なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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28話

見慣れた竜胆のソレとはレイアウトの異なるコックピットに乗り込んで操縦桿とフットペダルの位置を確認する。

 

今回貸与された竜胆はどうも近代化改修を施したタイプの機体でコックピット内部も甲武を踏襲した仕様になった、いわゆる竜胆改と言うべき代物らしい。

 

前はコンソールパネルにあったボタンがアームレスト部分に移されていて手早く操作出来るようになっていて、メインモニターもサイズアップしている。総じてより扱い易そうな感じだ。流石正規採用量産機はモノが違うわ。

 

「珍しく楽しそうですね」

 

「そりゃね。見慣れない新しいのってなったら少しは嬉しいよ。まあ、動かす上じゃ面倒臭ぇのは確かだけども」

 

朝起きて仕事の話してからずっとご機嫌斜めな仏頂面のミリアにそう答えながら調整用のケーブルを受け取って繋ぐ。

 

「全く、朝起きたら仕事が入ったから借り受けた機体の調整をしろとか勘弁して欲しいですよ」

 

「いや、それは不貞寝し「何か?」いいえなんでもないです。はい」

 

操縦桿とフットペダルの重さと感度の調整をしてケーブルを抜いてミリアに返す。

 

「言わなくてもわかっているとは思いますけど、あくまでも動かし易いように調整しただけですから、色々と制限がある事は理解しておいてください。まず、あなたの入力に対して実際の挙動は遅いです。主に武装のせいですが。それから右手の重機関砲は本来の射程に対して3分の2から半分程度が精度の保証が出来る限界です」

 

「そんなに精度悪いんだ?」

 

「単純な話として、この重機関砲はそもそもが両手で保持して使う武装だからですよ。片腕では反動を制御し切れません。あなたが前に乗っていた機体は各部の出力強化や追加装甲の重量で無理矢理反動を押さえ込んでいましたが、近代化改修しているとは言っても素の竜胆の出力では無理ですので諦めてください。貸与品に物理的に手を加える事は出来ませんし」

 

「それはしゃーないか。どうにかするわ」

 

そう返事をしながら右のアームレストのボタンを叩いて武装を確認する。サブモニターの右腕部に煌々と安定重量超過のアイコンが踊っている。重量的にはどっこいレベルのはずの左腕には付いていないのはなんでだ。

 

「炸裂杭は良いのなコレ」

 

「そっちはゼロ距離で使う物ですからね。当てられさえすれば精度も何も関係ありませんから」

 

「それじゃ行って来るわ。旦那の世話は頼んだ」

 

言って、コックピットのハッチを閉じるとキャットウォークが外され、機体をハンガーに固定するロックが解除される。そのまま竜胆を歩かせて格納庫の外に出て誘導に従って移動する。

 

そのまましばらく待っていると下部にそのままハンガーでバトルフレームをぶら下げて運ぶタイプのぶっちゃけ旧式の輸送機がやって来た。皇華帝国軍の所属を示すマークが側面部に描かれているからちゃんと正規の部隊のもんではあるらしいそれは既に3機の竜胆を腹にぶら下げていて、残ったスペースに俺の乗ってるコイツをぶら下げるつもりらしい。

 

「おーなかなか良い腕のパイロットじゃん」

 

割とキッツキツなハンガースペースに擦らせる事もなく綺麗に降下して来て俺を積むとふわりとこれまた熟練を思わせる揺れの少なさで飛び上がった。

 

 

『これで全員だな?傭兵とオマケのヒヨッコ共』

 

『おい!オマケは俺たちじゃなくて傭兵野郎の方だろ!』

 

輸送機のパイロットに比べるとかなり若い声が通信の向こうから聞こえて来る。まぁ、この世界じゃ多くの国が15から18あたりで成人迎えるっぽいから変ではないんだが。

 

『お前さん1機でも自力で仕留めてんのかい?』

 

『この間の要塞落とす時に2機やってるっつーの!』

 

『そいつは結構、少しは使えるヒヨッコって訳だ』

 

『はいはいそこまでな。あまり煽るような事を言うのはやめて貰いたい』

 

『すまんなぁ。イキの良い若造を見るとついやっちまうんだ』

 

あれぇ?俺は一体いつ遠足のバスに乗り込んだんだ?

これからドンパチしに行くって言うのに空気がゆる過ぎる。なんかいびきみたいなのまで聞こえてくるんだが?

