なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

18 / 41
18話

偵察から2日ほどが経ち、いよいよ開戦が近いのか独特のピリピリとした空気が基地全体に漂っているが、俺達はと言えば各々が連れて来た技師達と一緒になって機体の整備をしたり、飯食ったり茶飲んだりなんだりと割とフリーダムにリラックスしていた。

 

と言うか、俺達傭兵からすれば戦うのは当たり前の事だから特に緊張するとかもない。むしろ、カーシャとかアイクあたりなんかは、まだかなまだかなと開戦が待ち遠しいくらいらしい。

 

俺?

 

 

「旦那。いつまでもいじけてないで交渉やらの仕事やろうぜ?ここに来てから全部カークスのおっさんに丸投げじゃん」

 

「うるさい。コレでいいんだ。俺が出ると逆に拗れる恐れがある」

 

「ホント旦那ってば自由資本同盟に何やったんだよ」

 

ご覧の通り不貞腐れた旦那の相手をやってます。いや、ちゃんとランスターの整備は手伝ったりしてるからな?ただ、今はミリアに「邪魔ですから宿舎で良い年にもなって意固地になってる旦那さんの相手でもしててください」って厄介払いされただけよ?

 

薄々と旦那に対して自由資本同盟が何らかの手酷い裏切りをしたのは俺でもわかるが、具体的にどうかまではわからない。

 

「まあ、このまま自由資本同盟と関わりを持っていればいずれは知ることか………いいだろう、少しだけ話をしてやろう」

 

そう前置きをしてから旦那は旦那の過去のことを話し始めた。

 

 

 

●●●●●●●●●

 

俺は元はと言えば、自由資本同盟軍のパイロットだった。

あの頃の俺は、自由資本同盟が掲げる正義を何も疑うことなく信じていた。いや、ある種盲目的だったとすら言える。

 

自分で言うのは少し、いや大分気色悪いが、俺は優れたパイロットで兵士だった。士官学校を卒業して軍に入隊してから1年が過ぎた頃に俺はとある部隊に配属となった。

 

第33独立作戦小隊。

 

役割は簡単に言えば、自由資本同盟理事委員会の私兵のようなものだ。作戦内容はまあ特殊部隊と言えば大体わかるだろうから詳しくは省くが主な活動は自由資本同盟の利益となることと不利益の排除だ。

 

そこでも俺は自由資本同盟のためにと引き金を引いていた。小規模ではあったが俺が引いた引き金が原因で起きた戦闘だってあった。

 

そうして自由資本同盟が掲げる正義と言う名の光の下の影の中で汚れ仕事をやっていた俺達、第33独立作戦小隊にいつものように委員会からのオーダー入った。とある国の半国営麻薬組織の保有するプラントを襲撃しろと言うものだった。汚れ仕事の中では比較的マシだと隊の仲間達で言い合ったものだ。

 

現地に向かった俺達はいつものように襲撃を行った。半国営の闇組織とは言え、バトルフレームなど当時は自由資本同盟か皇華帝国くらいしか軍としては保有していなかったからな。精々が対バトルフレーム用ロケットを持った民兵程度が関の山なプラントだ。特に苦労もせずに全てを終わらせたさ。

 

だが、それは罠だった。

襲撃を終えた帰投の道中で俺達は襲撃を受けた。しかも相手は俺達と同じ委員会の私兵部隊でな。

 

1機、また1機と墜とされて行く中で、部隊で一番被害が軽微だった俺は仲間達に逃された。なぜ仲間達が俺を逃したのかは今でも分からないし、あの時あそこで仲間達と共に散っていればと何度思ったか分からない。

 

追撃を受けながらもなんとかアブレヒトに辿り着いた俺は襲撃の真実を知った。あの年はアメリカで自由資本同盟の理事選挙があった。その時の理事のアピールは自由資本同盟軍からの後ろ暗いものの払拭だった。

 

