なんかロボゲーの世界に転生したんですけど………   作:⚫︎物干竿⚫︎

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39話

いよいよスクラップ行きになったランスターの代わりに旦那が見繕ったドーラスはこの辺じゃそれ以上は無いだろうってくらいに質が良い。最近のボコスカ具合にキレた旦那が現地ブローカーに半分脅しをかけて限りなく本家のドーラスに近い物を用意させたからだ。

 

ちなみにドーラスはドーラスでも砲撃型だ。武装はシンプルに本体固定のキャノン砲に3点バーストに妥協する事で精度を確保したライフルにシールド。あとはいつもの炸裂杭のセットだ。

 

この間の仕事もそうだが、単機とか二機だけとかの極少数での襲撃とかやってるせいでボコスカされてるのに一方的にキレられるブローカーはちょっと可哀想だと思った。そして、割と重要な事だが、このドーラス旦那が自腹を切ってはいるけど、俺への加算は無しだった。やったぜ。

 

そんで買って即日旦那の指示で改造される事になった。まず、コックピットブロックはランスターから引き継ぎで竜胆のをぶっ込んで、お決まりのように装甲追加して防御力を上げて、鈍重になったのを補うために足裏にホバーが追加された。

 

ミリアが言うには機体を飛び上がらせるほどの高出力なジャンプブースターは無理でもホバーで浮かせるくらいならドーラスでも仕込めるんだそうな。やってるのが全然居ない理由?わざわざドーラスにそんなもん仕込むならブースター付いてる第二世代型のバトルフレームを買うからだよ。

 

にも関わらず、ホバー仕込むように言ったのは今更ブースターの無い機体に俺を乗せても傭兵としての価値が下がるだけだからだそうだ。使い捨てるには惜しいと思うくらいには俺が大事らしい。そう思うならもうちょい簡単な仕事くれないですかね?まあ、その仕事を振って来る自由資本同盟とか皇華帝国が無茶振りばっかと言えばそうなんだが。

 

で、今はそのいじりたてホヤホヤのドーラスに乗ってます。コックピットブロック引き継いでるから乗り心地ははっきり言って変わらない。ただまぁ、ミリアからは横移動はホバーのおかげでそれなりだがジャンプとかが出来ないのをしつこいくらいに念押しされた。

 

 

『そろそろ目標地点だ。機体は問題無いな?』

 

「今のところは特にはなんも」

 

『そうか。全く、いちいち地上付近まで降りなくてはならないのが面倒だな』

 

文句を言いながらもしっかりと着地に問題無い高さにまで旦那が輸送機を降下させて行く。5メートル程の高さまで降りたところで懸架ハンガーのロックが解除されてドーラスが放り出される。膝を曲げてそこをクッションにしつつ機体全身で衝撃を吸収するように着地するが正しくズシン!って感じだ。

 

『どうだ?』

 

「問題無し。脚部のダメージも基準値内に収まってる」

 

『そうか』

 

「ただ、ドンパチしてからもう一回やれって言われたら無理だと思う」

 

『わかった。ひとまずこの仕事を終わらせたらミリアに見させる。次は今回の仕事内容の再確認だが、この先の採掘施設を護衛に雇われていた傭兵達が作業員達を人質に占拠。施設の権利を寄越せと言っているのを排除しろとの事だ。なるべく人質も生きたまま取り返して欲しいとの事だが、こちらは最悪死んでも構わないとの事だ』

 

「俺のご同類か?可哀想に」

 

『そう思うなら迅速に始末を付けてお前が助けてやれば良い』

 

「俺も自分の身が可愛いんで出来たらかな」

 

『よし、確認はこんなところだろう。行って来い』

 

「了解」

 

 

今回の目的地の採掘施設は大昔に火山が吹っ飛んで出来たカルデラ地形の上に橋を架けてそこからエレベーターで下に降りて掘る露天直下掘りとか言うなかなかにリスキーと言うか、万が一にも下にまだマグマだまりがあってそれが吹っ飛びでもしたら作業員達は文字通り大地に還る事になるだろう危険な地形だ。しかも結構良質な鉱物類も採れるとか言う話だからかなりヤバい。まぁ、そう言う明らか金を生み出すもんだから欲に目が眩んだ傭兵達に今奪われそうになってる訳だが。

