なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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25話

要塞攻略から早いもんで1週間が過ぎた。俺達は個々に散らばってアフリカでドンパチしている。一応、毎日互いに連絡を取っているがそれ以外は完全にフリーダムだ。

 

 

「ご覧ください。この見渡す限りのお花畑を」

 

『ふざけてないでさっさと終わらせろ。まだまだ焼く場所は残っているんだからな』

 

「へーへー」

 

返事を返しながら端が見えないほどに広がる巨大な花畑にヘルファイアの代わりに装備した火炎放射器をぶっ放す。ん?なんの花かって?ハイで気持ちよくなれるお高いアレの元になるお花だよ。

 

今現在、珍しく俺は世のため人のためなクリーンな仕事に従事している。現地マフィアの資金源になっていると言う農場の処分だ。マフィア自体は今この辺りの治安維持を担っている皇華帝国の部隊が壊滅させるそうだ。アフリカに来る前から分かり切っていたとは言え、警察すらまともに機能していないのヤバすぎるだろう。自警団と言う名の暴力団も普通に居るし。まぁ、自警団言うだけあってこっちは話が通じる。

 

「よーし綺麗に燃えたな?消火消火っと」

 

火炎放射器とは反対側の左腕に装備した消化器で消火剤を撒いて火を消す。火消しまでが処分のお仕事です。

 

 

ちなみに現在のアフリカでは件の要塞攻略の影響もあって、皇華帝国や自由資本同盟の傘下に下る国や自治体が急増している。特に第五世代型バトルフレームなんてもん大々的ちらつかせた皇華帝国は凄まじい勢いで影響力を強めている。特に侵略とかはしていないが結果としてアフリカに勢力圏を広めつつあると言う訳だ。

 

で、それに慌ててるのが自由資本同盟だ。率先して山賊やらマフィアやらなんやらを潰したり自分達にとっての旨味の無い条約を結んだりと必死にアピールをしているらしい。その甲斐あってか、どうぞこうぞ皇華帝国一色なんて言う事態は避けられているとか。

 

 

燃え残りが無いかの確認をしながら撤収準備をしているとランスターに石が飛んで来た。そっちを見れば、ここで働いていたであろう現地民が居た。そして、何かを叫んでるがここの言葉がわからないのでただ喧しいだけだ。まあ、大体は分かるが。

 

「まともに政府とかも機能してないから、働き口らしい働き口も無い。だからこんなとこでも働くし、女子供だって売る、と………世紀末世紀末」

 

呟きながらトレーラーまで戻る。相変わらず外はやかましいが、俺の知った事じゃない。連中のアフターケアは皇華帝国の仕事なんだからな。

 

ハンガーにしっかりと機体が固定されてるのを確認してから電源を落としてコックピットから出る。

 

「全く、そのうち銃でも持って来そうな勢いだな」

 

「連中からしたらそうしたいんじゃないすかね。今しや人間は金が無きゃ生きていけないんだから」

 

話しながら旦那からミネラルウォーターのボトルとビスケットのような携帯食料を受け取ってそれを齧る。いつも食ってる缶詰もそうだが、この世界の野戦食は意外と美味いのが多い。いや、単に旦那がそこそこ美味いのをくれてるだけかもしれんが。

 

そのままトレーラーに揺られて次のクソッタレなお花畑に向かう。

色んなもんがほぼ無価値同然になってもあんなもんだけは値崩れしないと言うか高級品なんだから全くもって世界ってのはクソだ。

 

「カズキ。不確定な情報だが、武装している可能性がある畑もあるそうだ。言われなくとも分かり切っているが、仕事の話を持ってくる時点で言って欲しいものだな」

 

「渋られると思ったんだろ」

 

「ふん、見くびられたものだ」

 

「実際にドンパチすんの俺なんだけどな」

 

機嫌の悪そうな旦那にそう答えながらランスターに乗り込んで起動させる。火炎放射器と消化器は必須だから仕方ないとは言え、バックパックの2つだけが対バトルフレーム用の武装だ。

 

ヘルファイアが外してあるから炸裂杭が無いのが痛い。尤もマフィアに用意出来るのは精々がドーラスくらいでかつ1機か2機が精々だろうしなんとかなるだろう。

 

「それじゃあ、さっさと次も終わらせますか」

 

トレーラーからランスターを出して畑があると言う場所に向けて、木やらなんやらを踏み倒しながら進んで行くと、警告にあった通りの鉛玉のお出迎えだ。ガン!ギン!と装甲を叩く音がやかましいが、銃座として固定して使う程度には大口径とは言え、あくまでも対人用の機関銃くらいじゃ豆鉄砲も良いとこだ。

 

バックパックの機関砲を撃って銃座を黙らせて前に進み目当ての花畑を焼き払いながら、奥の方から走って来る武装車両を機関砲で薙ぎ払い、炭になった片端から消火剤をばら撒く。

 

そんな感じで現地民達の非難怒号を聞きながらお花畑を焼いて回ったり武装車両吹っ飛ばしたりだなんだとしながらあっちへこっちへと行ったり来たりしていると、

 

