なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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32話

戦車の砲撃やらロケットランチャーやらをどうにかこうにか回避しつつもある程度は装甲を信じて前進するがなかなか上手くいかない。まぁ、2機のバトルフレームだけでカチコミ掛けてるんだから当たり前ではあるんだが、

 

「鬱陶しい!」

 

愚痴りながら塹壕からひょっこり顔を出して来たロケットランチャーを持ったゲリラに重機関砲をぶち込む。塹壕内でロケットランチャーが爆発を起こして大きく土埃を上げるが、それに一息をつく間も無く上からライフルを持った敵のバトルフレームが落下の勢いのまま銃剣を叩き付けて来る。

 

流石にそろそろ真面目に装甲がヤバくなって来たが、むしろ下がる方が危ない。カーシャの方にもある程度分散してるからなんとかなってるって言うか砲火の殆どが飛び回るあっちに向いてるからどうにかなっている。全くこれじゃあどっちが囮役かわかったもんじゃない。

 

右のライフルの銃剣を叩き付けたまま左手のライフルをめった撃ちして来てコックピット内にアラート音が鳴り響き、『追加装甲貫徹』の警告がサブモニターに表示される。

 

「また旦那がキレるだろ!チクショウが!」

 

言いながら、追加装甲をパージする。指向性の爆薬によって弾き飛ばされた装甲の残骸が敵のバトルフレームを打ち付ける。たまったものじゃないとばかりに距離を取るバトルフレームに重機関砲を向けようとして横にランスターをずらすように移動させる。

 

『ほう、なかなかどうして良い勘をしているじゃないか』

 

心の中だけでお褒めいただきどうもと返して舌打ちをする。厄介な爺さんだ。ライフル持ちの2機と違って壁の上から動く様子は無いが、的確なタイミングで射撃をぶち込んで来るし、おまけとばかりに指示を出しているらしい戦車やらゲリラのロケットランチャーやらも飛んで来るせいで前にも思うように進めやしない。とは言え、このままだと装甲が保たずにきたない鉄くずの仲間入りだ。

 

より一層、撃たれるだろうが背に腹は変えられない。そうと決まれば腹を括ってランスターを前に進ませる。推進剤を使い切ろうが、とにかく近付ければ後は野となれ山となれ、だ。

 

目に見えて飛んで来る弾が増えるが、ブースターも吹かしつつ躱しながら前進する。そこにライフル持ちが突っ込んで来るが、脚を止める訳にはいかない。重機関砲を照準もそこそこにぶっ放しながら前進を続ける。

 

重機関砲をジャンプして躱したライフル持ちが両手のライフルを撃って来るが、戦車の砲撃やロケットランチャーを食らう方が痛い。何発か貰ったが、まだ問題無い。

 

 

『やれやれ、随分と思い切りの良い………いや、単に自分の命をどうとも思っていないだけか。憐れな事だ』

 

壁の上から爺さんがなんか言ってるが、欠片も思って無い事を言ってんじゃねえよ。

 

「カーシャ。あの爺さん黙らせられるか?」

 

『ろくに近付けないこの状況で無茶を言うんじゃない………今はアンタと遊んでる場合じゃないんだよ!』

 

見れば、ピッタリと張り付くようにライフル持ちの片割れがカーシャに絡んでいる。同じ逆関節同士だからって言うのもあるんだろうが、よくまぁどっちもぴょんぴょんとバッタか何かみたいに飛び回れるもんだ。

 

「けどまぁ、軽いんだよなぁ!」

 

また飛びかかるようにライフルの銃剣で攻撃をして来るライフル持ちを左腕で受け止めて、技術も減ったくれもないランスターのパワー任せに押し返し、盾にするように潜り込み左腕を引く。

 

すんでの所でライフル持ちが回避するが、構わない。仕留められたならそれはそれだが、あくまでも目的はあの爺さんだ。

 

壁の上に向けて擲弾砲をぶっ放す。流石に人間よりも小さい的は撃ち抜けんだろう。狙い通り、爺さんがバトルフレームをジャンプさせて回避したのを確認して、

 

「カーシャ。コレで多少は時間は出来ただろ?」

 

『ああ、上出来さね』

 

砲撃も続いてはいるが、カーシャなら問題無いはずだ。さて、俺は俺で目の前のコイツをどうにかしないとな。にしてもライフル持ってるくせにやたらと殴りかかって来るなこいつ。コレなら片手は鈍器で良いだろ。なんだ?ガンカタ信者かなんかか?まぁ、近付いて来てくれるって言うなら俺としては大歓迎だが。

 

ランスターを前進させてライフル持ちとの距離を詰める。流石に近接格闘レベルの距離で砲弾をぶち込みにくるバカは居ない。爺さんが戻って来るまでのほんの短い隙間だが、それでもあの狙撃が無いだけでやり易さは段違いだ。

 

「いちいちぴょんぴょんとバッタか!バトルフレームならバトルフレームらしく地面走れってんだよ!」

 

