時雨「まぁ、僕達からの話の説明は終わったよ。次は君達の答えが聞きたい。」
翔達が朱雀会の本拠地を襲撃している頃、時雨達は鳳凰会にて虚島真と話をしていた。
真「なるほど、大体わかった。ハッキリ言ってだが俺はこの組織の一員から抜けようと思っていたところだ。そこに君らが来た。これは組織から抜けるチャンスだ。それにこの子達も解放できるからな。」
紫「では、こちら側に付いてくれると?」
真「そうしたいが、自分の目で小野塚翔を見て判断させてほしい。信用できる奴かを。」
時雨「それぐらいならいいんじゃないか?」
紫「そもそもあの子も貴方と話がしたいと思っているでしょうから。」
真「そうか。さてと、この話はここまでにしないか?」
時雨「別に構わないよ。僕も[みんな]と話がしたいからね。」
そう言い時雨は真の艦娘達を見る。
時雨「久しぶりだね。[扶桑]に[満潮]に[最上]に[朝雲]に[山雲]。こうして[西村艦隊]がもう一度集まる日が来るなんて思ってもいなかったよ。まぁ、泡吹いて気絶しているから聞こえていないと思うけど。」
山城「帰ってきたらこれは、、、。[扶桑お姉さま]達に何が、、、。」
翔鶴「ごめんなさい!!ごめんなさい!!私が入れたお茶を出してしまって!!」
山城「なるほど、貴女が出したお茶を飲んだですが、、、。はぁー、どうしてこうなった。」
翔鶴「吹雪ちゃんと真さんが飲めるんだから自分達も飲めって言って飲んだらこうなりました。」
真「なんで俺は無事なんだ?」
吹雪「二度目のあの世に逝かなくて良かったです。それにしてもなんで私は助かったんでしょうか?」
紫「、、、。多分アレね。苺カレーのせいね。」
吹雪「えっ、、、。なんであの暗黒物質が出てくるんですか?紫さん。」
山城「なんですか?それは。」
真「明らかに料理じゃない!」
時雨「苺カレー、、、。そんなもの誰も食べないのでは?」
紫「それならここに居るわよ。その暗黒物質を食べて何故か毒耐性を手に入れた艦娘がね。そうよね、吹雪ちゃん。」
吹雪「まさか、アレで毒耐性を手に入れるなんて、、、。」
真「味の感想は?」
吹雪「人類には早すぎた味です。」
時雨「そんな物がこの世に存在するんだね。」
山城「あれ?それとは別ですが、翔鶴も作りましたよね。スイレンとツキヨタケとデスソースを炒めた科学兵器を。」
翔鶴「それは、ニラと椎茸だと思ったんですよ!それに野生に生えているならただで晩御飯の材料が手に入ったと思ったんですよ!」
吹雪「じゃあ、デスソースは?」
翔鶴「普通の辛子かと。」
真「天然だ。で、今回は何を混入してあったんだこれは?」
翔鶴「確か、、、。王水?とか言う透明な調味料ですが、、、。」
真「王水、、、?誰がそんなものをキッチンに置いたんだ?」
吹雪「さぁ?一体誰が、、、。」
山城「さて、この話は終わりにしましょ。」
紫「そうね。じゃあ、また明日来るわよ。次は翔も連れてね。」
時雨「じゃ、さよなら。」
紫と時雨はスキマの中へと入っていた。
真「、、、。吹雪。お前の今の心境はどうなんだ?」
吹雪「そうですね。また翔さんと一緒に暮らせるなら願ったり叶ったりです。」
真「そうか。俺はお前達の思いを尊重する。山城も翔鶴も舞鶴に残したものがあんならこの話はおいしいんじゃないか?」
翔鶴「私は残した[瑞鶴]が心配です。そして、また一緒に暮らしたいです。」
山城「私も[西村艦隊]全員でまた暮らしたいです。」
真「そうか、、、。よし!決まりだな!アイツの事は心配しなくてもいいか。じゃあ、乗ろうか。このビックウェーブに!今日付けで組織との縁は切れた!」
真は背に背負っていたものが少し軽くなった気がした。
翔「はぁー、どうしたもんかねぇー。」
翔は今日の泊まるホテルの一室のベッドの上で呟く。
翔「明日は鳳凰会のところに行って話し合うにして、どんな顔して吹雪と接すればいいんだ?吹雪が死んだのは俺のせいだしな。」
コンコンッ。
