なんかロボゲーの世界に転生したんですけど……… 作:⚫︎物干竿⚫︎
ハワイに無骨を送り届ける仕事を終えて、海賊を蹴散らしたりしながらのんびりとアブレヒトまで帰って来ました。
「そして、やっぱり俺に入って来る金は無い、と。まあ衣食住確約されてるし別に構わないんすけどね」
住居兼オフィス兼ドックを兼ねた倉庫内の居住スペースの掃除を終えてのんびりとしながら相変わらず素寒貧なふところに泣く。
ちなみに見て貰えば分かると思うが、俺は傭兵としちゃかなりの高待遇を受けている。衣食住の確約などなど普通の一般人と変わらない生活を約束されているからな。でも、アレ欲しいコレ欲しいって思ってしまうのは人のSAGAってなもんでして………有り体に言えば娯楽が欲しいです。でもそのためには自分の金が必要なのだ。
「当然だ。それでランスターの感触はどうだった」
「悪くはない。ただ、少しばかり火力が貧弱だと思うね。グレネードはそこそこだけどいかんせん弾数少ねえし。ライフルは正直な話豆鉄砲だろアレ。この前海で相手した賊連中は大した武装も揃えてないような木っ端だからどうとでもなったけど、バトルフレーム相手に戦うことを考えると威力不足も良いとこだわ」
「まあ、仕方のないことだな。ランスターは火力などよりも搭乗者を守ることに主眼が置かれた機体だ。火力は後付けの武装で補えと言うわけだ」
「でも、その後付けの武装買う余裕なんて無いだろ?」
「次のお前の働き次第だ」
「ん?仕事っすか」
「ああ。模擬戦闘の相手役、要するにかませ犬が今回の仕事だ。襲撃の依頼はその機体では無理だからな」
可能だったらぶっこまれてたんですねわかります。竜胆ならまだしもランスターで襲撃しろって機体の防御力が足りなさ過ぎるんですがそれは。
まあ、傭兵である俺にはどんな仕事だろうと拒否する権利は無いんだけどね!傭兵オーナーにこの仕事に行けって言われたら断れないのデス。ブラック?傭兵にはブラックもホワイトも無いんやで(にっこり
むしろこの旦那さんの下は真っ白ホワイトである。たしかに普通に考えてバカじゃねえの?って言われるようなダイナミック自殺も同然な仕事にも放り込まれるが、竜胆のように万全な機体に乗せてくれるしな。他所の良くあるスクラップを動かせるようにしただけの機体で逝って来いしてくる傭兵オーナーとは大違いである。
そんなこんなで輸送機に揺られてどんぶらこっこどんぶらこと目的地まで移動だ。
「そいや、目的地はどこなんだ?」
『日ノ元のイスルギ重工所有の技研って話だ。まあ、新興のバトルフレーム産業企業のひとつだ。肝いりの新型機の試験と言う話だが大したものは出てこないだろう。ほどほどにやりつつお前もソイツを馴らせ』
「うっす」
日ノ元皇国第二国際ターミナルで入国手続き(傭兵である俺は旦那の所有物なのでパスポートやらはない)を済ませ、そこで一旦休息を取ることになり、俺はこの異世界に来て初めて日本の大地を踏むことになった。
「あ〜足伸ばして湯に浸かれるってマジ贅沢〜」
泊まる事になったホテルの浴場でこの世界で初めての風呂を満喫してます。やっぱり日本人は風呂入らなきゃね。いや、アブレヒトにも風呂屋はあるんよ?一般人の憩いの場所でもあるけど、ほら俺は傭兵だからさ………
「いつまで風呂に入っているんだお前は」
「えーいいじゃないっすかー折角の風呂なんだからさー」
呆れた様にそう声をかけてくる旦那にそう答える。てか、やっぱ既に現役退いてバトルフレームには乗れない人とは思えない身体付きしてんなあこの人。俺も傭兵は身体が資本だって言われて鍛えて来たからそれなりに筋肉は付いてきたが、コレに比べたらヒョロもやしだ。
「日ノ元の連中はなぜ湯に全身を浸けるなんて言うことが好きなんだ。シャワーで十分だろう」
そんなことを言いながらもなんやかんやで湯に浸かる旦那。そのまま風呂の虜になればいいと思うの。
「旦那。風呂は風呂だからこそ良いんだよ」
「そうか」
目一杯風呂を満喫していつもの味気ない缶詰ではないちゃんとした飯も食って俺は元気抜群。つまり今の俺は無敵だ。
そんな感じにハイテンションで意気揚々とランスターに乗り込み機体を立ち上げる。
はてさて第五世代型バトルフレームとはどんな代物なのやら………
これまで開発されてきたバトルフレームは世代ごとにコンセプトがある。
第一世代型はバトルフレームとしての完成を目指したものだ。例えばこの前ハワイまで送り届けた無骨などは近接格闘型として開発された機体で、役割ごとにバリエーション機が存在する。逆にドーラスは遠中近の全距離に対応するマルチロール機として開発されている。
