力とはなんなのだろうか?
圧倒的な武力のことか?
揺るぎない権力のことか?
人を惹きつけるカリスマか?
色々あってそれは違うのかもしれない。
そしてその曖昧な論争はある出来事を機に一つの結論にたどり着いた。
それは"個性"だ。
超常黎明期という人間に特異能力が発現し、混沌を極めた時代。
そしてヒーローという職業が生まれたのを機に"個性"による優劣は更に加速した。
"個性"が全てとなりいくら地力を鍛えようも最終的には個性が優れた者が勝つとまで言われてきた。
まあいくら"個性"が凄かろうともそれを伸ばさないのは愚かとしかいえないが……
とにかく"個性"によって全てが決まる世界。
そんな世界に今僕はいる。
僕が誰かって?
僕は
ひょいなことからこのヒロアカの世界に転生しちまった。
神様によって与えられた特典もさっぱりわからない。
僕はヒロアカをあまり知らない。一巻までしか読んだことがないからだ。知っているのは緑谷出久が主人公で幼馴染が爆豪で出久はオールマイトから個性を貰っていることぐらいだ。だからこそ原作知識は消されなかったのかもしれない。
この物間寧人という人物はおそらくモブキャラだろう。
だって全く知らないだもん……それかストーリーにすら出てきてないんじゃないか?
だが僕の個性はある意味チートそのものだ。
個性は"コピー"。他者に触れるとその人物の個性をコピーして使えるというものだ。
だけど使用時間は僅か五分。短いったらありゃしない。それに使用時間が過ぎると再びコピーし直さなければならないという欠点もある。
僕はこの弱個性をなんとか出来ないかと試行錯誤していると
"もし永遠にコピーし続ければ弱点を克服出来るんじゃないか?"と俺は思った。
よし……修行したろ……
と思って5歳から個性を鍛え続けた結果、僕は個性を"ストック"する術を身につけた。
簡単な話。ゲームでいうところのセーブ機能だ。これでコピーした個性を永遠に使い続けることができる。
あとは触れなくてもその人物の個性を見るだけでコピーする方法も得た。
"アナライズ"という個性を使ってその人物の個性因子を把握することで触れずともコピーできるのだ。
これで相手に接触を求める必要もなくなった。
改めて思ったけどやっぱコイツって極めればチートじゃね?
そして全国のヒーロー志望が集まる雄英高校の入試当日、僕は透明化を使って多古場海浜公園に来ていた。
あの緑谷出久がオールマイトから個性を渡される瞬間だ。
僕はワンフォーオールをコピーしたがそのままじゃダメなことは知っている。
ワンフォーオールは力が蓄積されたもの。僕の個性は蓄積まではコピー出来ない。だから分身の個性で何人もの分身を作り増強系の個性を使って極まれし者の体に無理矢理してそれをパスし続けてワンフォーオールを完成させた。
さあいよいよ雄英入試の時だ。
僕は黒いモヤの空間系個性……名前は決めてなかったな……"ブラックゲート"を使って雄英までワープした。
一応神様転生ということになっております。
与えられた特典は鍛えればコピー時間が無限になるという特典です。