川内「翔ー。いる?私だけど、、、。」
翔「ん?川内か?入っていいぞ。」
部屋の扉が開き川内が入ってくる。
翔「どうしたんだ?とりあえずそこの椅子に座れよ。」
川内「わかった。少し翔と話がしたくてね。」
翔「話?なんだ?」
川内「翔はさぁ、絶対に私達の目の前からいなくならないよね?」
翔「えっ、、、?」
突然の質問に戸惑い翔は川内の顔を見る。その瞳には少し涙が浮かんでいた。
川内「私さぁ、目の前で三回も仲間を失ったんだ。一度目と二度目は海で、三度目は執務室で、、、。だからさぁ、私。翔も同じで失うんじゃないかって、、、。そう思うとさ、今のうちに色んな事を話しておこうと思ったんだ。」
翔「そうか。じゃあ、ここでハッキリさせておこうか。俺はこの命朽ち果てるまでお前の前から、いや、お前達の前からいなくならない。辛いことがあったら俺がそばにいてやるし何か困ってることがあるなら俺がいくらでも相談にのってやる。だから、悲しそうに涙を流すな。涙を流す位なら笑えよ。今までの最悪な日々を吹き飛ばす位明るく笑えよ。俺からはこれぐらいしか言えねぇよ。だから、その背に背負った物を軽くしろよ。」
川内「、、、。翔!!」
いきなり川内は翔に抱きついた。満面の笑みを浮かべ涙を流しながら、、、。
朝潮「あのー、みなさん翔さんの部屋隣の紫さん達の部屋で何をしているんですか?」
リムル「そりゃ、何かって聞かれたらなぁー。」
ビトレイ「一つしかねぇよな。」
エリナ「そうよね。」
響「じゃあ、みんなで答え合わせといこうか。せーの!」
一同「盗み聞きだ(っぽい)!」
曙「くっだらな!!」
咲夜「ちなみに提案したのは紫よ。」
紫「イェーーイv(・ε・v)」
曙「うざいわね。」
紫「あっ、そうだ。私、少し散歩をしてくるわ。」
白露「今からか?」
紫「えぇ、そうよ。それじゃあね。」
チルノ「、、、。」
天龍「それにしても、川内の奴。色々と溜め込んでたんだな。」
時雨「そうだね。」
秋雲「私は部屋でずっと籠ってたからよく分からなかったけど、何か相談とか乗ってあげられるかな?」
不知火「秋雲はダメでしょ。何か問題起こしそうですし。」
涼風「異議なし。」
青葉「翔さんだけには任せられませんね!」
霧島「私達も出来るだけサポートですね!」
美鈴「そう言えば、天龍さんは溜め込んでたりしないのですか?」
天龍「オレは大丈夫だ。もう、色々と吹っ切れてるし。」
鈴仙「すごく前向きね。」
妖夢「これくらい前向きなのが丁度いいですね。」
フラン「で、駆逐艦のみなさんとこいしさんは何故枕を持っているんですか?」
夕立「そんなの決まってるっぽい!」
こいし「そうだよね!」
駆逐艦ズ&こいし「翔『さん』(お兄ちゃん)と一緒に寝るためだ(っぽい)!」
フラン「!!チルノさん!今すぐ皆さんの捕獲をしてください!!って、あれ?チルノさんは?」
キリト「さっきまでいたはずだけど?」
ビトレイ「、、、。なぁ、美鈴。ひとつ聞くが、お前らの幻想郷のチルノはなんで[大人しくて頭が良いんだ?]」
美鈴「へぇ?どういう事ですか?」
ビトレイ「俺が知ってるチルノってのはバカキャラで通ってんだよ。それも幻想郷一の⑨だってな。それなのにこの世界のチルノはおかしいんだよ。」
美鈴「そうなんですか?」
妖夢「、、、。もしかすると、あの事のせいかもしれません。」
ビトレイ「あの事?」
妖夢「、、、。響ちゃん、青葉さん、霧島さん。あの時の話をしていいでしょうか?」
青葉「青葉からなんとも、、、。」
霧島「私からもあまり言えません。」
響「、、、。いいんじゃないか?この事はいずれ話さなければならないからね。ただし、話を話すのはロリコンがしてくれ。」
妖夢「はぁー、この際ロリコンでもどうでもいいですよね。7年前、吹雪ちゃんが死んだ日。本当なら吹雪ちゃんは死ななかったんです。」
リムル「死ななかった?」
妖夢「はい、吹雪ちゃんがどこで死んだか。それは妖怪の山なんです。」