第二世代型のコンセプトは多様性と汎用性の向上だ。機体に共通ハードポイントを設けることにより、機体の兵装を換装する事による多機能化を図ったもので、結果としてバトルフレームは地上の機甲戦力の座を戦車から完全に奪い取ることに成功した。
第三世代型のコンセプトはバトルフレームと言う兵器の再構築と言うやつだろうか?メカマンあたりに語らせれば日が暮れるまで熱く語ってくれるだろうが、ただバトルフレームを動かして戦うだけの俺にはこれくらいしかわからない。だって、甲武とかガチガチの肉壁前衛機だし。一応、ハードポイントに砲とか付ければ砲台として使えるらしいが………強いて言うなら新技術の導入か。コルベットは堅牢でありながら軽量な新素材装甲が特色だし。
第四世代型のコンセプトは地上以外の領域でのバトルフレームの運用だ。同盟軍の持つライトニングファルコンは航空機にすら匹敵し得る航空戦能力を有していると言う話だし、日ノ元で開発配備が進んでいるって言う第四世代型機は水中戦に対応する機体まであるそうな。
ざっと挙げてみたが、ここらへんまで行くと変形とかビームとかレーザーの光学兵器の運用だろうか?ちなみに光学兵器自体はあります。主に艦船の艦砲とか要塞などの拠点の固定砲台に採用されてる。まあ仕方ないね必要な電力えげつないらしいからな。
「てかさ旦那」
『なんだ。機体に不調でもあったか?なるべく早く言えよ』
「いや、不調とかじゃなくてさ。前海の上で初乗りした時から思ってたんだけどこのランスターの機体管制システムドーラスのヤツじゃね?」
『マーケットの値引き品なんてそんなものだ。ちゃんと動いて戦えるだけマシだ』
「うーんこの」
やっぱりこの業界は世知辛い。そして純正品は高い。
ちなみにウチの竜胆くんはスクラップからのリペア機だけど一応純正品。え?首の下ほぼ別物だって?それは言わない約束だ。
そして、また輸送機でどんぶらこっこどんぶらこして目的地の研究所に到着しましたよ、と。
依頼主である研究所のお偉いさん方とのオハナシは旦那の仕事なので俺は一足先に研究所内の演習場にピットインだ。
演習場の中は円形で距離は直径で1キロほど。バトルフレームが暴れまわるにはやや手狭かな?と言った感じだ。しかもそこにポツポツと円柱とかが立ってたりするので余計狭く感じる。
「まあ、単騎なら問題ないか」
にしても、バトルフレームの試験を行う演習場の割には壁とか柱に弾痕の1つも無いのはなぜだ。
『聞こえてるか?』
「問題なく」
旦那からの呼びかけにスパっと考えるのをやめて答える。
『今回の模擬戦だが、こっちは模擬弾で向こうは通常通りだ』
「つまり傭兵相手の模擬戦の基本通りってわけか」
笑っちまうだろ?俺達傭兵は模擬弾で相手は躊躇いなく実弾ぶっ放してくるんだぜ?でも、傭兵を模擬戦の相手に使うと言うことはそう言うことなのである。安全に機体の戦闘能力を測るための致し方のない犠牲である。ショッギョムッジョ。
とかなんとかやってると演習場内にコンテナを引いてトレーラーがやって来た。コンテナの中には模擬弾を満載にした弾倉が入っていた。ご丁寧にランスターのライフル用の弾倉だ。オプションのグレネード用まであるよ。
そして、実弾から模擬弾への装填を行なっていると1機のバトルフレームが演習場内に入って来た。機体色は塗装が施されていないためか構造材の色むき出しで灰色に黒だとか白だとかが入り交じっていて、頭部カメラがライトブルーに輝いていた。
機体の印象としては脚部や腕部と言った機体各所に設けられた過剰なまでのブースターから第四世代型のように自律飛行が可能と見るべきだろうか、おあつらえ向きに前から見ても分かる翼がバックパックについてる上に、機体本体も空気抵抗を考慮したのか丸みを帯びていながらも尖っていると言うか鳥を思わせる形をしている。シュッと先細りのヘッドパーツはさながら鳥の頭部だろうか。
『今日は模擬戦の相手をよろしくお願いします。えっと………コックピットは外すよう気を付けますけど、なるべく避けてくださいね?』
機体の観察をしているとそんな声が届いた。あの新型機のテストパイロットらしいが………サブモニターに映った通信相手はどう見てもまだ20超えてないだろう女の子(黒髪ロング)でした。
研究所→新型機の開発→テストパイロットと言えばなテンプレ(
キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか
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最初
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節毎
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最後