え、4位?(8/6の夕方時点)……ゴシゴシ、見間違えじゃない!?
ありがとうございます。これを励みにこれからも頑張りたいと思います!
「広木防衛大臣が何者かにより殺害された」
ある日、緊急の呼び出しを受けて二課に急ぐと、弦十郎さんと
「はい、お静かに。私が受け取っていたので防衛大臣からの機密指令は奇跡的に無事でした。よって我々はなんとしてもこれを遂行させなければなりません」
防衛大臣さんが殺害された日、了子さんが会っていたみたいだけど、その帰りに襲撃されたそう。亡くなった防衛大臣さんには悪いけど、了子さんが無事で良かった。
「敵の狙いはこの指令のデータ、もしくは……」
「二課に保管されている完全聖遺物、サクリストDことデュランダルと見ているわ」
狙ってくる人と戦うことになるのかな……。例えばこの前のネフシュタンの子とか……。
「故 広木大臣からの指令はこのデュランダルを永田町にある特別電算室、通称『記憶の遺跡』へと移送すること。シンフォギア装者である奏ちゃんと未来ちゃんは護衛としてデュランダルを運ぶ車に同乗してもらうわ」
「はい!」
「了解だ」
私が護衛……責任は重大だね。
「それじゃあ詳しい作戦内容を説明していくわ。まずは―――――」
――――――――――――――――――――――
「ふぅ……」
「未来ちゃん、お疲れ様。はい、温かいものどうぞ」
「あ、温かいものどうも」
会議が終わって休憩スペースに座っていると、オペレーターの友里さんがコーヒーを淹れて持ってきてくれた。飲まずにそのままじっとしていたら心配されたのか声をかけてくれた。
「……不安なの?でも、大丈夫よ。私たちも精一杯サポートするし、奏ちゃんもいるわ。それに敵が必ず来るってわけじゃないんだし、もう少し肩の力を抜いた方がいいわよ」
「……そう、ですね。ありがとうございます」
仕事が残ってるから、と友里さんは去っていった。うん、そうだ。私は一人じゃないんだ。何も敵を倒さないといけないってわけじゃない。デュランダルを守りきればいいだけの話なんだ!
そして数日後の朝。まだ空は暗いこの時間に私たちは集合していた。
「では、これより作戦行動を開始する!」
「『天下の大通り独り占め作戦』、始まりよぉ~」
私たちはこれからデュランダルを移送する作戦に移る。防衛大臣さんを殺害した容疑者確保の為の検問で人通りの少なくなった道を車で一気に駆け抜ける、っていう作戦らしい。了子さん、奏さんと一緒にケースに入ったデュランダルを持って車に乗り込んだ。早く終わらせて響のご飯を食べるんだ!
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「緒川。手紙は届けてくれたか」
『はい、もちろん』
ヘリに乗り込み、未来くんたちが乗ってる車を空から追いかけるヘリの中で俺は、別行動をしている緒川と連絡をとっていた。
「別任務を任せているのにすまないな」
『気にしないでください。断りの手紙を届けるくらい、なんの手間にもなりませんので』
緒川に届けてもらった手紙の宛先は毎朝手合わせをしている響くんだ。今回の作戦の指揮を執る以上、朝の手合わせは出来そうにないからな。断りの連絡をさせてもらった。
だが、それは建前の話だ。皆には黙っていたが、毎朝手合わせしていた俺にはわかった。あの鎧の戦士の正体は響くんだとな。翼が倒れたあの日、実際に相対して感じたあの雰囲気は紛うことなく響くんのものだと。
それに八紘兄貴が風鳴の屋敷で見つけて、送ってきた資料を見るに、誰からも隠した方がいいだろう。『ネイティブ』と呼ばれる存在に対抗できる装備『マスクドライダーシステム』の使い手に選ばれたであろう響くんの事は。
その為手紙には追伸として、人前でなるべく正体を明かさないようにと書いておいた。あの立ち回りを見るに要らん心配だとは思うがな。
さて、どうやら敵さんも動き出したようだ。俺も指揮に専念させてもらうとするか!
