なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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20話

ロケット弾を防いだ事で限界を迎えた左のシールドをパージしながら、機関砲を撃ってロケット弾を撃って来た敵の歩兵を吹っ飛ばす。

 

こちらが動けないのを良いことに蟻か何かのようにロケットランチャーを担いだ特技兵が押し寄せて来る。

 

『クソッタレ!どっからこんなに湧いてくんだよ!』

 

『喚く暇があるなら撃て!』

 

その言葉と共に2機のコルベットのサブマシンガンから鉛玉がばら撒かれるが、効果はあまり芳しくない。そりゃそうだ。単純に的が小さ過ぎる。専用の対人装備でも無けりゃいくらバトルフレームと言えども歩兵相手に後手に回るなんて事は普通にあり得る。人型のロボットたって区分的には戦車と同じだ。

 

それを踏まえて見れば、対バトルフレーム用のライフルで無駄弾も無く的確に歩兵を吹っ飛ばしているカークスのおっさんがおかしい。と言うかほとんどカークスのおっさん一人で歩兵の攻勢を殆ど押さえ込んでやがる。

 

まあ、この歩兵共は自由資本同盟の連中からすれば撃とうにも撃ちにくいかもしれないけどな。良いとこ中学生くらいの年齢の少年兵ばっかりだ。とは言え、練度も何もかもが微妙な少年兵を突っ込んで来るって事は向こうも相応に厳しいんだろう。

 

 

「だぁもう!サンドバッグじゃねえんだぞコンチクショウ!」

 

吠えながらカノン砲をロケット弾を撃ってさっさと歩兵が隠れた瓦礫に撃ち込むが、そこには誰も居ない。ふぁっきゅー。

 

「イリヤァ!まだチャージ終わらないのか⁈」

 

いい加減撃たれっぱなしでストレスがヤバい。

 

『そうですねぇ。あと3分と言ったところですかぁ?』

 

今回イリヤが持ち込んでいるレールガンはバトルフレームでも携行出来るくらいに軽量小型化が出来ているが、代わりにぶっ放すための電力を艦船みたいに一瞬で供給する事が出来ず、規定の電力をレールガンに蓄積する必要がある。

 

レールガン一つでコレだ。いつだかのレーザー兵器盛り盛りな第五世代型試験機のジェネレーターがいかにぶっ飛んでいるのかよく分かると言うもんだな。そしてアレが欲しいと今は切実に思う。まあ無い物ねだりしてもしゃあないんだけどさ。

 

「おっさん!突っ込んで暴れたいんだけど無理⁈」

 

『しゃあねぇな。なるべく撃たせんなよ?こちとらどいつもこいつもお前さんのほど頑丈じゃないからな』

 

よっしゃお許しが出た。ヒャアもう我慢出来ねえ!突撃だぁ!

ランスターのブースター全開で飛び出して手近な残骸をそのまま突進で蹴散らす。

 

「逃がすかってんだよ!」

 

残骸やらを蹴散らして突っ込んで来た俺のランスターに慌てて逃げ出す歩兵を飛びかかるように攻撃する。突進の勢いのまま轢き、両腕をそのまま鈍器としてぶん回して吹っ飛ばす。

 

やっぱちまちまやるのは性に合わない。突っ込んで暴れるに限る。俺が暴れて奴らが逃げ惑ってるうちは後ろにもロケット弾も行かないだろうし………たぶん。

 

そうやって暴れていると唐突にロックオンアラートが鳴り響き咄嗟に構えたシールドにミサイルが着弾し、それに少し遅れてレーダーの索敵範囲内にアイコンが追加されて爆煙の向こうから鉛玉が連射で撃ち込まれて来る。

 

爆煙を引き裂くようにランスターのスレスレを白に赤のラインでマーキングされた逆向きに取り付けられたような前進翼と呼ばれる特徴的な主翼をした戦闘機が飛び抜けて行く。

 

そしてそのままイリヤ達の方へと向かって行き、機体下部にマウントしたミサイルを撃ち込んでグンと鋭い角度で機首を上げるとまるでバク転でもするかのようにこっちを向くと再び鉛玉を撃ち込んで来た。

 

「トップガンかよ!」

 

甲高い音を立てて着弾した鉛玉が装甲を削って行く。ロケット弾やミサイルに比べれば大した事無いダメージだが、無視は出来ないので防御を固めざるを得ない。

 

