なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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12話

海をどんぶらこっこと一月ほど渡ってアフリカに着きました。

ん?現状?ドンパチの真っ最中ですが?

 

アフリカ到着早々、上陸した港町(自由資本同盟傘下入り済み)の周囲を荒らして回る傭兵や現地民兵が一緒くたになった賊の撃滅をする事になったんだが………何故かその賊の拠点に俺が単独で襲撃する事になった。理由は他の傭兵連中(特に赤毛の傭兵の女)からの要望で実際の俺の実力を知りたいって話だ。

 

まあ、鉄槍だなんだと噂ばっかりが先走ってるし、そう言われても仕方ないんだけどな。

 

 

超遠距離からの曲射とは言え、やたらと狙いのガバガバな降り注ぐ砲撃を盾で防ぎながらランスターを前へと走らせる。

 

ヘルファイアの上面部に備えられたコルベット本体にも使われている特殊合金を用いて作られたこの盾はとても頑丈で軽い。とは言え、竜胆で使ってた単装砲みたいな高威力の実体弾ぶっ放すもんにはやや脆いのがネックか。実用化されつつある光学兵器への対抗が重視されてるって話には聞いたが、このアフリカにゃ光学兵器なんて上等なもんがあるわけもないし、あの単装砲クラスのもんが出て来た時が心配だ。俺はコレをぶち抜いて来た側だからな。

 

 

「覚えてやがれよ?クソッタレ共め………」

 

やらせる理屈も分かるし、俺だって同じように名前が売れ始めて噂が先走ってるような奴と協働するってなったら、そいつの実力を見せて貰うと思う。

 

が、それはそれこれはこれだ。

 

港町に防衛と言う名目で残った他の傭兵連中に対して毒づきながら、バックパック左側にマウントした機関砲を撃ち、近付いて来る機関銃などで武装した武装車両を蹴散らす。ただの機関銃くらいなら豆鉄砲だが、パンツァーファウストやらRPGやらのロケットランチャーをぶっ放してくるのも居るから近付かれる前に吹っ飛ばすに越した事は無い。

 

『目標まで後3キロメートルだ。防衛戦力にバトルフレームが8、タンク3輌を確認している。まあ、他にもまだあるだろうが構わん、蹴散らせ』

 

対空砲火の届かない高空を偵察用カメラなどを追加した特別仕様にカスタムした輸送機で飛ぶ旦那からそんな報告が届く。

 

「なんで真正面から拠点攻略に単騎で突っ込まにゃならないんだか」

 

『力を示せと言われた以上はやる他にない。何、いつもやっている襲撃に比べれば楽だ。機体もパイロットの質も取るに足らないんだからな』

 

「そりゃそうだけどさぁ………」

 

目標との距離が近づくに従って敵の照準精度が上がって来た砲撃の中をブースターを吹かして一気に駆け抜ける。

 

爆炎を抜けると、一丁前に軍基地のように防壁が備えられた賊拠点のゲートからバトルフレームが出て来る。ずんぐりとした箱を並べて組み合わせたような見た目ではあるが、低コストで未だに傭兵やそのオーナーから大人気な自由資本同盟産の第一世代型バトルフレームのドーラスが3機と、そのドーラスをパク………もといベースに開発された頭部と胴体が一体化したような卵型の胴体部に丸みを帯びた手脚が付き、単眼のカメラアイが特徴的な皇華帝国産の第一世代型バトルフレームの円人が3機でしかも編隊を組むと言うこのアフリカ以外じゃまずお目にはかかれない貴重な光景を見ながら、その編隊にランスターを突っ込ませる。

 

先頭のドーラスが撃ってくるライフルのバースト射撃を左の盾を前にかざして防ぎながら距離を詰め、ランスターの右腕の肘をたたむように引いて右のヘルファイアの杭の照準をドーラスの胴体部に合わせ、そのままシールドバッシュを叩き込み、後ろにたたらを踏むドーラスに向けて右腕を突き出すようにしながら杭を打ち込む。

 