それはまだ良い。俺達のように汚い事に手を染めることもなく真に自由資本同盟の正義を兵士達が誇れるようになった証拠のようなものだからな。だが実際には服役囚へ恩赦などで首輪をつけ、私兵となる傭兵隊を作り上げて結局は俺達がやっていたのと同じことをしていた。

 

俺はそれが許せなかった。だから、アブレヒトで傭兵になって奴らに教えてやろうと思った。貴様らが如何に過去の汚点と言おうとそんな事はない、と。

 

後はお前も知っての通りだ。自由資本同盟軍に対して度重なる襲撃を繰り返して、最後には自由資本同盟軍が雇ったアブレヒト最強の傭兵、黒い凶鳥と呼ばれる奴にあっさりと撃墜され、どうにか一命を取り止めて傭兵のオーナーになった。

 

●●●●●●●●●

 

 

旦那が話終えて、ミネラルウォーターを一口飲む。

 

「つまり、俺や俺の前のきたねえ鉄くずになった傭兵は旦那の復讐の道具ってわけだ」

 

「そうだ。呆れたか?だが、それが俺だ」

 

「いや?正直、どうでも良いわ。俺はただ旦那が撃てと言った奴を撃つだけだし、何よりそんな真っ当な正義感あるなら傭兵なんてやってねえわ。何?最低な野郎だって罵って欲しいのか?引き金を引く意思を他人に任せてる俺も大概畜生だからそんなこと言えないんだよ」

 

俺からすればどこにあるのかわからないバーゲンセールで叩き売りされてそうなロボゲーかなんかの主人公みたいな経験を旦那がしていたところで「あ、そう。で?」にしかならない。

 

俺の返事を聞いて旦那は自嘲気味に笑うと、

 

 

「あいつ以外でまさかどうでも良いと言う奴がいるとはな」

 

「あいつ?」

 

「俺の元嫁だ」

 

「ああ、若気の至りでミリアつくっちまったって言ってた相手な」

 

「何を血迷ったか、あいつに全てを話したことがあってな。その時言われたのが、あなたがどんな人生を歩んで来たかなんてどうでも良いし、知ったことではありません。ここに居るのは私が惚れたヨルド・アフマンと言う無鉄砲で意地っ張りな男性だけです。とな」

 

「すげえプロポーズだ」

 

てか、普通そう言うのって主人公がヒロインに言うもんではないだろうか?

 

「で、気の迷った俺は、そいつとやる事やってミリアが出来たと言うわけだ」

 

「一発ヒットとかマジかよ。あれ?てか、旦那今47だか48だよな?パイロットとして軍に入隊ってことは士官学校上がりだろ?」

 

「自由資本同盟は15歳で成人だからな。俺が士官学校に入ったのが15の時で、卒業と入隊が19歳。そして、通常の軍人だったのが20歳。そこから3年で部隊崩壊して傭兵になったからな」

 

「なるほど」

 

一通り話を終えたところで腕輪型の携帯端末から呼び出し音が鳴った。

 

「んじゃ、行ってくるわ」

 

「ああ、精々背後に気を付けて行け」

 

「へーへー」

 

旦那と別れて宿舎を出て、携帯端末の画面に表示された場所、この基地の司令のところへと向かう。ノックをしてから部屋に入ると既に俺以外は集まっていた。

 

「あら、遅れた?」

 

「いや、大丈夫だ。さて諸君ら傭兵へのオーダーだが、我が自由資本同盟軍バトルフレーム一個小隊とともに敵防衛陣地を突破して、要塞上部のリニアカノン砲の破壊だ」

 

「こりゃまたなかなかの無茶振りだ」

 

口笛をひとつ吹いてカークスのおっさんがそう言い、司令の右後ろに立つ卸たてのスーツのように汚れひとつない制服を着込んだいかにもキャリア組と言った感じの副官らしき男が睨む。お堅いことで。

 