『そっち生きてますかぁー?』

 

「この程度でくたばるならアフリカ来る前に死んでるよ!で?チャージはまだ終わらねぇのか⁈」

 

『そっちは大丈夫ですって言えたら良いんですけどねぇ』

 

「レールガンやられたのか⁈」

 

だとしたら強引にここまで突っ込んで来た意味がなくなるってか今回の仕事完全にトチった事になる。

 

『本体は無事なんですけど、さっきのミサイルの破片がですねぇ?こう見事にジェネレーターに命中しちゃいまして、爆発こそしませんけどエネルギーが8割くらいしか溜まってないんですよねぇ。ここからあのデカいのを陥すにはちょっとエネルギーが足りないんですよぉー』

 

『でだ。あの空のはこっちでどうにかすっから、嬢ちゃんをぶち抜けるとこまで連れてけ』

 

「動けないって言ってなかったっけか?」

 

『機体のエネルギーもレールガンに回してたからですよぉー。チャージする必要が無いならまあどうとでもなります。まあ、2基目は陥せないから半分仕事に失敗したようなもんですけどねぇ』

 

器用に展開したままのレールガンをサブアームと両腕で抱えたイリヤの機体とサブマシンガン持ちの2機のコルベットが走って来る。それに合わせてランスターを走らせてまだ隠れているかもしれない歩兵を警戒する。

 

戦闘機からのロックオンアラートが鳴り響くが、すぐに鳴り止む。

 

『ハッハァ!北の猟犬がこんな南の大地居るなんてなぁ』

 

そんな声が聞こえ、カークスのおっさんが戦闘機に向けてライフルを撃っている。並の機動の戦闘機なら間違いなく被弾しているだろう見事な偏差射撃だが、それを戦闘機の方はまるで人間が乗っているとは思えないような複雑怪奇な機動で回避してみせる。いや、なんであんな飛び方で落ちないんだアレ。

 

 

「なんだあの戦闘機。バルキリーかよ………」

 

『何と勘違いしてるか知りませんけど、アレはSU-X03ヴェールクトⅡですよぉー?』

 

前世のロボアニメに出て来た変形する戦闘機の名前を思わず口を滑らせて言ったらすぐにイリヤからそんな訂正を入れて来た。てか、なんだその某超本格的飛行機ごっこゲームにでも出て来そうなのは。

 

『カズキも皇華帝国によるロシア連邦への侵略戦争は知ってると思いますけど、あの頃に作られた物で自由資本同盟のワイバーンはアレの劣化コピー機だってもっぱらの噂ですねぇー』

 

『間違っても空軍連中の前ではそれ言ってくれんなよ?あいつらマジギレすっから』

 

「で、そんなもんがなんでこんなとこに居るんだよ?」

 

『簡単な話ですよぉー。ロシアは皇華帝国に敗北しましたけど、そんなのは認めない。自分達の国を取り戻すんだーって愛国心溢れる人達が居るわけですけど、何をするにもお金は入り用ですからねぇ?』

 

「なるほど。軍資金集めの為に傭兵なんぞをやってると」

 

自分達の国を取り戻したいと言う心意気は御立派でも先立つモノが無けりゃどうしようもない。いやはや全く世知辛いもんだ。

 

時折遭遇するロケットランチャー持ちの歩兵達をサーチアンドデストロイしつつ移動を続けて行く。

 

歩兵らしき集団が見えたので咄嗟に左のカノン砲を撃ち込もうとしてコルベットの片割れがそれを妨害して来た。

 

『待て、衛生兵だ。相手は反政府勢力とは言え非武装の衛生兵への攻撃は条約違反だ』

 

その言葉にカメラの解像度を上げると確かに担架に負傷した歩兵だかパイロットだかを乗せて必死になって戦場から離れようとしているのが映った。

 

上げたランスターの腕を下ろして先を急ぐ。カークスのおっさんならあの戦闘機相手にも死ぬ事は無いだろうが、弾が足りなくなったら何も出来ないからな。そうなったら間違いなくアレはこっちに来る訳で、流石に走りながら安定しない状態で戦闘機相手に射撃戦なんてやってられない。

 

 

『あのあたりちょっと吹っ飛ばして場所作ってください』

 

「あいよ」

 

返事するのと同時にバックパックのグレネードをぶっ放してまだ歩兵用の武器弾薬あたりでも詰まってそうなコンテナの山を吹っ飛ばす。そうして出来たスペースでイリヤが再度射撃体勢を取り、レールガンをぶっ放す。