重機関砲をぶっ放しながらジャンプするライフル持ちの動きを牽制しつつブースターで一気に距離を詰めて左腕を引いて殴り付けるように突き出しながら着地して来たライフル持ちに炸裂杭を叩き込む。咄嗟に向こうも左腕を前に出して来て防御姿勢を取るが、炸裂杭に耐えられるような装甲を備えてる訳も無く、申し訳程度に翳した右手に持ったライフルごとその腕が砕ける。たまらず、後ろにライフル持ちが飛び退こうとするが、フットペダルを踏み付けてランスターを前に突っ込ませる。

 

その瞬間、ライフル持ちの残った右腕が砕け散り、そのままランスターの胴体に鉛弾が叩き込まれた。鳴り響くアラートと『機体表面装甲破損』『コックピットブロック露出』『深刻なダメージ』やらなんやらと警告表示がサブモニターに灯る。

 

『ふむ?今のでコックピットまで貫通しないとは大した装甲だ』

 

いつのまにやら気配も無く戻って来た爺さんが構えたスナイパーライフルを構えたまま悠々そんな事を言って来る。

 

『だが、次は無い』

 

そして、スナイパーライフルがまた火を吹いた。

 

走馬灯と言うアレだろうか。妙にゆっくりに見える。本来なら見切れない弾速の鉛弾が見えるとかありえんだろ。そして、そんな呑気な事を考えている頭は知った事じゃないとばかりに手と足が動いて、

 

『何?』

 

鉛弾が当たるには当たったらしいが、どうやら躱せたらしい。いや、そんな事はどうでもいい。目の前にアホ面晒して突っ立ってる馬鹿が居るなら俺がやる事は一つだ。

 

ランスターを前に踏み込ませて炸裂杭を叩き込む。一瞬反応が遅れて爺さんがバトルフレームをジャンプさせる。それに向けて重機関砲を投げ付けながら同時にバックパックの擲弾砲と重機関砲の弾のコンテナをパージする。それにやや遅れて投げ付けた重機関砲が砕け散り、残骸を撒き散らしながら飛んで来た鉛弾がバックパックを掠める。

 

そのままランスターをジャンプさせてブースターを使って空中の爺さんのバトルフレームに向けて突っ込む。

 

『老師っ!』

 

両腕を無くしたバトルフレームが間に割り込んで来た。これじゃああの爺さんをやれない。ランスターとそのバトルフレームがぶつかる。舌打ちしながらそいつに炸裂杭を叩き込みながら地面に着地するしかない。

 

止まりきれずに地面を滑りながら、炸裂杭を抜いてランスターを旋回させる。胴体に風穴の空いたバトルフレームが転がって行くがそんなもんより確実にぶっ殺すと言う殺意を向けて来る爺さんの方が問題だ。

 

ランスターが静止するのと同時くらいに飛んで来た鉛弾を左肩を下げるようにして回避しながら、横に移動させるがそこにも鉛弾が飛んで来る。なんとか左腕の装甲で防ぐが、『左腕部装甲に深刻なダメージ』と警告表示が増える。

 

『随分と楽しそうじゃないか!アタシも混ぜとくれよ!』

 

心底楽しそうにそう言いながら、多少の被弾はしているようだが両方のショットガンも健在なカーシャが爺さんに飛びかかって行く。少し離れたところには胴体どころか機体全身に穴を空けられたライフル持ちの残骸が転がってるのが見えた。

 

『おのれ貴様らァ!』

 

爺さん大分頭に来てるらしい。その割には射撃の精度は落ちなけりゃ、なんならスナイパーライフルのリロードのキレが凄まじい事になって来やがった。

 

そんなキレるほど大事な奴らだったならバトルフレームに乗せて出して来るなよ。まあ、ぶち転がした側が言えたセリフじゃないな。

 

「ん?なんか出て来たな」

 

一度は下がったはずの戦車が出て来た。鬱陶しい砲撃の元が自分達から出て来てくれるとかなんかのご褒美かなんかか?とにかく、ぴょんぴょんと飛び跳ね回る異次元の戦いをしている爺さんとカーシャから一旦目を離して戦車の方にランスターを向かわせる。

 

慌ててこっちに砲口を向けて来るが、爺さんの射撃に比べたらあくびが出るような弾速だ。被弾は避けられないが、砲弾に対して左腕の上を滑らせるようにしながら前進。

 

「大人しく引っ込んでりゃ良かったんだよ」

 

言いながら4輌居る中の先頭の車輌の横に回り込んで、砲塔の上から炸裂杭を打ち込んで黙らせて杭を引き抜きながら右腕でひっくり返して撃ち込まれた砲弾を防いで、すぐさま飛び込み2両にきっちり炸裂杭を打ち込んで行く。残った1輌が尻尾を巻くように下がるが逃げられると思ってんのか?すぐさま追い付き、前に突き出した砲身を右手で掴んで止めてそのまま脇に抱える。逃れようと全力でキャタピラを回しているようだが、素のランスターの腕のパワーならともかく甲武の腕の文字通り桁違いのパワーに敵う筈も無い。