竜胆で使っていた物に比べると小口とは言え、火薬の爆発力で杭を撃発していたアレと違って電磁力による超加速で杭を打ち込むので、軽く取り回しも良い。威力も同等かややこっちのが上か?まあなんでもいい。一撃で目の前の目標を砕いてくれるならそれで十分だ。

 

杭を受けたドーラスの胴体が砕け、破片やオイルやらが入り混じった液体を撒き散らしながら崩れ落ちて行く。それを蹴散らすように突進で吹き飛ばしながら次の目標に狙いを付ける。

 

二番手に付いていた鉈のような外見をした現在の皇華帝国軍でも使われているバトルフレーム用の近接格闘兵装である汎用機鎧用長刀を両手に持った円人が斬りかかってくる。それを後ろに跳んで、両手の長刀の連撃を躱しながら両腕のヘルファイアのカノン砲を撃ち込んできたねえ鉄くずに変えて、それを壁にしてM4グレネードランチャーを曲射で撃つ。リボルバー式の弾倉に装填された砲弾の中から選んだのは広範囲に業火を撒き散らすナパーム弾だ。瞬間的に3000度以上の高熱まで加熱されれば、頑強な装甲に覆われたバトルフレームであってもただじゃあすまない。

 

とは言え、高温の代償として燃焼時間30秒くらいしか無いから耐える奴は普通に耐えるんだけどな。(皇華帝国の甲武とか俺が乗ってた竜胆とか)まあ、賊連中に用意出来るようなバトルフレームにまともな耐熱処理なぞ出来るわけもないので、きたねえ鉄のローストの出来上がりだ。

 

そして残ったのは、重武装で足の遅かった近接武装のひとつも持っていない砲撃支援型のドーラスが一機だけだ。

 

『こ、降参だ!あそこの連中は好きにしてくれて構わねぇから助けてくれ!」

 

ヘルファイアのカノン砲を向けるとオープン回線の通信でそんな命乞いが聞こえてきた。ご丁寧にコックピットハッチまで開けて操縦桿から手を離した姿まで見せてくる。

 

「旦那どうする?」

 

『生かしておいたところでロクな事にならん。やれ』

 

「だそうだ。残念だったな」

 

賊が何かを言う前にカノン砲を撃つ。開け放たれたドーラスのコックピットに吸い込まれるように飛び込んだ砲弾に貫かれたドーラスが爆発を起こして吹き飛ぶ。

 

ヘルファイアを下ろして堅く閉じられた賊拠点のゲートに目を向ける。まあ、賊連中で用意出来るようなシロモノなんだから、そこまで大したもんじゃないだろうが、仮にも防壁として用意された物だ。そんな簡単には行かないだろう………

 

とでも言うと思ったか。

 

何のための炸裂杭だ?むしろ、こんな時のための炸裂杭に決まってんだろぉ!

 

壁の向こうから引きこもりチキンどものろくに狙いも定めていない、無作為に飛んで来る砲弾を無視してゲートに接近して右のヘルファイアの杭を連続で打ち込む。ガガガン!と金属と金属がぶつかり合う金切り音が上がり、あっという間にゲートがひしゃげていく。ゲートから杭を引き抜きながらトドメの一撃としてグレネードランチャーから徹甲弾をお見舞いする。

 

ちなみにこの徹甲弾もナパーム弾も普通なら使えません。なぜって?高いからだよ(真顔)他人のサイフで高価な弾をブッパ気持ちいですねえ!

 

徹甲弾が炸裂して壊れかけだったゲートを完全に吹っ飛ばす。そうして出来た道を通って、賊拠点内に踏み込む。その瞬間、雨あられと砲弾やら何やらが飛んで来たが追加装甲で耐える。

 

「熱烈な歓迎痛み入るねぇ………じゃ、サクッと終わらせますか」

 

ランスターのブースターを吹かして出迎えの中に突っ込む。機関砲で武装車両やロケットランチャーを持っただけの賊連中らを一気に蹴散らし、横隊で雁首を揃える戦車にはカノン砲をお見舞いしてサヨナラだ。

 

バトルフレームが見当たらない。旦那からの報告にあった数は8。そして俺がきたねえ鉄くずに変えた数が6。残りはどこ行った?