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一方、弦十郎からの手紙を受け取った響。内容を読んで、弦十郎には敵わないと思った。確かにずっと隠しきれるとは思っていなかった響だったが、こんなに早くバレるとはと内心驚いていた。だが、それでも響のやることは変わらない。
「あの人が言っていた……。世界は自分を中心に回っている。そう思った方が楽しいと。故に私は、私の道を往くだけだ」
そして響は視界に入ったカブトゼクターを追いかける為、走り出した。これまでの経験から現れるのは自分が呼んだときと、自分を必要としているときのどちらかだと判断したからだ。
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「ハァッ!」
「それッ!」
工場地帯の近くで私たちの乗ってる車がノイズに襲われた。了子さんの狂暴すぎるドラテクのお陰でなんとか乗り切ったけど、通信越しの弦十郎さんに言われて逃げ込んだ先でノイズに囲まれてしまった。私と奏さんはギアを纏って、了子さんとデュランダルを守りながらノイズを倒していく。
「いくら数が多くてもノイズ相手なら!」
「あたしらの敵じゃねぇ!」
「二人とも流石ね」
「へへっ!だろ?」
了子さんに誉められて奏さんが自慢気に答える。だけどノイズは倒しても倒しても何処からか新しく出てきて尽きる気配がない。それにノイズ以外の敵が出てこないのも気になる。操られたノイズがいるってことはこの前ノイズを操っていたあの女の子もいると思うんだけど……。
「キャアァッ!?」
「了子さん!?」
そうしてると、辺りの工場がいきなり大爆発して、同時に了子さんの悲鳴が聞こえてこっちまで転がってきた。一体何が!?
『これは貰っていく……』
「ッ!させるか!!」
そこに立っていたのは三体の蜘蛛のような怪人。そのうちの白と黒の体色をした怪人の手にはデュランダルを入れたケースが。
奏さんが取り返そうと周りのノイズを吹き飛ばしてから突っ込んでいく。でも他二体、青と赤の体色をしたのと黒と黄の体色をした怪人が糸を飛ばして奏さんの動きを止めた後、二体の息のあった同時攻撃で奏さんを吹き飛ばした。
『二人とも聞こえるか!何が起きている!』
「弦十郎さん!蜘蛛みたいな怪人が、デュランダルを!」
『なんだとぉ!?』
弦十郎さんの驚きの声を聞きながら考える。ノイズから了子さんを守りながら、奏さんと二人で三体の怪人からデュランダルを取り返さないといけない。それはさすがに厳しいから、まずはノイズを先に倒して了子さんの安全を確保しないと!お願い、力を貸して!シェンショウジン!
その意思に反応してくれたのか、シェンショウジンから発せられるビームの威力がぐんっと上がった。さらに小さな鏡みたいな、ビームを放てる子機のようなものも二つ出せるようになった。それのお陰でノイズを倒すスピードが上がって、なんとか倒しきれた。途中から何故かノイズのおかわりが来なくなったのも理由の一つだと思うけど。
「了子さんはここを離れてください」
「そうね、そうさせてもらうわ」
了子さんを少し離れた所まで連れて行ってから、急いで奏さんの所に戻る。無事でいて、と願う私だったけど……。
「く……そ……」
「奏さん!」
目に飛び込んで来たのは、二体の蜘蛛にやられてボロボロになって膝をついていた奏さんだった。槍を支えになんとか立っている。
「離れて!」
奏さんを助け出さないと。そう思ってビームを撃つけど、二体は一瞬でその場から消えて避けられた。この現象に見覚えのあった私は周囲を見渡す。
なんとなくだけど、移動の軌道が見える。たまに姿も。たぶんだけど、これは響のと同じ?でも、見えてても私には何も出来ない。目は追い付いても体が速さに追い付かないから。せめてもの抵抗に新しく使えるようになった
この時の私は忘れていた。私のシェンショウジンは最弱のギアだと言うことを。それはつまり防御も奏さんに比べて薄いということで。
二体の蜘蛛は私の後ろと左から同時に来た。その攻撃が私の体に突き刺さり、激しい痛みと共に変な音が体から鳴った。
「あ、あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!????」
とても耐えられない激しい痛みに倒れ、絶叫しながら地面を転がる。ミラービットに出していた命令も不発に終わってしまった。
二体の蜘蛛は私を獲物に定めたみたいで、痛みでまともに体を動かせない私の方に歩みを進めてくる。奏さんはなんとかしようとするけど、奏さんも体が動かせないみたい。私、ここで死んじゃうんだ。………嫌だよ、助けて。ひびきぃぃぃぃ!!!