 

 

「お願い、します………村を、私達を助けて、ください」

 

いかにも現地民の子って感じの女の子がやって来た。

 

「金はあるのか?」

 

「ありません………か、代わりにわ、私を好きにしてください………」

 

「話にもならんな」

 

まあ、当然取り付く島も無いわな。それなりに可愛らしい子ではあるが旦那別にロリコンでもなんでもないしな。

 

「お、お願いします!こ、このままじゃ、村の、皆が!」

 

「そうか。それは残念だったな」

 

そう言って旦那が女の子を引っ張り出そうとした瞬間、トレーラーが揺れた。地震でもなんでも無く砲弾だのが着弾した際に発生する衝撃波由来のものだ。

 

「黙らせて来いカズキ」

 

「ま、待ってください!今のランスターの装備ではバトルフレームとの戦闘は無茶です!」

 

「グレネードあるしどうとでもなるよ。両腕のも目隠しくらいには使えるし」

 

慌てて言い募るミリアにそう言ってランスターに乗り込んで起動させてトレーラーから出る。案の定外にはバトルフレームが2機居た。特別なオプションも何も無いプレーンなドーラスで、手入れもテキトーと言った感じのいかにもゴロツキが乗ってそうな感じだ。

 

『見ろよバトルフレームが出て来たぜ?』

 

『しかもランスターじゃねえか。こりゃ見逃す手はねえな!』

 

『ちげえねぇや!おい、ガキが1人来てんだろ?そいつとそのバトルフレーム置いてくなら見逃してやる』

 

頭数が多いからって気が大きくなってるらしい。コレは黙ってる訳には行かない。この商売舐められるのは御法度だからな。

 

余裕ぶっこいてノーガードで突っ立っているドーラスの片方にグレネードランチャーを2発ぶち込む。きちんと万全の整備をしているドーラスならともかく、見るからに装甲のへたっている目の前のゴロツキ共の機体程度じゃ耐えられるはずもなく左に居た方が鉄くずに変わり、それに呆気に取られている方に突進して蹴りを入れて転がしたとこに機関砲をぶち込んで仕留める。

 

「いくらなんでもアホ過ぎんだろ………おっと、消火消火」

 

グレネードランチャーで吹っ飛ばした時の爆炎が燃え広がらないようにドーラスの残骸に消火器をぶっかける。

 

「終わったよ旦那。見掛け倒しの雑魚だったわ」

 

『そうか』

 

「で、どうすんの?」

 

『どうするも何も村に居るとか言う賊どもを蹴散らすしかないだろう。この手の連中は放っておくとお礼参りしに来るからな。それなら今やっても大して変わらん』

 

「潰してくのな了解。んじゃ一回戻るわ」

 

相手がさっきの奴らみたいにアホ揃いだったとしても流石に今のままで突っ込むのは無謀と言うかダイナミック自殺なので火炎放射器と消火器をヘルファイアに換装して再度出る。

 

「こっちで良いのか?」

 

「う、うん。このまま真っ直ぐ」

 

地図を見せてもどのあたりかとかはわからないそうで、普通に道案内してもらうために女の子をシートの後ろの隙間にすっぽりと収まるような感じで、半ば無理矢理乗せている。

 

そのまま女の子の道案内に従って進んで行くと枯草の屋根に粘土を塗り固めた壁で作られた家が立ち並ぶ村が見えて来た。

 

「道案内ご苦労さん。それじゃ出てくる時に言った通り降りてくれ」

 

ランスターを屈ませてコックピットハッチを開けて女の子を降ろし、全武装のロックを解除して、そのままカメラの望遠機能で村を見る。

 

「ドーラスが3機に竜胆が1機、と」

 

ここからも見える広場にゴロツキ共のバトルフレームが駐機してある。

見たところ起動している様子は無い。と来ればやる事は一つだ。身を屈めた姿勢のままバックパックのグレネードランチャーの照準モードを切り替える。中近距離用の直接照準から長距離用の観測照準にして操縦桿を押して引いてと調整をして、撃つ。

 

「ビンゴ」

 

撃ち上げたグレネード弾がぴくりとも動かないバトルフレーム達に吸い込まれるように降り注いで吹っ飛ばした。村の方にも多少の被害が出てるがまぁそれは仕方ない。あくまでもゴロツキ共を吹っ飛ばすのが俺の仕事だからな。

 

ランスターを立ち上がらせて村に向けて移動させると、今さっき吹っ飛ばしたバトルフレームの持主達らしき男達が居た。リーダーらしき男がランスターを見て慌てて何か指示を出しているが、待つ理由は無いのでヘルファイアを向けて吹っ飛ばす。

 

「ま、後はお好きに」

 

万一生き残りが居たとしても、流石にバトルフレーム無しでふっかけてくる馬鹿は居ないだろうし、バトルフレームって言う脅威が無いなら村人が大人しくしてる理由も無いんだからな。

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