日、簡易検査させてもらったけど未来ちゃんの適合係数は奏ちゃんとほぼ同等……まあ、奏ちゃんのほうが少し高いくらいかしら?」

 

「待て、了子くん。それは矛盾していないか?」

 

「ええ、そこが私にも訳がわからなくて……linkerを使って上げてる訳でもないのに……未来ちゃん、もしかしてなんか薬品みたいなの持ってたりしない?」

 

 

 えっと……その話がほとんど理解出来ないんですけど……。

 

 

「それは流石に持ってないです」

 

「そうよね~。今の状況じゃ手詰まりよ」

 

 

 もっとデータが欲しいわ~。なんて了子さんは呟いている。

 

 

「では、未来くん。これは俺たち二課からのお願いだ。君の力を俺たちに貸してもらえないか?」

 

「……え?」

 

「ちょっと待てよ、弦十郎の旦那!あたしは反対だぞ!未来はただの一般人だろうが!」

 

「私も反対です。彼女が戦場に立つには些か厳しいかと」

 

「それは俺もわかっている」

 

「だったらなんで!」

 

「シンフォギアシステムは日本、それも二課だけが持ち得る異端技術だ。それを扱える彼女を放置してみろ。今時、どこから聞き付けたかわからん奴らに襲われ、連れ去られる可能性がないとは言えん。最悪、一生幽閉なんてことも考えられる」

 

 

 嘘……。ほんとにそんなことが……?

 

 

「まあ、あくまで可能性の話だし、俺たちがそうはさせないからな。別に断ってくれても構わない。だが、その場合エージェントによる監視兼護衛は付けさせてもらうが」

 

 

 もし、シンフォギアの力があったら響を守れる……って、ん?そういえば響も昨日戦ってた、よね?それで響に守られていたし。……うん、決めた。

 

 

「やります!手伝わせてください!」

 

「……本当にそれでいいのか」

 

「はい!私は親友を、響を守れるようになりたいです!もう、二年前みたいなのは嫌だから……」

 

「そうか……わかった。俺たち特異災害対策機動部二課は君を歓迎しよう。改めてようこそ!」

 

「はい、じゃあまずシンフォギアをお返しするわね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「そしてこれだ」

 

 

 弦十郎さんに渡されたのは……端末?

 

 

「それは二課の仲間の証であり、エレベーターシャフトの鍵であり、通信機でもある。それに限度額内ならば買い物だろうが公共交通機関だろうが使い放題の代物だ。無くさないようにな」

 

 

 ええっ!?……コレ、ゼッタイナクサナイデス。

 

 

「……そういえば。なあ旦那、了子さん。昨日の鎧の野郎の事は何かわかったのか?」

 

「それも全くね。シンフォギア以外にノイズと戦える存在なんて初めて見たもの。ただ、なんらかの聖遺物の反応が極僅かに検知されたから、それの力かもしれないわね」

 

「その聖遺物に検討は?」

 

「何かに阻害されているのか、辛うじて聖遺物だって判明した程度よ。鎧で一番に思い浮かぶのはネフシュタンの鎧だけど、まあ違うでしょうね」

 

「ふむ。……三人とも、もし次に出会ったら二課に来てくれないか交渉してくれ。あまり力わざは使いたくないからな」

 

「了解しました」

 

「ああ」

 

「はい!」

 

「よし、では今日はこれで解散とする!何かあれば連絡するのでゆっくりしてくれ!」

 

 

 そう言われたから、私は響の待ってる寮の部屋に戻ることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「うーむ………」

 

「どうしたんですか、司令。悩み事ですか?」

 

「ああ、さっきの話に出てきた鎧の人物の事なんだが」

 

「司令には心当たりが?」

 

「鎧ではなくて、あの動きをどこかで見た気がしてな……いったいどこだったか……」

 

「どうせ、弦十郎くんの趣味のアクション映画で見たやつじゃないの?」

 

「うむ……」




長野先輩
響御姉様親衛隊リディアン支部副支部長の肩書きを持つ、翼のクラスメイトのモブキャラ。この先の出演予定はない。

S(spacial)ランチ
響特製麻婆豆腐。ほどよい辛さと旨さが癖になるそう。500円。

Aランチ
和食セット。450円。

日替わり定食
味噌汁付き。この日は親子丼だった模様。400円。


393がシンフォギアを纏える理由?……『愛』ですよ!

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