 

すると、砲塔の上のハッチが開いて中から男が顔を覗かせた。ご丁寧に肩にはロケットランチャーを担いでいる。せめて抵抗のつもりか?確かに今のランスターは胸部左側の装甲が吹っ飛んでコックピットブロックがこんにちはしている状態だ。当たろうもんならきたない鉄くず入り間違い無しだが、

 

「撃たせると思ってんのか」

 

右腕で抱えたまま戦車を引き摺るように振り回す。大きく狙いがズレて明後日の方向へロケット弾が飛んで行くのを見送って、男に向けてランスターの左腕を振り下ろす。赤い物を撒き散らしながらそのまま炸裂杭を打ち込んで終了だ。

 

 

『ぬぅ⁈』

 

『久しぶりに楽しかったよジジィ!』

 

あっちも決着が付きそうな感じだ。カーシャがぶっ放したショットガンが爺さんのバトルフレームの右腕とスナイパーライフルを粉々に粉砕し、膝を着かせていた。

 

『なぜだ?何故それほどの力を持ちながら金などと言う薄汚い物の為にその力を振るうのだ貴様らは』

 

『アタシは別に金なんてどうでも良いのさ。単に楽しいからこうしてるだけさね。そっちの坊やは知らないけどね』

 

「生憎と行けって言われたら行くしかない身の上なんでね。嫌も好きも無いんだわ」

 

『無念なり………』

 

カーシャがトドメのショットガンをぶち込もうとしたところで横槍の射撃が飛んで来る。見ればワラワラとゲートを開けた先からドーラスが飛び出して来てライフルを乱射している。

 

『お逃げください老師!』

 

『そうです!こんな奴らにあなたの命をくれてやる必要は無い!』

 

口々に俺達を罵りながら突っ込んで来るが、その動きは爺さんはもちろん一緒に居たあのライフル持ち達とは比べ物にならないくらい下手だ。明らかに最低限動かせる程度と言った感じだが、いかんせん数が多い。砲撃型が2機に通常型が6機。流石にコレだけ居れば結構な弾幕と言うか下手な鉄砲なんとやらだ。

 

『やめろ!私のような老いぼれのために命を散らすでない!』

 

『我らの同志にはまだまだあなたが必要なのです。例え、ここで我々は死んだとしてもあなたが生きていれば後に続く者達が成し遂げてくれる。さぁ、お早く!』

 

『皆、済まぬ!』

 

爺さんのバトルフレームがジャンプして離脱を始めた瞬間、更にドーラス達からの射撃の苛烈さが増し、完全にこっちの動きを止めて来る。

 

『ふざけんじゃないよ!この雑魚共がァ!』

 

キレたカーシャが飛び掛かる。右と左のショットガンそれぞれで1機ずつを仕留め、その勢いのまま更に1機のドーラスに右足のクローを突き立てて黙らせると、左脚で蹴り飛ばしてクローを引き抜きながら残骸をぶつけた相手ごとショットガンで蜂の巣に変える。それでも怒りが収まらないと言わんばかりに碌な抵抗も許さずに文字通りドーラス達を秒殺にした。

 

そして、そのままゲートが開け放たれたままの暁の剣の拠点に飛び込んで行った。それを追いかけて中に入ると、弾薬やらの物資類はそのままだが人っ子1人も残って居なかった。

 

その状況により一層キレたカーシャがやたらめったらにショットガンを撃ちまくっているのを見ながら、

 

「あー、もしもし旦那?」

 

離れた場所に待機している旦那に向けて通信を送る。うおい⁈跳弾が掠めやがった⁈マジで勘弁しろよ⁈

 

『終わったか?』

 

「一応は。音聞けば分かると思うけど、極上の獲物仕留め損なって戦闘狂が発狂してる」

 

『その様子だと幹部級でも居たか?』

 

「多分。とりあえず今回もまたランスター派手にぶっ壊れましたわ」

 

『………修理の手配はしておく。お前はそれ以上、そいつを壊すな?わかったな?』

 

おーおー案の定キレてるキレてる。一方的に旦那から通信が切られ、軽くため息を吐いて、煌々とサブモニターに並ぶ機体状況を見て行く。

 

「またミリアにこき使われるなコレ………」

 

今日、この後俺は寝れるんだろうか?




な、なんとか年内に書けたでぇ………!
またランスターボロボロだよ!直したばっかなのにコレだよ!そりゃ旦那もキレるわよ!

まあ、マジレスすると色々とメチャクチャな機体で無理無茶をすんなよと言う。やらせた側が言うなって?せやな。

一応、カズキくんの機体の最終形は出来てるからつなぎとしてコレからもランスターにはまだまだ頑張って貰います。

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