なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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15話

傭兵に反逆されたこの成金風なオーナーの名はアゼム・ガナンと言うらしい。元々は自由資本同盟の勢力圏内でやっていたらしいが、死んだ父親からオーナーのライセンスと傭兵達をまとめた民間軍事会社を引き継いだは良いものの仕事が上手く行かず、アフリカで一旗上げようとやって来たらしい。

 

仕事が上手く行かなかったのを傭兵達のせいにして、罵詈雑言撒き散らしてるが、考えるまでもなくこのおっさんが単に無能なせいだろう。抱えてる傭兵達にこなせるわけもない無理な仕事を引き受けたりとかな。

 

「クソネズミどもが!誰のおかげでメシ食って来れたと思ってんだ!それをクソクソクソッ!!」

 

ヒステリックにそう怒鳴りながら、ドーラス達にいたぶられてベコベコになったバンを蹴飛ばす。

 

とりあえず、一言だけ俺から言うなら間違いなくあんたがクソネズミって呼んでるその傭兵達がメシにあり付けてきたのはあんたの親父さんのおかげだろうよ。旦那もいつぞや俺に向けたゴミを見るような目を向けてるよ。

 

そして、ひとしきりバンに八つ当たりして少しは落ち着いたのか、おっさんがこっちを振り向いて、

 

「いいかっ!わかってるとは思うが、テメェらはあのクソネズミの掃除をやるんだ!」

 

どう言う流れでそうなるんだ。

 

「いくら用意出来る?話はまずはそれからだ」

 

「あァ?んなもん500で十分だろうが!オラ!どうした!さっさとバトルフレームのとこに行け!」

 

おっさんが全く動かない俺達に対してそう怒鳴る。

500。正確には500万クレジット。バトルフレーム持ちの傭兵を動かす額としてはあまりに安い。基本的に最低でも1000万クレジットからが相場で、今ここに居る中だとその最低額で動かせるのは俺だけだ。

 

「論外だな。一体どんな風に仕事をしていればそうなる?500ではウチのカズキすら動かせん。他の連中は言わずもがなだ」

 

「傭兵1人抱えてるだけの零細オーナーが俺に意見してんじゃねえ!」

 

「意見も何も、この業界の常識の話だ。この程度のことすら知らないのか?」

 

「舐めてんじゃねえぞ!クソが!」

 

そう怒鳴っておっさんが旦那に殴りかかるが、旦那はそれをひらりと余裕で躱し、空ぶったおっさんの顔面に逆に拳を叩き込む。左脚義足でホントあそこまでよーやるよあの人。

 

「ぶご⁈」

 

「いいか?クソ野郎。俺達は別に今ここでお前を放り捨てて行っても構わないんだ。傭兵に反逆された?そんなものきちんと傭兵の手綱を握れていないお前が悪いに決まっているだろう」

 

鼻血を噴きながら倒れたおっさんの胸ぐらを掴んで持ち上げて、至近距離で睨みつけながら反論を許さない勢いでそう言い放って、ベコベコのバンの車体に投げ付ける。

 

旦那、戦えないって嘘だよな。

 

「尤も、オーナーから反逆した傭兵共をシメる事そのものは俺達へのゲンドウ氏からの依頼からそう外れてはいない。全員で1億で手を打とう。これだけの戦力をたったの1億で雇える機会なんて他にないぞ?」

 

わーお、旦那ってば搾り取る気だわ。あーあ、おっさんキレてんじゃねえか。

 

そして、プツンと言う音を聞いたような気がした瞬間、おっさんが背広の中から拳銃を取り出して旦那に向ける。怒りのあまりガクガクと揺れてはいるが、しっかりと銃口は旦那の頭に向いていて、いつぶっ放されてもおかしくない。

 

「あいつらも!テメェらも俺をコケにしやがって!」

 

そのまま頭の血管破裂してくも膜下出血でもして倒れるなり死ぬなりしてくれねえかな。俺以外の傭兵連中も怒りを通り越して哀れなものを見るような目をおっさんに向けている。

 

「雇う側が払う金決めんのは当たり前だろうが!テメェらは言われるままに戦ってりゃ良いんだよ!それを金が足りねえだ⁈ふざけんじゃねえぞ!」

 

「そいつぁ、あんたらオーナーが所有する傭兵の話だぜ?あいにくとここに居るのは、そこのカズキ以外は独立傭兵だ。受ける受けないの自由があるんだよ。ふざけてんのはおたくだろうがよ」

 

これまで旦那に任せて黙っていたカークスのおっさんがそう言いながらズンズンと近寄ると、腰に差した拳銃を目にも止まらない速さで抜きながら撃った。てか、発砲音で撃ったのは分かったが、いつ撃ったし。撃たれたおっさんの頬に赤い横線の傷が出来る。

 

「黙って聞いてりゃあ、ぎゃあぎゃあと好き勝手に喚いてくれちゃってまぁ………このままここで俺らとオサラバするか、ヨルドの言った条件を飲むか選びな。それでもってんなら熱い鉛のプレゼントだ」

 

あ、コレマジで殺す目だ。カークスのおっさんもう人間を見る目してねえもん。ただの的としか目の前のおっさん見てねえよ。

 

結果、流石におっさんも自分の命は惜しかったようで旦那の出した条件を飲んだ。1億なんて大金払ってでも反逆した傭兵達はどうにかしたいらしい。

 

ちなみに旦那にこの場に居る全員をまともに雇った場合にかかる金聞いてみたら、カークスのおっさんが4000万で赤毛の女が3000万、黒ずくめ野郎が2500万でアイクとイリヤが横並びで2000万の最後に俺が1500万と続くらしい。確かにこれなら1億で雇えるなら破格なんだろう。てか、カークスのおっさんは4000万積まなきゃ動かせないのか。

