なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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29話

竜胆を前に突っ込ませる。迎撃にドーラスがライフルを撃って来るが、精度がてんでめちゃくちゃだ。フルオートならまだしも、いやフルオートですら十分な命中が期待出来る距離でバースト射撃で掠めるかどうかはゴミ過ぎる。

 

旦那がこの辺りに出回ってるのはジャンク品だとか粗悪品だか露悪品ばっかりだって言ってたが、ここまでとはそんなもん使わされてる奴らが可哀想に見えて来る。まぁ、だからってぶち抜くのはやめないけども。恨むならそんなゴミ同然を渡して来た奴らを恨んでどうぞ。

 

強気にライフルを撃ちながらドーラスが1機前に出て来る。後ろから皇華帝国の連中にパチパチと撃たれてるのを嫌がっての行動っぽいが、近距離での殴り合いは望む所だ。

 

ドーラスがライフルから腰のハードポイントにぶら下げたナイフに持ち替えて前進の勢いのままナイフを振り抜く。それを炸裂杭の装甲で滑らせるように防ぐ。流石に盾の代わりになるくらい頑丈でも機体の全重量を乗せた攻撃は真正面から受け止めるのはキツい。

 

ナイフを受け流されたドーラスが更に一歩前に飛び込むように出て来る。よっぽど後ろから撃ってる奴らが嫌らしい。まあ、あんなライフル使わされてばそりゃそうか。機体の装甲的にも。

 

今のこの距離なら重機関砲も炸裂杭もどうとでも出来ると思ってるんだろうが………

 

突進して来るドーラスに竜胆の左腕を殴り付けるように振るい、炸裂杭を打ち込む。機体本体の装甲に比べればまだマシな防御力はあるらしいが、炸裂杭を防げる程では無いようで、盾ごと文字通りドーラスの左腕を木っ端微塵に粉砕した。

 

そこから杭を戻しながら撃発用のグリップを離して、空いた手でそのままドーラスに掴みかかり、限界目一杯まで出力の上がっている左腕の力任せに引き倒して重機関砲を向けて蜂の巣にする。

 

 

「よしクリア」

 

『単独で突っ込むな傭兵。十分な援護が出来ない』

 

「悪い悪い。いつも基本的に1人だからその癖でさ」

 

嘘じゃない。基本的に鉛玉ばら撒きつつ隙があらば即炸裂杭を叩き込むのが俺の基本だし、そもそも他との協働自体まともに組んでやったのってアイクやイリヤとかが初めてだ。それにあいつらも基本的にスタンドプレーの独立傭兵だから協働の基準に考えちゃダメだろう。

 

まあ、後はなんだ?ぶっちゃけやっぱりこいつら邪魔だし………

 

『まあ、手早く撃破してくれたおかげで楽は出来たからそこは礼を言う。それに察しが付いているとは思うが俺の部下達は未熟だ。お前からすればやりにくいのもわかるが、だからと言って全部をそちら任せにすると後が怖い』

 

俺の思ってることバレテーラ。

わざわざ個別通信に切り替えて来てるし。

 

「後が怖いって言うと?」

 

『まぁ色々とあるんだ。色々とな』

 

「そりゃ大変で。でも、悪いけど俺は俺で下手にあんたらに損害出すと後が怖いのよ。あんたらも聞いただろ?この仕事の内容次第で便宜図るし、旦那からもサボるな。要するにパッパと片付けて連れて帰れって言われてるしさ」

 

『そちらの事情もわかるし、すまないとは思うが、なるべくはこちらに合わせてくれ』

 

「了解了解。それじゃあの新兵2人があんまり前に出て来ないようにだけ頼むわ」

 

『わかった。迷惑をかけてすまない』

 

そこで個別通信を切って移動を再開する。最初の威勢はどこへ行ったのやら新兵共が大人しい。うんうん、そのまま隊長さんに引っ付いてろ?

 

目的の街からは大分手前に降ろされたのはわかっちゃいたが、なかなかに距離がある。輸送機でどんぶらこされながら貰った地図情報的には目の前の山の山中らしい。本当はあの山の適当な所に降ろして貰う予定だったがまぁ予定は予定だから仕方ない。

 

『なんでアフリカくんだりまでやって来て山登りしなきゃならねぇんだ?しかもバトルフレームでよ』

 

『撃ち落とされるよりはマシじゃん』

 

『私語は慎め』

 

なんか通信の向こうからごちゃごちゃと聞こえて来るが、そんな事は置いといてだ。

 

「おかしい」

 

『どうした傭兵?』

 

「今の状況だよ。あんなミサイル使って落下地点にバトルフレームまで置いてる連中がなんでなんの妨害も置いてないんだ?」

 

『確かに不気味だが、拠点になる街の守りを固めているんじゃないのか』

 

「地の利持ってんのに籠城なんて亀戦法を取るか?確かに機体の質はジャンク品レベルだけど数で言えばあっちの方が多いし、頭目の傭兵崩れどもはそれなりに手練れだ。それでなんでこうなる?ありえねぇだろ。とにかくだ。何があるかわからないからくっちゃべるのは自由だけど気をつけろよ。特にそこの新兵ども」