 

レールガンから眩しい閃光を纏いながら放たれた砲弾が要塞の大型レールガンを貫いた。それから少しして炎と煙を上げながら崩落して行く。それを見ながらイリヤは用済みになったレールガンをサブアームごとパージして四脚のうち右前側の脚部の装甲の隙間に手を突っ込んで、リボルバー型のハンドガンを引き抜いた。

 

『やれやれ、保険に持って来て正解でしたねぇ』

 

「俺も旦那に頼んでハンドガンくらい積んでもらうべきかねぇ。赤字増えるけど」

 

『その両腕のパイルで十二分以上に暴れてるんですからハンドガンは無駄ですよ無駄。むしろ、その分タンク増設して貰って推進剤増やして貰った方が良いんじゃないですかぁ?』

 

「ま、そこは旦那が考えるさ。さて、んじゃ戻ってカークスのおっさん達とケツまくんぞー」

 

一応、1人を除いてヒャッハー楽しんでそうな特攻野郎チームにメッセージを送っておく。落ち着いたら帰って来いと。間違いなく無線飛ばしても高笑いか無言しか返って来なさそうだからな。

 

それにあいつらは自分の力を証明してみせた独立傭兵達だ。どんなに頭ヒャッハーも退き際を見誤るなんて事は無いだろうし、あいつらが死のうが俺にとっちゃ関係無いしどうでもいい。

 

カークスのおっさん達のところまで戻ると、1機も欠ける事なく3機とも残っていた。どうやらあの戦闘機は追い払えたらしい。

 

『うし、戻ったな。このままここに居ても目的は達成出来ねえ。報告がてら一旦戻るぞ』

 

『待て。そちらの傭兵がまだ全員戻って来て居ないだろう』

 

「一応、帰って来いよーってメッセージは送っといたから生きてりゃ勝手に戻って来るだろうから気にしなくて良いよ隊長さん』

 

『そう言うこった。あのおっかねえ犬っころが飯食って戻って来る前にズラかるぞ』

 

そう言って動き出すカークスのおっさんに続く。戸惑っていた様子のコルベット組も後に続く。

 

基地に戻って来るとまあ、こっちもなかなか大変な事になっていた。あちこちに爆撃でも食らった様な跡が残っている。吹っ飛ばされた格納庫や輸送機やらバトルフレームやら戦車やらの残骸が転がっている。

 

俺達傭兵に与えられた格納庫は幸い爆撃を受けず無事に残っていた。

ハンガーにランスターを固定して一旦降りる。ミリアはもちろんのことウチ以外のとこが連れて来たアブレヒト組のメカニックの姿が見えないのは多分、金積まれて基地修繕だとかそっちの方に駆り出されてるからだろうが、まあ、すぐに戻って来るだろ。

 

一旦機体の事は頭の中から放り出してカークスのおっさん達と一緒に司令のところに向かう。

 

 

「悪いな。ちょってばかし想定外の敵に出くわしてレールガンをやられちまってデカブツの片方しか陥せ無かった。必要なら違約金払うぜ」

 

「構わんとも。旧ロシアの猟犬部隊崩れが向こうに居るなど想定外にも程がある。片方を陥してくれただけでもありがたいとも」

 

「そう言って貰えるなら助かるが、そっちが用意してたゴリアテはどうしたんだ?」

 

「件の飛行隊に主砲及び動力部を見事にぶち抜かれて木っ端微塵だとも。ゴリアテを失った以上、我々陸軍だけではあの要塞はどうしようもない。空軍に戦力の要請をして、彼らの到着を待っているのが現状だ。何はともあれ諸君らも休んでくれ」

 

なんで最初から空軍呼ばないってのは野暮な文句だろう。向こうの対空網の前じゃ空爆なぞ無理だし、かと言って飛べても高度は200メートルが精々、そんな低空じゃ半端な腕前じゃ下から撃ち上げる対空砲火のカモでしかない。

 

まあ、出来そうなのは一応心当たりあるが、いくら自由資本同盟軍と言えどもあんなパイロットがゴロゴロしてる訳も無いだろうしな。てかもし居たら今頃空軍だけで自由資本同盟軍が世界制覇出来てるわ。




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コレはアカン()

鳴り物入りの戦艦とかってなんでこんな簡単に壊されてまうん?

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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