 

「旦那。そっちから残りのバトルフレームは見える?」

 

『お前が丁度居る場所を挟むように二手に分かれて向かって来ているな。まあ、奴らはこっちが空から見ていることに気付いていないようだが………爆装したファイターでも使えば余裕なくらいザルな対空警備だ』

 

「傭兵崩れが居るって言っても見たとこ、大体は民兵みたいだし、そんな高性能なレーダー用意出来なかったんじゃね?」

 

後は自由資本同盟にとっては、この賊連中は別に潰す必要の無いくらい脅威と思われてないか、だ。

 

『と、お喋りは終わりだ。奴らが両脇の倉庫に入ったぞ』

 

「へーい」

 

旦那との通信を終えて、操縦桿を握り直した瞬間、左の倉庫の壁が砕けてバトルフレームが飛び出して来た。大分カスタムされているが、下半身の過剰なまでのブースターと頭部の緑色のデュアルアイカメラの特徴からカイウスと判断して、飛び出して来た勢いのまま突き出されたバトルフレーム用の両手剣をランスターを屈ませて躱して、左のヘルファイアの盾でかち上げるようなタックルを仕掛けながら、右のヘルファイアのカノン砲を牽制として後ろに向けて撃つ。

 

タックルを受けたカイウスはたたらを踏みつつも堪えて、仕返しに両手剣を振るって来る。ヘルファイアの盾でいなすが、甲高い金切り音を立てながら火花が上がり、盾が幾分か削られる。

 

「結構やるなぁコイツ」

 

呟きながらランスターを左側、丁度入って来たゲートの方へと跳躍させて距離を取る。それに少し遅れて、俺から見て右側の倉庫のシャッターをぶち破りながら長柄斧と槍を組み合わせたハルバードのようなものを持った肩幅の広い逞しさと力強さに溢れた重厚な甲冑を着込んだ様な見た目のバトルフレームが出て来た。

 

旧主力機の竜胆ならではの高い操作性はそのままにハイパワー化と重装甲を施した皇華帝国が新型機として配備する第三世代型バトルフレーム甲武だ。

 

 

『イキったところで所詮は肝の小さい小物だったなぁ依頼主。たかが、バトルフレーム一機に攻められたくらいで臆病風に吹かれてさ』

 

『とは言え依頼は依頼、しっかりとやりきるのが傭兵と言うもの。それに目の前の此奴はなかなかに出来る』

 

『みたいだな。やれやれ、ここが俺らの死に場所ってやつかぁ?ま、やられる気はないけどさ』

 

『然り』

 

オープン回線でなんか急にくっちゃべり出したが、コイツらここの雇われた傭兵か。で、その賊の親玉は尻尾巻いて逃げ出した、と。

 

「旦那」

 

『捕捉済みだ。後ろの連中に追撃に向かわせた。これくらいは奴らにも働いてもらわねばな』

 

アブレヒトでも指折りの傭兵に追われる賊の皆様ご愁傷様。まあ、賊なんぞに身をやつしたあんたらの選択を恨みながら地獄の底で閻魔様に土下座してらっしゃい。

 

「あんたらの依頼主の命は時間の問題だけど、それでもやるのか?」

 

オープン通信で呼びかける。

 

『依頼主がどんなクソだろうと仕事内容がどんなであれ、契約にだけは嘘付かない主義なんだわ』

 

『信用信頼がモットーである故な』

 

「そうかい。んじゃ、やるか」

 

相手がなんであれ前に立ちふさがるならそれは俺が撃つべき目標だ。




アッカーン!どんどん投稿間隔が延びてりゅう()
ちなみに没ネタだけど、カイウスを主人公機にする予定があったりなかったりした。

パイルバンカーぶん回す騎士っぽいナニカ。うーんこの。

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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