なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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19話

ハンガーに固定されたランスターを見上げる。

前の追加装甲を盛りながらも割とスマートにまとまっていたのが、重装竜胆よろしく盛りに盛った追加装甲によって大幅に着膨れしている。

 

「これまた随分と盛ったなぁ。コレ動けんの?」

 

隣でタブレット端末を操作をしているミリアに聞く。

 

「運動性能はいくらか低下していますが問題なく動けますよ。そもそもランスターは竜胆に比べて馬力に余裕がある設計なので多少無理な盛り方をしても大丈夫ですからね。これでもブースターでのジャンプも可能なんですよ?」

 

「そりゃ有難い。で、ヘルファイア直せないんじゃなかったのか?」

 

ランスターの両腕には元通りの形ではないが、確かにヘルファイアが戻っていた。ランスターのシールドにストリクスとストークが取り付けられている。パッと見ではシールドが変わったくらいしか違いが分からない。

 

「ああ、それですか?形になっているだけですよ。ストリクスもストークもただシールドの裏にまとめて装備しているだけで、それぞれ操作が別なので切り替えに一手間かかりますし」

 

「普通に使えるんだろ?」

 

「はい、使用そのものは問題ありません。ただ、咄嗟にストリクスとストークの切り替えが出来ない事だけは頭に入れておいてください。それとスペースの都合上、ストリクスの弾倉を切り詰めたので装弾数が3発ほど減ってますから残弾にも気をつけてください」

 

「3発かぁ。つまり片方あたり6発の12発か。予備弾は?」

 

「腰部ハードポイントに一つずつ予備弾倉を用意してあります」

 

合計で24発か。まあ、そんなもんだわな。コレがライフルだったなら厳しいところだがストリクスは砲だ。シールドやらで防がれるたならともかく、直撃させれば一撃でバトルフレームだって撃破は容易だ。24発なら十分な携行数だ。それにいざとなりゃ杭でぶち抜けば良い。

 

「私の方で出来る事はやりました。後はそちらで頑張ってください」

 

「精々きたねぇ鉄くずの仲間入りしないよう気張るよ。旦那の面倒よろしく」

 

「やれやれ介護にはまだ早いんですけどね」

 

「違いない」

 

離れて行くミリアを見送って、ランスターに乗り込み起動させる。

機体の状態確認を進めて行くが、両腕に二つずつ武装を装備している都合上チェック項目がやたらと多い。なるほどミリアがヘルファイアを組むのが無理って言ったのはこのシステムのほうか。

 

チェックを済ませてハンガーのロックを解除してランスターを格納庫から出すと、基地を囲うフェンスの外にデデーンと効果音でも聞こえて来そうなバカデカイ2連装の大砲が特徴的な双胴型の陸上艦が鎮座していた。

 

アレが基地司令が言っていた陸上戦艦らしい。

確か名前はゴリアテ。元はRK社が開発した陸戦を制する為に開発した重戦車だったが、バトルフレーム万歳の自由資本同盟軍にコレイラネとお蔵入りしたのをマイダス社と共に再設計、再開発したものだ。

 

まず元々重戦車に積まれていた艦砲になる予定だったがコンペで落選した大口径砲を取っ払って、代わりにマイダス社の軍艦のレーザー式主砲の試作品に換装しようとしたら砲はともかく、肝心のジェネレーターを搭載するには車体が小さかったので載るように再設計したら馬鹿みたいに車体がデカくなったのでいっその事バトルフレームを収容出来る様にしてしまえとやった結果、双胴型のアレになったとか。

 

艦上部中央に対要塞重レーザー砲ギガンテスを2連装で搭載し、艦左右胴部上部には26センチ対艦砲を前後に2門ずつの計4門。それに対空銃座が2門、多目的防御機関砲を左右側部に3門ずつと前部と後部に1門備え、4機ずつバトルフレームを整備収容出来るドックを備え正しく移動する要塞と言うに相応しい代物だ。

 

唯一の弱点は鈍足だ。どれだけ頑張っても最高で時速80キロ程度でしか動けない。いかに強固な装甲と強力な砲を備えていても、蟻のようにバトルフレームに集られてはいずれは沈むし、目標の要塞の大型レールガンなどの高威力かつ高速の一撃の前ではひとたまりもない。

 

だからこそ、俺達はここに呼びつけられてるんだからな。

 

 

 

正午を過ぎて要塞攻略が開始され、俺達は事前に言われたように最前線を要塞や防衛陣地から飛んで来るミサイルやら砲弾やらなんやらの盛大なお出迎えを一番機体の装甲が厚い俺、アイク、カークスのおっさんで受け止めながら突っ走っている。

