個性把握テストが終わった翌日、午前は通常授業だった。
正直、IQの個性を持っている僕にとっては拍子抜けのようなものだった。
そして昼食の時間は食堂でランチラッシュ先生の食事を一佳や麗日と食っている。
「ヒーロー基礎学……ハグハグ……どんなものなんだろうねえ?」
「まあヒーローの規則や心構えなどなんじゃないかな?」
「しっかしあのオールマイトが教師ってのドキドキするな!」
一佳はオールマイトの授業が楽しみなようだ。
まあ僕も嫌いではない。だけど僕って明確なヒーローのイメージが個性上ないんだよね。
とそこに
「おいスカし野郎」
「爆豪くん……」
「隣……いいか?」
「あ?うんいいよ」
正直に言うと爆豪くんから食事を一緒にするなんて驚きだ。はっきり言うとそんなやつではないんじゃないかと思ってたからだ。
そして爆豪くんが隣に座ると
「おいスカし野郎……」
「なんだい?」
「テメェはどこまで個性をコピーできるんだ?」
「そうだね……僕が把握しているだけでも100はあるね。まあ個性の力などや練度は僕の体力や力量次第だけどね」
「そうか……」
「なんで聞いてきたんだい?」
「癪だが今の俺はテメェより下だ。テメェを潰すために情報は必要なんだよ」
「そうか……まあ頑張ってね」
こうして昼休みも終わって午後のヒーロー基礎学の時を待つ。ちなみにA組と合同訓練らしい。
「ワーターシーが!普通にドアからやって来た!」
『オールマイトだあああ!!!』
B組全体に絶叫が響き渡る。
「早速だが今日はコレ!戦闘訓練!」
「戦闘……」
「訓練…!」
そして皆のコスチュームが用意されると
「格好から入るのも大事だぜ!少年少女!自覚するのだ!今日から自分は……ヒーローなんだと!さあ始めようか!有精卵ども!」
僕のコスチュームは……特に言うことはないな。コピーだから奇をてらう必要はないのさ。
そして僕が一番乗りでグラウンドβに着いた。
そして後ろを見るとチャイナ風のコスチュームを着た一佳が来ていた。
「ど、どうかな……?似合っているかな……?」
その問いに対して僕は満面の笑みで
「ああ!似合っているよ!正しく格闘美女みたいだ」
「そ!そう……(び、美女って……!!!)」
「物間くーん!」
向こうから麗日がやって来たがその姿に僕は絶句した。
「おおお〜!!!物間くんカッコいい!!!拳藤さんも!私ちゃんと要望書けばよかったよ……パツパツスーツって恥ずかしい///」
そう言う麗日は宇宙飛行士をイメージしたのかピンクと黒のSFチックなコスチュームだった。しかし体の線が出るように布地がピッチピチになっている。
拳藤も同情の視線を向けている。うん。わかるよ
「ヒーロー科最高」
この葡萄……コイツこんなキャラだったんだ。いるよね……漫画の中に一人はエロキャラってやつが。
「うんうん!皆似合っているじゃないか!さあ始めようか!有精卵ども!戦闘訓練のお時間だ!」
オールマイト先生が屋内での対人戦闘訓練の重要性による理由を説明する。そのあとに
「勝敗のシステムはどうなるのですか?」
「ぶっ飛ばしもいいんすか……?」
「また相澤先生みたいな除籍とかない?」
「別れ方はどのように決まるのでしょうか!?」
「このマントヤバくない?」
「なんだっていい……!早くやらせろ……!」
と皆が皆オールマイトに質問するもんだから一向に話が進まない。
はぁ……仕方ない
グワッ!!!
僕が威圧すると皆その覇気に押されて言葉が出なくなった。
そして目で訴えた。"喋るな"と
よしよし。これで事が
「ちょぉと物間ああぁ!」
「ギャホフッ!?」
だが次の瞬間首筋に強めの手刀が当てられる。
「なんだい!拳藤!いきなり!」
「いきなり!じゃない!なんだって説明中に覇気を撒き散らすやつがいるか!?」
「皆がうるさかったからじゃないか!?」
「だとしてももうちょっと穏やかなやり方にしろよ!」
これが僕がのちに拳藤に何度も手刀を食らう羽目になる最初の瞬間だった。