『グギャッ!?』
次の瞬間、二体が何かに襲われたのか吹き飛んでいった。そして私の前に立つ赤い人影。
「あの人が言っていた。絆とは決して断ち切る事の出来ない繋がり。例え離れていても心と心が繋がっている。友人が私に助けを求めた、ならば私はそれに答えるだけだ」
ほんとに来てくれたんだ、響。安心したのか、私の意識はそこで途切れた。
――――――――――――――――――――――
「クロックアップ」
【CLOCK UP】
蜘蛛の怪人――アラクネアワーム(ネイティブ)――たち。彼らにも目的はある。デュランダルと呼ばれる物を
彼らは即座にその場からの撤退を決める。クロックアップを用いるも『カブト』も同じくクロックアップで追ってくる。そこで、デュランダルの入った
この二体の連携は奏と未来がやられたことからかなりの脅威である。それはこちらがクロックアップを使えても変わらない。同種故の息のあったコンビネーション。それは確かに『カブト』を追い詰めるかのようにも見えた。だが、彼らでは『カブト』には勝てない、勝つことが出来ない。それは何故か。その答えはただ一つ。『カブト』……響の怒りに触れたからだ。
ルボアの放った糸はカブトクナイガンに引き裂かれ、そのまま近づいてきた『カブト』の【アバランチブレイク】を受けルボアは爆散。仲間をやられたフラバスは敵をとろうと背後から突撃してくる。
【ONE・TWO・THREE】
「ライダー……キック」
【RIDER KICK】
だが、振り向き様に放たれた
【CLOCK OVER】
ここでクロックアップが終わり、響は通常の時間に戻ってくる。どうやら一体には逃げられたようだ。
未来たちの方を見ると、二課の黒服たちが来てネイティブにやられた二人を運んでいった。それを見た響は再びクロックアップして帰っていった。
――――――――――――――――――――――
「フフフ……デュランダルの覚醒。本来はソロモンの杖と同じようにクリスにやらせるつもりだったが……」
フィーネの前に置かれた装置の中。そこには完全状態へと復元され、起動したデュランダルが安置されていた。当然、二課のシステムに反応を探知されないように細工はしてある。
「あの二人の歌で起動するとはな……。いや、消耗品である天羽 奏にはあまり期待出来んから、小日向 未来の歌の力か?面白い」
さて、とフィーネは立ち上り、同居しているクリスにも告げていない秘密の部屋へと入っていく。その部屋の机に置かれていたのは
「あいつらも予想以上に仕事が早かった。では、このシステムの解析をさせてもらおうか」
アラクネアワーム(ネイティブ)
カブト本編に出てきたアラクネアワームと同等。ジオウのカブト編でワームの幼体からネイティブにしかいなかったグラリスワームが羽化したことから、成虫態はワームもネイティブも同じではないのか説を適用しました。
この作品におけるネイティブ
その存在は先史文明期より確認されていたと言われている。話の通じる一部ネイティブ曰く、彼らは現在二分化しているという。人類との共存を願う穏健派と人類を支配すべく動く過激派に。最初の目的は両派閥とも人類との共存だったが、性に合わないと感じたネイティブが離反。過激派を作り上げた。
増え続ける過激派に、人類が危険だと判断した穏健派は、協力関係にある人類の技術者に自分たちの技術を提供。マスクドライダーシステムを作り上げた。
マスクドライダーシステム
ネイティブの技術提供を受け完成した、対ネイティブ用装備。………なのだが、この世界に蔓延る脅威は過激派ネイティブのみならずノイズも存在する。それに対抗するシステムも組み込んだ為、処理能力の関係上カブト本編の物よりは攻撃性能が落ちている。(原子崩壊系機能がオミットされている)
対ノイズ機能は、ゼクターに聖遺物を融合させる事で、聖遺物由来のエネルギーによる炭化を防ぐバリアフィールドを鎧に展開、さらに位相差障壁をクロックアップに用いられるタキオン粒子のエネルギーで無理矢理粉砕する、というもの。
しかし、作成時にはその聖遺物を誰も所持しておらず、結果この機能が資料に記載されることはなかった。
ゼクターの資格者も見つからなかった為、ゼクターは地球の何処かに起動しないまま眠っているのが大半である。