 

『まさか策も何も無しの正面からの突撃とは恐れ入った。これが傭兵の戦い方か』

 

後ろから自由資本同盟から回されて来た小隊長さんからそんな呆れまじりの言葉が飛んで来る。

 

まあ、普通に考えて頭おかしいわな。

 

『歩兵くらいならどうにか身ぃ隠せるだろうが、バトルフレームじゃ隠れようがねぇからな。なぁにお前さん達は俺達の後に着いて、あそこに着いたら思う存分暴れりゃいい』

 

『そんな無茶苦茶な………』

 

小隊のサブマシンガンを両手に装備した前衛の片割れのパイロットからそんな非難するような声が飛んで来る。

 

『じゃあ、後ろの連中と合わせて仲良く皆でお手手繋いで突っ込むか?上のデカブツでまとめて吹っ飛ばされるだろうがな。いいか?俺達は後ろの連中の弾除けだ。それを承知でこっちに回されて来たんだろう?』

 

カークスのおっさんが飛んで来た砲弾をシールドで受け流しながらそう返す。あんな重そうなシールドでよくまぁやるよ。てか、

 

「どうでも良いってか、機体の強度的に当たり前だけど俺が先頭ってなんかのいじめですかねぇ⁈」

 

コックピットの中がね?もう、ずっとアラートでやかましいんだよ!と言うか、このままだと装甲が保たんわ!

 

「アイク!対空弾幕!」

 

アイクに向かって吠えながらバックパックの機関砲を主翼と水平尾翼が一緒になったような形状のデルタ翼が特徴的な戦闘機の3機編隊に向かって撃ち弾幕を張る。

 

『おいおい、ボクのガトリングはAAガンじゃないんだけどね?このペースだと肝心のパーティーで弾が足りなくなりそうだ』

 

「やかましい。そのパーティー会場に着く前にダウンしたら一緒だ」

 

アイクにそう返しながら、弾幕を潜り抜ける中で戦闘機から苦し紛れ気味に放たれたミサイルを右のシールドで防ぐ。鳴り響くアラートを無視してダメージを確認する。色はオレンジ。まだ保つには保つが多少心許ない。

 

こちらから撃ち上げる鉛玉を躱しきれずに2機の戦闘機が爆炎を上げながらきたない鉄くずに変わり、無事に弾幕を潜り抜けた残りの1機もスナイパーライフル持ちのコルベットが放った超高速の一撃を受けて黒煙を上げながら墜ちて行く。途中でベイルアウトするのは見えたが、生き残れるかは怪しい。まあ俺には関係ないか。ゆっくりと降りて来るパラシュートから意識を外して前方向に意識を戻す。

 

「要塞まで距離8000!地雷原注意!」

 

要塞前の防衛陣地との間の草木すら無い、要塞に続く道があるだけの見晴らしの良い平野に飛び出しながら通信で警告する。

 

戦車に対して有効な地雷があったように地雷はバトルフレームにも有効だ。そりゃそうだわな、タイヤだったりキャタピラが脚になっただけで地面の上を移動してるのは変わらないんだから致命打にはならなくてもどっちか片方の脚部だけでも潰せればそれだけでただの的だからな。

 

と言うか要塞まで残り10キロ切ってるのに迎撃が戦闘機しか来てない時点で地雷がしこたま仕込まれてるに決まってる。

 

『アイク、ミサイル撃ち切って構わねえから全部前にばらまいてけ』

 

『やれやれ、本当にパーティーの前に弾が無くなりそうだ』

 

カークスのおっさんの指示にそう文句を言いながらもアイクがバックパックの両サイドのミサイルランチャーからミサイルを撃ち出す。ある程度進んだミサイルがいくつもの子弾に分かれて、地面に降り注ぐと明らかにミサイル以外の爆炎が上がった。

 

『そぅれ!煙を盾に一気に突撃だ!後ろの連中そろそろ出番だぜ!しっかり準備しとけ!』

 

その声に続いて爆煙の中へと突っ込む。装甲表面の温度上昇に留意するようサブモニターに表示されるが、これくらいなら装甲を追加していない通常状態のランスターでも問題無い。

 

『ちょ⁈本気でこの中突っ切るのかよ⁈』

 

『機体温度上昇!た、隊長大丈夫なんですかコレ⁈』

 

『落ち着け!コルベットの機体ならこれくらいの温度はどうって事はない!それよりお前達も武装のチェックを済ませておけ!』

 

共有回線で情けない声を上げる前衛組のパイロットに隊長さんがそう声をかけているのを聞き流しながら、両腕のカノン砲と炸裂杭の切り替えを確認しておく。問題無し。

 