 

採掘施設に続くしっかりと舗装された道から外れて、盛り上がっているカルデラの稜線を目指してドーラスを四つん這いの姿勢で登山家よろしく手脚をしっかりと使って登って行く。比較的地形の頑丈な場所を選んで通したらしい道と違ってかなり岩壁が脆い。ちょっと選択間違えたなコレ。

 

慎重にドーラスが滑り落ちないように掴まる場所を選んでようやく稜線についた。登り始めてから一時間はかかったぞオイ。とりあえず、稜線からひょっこりと頭だけを出してカメラの倍率を拡大する。

 

「施設前の出入り口のゲートにドーラスが二機。奥の方の橋脇にある建物に三機、ね」

 

見た感じ起動しているのはゲートで警戒に当たっている二機だけで奥の三機は人が乗ってすら居ないだろう。そして、橋の上でガチャガチャと何かをやっている人影がある多分あの下に人質達が閉じ込められてるエレベーターのカーゴがあるんだろう。大方爆弾の調子の確認ってとこか。てか、人手が足りないんだろうが、ゲートしか警戒してないって雑過ぎんだろ。それでよくここ守る仕事やってたなこいつら。

 

ちょっとリスキーだが、無線の回線を開いて旦那に繋ぐ。

 

『どうした?』

 

「橋の脇にある建物に木偶の坊が三つばかしあって、多分建物ごと吹っ飛ばせば人質助けつつまとめて吹っ飛ばせそうなんだけど吹っ飛ばしても大丈夫か確認取れる?」

 

『少し待て………確認が取れた。橋と作業員が無事なら吹っ飛ばして構わんそうだ』

 

「了解」

 

お許しも出た事だし景気良くやりますか。まず左腕の炸裂杭を機体の滑落しないための正しい杭の使い方として打ち込んでライフルを一旦脇に置いて右腕で左腕をがっちりと押さえてキャノン砲を撃つ。

 

限りなく本家に近いとは言っても、やはりコピー品。多少ズレて二発の砲弾が落ちるが今回の場合は都合が良い。俺のドーラスに積まれているキャノン砲の弾は成形炸薬弾だから散らばってくれた方が攻撃出来る範囲が広くなる。そして、軍用施設でもなんでも無い普通の鉄筋コンクリートの建物が耐えられるはずも無く、着弾時の爆発で大部分が吹っ飛んだ。あとついでに駐機してあった三機のドーラスのうち二機もおまけで木っ端微塵になった。

 

「ザル過ぎて笑えて来るな」

 

言いながら炸裂杭を引き抜いてライフルを引っ掴んでドーラスを立ち上がらせて稜線から飛び出してホバーで一気に駆け降りつつ、慌てて動き始めたゲートを警戒していた二機のドーラスに向けて突っ込む。

 

俺に気付いたドーラスがライフルを向けて撃って来るのを左腕のシールドで防ぎつつキャノン砲を撃ち込む。派手に爆発こそ起きるが、ちゃんとしたシールドだったようで構えていたシールドを粉砕するのに留まる。

 

シールドが粉砕された事で見るからにビビり始めたのがわかるが、少なくとも向こうが撃つのをやめないなら俺からやめてやる理由も無い。

 

そのままライフルを撃ちながら距離を詰めてシールドを構えた左腕を下ろして炸裂杭を打ち込む。胴体の半ばから粉砕して泣き分かれになるのを見ながら杭を戻して、いよいよ逃げ出した片割れにホバーで追い付きその無防備な背中に炸裂杭を打ち込んで相方と同じにする。

 

それから最初に吹っ飛ばした建物の残骸の方に向かうと、なんとまぁ生きてるのが居た。まぁ、脚折れてるみたいだし頭から血も流しててたまたま運良く死ななかっただけっぽいが。

