なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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17話

あれから数日が過ぎて俺達は今はアフリカ大陸の北、エジプトに居る。

 

エジプトとは言っても、俺の知っているエジプトとは少し違いこの時代になっても王政を維持し続けていて、国王もファラオと呼ばれる現人神ではなく神官達の長である祭儀長と呼ばれる人物が務めているらしい。

 

まあ、俺には関係ないことなんだけども。

ただの傭兵に国の在り方だとか政治のこととかわかる訳がないだろ?この国はそう言う国ってこと以上は俺には関係ないからな。

 

で、なんでまたわざわざエジプトくんだりにやって来たかと言うと、エジプト北部のユーラシア大陸と繋がった中東地域との国境線にかつて皇華帝国が行った国土拡大の侵略戦争に際して国防のために築かれたサルイーク要塞。ここが反政府勢力やそれに雇われた傭兵達によって占拠されたそうで、その要塞を取り戻すためだ。

 

ちなみにエジプト政府と大元の依頼主である自由資本同盟と皇華帝国それぞれの軍との協働と言う豪華っぷりだ。皇華帝国が混ざってるのはエジプト的にちょっとアレだろうが戦力は戦力だ。素直にアテにしとこうと言う感じらしい。

 

 

 

 

「で、攻めるのは良いけど仮にも侵略全盛期の皇華帝国軍を数年に渡って受け止め続けた難攻不落の要塞だからどうやるか攻めあぐねてると」

 

ランスターのカメラの望遠機能を使って件の要塞を見る。バカでかい壁が数キロってレベルで立ちはだかっているのが見える。エジプト側からの情報によるとあの要塞は八角系をしていて、それぞれの角の上部には大型のリニアカノン砲が計8門に加えて、ハリネズミのように無数に配備された対空砲に対地対空ミサイル。しかもどっちも爆撃機が飛ぶような高空まで射程圏内と言う鬼仕様だ。

 

更に要塞内部にも曲射式のキャノン砲やらミサイルにレーダー。果てには爆撃機すら飛ばせる滑走路まで備えていると来た。

 

当時のエジプトが国家崩壊しかねないレベルで予算注ぎ込んで築いたそうだが、正直やりすぎじゃね?と思ったのは俺だけじゃないはず。

 

 

『まあ、普通に考えて一斉に攻撃仕掛けてどこでも良いから壁抜いて地上戦力を要塞内に突っ込ませて、制圧………とまぁ、教科書通りの城攻めくらいしかねぇわな。対空防御で航空戦力がアテに出来ねぇ時点で取れる策なんて限られるからな。要塞ぶっ壊して良いってんならいくらでも手はあるだろうが、エジプト政府が要塞はなるべく壊さず、直せる程度の損壊で取り戻せって言ってる以上はしゃあねえわな』

 

『エジプトは国ですからねぇ、その国の意向を無視しては自由資本同盟も皇華帝国もこのアフリカでの面目丸潰れですしぃ。とは言え、その壁一つを落とすのにどれだけの被害が出るかわかったものじゃないですけどねぇ………うわぁ、ここから見えるだけでも要塞の外の塹壕にタンクが5輌見えますよぉ?』

 

呆れたような声でランスターの隣に並ぶカークスのおっさんとイリヤもそう言う。この組み合わせの理由はバトルフレームのカメラの性能で選んだ結果だ。

 

アイクのは並か若干劣る精度で、カーシャやボリスの機体に至っちゃ高速機動に対応するために処理能力特化で望遠機能すら付いていないと来た。まあ仕方ない。その分対バトルフレーム戦なら無類の強さを発揮するんだから、ドンパチでしっかり働いて貰おう。

 

「んで、俺らは自由資本同盟軍と一緒に攻めるんだっけ?」

 

『ああ、皇華帝国軍にゃ増援要らねえからな。世界最大の軍隊は伊達じゃねえ、俺達に自由資本同盟軍にエジプト軍合わせてもまだまだ数足りねえよ』

 

流石、兵士は畑から取れるとまで言われたロシアまで取り込んでるだけはあるわ。おっそろしい。

 

『で?自由資本同盟軍と協働するのは良いとして、そこに思い切りフレンドリィファイアされそうなのが居るんですけど?巻き添えでフレンドリィファイアは嫌ですよぉ?』

 

「それな、俺もびびってる。いっそのこと俺単機だけ皇華帝国の方に混じるかな………あ、ダメだわ。たぶん向こうでもやられるわ」

 

アルェ?味方のはずなのに敵陣に居るみたいだぞ?

まあ、そうなったらそうなったで生きてたらぶち抜けばいいや。攻撃して来る奴が悪い。正当防衛、正当防衛。

 

『さて、おっかない奴らが来る前に引き上げんぞ』

 

『スピード的に戦闘機ですかねぇ?凄い勢いで来てますねぇ………撃ちますかぁ?』

 

『やめとけ。要塞からの砲撃やらなんやらと飛んで来たら逃げれねぇからな。さぁスタコラサッサとキリキリ走れよ?』

 

そいや、追加でレーダー積んでたなこいつらの機体。そんなことを思いながらランスターを走らせる。昔の偉い人も言ってたっけな三十六計逃げるに如かずとかなんとか。

 

途中で戦闘機に追い付かれはしたが、思いの外あっさりと引き上げて行った。完全に舐められてますわコレ。偵察と言うか斥候として来てるのわかってるだろうに見逃すとか普通ならあり得んわな。

 

 

