なんかロボゲーの世界に転生したんですけど……… 作:⚫︎物干竿⚫︎
上から降り注ぐ砲弾が空中で更に子弾をばら撒き、それがもぬけの殻だった村をあっという間に建物の瓦礫すら残さずに吹き飛ばす。
相手方も報復があることは見越していたんだろうが、にしたって用意が周到だ。あのおっさんがゴネていた時間や移動時間を含めても半日も経っていない。にも関わらず、拠点にしていた村の住民達を全員完全に逃した上にバトルフレームを周囲に潜ませての伏兵戦法。
規律正しく動ける上に一般人からの心証も良いはずの軍隊ならまだしもしょせんはゴロツキの集まりも同然な傭兵隊で出来るなんて大したもんだわ。
まあ、そのせいで今こうしてクラスター弾やら榴弾やらをあちこちから浴びせかけられてるんだけどな!
『全員生きているな?』
「とりあえず、俺とアイクとイリヤは生きてる!後は知らん!爆炎で見えねえしレーダーも高熱で使いものになんねえ!」
怒鳴るように旦那からの通信にそう返事を返す。
最初の砲撃で散らばって回避した後、自然と今の状態になっていた。と言うかたまたま俺が逃げた先にアイクが居て、ランスターとアイクのバトルフレームを肉盾にしようとイリヤがやって来た。
『こっちも無事だ。悪ぃな十分以上に戦力あるからって油断してたぜ。まあ、こうなっちまっちゃしょうがねえ適当に蹴散らせ!』
『問題無し。別行動で目標を殲滅する』
『楽しんでる真っ最中さね!ドーラスの割に良く動いてるよ!』
姿が見えない連中も無事みたいだ。てか、真っ先に飛び出して行ったカーシャに至っちゃ既に交戦してるらしい。
俺達の方に向かってくるドーラスは3機。内訳は2機がロケットランチャーを担いだ標準型、その後ろから断続的にバックパックから伸びる2本のキャノン砲から本弾をばら撒く両腕にマシンガンとシールドを装備した砲撃型だ。
今の俺達と同じように2機の標準型が砲撃型の盾になるように立ち、砲撃型は曲射によって前2機に当てないようにしながら、こっちの動きを制限してくる。
『カズキ、ランスターの右脇空けてくれますかぁ?』
イリヤからそんな通信が届き、言われたように一旦両手剣を右肩から左肩に担ぎ直してランスターの右腕を上げると、ランスターの右腕を押し除けるようにぬっと大型スナイパーライフルの銃身が飛び出して来る。
そして、竜胆で使っていた単装砲のような轟音と共にマズルフラッシュが瞬き一瞬の間も無く前衛のドーラスの片割れが下半身を残して消し飛んだ。
『ハハッ!豪快じゃないか!それじゃあボクも派手に行かせてもらうとしようか!』
そんな言葉と共にアイクのバトルフレームが両腕を持ち上げてガトリングガンの銃口を向ける。いや、どう見てもまだガトリングは射程外だろと思ってる間に銃身が回転を始め並のバトルフレームならあっと言う間にきたねえ鉄くずを通り越して、塵になりそうな夥しい量の鉛玉がばら撒かれる。
応戦する形で、仲間が吹っ飛ばされたことに驚いたのか動きを止めていたドーラス達がまた砲撃を開始するが、その一瞬が命取りだ。
後ろから飛んで来るアイクがばら撒く鉛玉が怖いがランスターを突っ込ませる。そして、担いだ両手剣を振り下ろす。それに対してドーラスがロケットランチャーを放り捨ててシールドの裏に仕込んだナイフを引き抜くと、俺が振り下ろす両手剣に合わせて受け流そうとしたみたいだが、そこはランスターのパワーでごり押してナイフをへし折ってそのままドーラスを叩き斬り、その勢いのまま前へと突っ込む。
砲撃型が両手のマシンガンを撃ってくる。それによって凄まじい勢いでジャケットアーマーが削られて行くが知ったことか。どちらにしろ前に出た以上はやるしかない。てか、下手に下がったらいまだにぶっ放し続けてるアイクのガトリングにきたねえ鉄くずにされる。仮にも味方の攻撃でとかシャレにならんわ⁈
そして、両手剣を引きずるようにしながら踏み込みランスターの機体全身を振り回すようにして振り上げる。それをドーラスが左腕のシールドで受け止める。が、両手剣そのものの重量にランスターの機体重量まで乗せた一撃は上へとドーラスを吹き飛ばす。マシンガンの銃口が両手剣を振り切って無防備なランスターの方を向くが、それから鉛玉がばら撒かれることは無い。その前に空中のドーラスにイリヤの射撃が入り、木っ端微塵にする。
『終わったぜ。グレた連中の頭も捕まえた』
『任務完了』