 

緊張ガチガチなのはダメだがゆる過ぎるのもダメだ。今日、大丈夫か?めちゃくちゃ不安になって来るんだが。

 

『さて、それじゃあ着くまでの間におさらいの時間と行こうかね。なぁに難しい事なんて何も無い。傭兵崩れとお友達のゴロツキどもを掃除するだけの簡単な仕事さ』

 

「目標の大まかな数くらいはわかるか?」

 

『正確なところは不明だが、この辺で手に入る粗悪品のドーラスがざっと10機に傭兵崩れが持ち込んだ竜胆が2機とランスターが1機ってとこだな。ああ、それから連中どうも街をひとつ占拠してるそうだ。お山の大将が一丁前に一国一城の主気取りと来たもんだ』

 

「確実にロケットとか街中に対機甲戦力用のトラップあるじゃんそれ」

 

『なんだビビってんのか?傭兵野郎』

 

「ビビるとかそう言う話じゃなくて当然の話なんだが?」

 

『ハッ!奴らが何仕掛けてようが怖くねぇよ』

 

うーん、思いっ切り天狗の鼻伸びてるなコイツ。まぁ、それで汚ねえ鉄くずの仲間入りしようが自業自得か。全員連れて戻れとかも言われてないしその時はその時だ。

 

『そうそう傭兵。閣下からお前さんに一言だ。仕事の達成内容次第で色々と便宜を計ってやるのもやぶさかではない、だそうだ。お前さんのオーナーからもサボるなだと』

 

「へーへー了解了解。精一杯頑張らせていただきますよ」

 

はい。要するにこの半分遠足気分漂ってる連中も全員連れて帰れと言う事ですねわかります。チクショウ!あーもうどうにでもなりやがれ!

 

そのまま時折絡んで来るバカを適当にあしらいながら目標の街の近くまでのんびりと空の旅を楽しんでいると、

 

『ミサイルアラートだと⁈クソッ!ちょっとばかし揺れるが舌ぁ噛むなよ積荷ども!』

 

その言葉と共に輸送機がガクンと墜落もかくやな勢いで地上付近まで降下しながらフレアをばら撒く。ロックを撹乱されたミサイルが輸送機の上ギリギリを通り過ぎて地面に着弾して爆発を起こす。

 

『悪いが、どうやら送ってやれるのはここまでらしい。すり抜けながら落とすが着地トチるなよ!』

 

『了解した。総員降下体勢!』

 

『なんで山賊同然の奴らがミサイルなんぞ持ってんだよ⁈』

 

『空中降下とか苦手なんだけど⁈』

 

「文句言う余裕あるなら操縦桿とペダルに意識向けろよ、新兵ども。そんじゃ良い適当なタイミングで頼むぜ運び屋さん」

 

喚いてるバカどもに言いながら降下前の最終確認を手早く済ませつつ戦闘システムを起動させる。その作業が終わるのと同時くらいのタイミングで追撃のミサイルを振り切った輸送機がハンガーのロックを解除。竜胆が空中に放り出される。竜胆のバックパックの右側に装備されたグレネードランチャーの七八式擲弾砲を選択して盾を構えてライフルを向けているお出迎えのドーラスに向けてぶっ放す。

 

正規仕様の機体なだけあって搭載されてる射撃システムも優秀で多少のズレはあるがおおよそ狙い通りの位置にグレネード弾が飛んで行きドーラスの出足を挫く。

 

フットペダルを踏み込んでブースターで落下の勢いを落としながら着地と同時に竜胆を突っ込ませる。ドーラスが迎撃に撃ってくるが、それは左腕に装備した炸裂杭の装甲で防ぐ。やっぱり重たいが盾としても使えるからコイツは便利だ。

 

そんな事を思いながら牽制とばかりに重機関砲をぶっ放して2機のドーラスの片方を蜂の巣にする。ちゃんとした機体の装甲なら少しは耐えられただろうが装甲他の質の悪い粗悪品じゃ耐えられるはずも無い。そのまま相方がやらせて怯んでいる方の土手っ腹に殴るように左腕の炸裂杭を叩き込む。

 

「よーし、それじゃあ仕事の時間ですよ、と」

 

一言呟いて、お代わりのドーラスに向けて重機関砲をぶっ放す。後ろの奴らは知らん。たぶん変に気にするより俺が突っ込んだ方が安全だろうし。




あれ?ちょぼちょぼ書いてたはずなのに年明けて2月だって?
一体何が起きたんだ………(責任放棄)

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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