 

で、傭兵各員バトルフレームを出してきたわけだがまあ、珍妙な万国博覧会じみた光景だ。

 

一番マシってか普通にバトルフレームって外見をしているのは、カークスのおっさんの機体で、白色と灰色がランダムに混じった都市迷彩が施され銃剣付きのアサルトライフルにシールド、バックパックに左側にランスターに付いているのと同じM4グレネードランチャー、右側にブレードアンテナ状のレーダーユニットを備えた肩幅の広いがっしりとした歩兵を思わせる機体で、フルフェイスヘルメットのような頭部のバイザーの向こう側で複眼型のカメラがオレンジ色に光っている。

 

次に赤毛の女の機体だが、こいつに至っちゃまず人の形をしていない。バトルフレームの定義はどこ行った?真紅の前後に長い胴体部に直接、ショットガンのようなものと一体化した腕と鳥のような鋭いクロー状のブレードが付いた逆関節の脚部が付いていて、胴体部の前面にこれまた鳥のような形状の頭部が付いていて、青い単眼のカメラが獲物を探し求めてるように見えるのは気のせいじゃないな。俺達は獲物じゃないゾ。

 

そして、色々謎な黒ずくめ野郎の機体は本人同様黒色をベースに灰色などの暗色系で纏められた細身の機体の全身各所にブースターが施された下腕部にブレードが付いている。なんかどっかで見た事あるような既視感っぽいのを感じるのはやっぱりアレだろうか。某ドイツ忍者のアレに似てるからだろうか。見たとこ爪先とマニピュレーターもそのまま刺突武器に出来そうなくらいに鋭い。

 

で、アイクの機体はトリハピらしいと言うか何と言うか、両腕に6連装ガトリングが2つ並んだものを付けた重装竜胆すら超えるような分厚い重装甲な機体だ。片腕だけで合計12連装のガトリングとか変態かよ。そして、その変態ガトリングに加えて胴体部に機関銃が左右に1つずつ付いていてバックパックにはバトルフレームの全長にすら匹敵しそうなミサイルランチャーが左右2つ付いている。重ねて言うが変態か?

 

イリヤのはアイクに比べればまだ優しい見た目だ。強いて言うなら、脚部が四脚になっていることくらいか。両手で持っている大型のバトルフレーム用スナイパーライフルやカメラに装甲施してそのまま取り付けたような大型のカメラを備えた頭部も特徴的と言えば特徴的だが、前の連中に比べれば可愛いもんだ。女性的な丸みを帯びた上半身のバックパックには左に申し訳程度に近接防御用の機関砲、右側にレドームを備えたいっそ清々しいまでの遠距離特化仕様だ。

 

 

………なんなの?カークスのおっさんの以外キワモノ過ぎねえ?バトルフレームの異形化流行ってんの?

 

『さて、色々思うことはあるだろうが仕事だ。なぁに、軽いお使いみたいなもんさ』

 

カークスのおっさんからそんな気楽そうな通信が入る。まあそれもそうか。ドーラスくらいじゃ俺ならいざ知らず、独立傭兵として名を上げた連中が遅れを取るなんてよっぽど数に差でもなけりゃありえんし。

 

『ドーラスが全部で15機。うち3機はそこの坊やが撃破済みだから残りは12機………つまんないねえ』

 

『ボクは好きに弾がばら撒けるならなんだって良いよ!』

 

『本当、血の気の多い人達ですねぇ』

 

『特に並べる言葉は無し、成すべきを成す。ただそれだけだ』

 

まるでピクニックかハイキングにでも行くような気軽さだ。まあ、こんだけ数揃えれば気楽にもなるわな。俺だって、特に緊張してないし。

 

とりあえず、折角の機会だから両手剣ぶんぶんしよう!こんな機会滅多にない!一応炸裂杭は持ってくけどな!オラワクワクして来たぞ!

 

ミリアに呆れ顔で「馬鹿ですね」って言われたけど、気にしねえ!

 

 

『さて、楽しげなところ悪いがカークス。どう攻めるつもりだ?』

 

『とりあえず、カーシャにボリス。それとお前んとこのカズキに突っ込んで貰うのは確定だな』

 

名前的にカーシャが赤毛の女で黒ずくめ野郎がボリスか。てか、知り合いなのか。

 

『順当なところだな。さて、そろそろあのクソ野郎の言った野営地が見えて来るはずだが………』

 

到着したのはそれなりの規模の村みたいだが、灯りも炊事の煙も何も無い廃墟と言った感じで、バトルフレームの姿なんてどこにも無かった。

 

 

『引き払った後っぽいな。空振りか………いや、全員散れ!』

 

村内に入って周囲を調べるが、つい最近まで生活していた痕跡はあるが他には人っ子1人見つからなかった。それを確認して村を出ようとした瞬間カークスのおっさんが怒鳴るようにそう言った。

 

その言葉に従って、全員がそれぞれバラバラに散開(家が低くて盾にならない)した瞬間、雨のように砲弾が降り注ぎ爆炎と土砂が辺りに飛び散る。

 

『ハッ!少しは楽しめそうじゃないか!』

 

村を包囲する様に砲撃を叩き込みながらドーラスが向かって来るのに心底嬉しそうな声を上げながら赤毛の女、カーシャのバトルフレームが逆関節脚のバネを活かしたジャンプで飛び上がって、真っ先に突っ込んで行く。

 

ちょっとしたお使い同然の楽な仕事ってのはなんだったのかと思いながら、俺もランスターを走らせる。




旧式で安さくらいしか利点の無い雑魚扱いしてるけど、ドーラスだってただのやられメカじゃないのだよ

おっさんが変にゴネてなければ、こうなる前に襲撃出来てと可能性

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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