『つまらない仕事かと思ったけど、なかなか楽しかったよ』
俺達がやり終えるのと同じタイミングで通信から続々とそんな報告が届く。流石と言うかなんと言うか早えーな。お前ら。こっちが3人でやるのと同じくらいの時間で仕留めるとか。
やることはやったのでさっさと夜営地に戻る。まあ、夜営地とは言ってもただトレーラ並べてるだけなんだけどな。この依頼を受けるにあたってそのままの流れでこうなった。
「ハッ!ざまぁねえなあ?ええ?」
頭部と右腕を全損、左腕を半ばから失った通常型のドーラスから降ろされたリーダー格の黒い髪を短く刈り上げた白人の男を見下すようにニヤニヤと腹の立つ笑みを浮かべておっさんがそう問いかけるが、リーダー格の男はそれに何も答えずにただ空を見上げている。
「だんまりかよ。まぁいいさ、お前はここで俺にブチ殺されるんだからなァ!」
喜色満面におっさんが懐から拳銃を抜いて、それをリーダー格の男に向けて引き金にかけた指に力を込めて行く。そして、朝のニュース並に聞きなれた乾いた音が響いた。
が、撃たれたのはリーダー格の男ではなく、依頼主であるおっさんの方だった。左脚の太腿から血を流しながら痛みに呻いて、
「誰を撃ってんだテメェ⁈」
「そりゃあお前さんに決まってんだろ?」
詫びれた様子も無くカークスのおっさんが拳銃を片手にそう答える。
「俺達に依頼をふっかけて来た時のやり取りで既にお前さんは俺達が
ぶっ潰すべき対象に入ってんのさ。このアフリカの情勢に乗じて暴れ回る連中が俺らの攻撃対象なんだからな」
「け、けど、ここで俺が死んだらテメェらに報酬は………」
「そこは心配しなくてもきちんとお前さんの資産から俺達に支払われるから問題ねぇよ。安心して死んでけ?なぁに、そこのそいつも一緒に送ってやるから死出の道も寂しかねぇさ」
依頼主が死んでも報酬は支払われるって、改めて思うけどこの業界ブラックだわ。そんな事を他人事のように銃口突き付けられて今にも射殺されそうな人を前に思える俺は壊れているのかもしれない。
「テメェら全員ロクな死に方しねえよ、クソが!」
「自分で選んで引き金を引き、そして誰かに撃たれて死ぬ。それが俺達傭兵の最期さ。間違っても平和に暮らしてる一般市民のようにベッドの上で静かな最期なんてのはあり得ない」
そう言い切るとカークスのおっさんが引き金を引いた。
因果応報、ロクデナシにはロクデナシな結末が待っている。昔の論者が言った自らの行いは何倍にもなって自分に返ってくると言うのは事実なんだろう。
当然、俺も例外じゃないはずだ。いつかは知らないが、確実にこんな理不尽な結末が待っているはずだ。10人殺せば殺人鬼、100人殺せば殺戮者、千を万を殺せば英雄だなんだと言うが理不尽に他人の命を奪う奴の人生が報われる?それは創作の物語の主人公か、それに値する行いをした奴だけだ。
少なくとも俺にそんなものは無い。ただ旦那に言われたように引き金を引いて殺す。それに対してなんとも思ってない奴が真っ当な最期?ちゃんちゃらおかしいわ。俺がさんざっぱらにきたねえ鉄くずにして来た自由資本同盟軍の兵士達、国のため誰か大事な人のために戦うことを選んだこいつらの方こそが報われるべきだろうよ。
まあ、だからって俺の引き金を引く指が重くなるかと言えばそんな事はない。今更、そんな事を気にするならとうの昔に旦那な下から逃げ出すか自殺してるわ。
「旦那。あの両手剣いくらくらいで売れるかな?」
「大分使い減りしているようだが、モノ自体は良いからな。100くらいにはなるだろうな。なんだ、持って来た割に飽きるのが早いな」
「飽きたって言うか、俺にゃ剣術なんて高尚な技術は無理みたいすわ」
たぶん今回は切られても文句は言えないし、批判米来ても文句言えない。色々とアレだしね………
まあ、出した時点でこのおっさんはこうなる事決まってたわけなんですが
キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか
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最初
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節毎
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最後