暗い部屋の中で全身に手がついた男……死柄木弔は苛立っていた。
「クソが……あのガキ……次に出会ったらぶっ殺してやる……!」
なぜなら完璧なはずの自分の計画がものの見事に砕け散ったからだ。今回の件で雄英に警戒されればオールマイト抹殺という悲願も叶わなくなるからだ。
その様子をモニター越しで見ていた人物は
「やれやれ……危なかったね、弔」
「先生……なんなんだアイツは……!あんな奴がいるなんて聞いてないぞ!」
「ふむ……僕としても誤算だった……まさかあれほどの手練れがいるとは……しかも……見るからに複数の個性……まるで僕みたいだ。黒霧、あの子の情報は?」
「申し訳ありません……雄英の情報は一部しか手に入れることが出来ませんでした……」
「まあいいさ。それだけあれば充分だ。オールマイトさえ殺せればヒーロー社会は崩れる」
こうして悪意は再び動き出そうとしていた。
・・・・
雄英に侵入者が出た翌日も普通に授業はあった。
あの件でマスコミは世間から非難されるも雄英もセキリティの甘さについて叩かれた。
まあこればっかりは僕には見守るだけしかできない。
A組はUSJで救助訓練をしているらしい。
僕たちも午後はヒーロー基礎学の救助訓練だったらしいのだが昨日の件で予定が先延ばしになったそうだ。
教室で座学を聞いていると
「っ……!!!」
僕が嫌な気配を感じて突然立ち上がったのを見た鉄哲くんが
「どうしたあ?物間」
「物間くん、授業中は座っていなさいよ」
セメントス先生に注意されるも全く耳に入ってこなかった。
この感じは……!千里眼を飛ばしてUSJを見るとその気配の正体がわかってしまった。
「セメントス先生!至急職員室に連絡を!USJに敵襲来!」
「っ!!?それは本当ですか!!?」
「間違いありません!!!先日現れた敵に更に何十人もの敵が!!」
僕の言葉に皆は
「マジか!?」
「本当か!?物間!!!」
そしてセメントス先生は
「わかりました!物間くんは付いてきて来てください!!!皆は教室で待機!!」
『わかりました!』
僕は職員室の前にブラックゲートを開いてセメントス先生を誘導する。
セメントス先生の報告で職員室にいた教師陣は鬼気迫る顔となり己の準備をしていた。
「オールマイト先生は!?」
「それが今席を外されて……」
「くっ!仕方ない!物間くん!転移を!」
僕はブラックゲートを再び開いてUSJに教師陣を送り込むと最後に僕も飛び込んだ。
「物間くん!!?」
「麗日くん!大丈夫か!?」
いきなり現れた僕にA組の皆は驚き敵たちは教師陣の登場に冷や汗を流していた。
「ちっ!あのガキぃ……!また邪魔を……!」
そして教師陣たちが敵たちを圧倒していくと皆に希望が湧いて来た時
「グワアァァア!!」
『イレイザー!』
相澤先生が前に見た脳みそ剥き出しの敵に腕を折られていた。
すぐさま僕は光速化で脳みそ敵を蹴り飛ばして相澤先生を連れて教師陣の元へ戻った。
「相澤先生をよろしくお願いします……」
「待て物間、まさか……!」
「はい、僕はアイツを相手にします。その間に避難誘導を」
「ダメだ!お前に行かせられるか!お前らを守るのが俺たちの務めだ!」
「ですが……」
「ぐっ……仕方ない!無茶だけはするな!」
『ブラド先生!?』
そして敵の元へ向かうと
「やはり来ましたか……ですがこの脳無は先日のより強いですよ……貴方に倒せますかね……?」
「やってみせる。僕は誓った。全てを救うヒーローになってみせる。来い!霊槍ボルギヌス!」
僕の叫びに応えるように巨大な槍が現れた。
それは柄が銀色で刃は黄金に輝き、持ち手の木の部分は猛々しさを表すような槍だった。
「行け!脳無!奴を殺せ!」
脳無とやらが向かってくるが
「霊槍ボルギヌス第1形態!ボルギヌス!」
槍を操作して僕の前に持ってきて脳無の攻撃を防ぐ。
「第二形態!イフリート!」
形態と性質を変化させたボルギヌスは紅い岩を纏った巨人となった。
そして脳無を下顎から殴って頭を掴むと地面に叩きつける。
だご脳無は力づくで起き上がるとイフリートを下から殴りあげた。
「……第四形態
飛ばされたボルギヌスは空中で静止してその形を変えていく。そして巨大な弓となり脳無をその銀色の矢が貫いた。肩を貫かれた脳無は鮮血を撒き散らして苦しむ。そして脳無の動きがまるで石化するかのよう止まる。
「どうした……?脳無!動け!動け!」
「無駄だよ。末梢神経の動きを阻害する微毒を入れていたからね。もう動けないよ」
そして脳無がそのまま崩れ落ちる。
「巫山戯るな!脳無が!オールマイトをも殺せる脳無が!お前ごときにやられるわけないだろ!」
「もう終わりだ。大人しく投降したまえ。君に勝ち目はない」
とその時
「グワアァァア!!」
「なに!?」
後ろから教師陣の悲鳴か聞こえてきたので見てみると
「ほぅ……脳無を圧倒するか……流石だね……」
「おまえは……!?」
そこにいたのは尋常ならざるプレッシャーを放つ……魔王だった……
霊槍ボルギヌス
第1形態ボルギヌス
・基本形態。先端からレーザビームを放つことができる。
第二形態イフリート
・マグマの性質変化を組み合わせた形態。その強固な鎧は隕石ですら傷つけることができない。
第三形態???
第四形態スナイパー
巨大な弓の形態。あらゆる者の動きを封じる毒が先端に塗られている。