 

『はいはーい』

 

『チッ、いちいちうっせえ奴だな』

 

新兵どもにそう釘を刺しつつ山を登り稜線に出ると、黒煙の上がる街が見えた。

 

『どうなっている?』

 

「見りゃわかんだろ。俺達以外の誰かがあそこを落としたって事だよ」

 

稜線を越えて街に向けて山を降って行く。周囲には破壊されたミサイルランチャーやドーラスの残骸が転がっていて、異様に静かだ。そのまま街まで近付く。山に張り付くように斜めに築かれた街そのものはそこまで破壊されている様子も要塞化されている感じもしない。

 

街の中央を抜ける通りを抜けて広場に出ると、そこにはまだ破壊されたばかりと思しき傭兵崩れ達の物であろう竜胆とランスターの残骸が転がっていて、鮮血を思わせる真っ赤な色をした1機のバトルフレームが居た。

 

細身の手脚にシュッと前に突き出したような形状の頭部にはオレンジ色のトサカ状のパーツが取り付けられていて人の姿をした鳥を思わせる姿をしている。

 

『去れ、異国の戦士達よ。ここにはもはやお前達の目的となる敵は居ないのだから』

 

オープンチャンネルで目の前のバトルフレームのパイロットがそう言いながらゆっくりと機体の正面をこっちに向けて右手に持ったショットガンの銃口を向けて来た。

 

てか、コイツあかん奴だ。間違いなくやり合ったら俺達全員、傭兵崩れ共と仲良くきたねえ鉄くずの仲間入りする奴だわ。

 

「………随分とお優しい事で」

 

『こちらとしても無駄な消耗は避けたいからな。ただひとつだけ貴様らの上に立つ者に伝えておけ。我らゾルデの民には何者にも屈しない。そう、何者だろうともな。貴様らが侵略者となるのならいずれは見える事もあるだろう』

 

 

そうして半ば見逃される形で俺達は街を出て、俺達を降ろしてから離れた位置で待機していた輸送機に拾われて基地に帰る。その道中で旦那に向けて通信を送る。

 

『運が良かったなお前達』

 

「アイツがなんなのか知ってんの旦那」

 

『民族解放運動武装抵抗組織の暁の剣が所有する第三世代型バトルフレームフォルストゥーダ。そして、そのパイロットのアーロン・グラウナー。現地民からの評判は英雄だそうだ』

 

「英雄、ねえ」

 

『実力はお前が感じ取った通り、まともにやり合っていたら勝ち目は無かっただろうな。少なくともそんな間に合わせの機体では』

 

「確かに間に合わせだけど、乗った感じは手応え一番良かったよコイツ。んで、依頼の達成度的には微妙だったけど、向こうの反応はどうなんで」

 

『今回はある種イレギュラーみたいなものだから、当初の約束通り使い古しではあるが、甲武の両腕と両脚に今回使っていた武装もそのまま引き渡してくれるそうだ』

 

「へぇ、そりゃ気前のいい事で」

 

『流石に自由資本同盟のアイザック・フローライトですら手こずるだろう相手に戦えとは言わんだろうさ。それにあくまで目標は街を占拠していた連中の排除だったからな。まあ、楽をさせて貰ったと思っておけ』

 

「ランスターの方はもうミリア取り掛かってるんで?」

 

『いや、流石にまだ現物の腕と脚がまだ届いていないからまだだ』

 

そりゃ良い事を聞いた。もう取り掛かってるって言ったら旦那の事だから夜通しででも調整終わらせようとして来ただろうしな。流石に軽いもんだったとは言え、ドンパチやった後に夜通しでチマチマと付き合うのはキツい。

 

『いやはや、話には聞いてたが本当に閣下に気に入られてんだねぇあんたら』

 

旦那との話を終えると輸送機のパイロットがそう話しかけて来た。

 

「向こうから来た依頼で一回死にかけたんだけど?アイザック・フローライトとその相棒相手に突っ込まされて」

 

『ロナルド・オーエンだな。件のアイザックと並んで黄金の双翼と讃えられているそうだ』

 

ロナルド・オーエン。あーそいや要塞の時にもロックオンして来たっけ。まあ少なくとも今は敵じゃないしどうでもいいか。そう思いながら基地が見えて来たから竜胆のスリープモードを解除して起こす。

 

いい加減、使い古しのソファーのベッドが恋しくなって来たが、いつになったらアブレヒトに帰れるのやら。




なんかまーた間が空いたなぁ………エタ判定されてもおかしく無いぞコレ

さて、くっそ久しぶりでドンパチらしいドンパチも無いと言うね。
プロット組めって?そもそもプロット組んで書けるなら思い付いたら書く今のスタイルになっていな(以下略

ちなみ今回生えて来た現地の英雄さんは現在まで出て来た中でも有数のバケモノパイロットとなります。敵になったら?今のカズキくんは何やっても死にます(確定事項)

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