「やっぱ微妙にいちいち切り替え操作すんの面倒いな」

 

ぼやきながら煙の向こうからそれなりに当てを付けて撃ち込まれてくる砲弾に注意しながら、ランスターを更に加速させる。

 

『ミサイルはコレで完売だよ』

 

その言葉と共に更に追加でアイクがミサイルをばら撒いて、煙で見えないが先で爆発音が上がった。

 

「要塞まで残り2000!そろそろ防衛陣地前に出るぞ!」

 

共有通信で後ろの連中に向かって吠えながらブースターを吹かして一気にランスターを前進させる。煙の中から飛び出すと防衛陣地のフェンスが見えた。その向こうからバトルフレームや陣地内に設置された砲やらから鉛玉が飛んで来るが、装甲を信じてそのまま前進。右腕を畳んで炸裂杭に切り替えてそれを真っ直ぐフェンスに向ける。

 

「はい!こんにちはってな!」

 

フェンスに向かって突っ込むようにしながら右腕を突き出して炸裂杭を打ち込む。炸裂杭がフェンスに穴を開けてランスターがそこへそのままトップスピードで突っ込んでブチ破る。

 

ランスターに制動をかけて穴の前に立ち塞がるように仁王立ちして、手当たり次第にカノン砲を撃って近づいて来ようとする敵を牽制する。

 

『あたしら置いておっぱじめてんじゃないよ!』

 

『攻撃開始』

 

そんな言葉と共にカーシャの赤い鳥みたいなバトルフレームとボリスの黒いブレオンのバトルフレームが飛び込んで来て、凄まじい勢いで敵に向かって行く。

 

『おいおい2人だけで楽しまずにボクも混ぜておくれよ!』

 

2人に少し遅れて飛び込んで来たアイクがそう言いながら、前にカーシャとボリスのバトルフレームが居る事など知ったこっちゃ無いとばかりに両腕のガトリングをぶっ放す。

 

『カハハハハ!暴れろ暴れろ!俺達が暴れた分だけ後ろの連中が楽になるんだからなぁ!』

 

『無茶苦茶だ。統制も何もあったものじゃないな』

 

『傭兵は自由で良いなって思ったけど、軍隊入って良かったわ………』

 

『同意する。頭の中どうなってるんだ』

 

『2人とも無駄口叩かないで集中』

 

『傭兵にお行儀良くなんて期待するだけ無駄ですよぉ。さてさて、ヒャッハーしてる人達に陣地荒らしは任せてこっちはこっちでやることやりますねぇ。身動き取れなくなりますからフォローは任せますよぉ?』

 

最後に残りの連中がゾロゾロと入って来て、各々にそんな事を良いながら動き出す。正規の訓練を受けてるだけあって手早くコルベット達が広がって周囲を警戒する防衛隊形を取り、その真ん中あたりに座したイリヤが機体に積んで来た武装を展開する。

 

両腕で抱えた四角い構造材みたいな形になっていたものから銃身であるレールやグリップが展開してレールガン本来の形を取り、折り畳まれていたバックパックの右側のサブアームがレールガン後部を掴んで固定する。それに合わせて左側のレールガン用の外付けジェネレーターから4枚の放熱板が迫り出して駆動音を立てる。

 

『さーて、そんじゃまぁ俺も仕事するかね、と』

 

言いながらカークスのおっさんがおもむろに吹っ飛んだ固定砲の方へとライフルを向けてセミオートで1発撃つ。撃たれた鉛玉がその固定砲の残骸の陰からナイスタイミングで出て来たロケットランチャーを担いだ男に命中し、ミンチより酷い姿に変わるのが見えた。おお、グロいグロい。

 

『とまあ、こんな風にあちこちから歩兵が出て来るだろうからよーく気を付けろよ?』

 

なんて事ないようにそう言いながらあちこちへとライフルの銃口を向けて鉛玉を撃ち込んで行く。たまらず炙り出されて来た歩兵が出るわ出るわ。バックパックの機関砲をそいつらに掃射する。ん?オーバーキルだって?仕方ないね。対人機銃なんて積んでないし。

 

そんな事をしながらイリヤのレールガンのエネルギーチャージが終わるのを待つ。

 

時計を確認すると正午からまだ2時間も経っていない。それに軽くため息を吐く。今日はまた長い1日になりそうだ。




書き上げに時間かかりすぎでワロタ………ワロタ………
はい、ごめんなさい。ふっつーに書くのサボってました。

ダークソウルはあかんね。時間が文字通り消える()

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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