ビトレイ「妖怪の山か。天狗や白狼天狗に殺られたか?」
妖夢「いいえ、その時は翔さんも一緒だったんです。」
咲夜「そもそも、なんで妖怪の山なんかに?」
妖夢「その日、[大ちゃん]から翔さん達に妖怪の山に行ったチルノが何時間たっても帰って来ないから探してきてほしいって。もし、この日チルノが早く帰ってきていれば、いや、妖怪の山なんかにチルノが行かなければ吹雪ちゃんは死ななかった。そして、チルノ捜索から時間がたち、夕方から始まった捜索は夜へとなった。そこでチルノは見てしまったんです。息をしていなかった吹雪ちゃんと黒い怪物に姿を変えた翔さんが何者かと戦っているのを。」
エリナ「それで、あの時あんな反応をしていたのね。その時点で彼の正体の一部を知って。」
妖夢「その後、翔さんと何者かはその場から姿を消しました。」
秋雲「それであの日私達は助けられたんだね。」
不知火「なんだか複雑な気持ちです。」
妖夢「翔さんがいなくなった後、チルノは吹雪ちゃんに駆け寄って心肺蘇生を行ったそうです。でも、、、。」
鈴仙「息を吹き返さなかった。」
妖夢「そうです。私達も駆けつけた頃には泣きながら何度[ごめんなさい、ごめんなさい!!]と言いながら心肺蘇生をしているチルノが居ました。そして、翔さんも帰って来ました。涙を流しながら。」
涼風「兄貴が泣いてるところなか想像出来ねぇ。」
妖夢「翔さんはチルノに[お前のせいじゃない。俺が吹雪を守れなかったのが悪いんだ。だから、お前はなんも悪くない。]と、チルノを慰めました。しかし、チルノは[あたいが山なんかに行かなきゃこんなことにならなかったんだ。だから、死んで詫びるよ。もう、二度と復活もしないように死ぬよ。]って、私は、いや、私達は驚きたと同時に吹雪ちゃんを殺した犯人に更なる怒りを覚えましたよ。吹雪ちゃんを殺して更には、手を掛けてないとしても、チルノを精神的に殺した事に。」
キリト「話を聞いてるだけで怒りが沸き上がるな。」
リムル「俺もその犯人を殺したい殺意に動かされそうだ。」
妖夢「精神的に死んでしまったチルノは何度も死のうとしました。でも、それをみんなで止めました。何度も何度も、チルノが死のうとする度に、、、。ですが、ある日から今のチルノなったんです。それも、理由も分からず。」
ビトレイ「気まぐれな妖精達にはよくある話だが、そのチルノの話を聞いてると違うみたいだな。」
妖夢「チルノ自身もその事については話してくれませんし。これぐらいですね。」
天龍「なんか、オレ達が背負ってる重みなんて軽く感じるよな、その話聞くと。」
曙「そうよね。」
フラン「チルノさんにそんな過去があったなんて、、、。」
こいし「フランちゃんには話してなかったしね。」
夕立「ガルルル、、、!!」
時雨「犯人に対して夕立がかなり怒っているね。」
白露「はぁー、心ってのは脆いよな。」
朝潮「そうですね。心なんてガラス細工ですから。」
白露「確かにガラス細工って例えが多いよな。でも、俺は心は紅茶の茶葉みたいなもんだと思う。」
涼風「なんでなんだ?姉貴。」
白露「茶葉ってのは風が少し吹くだけで飛んでっちまう。それぐれぇ脆くい。そして、軽い。心は軽いんだ。だから、気付かない。己の重大な過ちを。そして、気付いた時には手遅れ。これが心だ。」
フラン「軽くて脆い紅茶の葉のような心ですか。」
白露「だけど、チルノや翔は脆いが軽くはねぇ、何故なら己の過ちを乗り越えたんだからな。」
白露は部屋の窓から空浮かぶ月を見上げる。
白露「俺達は何を背負っている?[罪悪感]か?[死んだ奴等の呪い]か?違うだろ。俺達が背負ってるのは[死んだ奴等の思い]だ。それにチルノも気付いたんじゃねぇか?[罪悪感]を背負うよりも[思い]を背負う方がいいってな。」
呟くように白露は言う。
白露「今浮かんでる月に俺達は騙されたんだよな。[陽炎]。一番[罪悪感]を感じてるのは俺なのかもな。」
呟く白露の頬には一筋の涙が零れた。