 

「旦那終わった」

 

『やっとか』

 

「ちょっとばかし崖登りをしてたもんで」

 

『まぁ、仕事が終わったなら構わん』

 

「ああそうだ。一人ばかし生き残り居るんだけど」

 

『放っておけ。依頼主には連絡してある。後はあっちで始末をつけるだろうし俺達の知った事ではない』

 

そのまま怪我だらけだろうに元気良くギャーギャー喚いてるバカを見ながら待っていると、自由資本同盟軍の部隊を引き連れたバンがやって来た。どうやら依頼主が爆弾の解除と人質の解放のために連れて来たらしい。それと同時くらいに旦那の輸送機も飛んで来てにわかに騒々しくなる。それを見ながら旦那に回収された俺はどんぶらこと街に帰った。

 

「ホバーっていいな旦那」

 

『どうした急に?』

 

「いや、確かに縦移動とか出来ないけどかなり快適に動けたからさ」

 

『そうか。それで一仕事終えたがドーラスの具合はどうだ?』

 

「警戒やらザルでドンパチしなかったって言うのはあるけど、思ったほどは消耗してない。ただ、シールドは結構消耗したかな」

 

『やはりホバーでは回避にも限度があるか』

 

「そこばっかりは仕方ない。快適っても横だけじゃ全部回避とかは土台無理なんだし」

 

それでもえっほえっほと自力で走るよりは遥かに速い。素のドーラスの足なんて全速力で走っても時速100キロくらいでホバーは300キロくらいは出てるから単純に3倍は違う。てか、純粋な横移動だけならブースター吹かしたランスターよりも速いし。

 

とにかく、それなりの付き合いになるだろうがなかなか悪くない相棒だ。

 

 

「膝バラして整備しないとダメですね。後左肘もですか、今日は寝かせませんよカズキ」

 

「アッハイ」

 

「なんで俺もなんだよ⁉︎まだ病み上がりだってーの!」

 

「頑張れ旦那の下僕二号。大丈夫だってすぐ慣れる」

 

「全然大丈夫じゃねえ⁉︎くそっ!やっぱりブラックかよ!」

 

みんなも自分の使う道具は大事に使おうな。ちなみに旦那はカークスのおっさんからなんか連絡が来てずっといつもの仏頂面を更にしかめながらパソコンと睨めっこをしてる。なんか無茶振りでも来たんだろうか。あ、話終わったらしい。

 

「ミリア。少しカズキを借りるぞ」

 

「なるべく早めに済ませてください。そこの半病人だけじゃ作業捗りませんから」

 

「わかっている。すぐに戻す」

 

そして、旦那に連れられて休憩スペースのベンチのとこまで連れて来られて旦那がどかりとベンチに座って、ため息を吐く。

 

「なんかあったんです?」

 

「ああ。暁の剣の本拠地への攻撃を自由資本同盟、皇華帝国が共に決めたらしい」

 

「あーつまり?」

 

「竜胆は間に合わん。あのドーラスでどうにかしろ。足りない火力はあの小僧なり小娘なりと後はカークスを上手く使え」

 

これは真面目に生きて帰って来れないかもしれない。乗り心地とかは悪く無いってもドーラスで決戦的な戦いに行けと?でも、ノーとは言えないんだよなぁ。だって俺にこの話が来たって事は旦那がOKだしたって事なんだから。




と言う訳でドーラスの初陣はこんな感じになりました。まぁ、顔見せのジャブだし簡単に行こうね。なお、次の本番の難易度。さてどうなるんだろうね?明日以降のわいがどうにかしてくれるでしょう(待て)

んでまぁ、横軸移動だけでもホバーあると同じ機体同士でも流石にこうなるよねって言う。やっぱりガンダムの地上戦用にドムが出て来たのって大正義なんやなって。

ちなみに事前に誰かしらレーダー観測員なり送り込めてたらわざわざ現地まで行かなくても砲撃してるだけで今回の話は終わる()

キャラ紹介他はどのあたりに入れた方がいいか

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