「無理難題は承知している。しかし、あのリニアカノン砲があっては要塞攻略用に要請した陸上戦艦を呼べないのだ。つまりは、このオーダーの成否によって要塞攻略の成功の明暗が分かれるのだ。それはわかって貰えるな?」

 

腹芸とか一切無いマジの視線かどうかまではわからないが、司令の目は熱く訴えかけていた。てか、陸上戦艦ってなんだ。自由資本同盟軍はそんなもん作ってたのか。

 

「依頼とあらば遂行するのみ」

 

ボリスが全員の意思を代弁するように静かにそう言った。そもそもが依頼主からのオーダーである以上俺達に拒否する権利はない。

 

「無論、エジプト軍も我ら自由資本同盟軍も諸君らに十分な支援を約束する。必要な兵装などが有れば気にせず言ってくれて構わない」

 

「じゃあ、バトルフレーム用のレールガン一式をお願い出来ますかぁ?私のアージェントの手持ちのライフルでは些かリニアカノンを破壊するには火力が不十分なので」

 

「わかった、手配しよう」

 

「んじゃあ、俺からもランスター1機分の装甲とシールド1枚。それから炸裂杭となんでも良いからバトルフレームで使える単装砲一門貰えないか?機体の整備に必要だから」

 

「任せておけ。後の者は無いか?」

 

司令太っ腹すぎない?後ろの副官がぎょっと目見開いてるけど大丈夫?

 

「し、司令っ!いくらなんでも安請け合いし過ぎでは⁈」

 

「要塞攻略に必要なのだ。仕方あるまい?彼らの準備不足で皇華帝国軍に先に攻略されるような恥はさらせぬのだ」

 

ああ、やっぱ張り合ってるのね。

司令の言い分に渋々副官が引き下がる。キャリア組は大変だな!

 

「オーダー了解。まあ、気張るとするさ」

 

「頼むぞ。繰り返すが、諸君らの働き次第で戦局は左右されるのだ」

 

並々ならぬ熱意の籠もった目に見送られて司令の部屋を出る。まあ、あれくらい期待された方がやる気も出るってもんだ。

 

 

●●●●●●●●●

 

 

傭兵達が部屋を出ていくのを見送り、椅子に座って神に祈る。神よ、見ているのならばどうか我らに勝利を………

 

「ところで司令。あの男は放置でよろしいのですか?」

 

祈り終えたところで後ろに控える副官として派遣された大尉がそう口を開く。何故このアフリカでの覇権の証明となる重要な作戦に駆り出されたのかわからないキャリア組の若造だ。上層部は何を考えているのやら

 

「あの男とは、誰のことだ?大尉」

 

「決まっているでしょう!宿舎に引き籠もっているあの男、ヨルド・アフマンです。司令もご存知でしょう。あの男の存在は我が自由資本同盟にとってガン細胞のようなものだ。もしあの男があの事を………」

 

「それで?彼を拘束してどうすると言うのかね」

 

「決まっています。然るべき措置を」

 

本当になんでこのような男が副官として派遣されたのか、軍上層部に対して呆れながら大尉の方を振り向いて

 

「貴君は彼らを敵に回したいのか?あの傭兵達は一人一人が内側から我が軍を食い破れるほどの実力を持っているのだぞ。傭兵は依頼主が裏切るような行動を取れば間違いなくこちらを殺しに来る」

 

「し、しかし!」

 

「大尉。我らの目的はなんだ?あんな過去の遺物の相手ではなく、あの要塞の攻略だ。これ以上同じことを言わせるなら荷物を纏めて本国に帰れ」

 

大尉が押し黙る。ここで追い返されるような事があれば、自分の出世に響くからかは知らないが………全く困ったものだ。これだからキャリア組は嫌いなんだ




超絶遅刻で申し訳ない上に相変わらずの短さ()
すまない………本当にすまない………

ガンダムブレイカー3にハマり過ぎた。
ゲームにかまけてコレとは極刑不可避()

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

  • 最初
  • 節毎
  • 最後
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。