エジプトが用意した基地に戻る。

民間の空港を利用した要塞攻略のための仮設陣地なので、元からある柵くらいしか周りに張り巡らされてはいないが、格納庫に滑走路に管制塔やらと必要な施設は十分に揃っている。ちなみにここ以外にも滑走路は無くともバトルフレームや戦車を動かすには十分な陣地がいくつもあって、攻略戦の準備を進めている。俺達が斥候として要塞に向かったのもその準備のひとつだ。

 

今ここには俺達傭兵隊とエジプト軍の戦車とバトルフレームの混成機甲隊に自由資本同盟軍のバトルフレーム一個中隊が居て、一番優先度の低い俺達傭兵隊の格納庫はハンガーを並べてその周りにプレハブで壁やら天井を用意したものだ。

 

ハンガーにランスターを固定して降りると、事前に決めておいたようにカークスのおっさん達と合流して、ここの指揮を担う自由資本同盟軍の中隊の指揮官のところへと向かう。

 

なぜ俺やイリヤも行くのかと言えば、カークスのおっさん曰く少しでも多くの情報が必要だから3人それぞれの別視点からの意見を出さなきゃならないかららしい。俺達の機体はそれぞれが得意とする距離が違うから攻略の足しになるかも、だそうだ。

 

 

「ふむ………要塞前にも前線陣地が築かれている、か。全く呆れるくらいの潤沢な戦力だな。もはや軍ではないか」

 

俺達からの報告を聞いて、じゃらじゃらと幾つも階級章が付いた自由資本同盟軍の高級士官を示す濃紺色の背広の制服を着込み、綺麗に手入れのされた髭がダンディさを際立たせる中年の男性が呆れたようにそう言う。

 

「もうちょい近付いて前線陣地も偵察出来たら良かったんだが、あれ以上は陣地から砲撃やらが飛んで来て済し崩し的に開戦しかねねぇから引き上げて来た。悪いな」

 

「いや、無理に突っ込まれて足並みが揃う前にしでかされるよりはよっぽど良い。同盟圏内の傭兵どもにも見習って欲しいくらいだ。出自がスラム上がりやらなどのロクに教育も受けていないような連中には無茶な話だろうがな」

 

自由資本同盟内の傭兵ってどうなってんだと思ったが、学やらなんやらちゃんと身に付いてるならこんな仕事に就いてる訳が無いし、バトルフレームに乗りたいなら軍に入隊すりゃいいもんな。

 

「にしても、よりにもよって奴らが用意したタンクはライノスか………R・K社も兵器を売る相手は選べと言いたいものだ」

 

BTAー48ライノス。バトルフレームが普及する以前に自由資本同盟軍が採用していたMBT、いわゆる主力戦車で時速100キロ近い高速で走りながらでも誤差1メートル以内で目標に当たるとか言う精度の高い主砲が売りの戦車で様々な戦場で戦果を挙げて来た名戦車だ。まあ、砲撃型ドーラスの開発と普及で少しずつ出番は減り、終いにはランスターの開発に合わせて戦場から姿を消した悲しさ。

 

で、R・K社と言うのは正式にはラインフォルト・カーマインアームズと言う軍事系のグループ企業でライノスはもちろんのこと、ドーラスやランスターと言ったバトルフレームを開発販売している。なお、コルベットはライバル企業であるマイダスインダストリー社の開発だ。

 

と言うか、R・K社とマイダス社の2社で自由資本同盟の軍事産業は2分化されてるらしい。まあ、一緒になって兵器開発したりもしてるようだからそこまで企業間の仲は悪くないっぽい。ちなみに俺やカークスのおっさんのバトルフレームに積んでるM4グレネードランチャーはR・K社の製品だ。

 

「順当に考えるなら、タンクを潰してからの前進が無難ですねぇ」

 

「皇華帝国軍から1個分隊で良いから甲武回して貰えれば、ファランクス隊形でゴリ押し行けそうだけどな。精度高いっても砲弾の威力はそれなりだろ?徹甲榴弾でも甲武の装甲なら防ぐのは問題無いだろうし」

 

「バトルフレームの扱いなら諸君ら傭兵に1日の長と言うものがあるのかもしれないが、皇華帝国の甲武はそこまでなのか?」

 

司令官が訝しげにそう聞き返して来るが、あんたら仮にも仮想敵にしてる国のバトルフレーム甘く見積もり過ぎじゃないか?仮にも敵である以上、強く見積もっても悪くないってかそれくらいじゃないと痛い目に合いそうなもんだが………

 

「まあ、スピードとか機動性やら総合的に見れば同盟のコルベットのが上だわな。近接戦闘なら甲武の圧勝だろうが………と、話がズレたな。ウチのカズキが言うように甲武回して貰えりゃ、それ盾にしつつ割と安全にあの陣地も突破出来るだろうよ。ま、作戦立てるのはそっちの仕事だ。俺達も上手く使ってくれや」

 

「ああ、あのアブレヒトからわざわざ選ばれてここまで来た諸君らだ。期待通りの働きをしてくれると信じているとも。ご苦労だった、下がって休んでくれ」

 

「あいよ。戻るぞ2人とも」

 

「うぃす」

 

「やっと終わりですかぁ」

 

指揮官室を出て、俺達傭兵にあてがわれた格納庫に併設されたプレハブ小屋の兵舎に戻る。にしてもわざわざ俺達に別料金払ってまで依頼するようなことだったんだろうか?コレ。




はい。と言う訳でロボモノ定番の要塞攻略戦でございます。
戦車とかバトルフレームとか戦闘機いっぱい出したいなぁ(願望)

なお、現実は………そんなに色々ぶっ込んで捌けるのやら………

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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